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長い家の殺人



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長い家の殺人の評価: 4.45/10点 レビュー 11件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.45pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(2pt)

長い家の殺人の感想

歌野のデビュー作を読んでみた。
70年代のロックが出てきた事以外に
何の面白味もなかった。
古い作品だが20年前に読んでもつまらない作品だろう。
葉桜や密室殺人など5作品ぐらい読んだが
すべて読後感が最悪で気持ち悪くなる。
この作者の本はもう読まない。


jethro tull
1MWR4UH4
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(3pt)

長い家の殺人の感想

トリックに主眼が置かれすぎて、物語そのものが
ちょっと物足りない

▼以下、ネタバレ感想

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mick
M6JVTZ3L
No.1:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(2pt)
【ネタバレかも!?】 (2件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

まさかまさかのトリック

新本格1期デビュー組のうち、この歌野氏は他の三人とはいささかデビューの趣が違う。綾辻氏、法月氏、我孫子氏ら三人が同じ京都大学のミス研出身であり、素人時代からなんらかの形で島田氏と交流を持っていたのに対し、歌野氏は単なる一読者の立場から創作し、島田氏に直接持ち込んだというちょっと変わった経緯がある。この辺については後に述べる。

本作はタイトルどおり、長い家で起こる密室殺人事件を取り扱っている。で、もちろんメインはこの長い家の特性を活かしたトリックにあるのだが、これがもしかしてこれじゃないよなぁと思ったトリックその物だった。誰かは思いつくけど、せいぜい推理クイズぐらいのネタにしかならないと思っていたアイデアで長編を書いたという陳腐な作品だ。一応第2の殺人も起きるが、トリックは同じというのが痛い。連続殺人事件にしてはバリエーションに乏しいが、一度上手く行った手は二度も通じると思うのが犯罪者の心理と捉えると、ある意味リアルなのかもしれない。せめてもの救いはプロローグのミスディレクションがちょっと良かったことか(しかし今こんな隠語を使うのだろうか?)。
物語の裏に隠された内容、犯人の動機だが、最近ニュースで取りざたされている社会問題を扱っているのが興味深い。発表された88年から同じ事件は起きていたのだろうが、それでも単発的な物だっただろうし、現在のように社会人、芸能人、学生を巻き込んでの騒動までにはなっていなかったように思う。だからもし今初めて手に取った読者ならば案外このプロローグのミスディレクションも予想がつくのではないだろうか。ただこの一点を以って、この作品が先駆的であったとか今日性が高いなどというつもりは毛頭なく、これは単なる偶然の産物だったといっても差し支えないだろう。
また他の3人が擁するシリーズ探偵に比べると、本書で探偵役を務める信濃譲二のキャラクターは魅力に欠ける。奇抜な服装を特徴にし、大麻を好むというエキセントリックさを売り物にしているが、どうにも貌の見えないキャラクターだ。大麻を好むのはかの有名なホームズを思い出させるだけだし、なんとなく島田氏の想像した御手洗の影がちらついている。極端に云えば、物語に終止符を付ける安心感というのが感じられないのだ。後の作品でこのキャラクターについて触れることになると思うので、この辺で止めておこう。

さて巷では文庫版の末尾に御大島田荘司による推薦の文章が付せられているのが話題となっているようだ。この文章、本来は解説のための原稿のはずなのだが、作品云々に関してはほとんど(全く?)触れられておらず、歌野氏が島田氏の推薦を受けるまでに至った経緯が細かく記されており、それ自体が1つの物語として面白い物になっているのが特徴的だ。この文章からも冒頭で少し触れた他の作家と歌野氏が一線を画した存在であることがわかる。
なんとなくハンデを背負ってデビューした感のあるこの作家の作品をなぜか私はその頃から中断することなく買い続けて今に至る。2003年に『葉桜の季節に君を想うということ』でいきなり各種ランキング本で1位を獲得した時の感慨はひとしおだった。その辺のことはまた後で触れることにして、このくらいで本書の感想については筆を措くことにしよう。

Tetchy
WHOKS60S

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