5分のずれで現われた、もうひとつの日本は人口26万に激減していた。

激動する世界の中で、平和を謳歌する日本。しかし、戦争と暴力への想像力を失ったとき、致命的な危機が忍びよる…。

ニードルが乳首を貫くとき、美と勇気は現れる。惨劇は、殺人衝動を持つ男と、自殺願望を持つ女が出会った夜に始まる。

1972年夏、キクとハシはコインロッカーで生まれた。

愛―、それは気高く美しきもの。そして、この世で最も恐ろしいもの。

突然変異の人類“クチチュ”らと共に旅を続けるアキラは、生への執着から解き放たれた人々が猿のように生きる村や、ロボット制御の病院で人間が管理される残酷な姿を見届け、遂に宇宙空間へと向かう。

伝説の男が帰ってきた…。ニューヨークのダウンタウンでホームレスに身をやつし、隠遁していた謎の男・ヤザキ。

さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。いまや九州は反乱軍の占領下となった。

21世紀はこの小説で始まる。点状出血、内臓溶解、骨格筋の爆発的なケイレン。

精神病院を退院して三日後に出会った男に、贅沢な旅を約束され、パリにやって来たマチコ。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

今から100年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。

一九七〇年の夏、海辺の街に帰省した“僕”は、友人の“鼠”とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。

転校生の白石要は、少し不思議な青年だった。背は高いが、髪はボサボサでどこを見ているかよくわからない。

タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。

妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と名乗る女性と知り合う。

その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。

日本はもう一度、焼け野原になるべきなのか? 経済の衰退した近未来の東京。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

凄絶な死の瞬間、破裂する電球、捻曲がる銀食器…。“顕現”と名付けたそれを蒐集するため、男は女たちを惨殺し続ける。

第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作! 戦慄のノワールサスペンス 26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。

高尾で発見された手足と顔がない死体は、十年前ストーカー・リカに拉致された本間だった。

この祝祭の真実は、禁忌。ポップなのにねっとり不気味な民俗学カルトホラー 失敗続きの就職浪人生・島本笑美。

村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。

長谷川初実（ハツ）は、陸上部に所属する高校1年生。

盲目の美女ロザリンドとのロマンスを描いた表題作他、全十編の最新小説集。

この巻に収められた三つの長編は、ある種の逸脱と自己循環にあふれている。

幼い命の死。報われぬ悲しみ。

歴史的な条約締結のため、韓国の大統領が来日する。 警察が威信をかけてその警備にあたる中、現職総理大臣の孫娘が誘拐された。

“シュール”かつ“泥沼”のような状況を乾いた“ユーモア”とともにお届けする、異才の作家・平山夢明“最悪劇場”全四話。

医師の父、美しい母、高貴なまでの美貌を振りまく双子・梨花と結花。

昼はピエロに扮装して子供たちを喜ばせながら、夜は少年を次々に襲う青年実業家。

その女を、入れてはいけない。入れれば最後、家はたちまち食い尽くされる。

この憎悪はどこから生まれたのか?兄と弟の壮絶な家庭内ストーキング。史上最年少・17歳。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

高さ四百五十メートルを誇る超高層タワーが銀座にオープンした。数万人が集まる営業初日、漏電による小火が発生。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

7月1日東京・杉並。小学校の校門に男児の切断された頭部が置かれていた。

ひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。

中学教師・鈴木のスマホに、ある日「自殺相談室」という怪しいSNSから招待が届いた。

花山病院の副院長・大矢は、簡単なオペでのミスを新任の看護婦・リカに指摘され、“隠蔽”してしまう。

母校の天井裏で見つかった、盗まれたはずのアルトサックスと、天才プレイヤーの白骨死体。

試合で活躍した選手が心臓麻痺で死ぬという事件が起こった。

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。

元裁判官で、現在は大学教授を務める梶間勲の隣家に、かつて無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。

避暑客が去り冷たい秋風が吹き始めた九月のメイン州の避暑地。ニューヨークから六人の男女が休暇をとって当地にやって来る。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして、新たな人生を歩み始めた十歳の少女。だが、彼女の人生は、いつしか狂い始めた。

由美子たち四人には、強烈な同級生がいた。正義だけで動く女・範子だ。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

北米東海岸メイン州、海岸沿いのリゾート地。ある夜、残忍な殺人が起こり、女性二人が殺され、赤ん坊が行方不明になった。

9.11テロの傷痕残るニューヨーク。街では閉店間際のバーを狙った武装強盗が相次いでいた。

どうしよう、お父さん、わたし、死んでしまう―。安藤の娘、加奈が学校で転落死した。

希望も潰える恐怖がここに。全編書き下ろしの超豪華アンソロジー! 「考えうる、最大級の恐怖を」。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。