電機会社の資材課に勤める寿子にとって、女手ひとつで育ててくれた母親は、優しくて誰よりも仲良しの友だちだった。

仁木雄太郎・悦子の素人探偵兄妹が巻きこまれた奇妙な連続殺人事件。

1957年、第3回江戸川乱歩賞を受賞した『猫は知っていた』がベストセラーに。

ミステリマニアの仁木雄太郎、悦子兄妹の下宿に、ひとりの紳士が相談に訪れた。

バイクの修理代ほしさに高校生たちがネコを誘拐すべく奮闘する「誘拐者たち」、少女の一途な感情が思いがけない展開を呼ぶ「うす紫の午後」など、“仁木兄妹もの”と並んで人気の高い著者の“子どももの”から、書籍初収録作「やさしい少女たち」「影は死んでいた」を含む七編

初登場時には女学生だった仁木悦子も、結婚して浅田悦子と名前が変わり、今では二児の母親となっている。

湖から屍蝋が上がった―。小さなバーのママと常連客は、そのニュースに激しく動揺する(「水底の祭り」)。

女子高生の純粋な同性愛を阻む悪意、そして殺人事件。

「日本のクリスティ」と称された人気作家・仁木悦子はまた、優れたハードボイルドの書き手でもあった。

本書には初期の事件簿8篇を収める。さらに単行本未収録の犯人当て「横丁の名探偵」を巻末に特別収録。

先生、ごめんなさい…。痛みと後悔に苦しむ少女が知らぬ“真実”(「痛み」)。

これは悪夢か現実か。独自の美意識に貫かれた淫靡かつ幻想的な世界を築いた異色の作家。

尾行中の老女梅子が怪我をさせたミツエの持ち家のアパートに住むことになった晶。

成城署の真名部警部は、偶然知り合った脳性マヒの少年の並外れた知性に瞠目するようになる。

映画スター・北岡早馬と再婚し幸せの絶頂の伊都子だが、家族は未だ死んだ先妻にとらわれていた。そして遂に殺人が…。

探偵・推理小説の書籍や雑誌を収集保存し、一般読者や研究者が自由に利用できるユニークな図書館、ミステリー文学資料館。

三度目の刑務所生活で、スリ師戸並健次は思案に暮れた。

『不思議の国のアリス』や『オズの魔法使い』を挙げるまでもなく“少女”が活躍する名作は数多い。

粋で艶やかな新橋芸者の“まり勇”は、ハードボイルドなどの海外ミステリーが大好き。

唐後期、特異な建築「方壺園」で起きた漢詩の盗作をめぐる密室殺人の他、乱歩賞・直木賞・推理作家協会賞を受賞したミステリの名手による傑作集。

時は21世紀半ば、世界はワルシャワを中心とする共産主義体制とヨーロッパ・アメリカ合衆国(USEAとに完全に二極化されていた。

都筑作品でも人気の“近藤・土方シリーズ”が遂に復活。贋札作りをめぐり巻き起こる奇想天外アクション小説。

1961年7月2日、神奈川県の山林から女性の刺殺体が発見される。被害者は地元で飲食店を経営していた若い女性。

月刊社内報の編集長に抜擢され、若竹七海の不完全燃焼ぎみなOL生活はどこへやら。慣れぬカメラ片手に創刊準備も怠りなく。

婚期を過ぎて母とつましく暮らす市子のもとに、二十五年前に音信を絶った徒兄の圭吉が訪ねて来た。

検察が押収したわいせつ図画販売罪の証拠品、その中のフィルムの映像に妻と似た女性の姿を見つけた検察官の笹田は独自調査に乗り出すが、たどり着いたのは思いもよらない残酷な真相だった(表題作)。

シャーロック・ホームズ――作家アーサー・コナン・ドイルが生み出した紙上の登場人物にして、世界中の人々を惹きつけてやまない名探偵の代名詞である。

大胆な仕掛けと叙情あふれる筆致を融合させ、ふたつとない作家性を確立した連城三紀彦。

ガス中毒で死んだ老人の死。事故に見せかけた自殺か、自殺に見せかけた他殺か、それとも……。

大事件に遭遇したカメラマンが感じた違和感を描く「加速していく」、全面ガラス張りの特異な屋敷での不可能殺人の顛末「噤ヶ森の硝子屋敷」、人気コミックのノベライズ「前髪は空を向いている」、どんでん返しの切れ味鋭い「your name」、百合小説として評判となった

青山墓地で発生した幼女惨殺事件。その被告人は、独房で奇妙な独白を始めた。

大手出版社に勤務する志賀子は、幾人もの一流作家を抱える敏腕編集者として忙しい日々を送っていた。

瀬戸内海に浮ぶ獄門島-南北朝の時代、海賊が基地としていたこの島に、悪夢のような連続殺人事件が起こった。

一戸建てを二人でシェア、料理さえ作れば家賃はタダ。そんなおいしい話を見逃す手はない―。

田園調布の国近社長邸で二歳半になる坊やが誘拐された!ブラック・リボンと名乗るその犯人は子供のいたずらじみた脅迫状で300万円を要求する!!事件当時たまたま邸を訪れていた仁木悦子は、身代金を出し渋る父親、婦人の恋の醜聞等々、社長一族の不仲ばかりを目、耳にする

東京の千川上水沿いで連続する“通り魔”事件。いずれも若く太った女性が臀部を切りつけられ、被害者は数を増すばかり。

堀川次郎は高校二年の図書委員。

凶悪な死刑囚に届いたファンレター。

有能だが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ第4弾。

戦中の台湾、本島人の邸の庭で起きた日本軍人の決闘騒ぎ。一方は銃殺され、一方は頭部を殴られ意識不明の状態で発見された。

葉崎FMで放送される「みんなの不幸」は、リスナーの赤裸々な不幸自慢が人気のコーナーだ。そこに届いた一通の投書。

軽井沢の豪奢な別荘「白樺荘」に、莫大な遺産を相続することになった四人の男女が集まった。

推理作家が親友に古今東西の「殺し方」を話したその晩、人が殺された。驚きの方法で…(「冷たいのがお好き」)。

差出人不明の謎の新聞死亡広告を利用して、自らの模擬生前葬と還暦祝いを企図した商事会社社長・村井喜七郎は本当に死んでしまう。

大正時代に『秘密探偵雑誌』へ翻訳連載されたエドガー・ウォーレスの本格ミステリが新訳でよみがえる!新聞記者ホランドの前に立ちはだかる堅牢強固な密室殺人の謎。

大胆な仕掛けと巧みに巡らされた伏線、叙情あふれる筆致を融合させて、ふたつとない作家性を確立した名匠・連城三紀彦。