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フレンチ警視最初の事件



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フレンチ警視最初の事件の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

最後まで惹きつけられる、倒叙型ミステリーの傑作!

1949年に発表されたフレンチ警部シリーズの一作で、2011年の創元推理文庫新訳版。殺人事件の容疑者、犯行様態、動機などがすべて明らかにされているのに、最後まで緊迫した推理が楽しめる倒叙型ミステリーの傑作である。
恋人と定めたフランクに体良く操られ、勤務する外科医から金銭を搾取する犯罪に手を染めてきたダルシーは、フランクが転職して行った先の引退貴族が死亡したことを知った。亡くなった貴族の一人娘は莫大な遺産を相続することになり、フランクはその娘との結婚を目論んでいるようだった。あまりにもフランクに好都合な展開を疑問に思ったダルシーは、事態の真相を探ろうとして著名な弁護士に相談したのだが、依頼の奇妙さを訝った弁護士はフレンチ警視に自分の疑問をぶつけた。検視審問では自殺とされ、一件落着のしていたのだが、一連の流れに違和感を抱いたフレンチ警視は再捜査に乗り出すことになった…。
前半の三分の二まではフランクとダルシーの置かれた状況、犯行への流れ、殺人の現場の様相がすべて読者の前に開示され、ただ一つ犯行の物証だけが見つからないという、倒叙型ミステリーの王道の展開で、フレンチ警視が登場してからは一気に波乱に満ちた謎解きミステリーとなる。そして最後、う〜んと唸るクライマックスが待っている。どんでん返しの妙と人間ドラマの濃密さのバランスがよく、読み応えがあるエンタメ作品である。
75年も前の作品とは思えない、少しも古びていない倒叙ミステリーの傑作として、多くの方にオススメしたい。

iisan
927253Y1

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