石に鳥の絵を描く不思議な男に河原で出会った青年は、微睡むうち鳥と男たちについての六つの夢を見る―。

失踪した猟犬探しを生業とする探偵・竜門卓の事務所に、盲導犬の行方を突き止めてほしいという仕事が舞い込んだ。

軍靴の音が忍び寄る昭和9年。かすかな地響きをあげ、数多の自転車が中山道を疾走する。

“竜門猟犬探偵舎”に奇妙な依頼が舞いこんだ。

女子大生と円紫師匠の名コンビここに始まる。爽快な論理展開の妙と心暖まる物語。

まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。

人を撃てる、こんな機会を誰が断わるか―。

アメリカはニューイングランド地方の田舎町、トゥームズヴィル。

見渡す限りの砂塵。傍らの突撃銃と残骸になった軍用ヘリ。

傭兵経験のある桧垣耀二は、除隊後の事業に失敗し、鬱々とした日々を送っていた。

東京から青森まで―緑まぶしい五月の国道四号線を完全装備の自転車でツーリングする中年グラフィク・デザイナー、桐沢風太郎。

かつて“七つの海の白い女王”と歌われたシリウス号。客船としての使命を終え、今は船上ホテルとして第二の人生を送っていた。

元刑事で、今はしがない私立探偵である茜沢圭は、末期癌に冒された老人から、35年前に生き別れになった息子を捜し出すよう依頼される。

武器商人戸崎は、盟友の娘ジャンヌに突然銃口を向けられた。

400日ぶりに東京に帰ってきた私立探偵沢崎を待っていたのは、浮浪者の男だった。

ルポ・ライターの失踪、怪文書、東京都知事狙撃事件…。

この世の物とは思えない奇妙な恋の物語 22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。

「山背」とは初夏の東北地方に吹く冷たい風のことをいう。その山背が渡る大地で様々な厳しい営みを続け、誇り高く生きる男たち。

時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。

桐村彬は、南極で物資輸送に携わるパイロットだ。チリ有数の富豪である日系実業家シラセが南極基地で負傷。

ある女のひとを守ってほしい―沢崎の事務所を訪れた十才の少年は、依頼の言葉と一万円札五枚を残して、雨の街に消えた。

俺はもうまもなく死ぬだろう…ガン宣告を受けてから覚悟の十年、残された日時に刻みつけるように小説を書いた作家・稲見一良。

北海道で撮影旅行中の動物写真家・吉本はある日、巨大なヒグマに襲われ、九死に一生を得る。

あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。

『羊をめぐる冒険』から四年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。

第12回大藪春彦賞 第27回日本冒険小説協会大賞 エンタテインメント文学賞をダブル受賞。

伝説の名船長・柚木静一郎は最後の航海を迎えていた。横浜への帰路を襲った海賊の罠。

風間健介は急逝した父の遺志を継ぎ、広告カメラマンから山岳写真家へと転身した。

他人を寄せつけず奥深い山で芸術家たちが創作に没頭する木更村に迷い込んだまま、マリアが戻ってこない。

「殺る前に、一つだけ面白い話を聞かせてやろうか。

秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。

高級外車窃盗団を追う築地署の刑事游二の眼前に、その女は立ちはだかった。

本書は沢崎シリーズの、第二期のスタートを告げる作品。

「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。

エベレスト山頂近くにアメリカの人工衛星が墜落!雪崩に襲われた登山家の真木郷司は九死に一生を得るが、親友のフランス人が行方不明に。

夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。

その地に着いた時から、地獄が始まった―。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。

残月の郎次―昼は廻船問屋の番頭、夜は裏金融を牛耳る儀平一味の大幹部。

「山は半分殺してちょうどいい―」現代の狩人であるマタギを取材していた編集者・美佐子は動物写真家の吉本から教えられたその言葉に衝撃を受ける。

雪深い東北の山奥で、主婦が野犬とおぼしき野獣に喰い殺されるという凄惨な事件が起きた。

『星を継ぐもの』シリーズ4作品 新版化 月面で発見された5万年前の死体はどこからやってきたのか？ ハードSFの巨匠ホーガン不朽の名作 第12回星雲賞海外長編部門受賞作 【創元ＳＦ文庫60周年記念新版】 月面調査員が、真紅の宇宙服をまとった死体を発見し

神奈川県警の嘱託・二村永爾は、1本の映画フィルムの行方を追って、香港へ飛んだ。

渡辺探偵事務所の沢崎のもとに望月皓一と名乗る金融会社の支店長が現われ、赤坂の料亭の女将の身辺調査をしてくれという。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

清涼な山中で行うトレイルラン。人気のスポーツに没頭する青年は山に潜む危険をまだ知らなかった―「ランナーズハイ」。

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。

ミスター・ボーンズは犬だ。だが彼は知っていた。

39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。

売れないアラサータレント「おかえり」こと丘えりか。唯一のレギュラー番組が、まさかの打ち切り…。

「娘はなぜ殺されたのか。その理由だけでも知りたい―」私立探偵・神山健介にもたらされた依頼。

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。