(短編集)
心から愛するただひとりの人
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あまり翻訳もの、しかもミステリーなんて読まないんですが、 これは非常によかったです。 ありがちな時代背景のタイムラグもない。 特にテスシリーズは、登場人物も身近な人のように感じられて、素直に楽しめました。 前半の作品群は生々しい作品にちょっと閉口します。 それでも「巧い」とうならざるを得ないのですが。 私が好きなのは「ロパ・ビエハ」です。 日本の下町にもこういう風情があって、親しみを感じたし、 ラストがとてもさわやかでよいです。 ストーリーの組み立ても、多面的でとても楽しい。 「靴磨き屋の後悔」アメリカの刑事法に関しては無知なためか、 最後の展開が多少不自然さも感じますが、これもいい。 ほかの作品で、病んだ人々を描く一方で、何がいったい健全なのか?を問いかけます。 テス モナハンシリーズはどれも好きになりました。 社会の底辺といわれる人々の生き生きとした輝きに魅了されます。 今の日本にもこういう視点が必要なのかもしれません。 ボルチモアの地方記者であった作家のキャリアのなせる業でもあります。 書くことを楽しみながら作られているのがよくわかるものでした。 テス モナハンシリーズはこれでほれ込んでしまったので、 今後熱心に追っかけることになりそうですね。 「女を怒らせると」「クラック・コカイン・ダイエット」「知らない女」 殺人者の心理描写がまた巧みで、その気持ちが伝わってしまう。 件の不美人な女性結婚詐欺師のニュースを彷彿とさせます。 「女を怒らせると」のラストがまたしみじみします。 「クラック・コカイン・ダイエット」はあまり好きではないのですが…。 「彼が必要だったもの」はまた別格でした。 本当は妻は、殺してしまった亭主を愛していたのではないか。 会話の巧さに引き付けられました。切なくて、行間を読んでほしい一本。 「ポニーガール」も個人的には好きです。 恐ろしい事件を、シンプルに逸話風に語るのがまたよい。 万人にお勧めできるものではないかもしれませんが、 たまに読むならよいかもしれません。 殺人の動機がどうにも衝動的なので、最終的にはそこで首をひねることに…。 追い詰められるまでの描写が非常にリアルで巧いのですが、 登場人物が思考停止にやや簡単に陥りやすいように感じます。 (そこが私がミステリー作品を読まない理由ですが) アメリカ社会を生きる人々ならではの「病」なのでしょうか。 少なくともニュースで報じられているような、 「多額負債や離婚が蔓延している病んだ消費大国」 のイメージそのものではあります。 例の結婚詐欺師の事件のように、この「思考停止」の病は 今の日本にも少しずつ浸透しているのかもしれません。 そんなことをあえて考えさせる、今ならではの一冊です。 | ||||
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これまで、私立探偵テス・モナハンのシリーズものと、単発の長篇作品を読んで 「力のある作家だなあ」とは思っていましたが、 今回、あらためて「うまい作家」だとも思いました。 ほとんどの作品が女性主人公なので、女性読者の感想を聞いてみたい気がします。 あ、そういいながらも、私のお気に入りは、 男性が主人公の「不始末の始末」だったりしますが。 | ||||
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