1945年8月15日、日本敗戦。国内外の日本人全ての運命が大きく変わろうとしていた―。

とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。

パリで開かれた肝炎ウィルス国際会議に出席した佐伯教授は、アメリカ陸軍微生物研究所のベルナールと名乗る見知らぬ老紳士の訪問を受けた。

ついに工事が始まった。大石を沈めては堰を作り、水路を切りひらいてゆく。

東西の壁が崩壊したベルリンで、日本の剣道の防具が発見された。

「一度目」は戦時下の強制連行だった。朝鮮から九州の炭鉱に送られた私は、口では言えぬ暴力と辱めを受け続けた。

歯を食いしばり一日を過ごす。星を数える間もなく眠りにつく。

分裂病と覚醒剤中毒の治療・研究に成果をあげている南仏、マルセイユの大学病院で首なし死体がみつかった。

一九九八年、和歌山市内の夏祭りでカレーを食べた住民六十名以上が中毒症状を呈し、四名が死亡した。

精神科医の小野寺は、殺人容疑者の精神鑑定を依頼された。

代々、使譯(通訳)を務める“あずみ”一族の子・針は、祖父から、那国が漢に使者を遣わして「金印」を授かったときの話を聞く。

享保十三年、久留米藩領井上村。

その映像は、開けてはならないパンドラの箱だった!?大手放送局に勤務する川原庸次は、かつて学生運動に参加していたという上司からT大時計台闘争にまつわるスクープ映像の存在を聞かされる。

韓国沖合で大型旅客フェリー世月号が沈没、多くの犠牲者が出た。

生殖と移植では「神の手を持つ名医」と評判の岸川卓也院長が率いる、贅沢な施設と高度な医療を誇るサンビーチ病院。

深夜、引き出しに排尿する男性、お地蔵さんの帽子と前垂れを縫い続ける女性、気をつけの姿勢で寝る元近衛兵の男性、異食症で五百円硬貨がお腹に入ったままの女性、自分を23歳の独身だと思い込む女性…様々な症状の老人が暮らす痴呆病棟で起きた、相次ぐ患者の急死。

1900年万国博覧会で賑わうパリ。

日系ブラジル人医師の津村は、北京の国際医学会で知り合った北朝鮮の医師に技術を伝えて欲しいと請われ、招聘医師として平壌産院に赴く。

十人に一人がHIVに感染している国南アフリカ。

199X年度「ノーベル賞」には微かな腐臭がした―イギリス医学界の重鎮が受賞した「医学・生理学賞」の周辺に不自然な死が多すぎるのだ。

エンブリオ―それは受精後八週までの胎児。

歴史学者・須貝彰は、南仏の図書館で世紀の発見をした。

恋人を交通事故で失って以来、北園舞子には、見るもの触れるものすべてが無意味に感じられた。

「町医者」が、ぼくの家の天職だった――。 大正時代、寄生虫退治で評判を取った初代。

中学時代憧れていた山岡が、医師として村に帰ってきた。久しぶりの再会をした真紀だったが…。

絶滅したはずの天然痘を使って黒人社会を滅亡させようとする非人間的な白人支配層に立ち向かう若き日本人医師。

新任看護婦の規子が偶然、耳にした言葉は「無脳症児」―。

人はなぜ、罪を犯すのか? 本作を原作にした映画『楽園』2019年秋公開! 出演 綾野剛 杉咲花/佐藤浩市 監督・脚本 瀬々敬久 人はなぜ、罪を犯すのか? 『怒り』『国宝』の著者、最新文庫化! 田園に続く一本道が分かれるY字路で、一人の少女が消息を絶った。

宗像時子は父が遺した古アパート、扇荘の管理人をしている。

現役の医師でもあり作家でもある著者が、満を持して取り組んだ 「悪い医者とは?」を問いかける感動の医療長編小説。

初めてだった。これほどに、自分を認めてくれる教えは。

白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。

鮮烈な出会いと別れから五年。亡き恋人・達士との思い出を求めて菅生連山を訪れた、草野市議の俊子。

敗戦から2年目、裸一貫になった松坂熊吾は、大阪の闇市で松坂商会の再起をはかるが、折も折、妻の房江に、諦めていた子宝が授かった。

怒濤のどんでん返し、一気読み注意!! 強盗犯により密室と化す病院。

アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。

第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作! 戦慄のノワールサスペンス 26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。

埼玉で二歳の子を含む一家三人を惨殺し、死刑判決を受けている少年死刑囚が脱獄した! 東京オリンピック施設の工事現場、スキー場の旅館の住み込みバイト、新興宗教の説教会、人手不足に喘ぐグループホーム……。

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。

検事を辞して弁護士に転身した佐方貞人のもとに殺人事件の弁護依頼が舞い込む。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

安房国で漁師をしていた見助は、京に遊学していたという僧侶と出会う。

「美」は魔物―。

哀しき人、公園の池に沈めたのは…。娘を失った男、母に捨てられた少女。

急行する捜査車両、轟く銃声。過去の事件が次々と連鎖し、驚愕のクライマックスへ!比類なき疾走感で描く緊迫の40時間。

クリスマス前夜の「一家四人殺し」―数多の痕跡を残しながら、逃走する犯人たち。

警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。

捜査のためなら、俺は外道にでもなる。

一人の熱き警察官の軌跡!東京湾臨海署刑事課強行犯第一係、通称「安積班」。

鉄道のシステムがダウン。都市銀行も同様の状況に陥る。

その男は決して屈しなかった。人が一生に一度出会えるかどうかの大傑作。

アメリカ大陸の先住民はなぜ、旧大陸の住民に征服されたのか。なぜ、その逆は起こらなかったのか。

警視庁捜査一課刑事宇田川の同期、特殊犯捜査係女刑事大石が「しばらく会えなくなる」と言い、消息を絶った。

大阪地検一級検事の不破俊太郎はどんな圧力にも屈せず、微塵も表情を変えないことから、陰で<能面>と呼ばれている。