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五百万ドルの迷宮



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五百万ドルの迷宮の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

騙しのプロ5人が入り乱れる、究極のコンゲーム

クライムノベルの巨匠・ロス・トーマスの1987年の作品。フィリピンの反政府組織指導者を500万ドルで亡命させる仕事を請け負ったテロ専門家が海千山千の曲者たちを集め、虚々実々の駆け引きを繰り返す、複雑で精緻なコンゲーム・サスペンスである。
テロ専門家・ブースは仕事先をクビになったのだが、それを待っていたかのように「フィリピンの反政府組織NPAの指導者・エスピリトに500万ドルを渡して香港に亡命させる」という仕事が飛び込んできた。ブースの報酬は50万ドルだという。ブースとエスピリトには第二次大戦時、一緒に日本軍と戦った経緯があり、エスピリトが取引き相手としてブースを指名したのだという。訳ありの胡散臭い仕事だったが、高額の報酬に釣られてブースは引き受け、フィリピン事情に通じた4人のプロをマニラに集め作戦を開始する。ところが、一癖も二癖もある曲者揃いのメンバーは「50万ドルの報酬の山分けではなく、500万ドルを全部もらってしまえ」という結論に達した…。
500万ドルを出す黒幕はもちろん、仲介者、反政府組織を騙すのは当然として、さらにメンバー内でも様々な思惑が絡み合い、誰もが誰も信用できないカオスなコンゲームが繰り広げられるのが痛快。ストーリーは複雑怪奇だが、5人のメンバーの個性がクリアに描かれているので物語を理解するのは難しくない。メンバーがそれぞれの得意技で仕掛ける騙しが全て「最後は金」という一点で集約されており、これぞ究極のコンゲームである。
コンゲーム、ノワール・サスペンスのファンには絶対のオススメだ。

iisan
927253Y1

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