「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。

町営の診療所しかない都下の離れ小島に赴任することになった、トンデモ精神科医の伊良部。

望むことは、罪ですか？　誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったＤＶ男との逃避行──。

雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。

「今から、俺たちの学年の生徒が一人、死ぬ。―自殺、するんだ」「誰が、自殺なんて」「それが―きちんと覚えてないんだ。

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった―。ある日、学校で起きた陰惨な事件。

「浅葱、もう少しで会える」『i』は冷酷に二人のゲームを進めていく。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

地元を飛び出した娘と、残った娘。幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。

ずっと外にいた夫の王国か。ずっと家にいた妻の城か。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだーー あの事件から10年。

直木賞受賞、第一作 待望の書き下ろし長編 母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。

スタッフの熱い想いを乗せ、構想4年をかけて、堂々たるTVアニメ化! 原作もアニメも楽しめるガイド。

38歳、秋。ある日、僕と同い歳の父親に出逢った。

巨大な妄想力の持ち主。主人公のひねくれた学生生活が描かれた、笑撃のデビュー作。

誰もが不安を抱えて歩き続ける、未来への“道”。子どもが感じる無力感、青春の生きにくさ、幼さゆえの不器用…。

強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く…。

あいつの人生が終わり、僕たちの長い旅が始まった。

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

幻の夜を行く男と女。息もつかせぬ傑作長編！ 阪神淡路大震災の直後に、出会った男と女。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

19年前の大阪の質屋殺し。迷宮入りしたこの事件に関係した少年と少女が歩んだ道は…。

小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

もう一度だけ亡くなったあの人に会えるとしたら、あなたは何を伝えますか? 死者との再会を叶える使者「ツナグ」。

京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。

わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が1億円を横領した。梨花は海外へ逃亡する。

不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。

クラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学二年生の小林アン。

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。

両親の仇を、俺たちは流星に誓い合った--「兄貴、妹（あいつ）は本気だよ。

湖畔の村に彼女が帰ってきた。東京に出て芸能界で成功した由貴美。

村内先生は中学の臨時講師。言葉がつっかえて、うまくしゃべれない。

昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。

一風変わった友人と祇園祭に出かけた「俺」は“宵山法度違反”を犯し、屈強な男たちに捕らわれてしまう。

会社がヤバい。彼女とヤバい。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

この道がずっと続けばいいと思うこともある。 ここから早く抜け出したいと思うこともある。

走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。

大手ライバル企業に攻勢をかけられ、業績不振にあえぐ青島製作所。

深夜、夫が交通事故に遭った。病院に駆けつけた早苗と息子の力は、そこで彼が誰の運転する車に乗っていたかを知らされる……。

コンクール入賞者ツアーのはざま、亜夜とマサルとなぜか塵が二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。

出産を巡る女性の実状を描く社会派ミステリー 「子どもを、返してほしいんです」親子三人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた一本の電話。

塚原マチは本好きで気弱な中学一年生。ある日、図書館で本をめくっていると一枚の便せんが落ちた。

一世一代のたくらみを胸に秘める美人双子姉妹、クレーマー新婦に振り回されっぱなしのウェディングプランナー、大好きな叔母の結婚にフクザツな心境の男子小学生、誰にも言えない重大な秘密を抱えたまま当日を迎えてしまった新郎。

息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。

東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。

伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。