親子、恋人、友人―。誰もが目に見える絆や繋がりばかりを欲している現代で人はより生きづらくなっていく。

1935年、千代延子爵家の次男・義正は、左翼運動に挫折し、父の宗平とともにパリへ渡った。

1966年8月15日、根津謙治は目黒区碑文谷二丁目にトラックを止めた。現金11億を奪うためだ。

仕立屋の淳蔵は、かつての親友高瀬に招かれ、追われるように去った信州の故郷を35年ぶりに訪れる。

妻子ある勤務医が殺害された。第一発見者は、不倫相手だった娘。

バブルで巨額の負債を負った自動車修理工氏家豊は、六七年型マスタングで流す夜、何者かに拉致された旧友五十嵐の娘香織を救う。

三年半ぶりに本土の地を踏んだ 復員兵の貝塚透馬は、 軽井沢に疎開していた両親が 強盗に射殺されたことを知る。

3基の原発が立地し、原発マネーに依存する北海道・道南市。

誰もが大空に憧れ、飛行機ブームに湧いた昭和九年。

道東釧路で図書館長を務める林原を頼りに、25歳の妹純香が移住してきた。生活能力に欠ける彼女は、書道の天才だった。

救われるのは、信じる者か、信じぬ者か。霊山・御嶽の麓の町で、悲惨極まりない人生を送ってきた少年、潤。

夏の深夜、探偵・竹花は男に襲われていた少女・夏子を助けるが、ボディ・ピアスをした彼女は翌朝消えていた。

屈折した愛のカタチ―― 闇を持つ者たちが交錯する 心理サスペンスの極北! 奨学金を利用し、六本木のクラブで働く大学4年生、圭子。

時は七世紀末。先の大王から疎まれ、不遇の時を過ごした藤原不比等。

雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。

30年前に小樽で発生した母娘惨殺事件。死刑 がすでに執行済みにもかかわらず、被告の娘 が再審を請求した。

「女は穴だ」なんて俺は本当に馬鹿だった。魂の兄弟、そして夢の女と健気なガキ。

橋岡恒彦は「名簿屋」の高城に雇われていた。名簿屋とは電話詐欺の標的リストを作る裏稼業だ。

独り暮らしの初老男性が絞殺死体で発見された。捜査線上に浮上したのは家事代行業の地味な女性。

やんちゃが少し過ぎた俺は、祖父の差し金でマンションの管理人見習いに。だがそこは、「なんでもアリ」の殺し屋専用住居だった。

日本新報記者・南康祐は、社内で要注意人物とみなされ、編集局から社長室へと異動。

美貌の女探偵・唐渡美知子は原宿の自宅マンションで消音器付きの拳銃に狙われた。

警視庁捜査一課刑事宇田川の同期、特殊犯捜査係女刑事大石が「しばらく会えなくなる」と言い、消息を絶った。

辞令がなければ、函館に戻るつもりなどなかった。刑事田原稔は、正式な函館西署着任の前日、殺人事件発生の報を受ける。

家事と育児に追われる高村文絵はある日、中学時代の同級生、加奈子に再会。

「あの事件の日」から、すべては始まった―。

警視庁三課の刑事・神崎は大量の古美術品が市場に出回ったことから、捜査をはじめた。

株式公開を目指せ、その後で株を売れ。かつての地上げと同じ方程式がそこにある―。

1972年東京。

白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。

家庭裁判所調査官の仕事は、少年事件や離婚問題の背景を調査し、解決に導くこと。

人の感情が色でわかる「共感覚」を持つという不思議な青年―藤木司を担当することになった、臨床心理士の佐久間美帆。

1971年。スペインとフランスの国境地帯バスク。

1974年東京。探偵・浜崎順一郎は事務所近くで身なりのよい少年を保護した。

悪意に隠された真実。この男しか、突き止められない。

大阪あいりん地区のロッカー屋から届いた宅配便。古ぼけた鞄に入っていた手紙にある山本という名に、竹花は覚えがなかった。

旅行代理店を経営する男が、ある晩仕事帰りに待ち伏せされ、二人組の男に暴行を受けた。物盗りの犯行ではない。

十五年前、目の前で幼なじみの少女亜美は北の工作員に拉致された。

警視庁の一之宮祐妃警視正が率いるマネー・ロンダリング対策室は、暴力団の資金源を断つことを目的として創設された機関。