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獣たちの庭園
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【この小説が収録されている参考書籍】
獣たちの庭園 (文春文庫)

獣たちの庭園の評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt
Created with Highcharts 5.0.100件0.00%0件0.00%0件0.00%0件0.00%0件0.00%0件0.00%1件50.00%1件50.00%0件0.00%0件0.00%0件0.00%0件0.00%0件0.00%0件0.00%0件0.00%3件42.86%2件28.57%2件28.57%0件0.00%0件0.00%点数潜在点点数潜在点☆1☆2☆3☆4☆5☆6☆7☆8☆9☆10

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

これもまたディーヴァ―

ディーヴァーによる初の歴史小説。舞台は第二次世界大戦前のドイツ。台頭してきたヒトラーの頭脳とも云えるラインハルト・エルンスト暗殺を命じられる殺し屋の物語だ。

リンカーン・ライムシリーズとは違い、最初から目くるめくサスペンスの応酬といった物語運びではなく、主人公ポール・シューマンがひょんなことから任務に就くことを余儀なくされ、ドイツに潜入して現地工作員と落ち合い、標的の暗殺計画を練り、実行に至るまでのプロセスがじっくりと描かれていく。
もちろん稀代のストーリー・メーカーのディーヴァーのこと、ただ単純に経過を辿るのではなく、いきなりナチスの突撃隊員殺害というアクシデントが盛り込まれ、なかなか容易に物事が運ばないようになっている。

それはポールという謎めいた男を追うクルポ(ドイツ刑事警察)の凄腕刑事ヴィリ・コールが徐々に追い詰め、いつもあと一歩というところですり抜けるスリルを生み出している。
この物語運びから私は読んでいる途中、しばしば想起されたのはバー=ゾウハーの作品だ。ギリギリのところで捕まらない、他国へ潜入した者の緊張感は彼の作品に通ずるものを感じた。

しかしこのナチス統治下のドイツの緊張感とはなんと恐ろしいものか。学生たちはヒトラーの信奉者集団であるヒトラー・ユーゲントに入ることを強いられる。それは名目上は自由参加なのだが、非加入者は加入者からユダヤ人呼ばわりされ、蔑まされるのだ。そんな上下関係を打破する為に子供達が誰かを告発しようと考える異常な状況。
ゲシュタポやSDが平気で盗聴器を各家庭に仕掛け、不穏な会話をすればすぐさま逮捕され収容所に連れて行かれる。そのため市民は夜中にノックされればゲシュタポやSDではないかと恐怖に慄くのだ。
さらに近所の気のいいおばさんが実は反政府分子ではないかと疑いをかけ、笑顔で挨拶をしながらもその実いつも監視をしており、確信に至るやSDに通報して逮捕させたり、仕事の同僚や部下だと思っていたら実はゲシュタポのスパイだったり、そして最後の明かされる「ヴァルタム研究」の悪魔のような内容―偽りの理由でアーリア人以外のドイツ在住民や反政府分子を集め、それを虐殺する様を見せる兵士の心理状況を観察して軍事情報とする研究―と、まさに題名どおりナチス統治下のドイツは「獣たちの庭園」なのだ。

しかし本当の題名の意味は舞台となるドイツにある「ティーアガルテン」から採られている。これはそのまま原題の"Garden Of Beasts"の意であり、帝政ドイツ時代の王族が狩りをした場所という由来があるのだが、勿論この言葉には別の意味もあり、ポールが潜伏している下宿屋の女将ケーテ・リヒターの恋人がかつて突撃隊に殺された場所でもある。つまり動物を表す「ティーア」には暴漢、罪人という意味もあるのだ。

しかしそれ以上にやはり私はこの題名には上に書いた作品の舞台となっている戦時下のドイツそのものを指しているように思う。

いつもはジェットコースターサスペンスの如く、ページを捲る手が止まらない物語運びをみせるディーヴァーだが、本書では実にじっくりと語り、ポール・シューマンが標的ラインハルト・エルンストを暗殺するまでのプロセスを描いていく。
派手さに欠けるものの、ディーヴァーならではのどんでん返しもあり、最後のポールの決断ともう一人の主役ヴィリの決断はなかなか渋さを感じる。ディーヴァーはこんなものも書けるのだなぁと思った次第。

ジェフリー・ディーヴァーという作者名からいつもの作風を期待すると肩透かしを食らうかもしれないがこれもまたディーヴァーなのだ。
暗殺者と標的、そしてそれを追う者の攻防に焦点を当てず、敢えてナチス統治下のドイツを克明に描くことを選択したディーヴァーの意図を是非とも汲み取ってもらいたい作品だ。

Tetchy
WHOKS60S
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ディーヴァーにしては大人しい展開(笑)

「どんでん返し職人ディーヴァーが初めて挑んだ歴史サスペンス」という裏表紙の解説にある通り、1936年のベルリンを舞台にした、ナチス幹部の暗殺を巡るサスペンス。2004年度の英国推理作家協会のスパイ・冒険小説部門賞を受賞したという、本格派の作品である。
マフィアの仕事を受けていた殺し屋ポールは、米海軍情報部の罠にかかって捉えられ、刑務所送りかドイツに渡ってナチス要人を暗殺するかの二者択一を提示された。ベルリン・オリンピックに参加する米国選手団と一緒にベルリンに着いたポールは、現地工作員と接触する際に誤って殺人事件をひき起こし、現地警察に追われることになる。凄腕の殺し屋とは言え、逃亡しながらでは思うように行動できず、暗殺計画を実行するのは不可能かと思われたのだが・・・。
物語自体はもちろんフィクションなのだが、時代背景、登場人物などは史実に基づいており、660ページという大作だが、緩むこと無く読者を引っ張って行くところはさすが。ただ、ライム・シリーズほどのどんでん返しの連続ではない。それでも、ベルリンに潜入してから脱出するまで、わずか4日間の緊迫したストーリー展開がサスペンスを高めて、最後までスリリングである。
第二次世界大戦時のスパイもの、逢坂剛氏のイベリア・シリーズなどのファンをはじめ、ラドラム・ファンなどにオススメしたい。

iisan
927253Y1

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