二百万ドルの死者



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    初公開日(参考)1967年01月
    分類

    長編小説

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    二百万ドルの死者 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-20)

    1979年01月01日 二百万ドルの死者 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-20)

    ※あらすじは登録されていません



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    二百万ドルの死者の総合評価:3.67/10点レビュー 3件。Dランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (3pt)

    クイーン名義が邪魔をした?

    エラリイ・クイーンのノンシリーズ物。
    ギャングの大物が遺した二百万ドルもの莫大な遺産を巡って遺産の相続人ミーロ・ハーハなる男を捜しにアメリカ、オランダ、スイス、オーストリアそしてチェコスロヴァキアと探索行が繰り広げられる。

    痴呆症となりかつての鋭さの影すらも見えないほど落ちぶれたギャングのボス、バーニーの殺害事件はクイーンでは珍しく、犯罪の模様が書かれている。
    本格ミステリ作家であることから倒叙物かと思っていたがさにあらず。これがエラリイ・クイーンの作品かと思うほど、冒頭の事件は全く謎がなく、エスピオナージュの風味を絡めた人探しのサスペンスだ。

    したがって本作には全く探偵役による謎解きもない。純粋に遺産を巡ってミーロ・ハーハなる男を殺そうとする輩と政治的影響力のあるハーハを利用せんとする者達との思惑が交錯するサスペンスに終始する。

    痴呆症でかつての冴えが成りを潜め、しかし二百万ドルもの莫大な遺産を持っているギャングのボスの遺産相続人から奪還する為に相続人を探し出し、暗殺しようとする企みがやがてチェコスロヴァキアの政敵同士の構想にまでに発展していく。
    それはミーロ・ハーハという男がチェコスロヴァキア人でありながら第二次大戦中にドイツ軍に入り功を成した英雄で、しかもその父親ルドルフもまたかつて国で勢力を持ったカリスマ政治家。ミーロはその血を色濃く継いでおり、政界に乗り出すと現政権を揺るがす危険な存在だからだ。

    しかしそんな彼もチェコスロヴァキアのザンダー警察長官に反乱分子の掃討作戦に利用され、クーデターを起こすことなく葬られてしまう。そしてミーロを殺そうと画策したバーニーの妻エステルもまた野望半ばで命を失い、エステルに命じられてミーロを追っていたスティーヴもまた政敵同士の紛争に巻き込まれ、再び故郷の地を踏むことはなくなってしまう。ミーロに関った人たちがそれぞれの思惑の中で命を失っていく。

    先にも書いたが最後の最後まで全くどんでん返しや意外な犯人といったものはなく、それぞれの思惑が最後の舞台にて相対すると全くクイーンらしくない作品。

    それもそのはずで、Wikipediaによれば本書はクイーン名義による別作家の手になる作品とのこと(ある筋の情報によればスティーヴン・マーロウという作家らしい)。だとするとこのロジックもトリックもない作品をどうしてクイーン名義で出版したのか、そちらの方に疑問が残る。

    というのもミーロ・ハーハの追跡の道中でスティーヴとアンディのロングエーカー兄弟がオランダ、スイス、オーストリアで出会う人々との話も各章が短編の趣があり、長編でありながらも連作短編のようになっているのもクイーンというよりもこの手の手法を好んで使っていたウールリッチに近いからだ。さらに各地で起こる事件も解決がなされるわけでもなく、事実とスティーヴとアンディが訪れたことで起こることのみが語られ、置き去りにされる。

    特にミーロの隠し子であるカトリナとその養父の爺さんの話はその後も語られるべきなのだが、最後にバーニーの遺産の行く末が語られる際にちらっと触れられるだけである。

    これをクイーンの作品とするには作風の変化として受け入れるにしてもかなり違和感がある。逆になぜクイーンはこの作品を自身の名で出すことに承知したのだろうか。

    クイーン作品として読むと鮮やかなロジックで解かれる本格ミステリを期待するせいで肩透かしを食らわされるが、通常のサスペンスとして読めば佳作と云える作品だろう。
    ただやはりこの違和感は拭えない。作品としての正当な評価ではないだろうが、個人の感想なので感じるままに書いておこう。

    Tetchy
    WHOKS60S
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.2:
    (2pt)

    評価としては1に近い2

    あからさまにエラリイの書いた作品でないのが
    明確な作品です。
    エラリイ作品を読んでいれば
    他の監修作品は違和感なく読めたのに
    この作品だけはどうみたっておかしいのが
    わかってくるはずです。

    まず、明らかに言えるのは
    物語の構成が雑。
    視点移行がおかしいし、不自然な描写のせいで
    読者を迷わせてしまっています。

    それと最後の言及もあまりにおざなり。
    何を言いたいのか結局わかりませんでした。
    ギャングを扱ったのは非常によいですが
    文体を崩してしまって
    かなり台無しでした。
    二百万ドルの死者 (Hayakawa pocket mystery books)Amazon書評・レビュー:二百万ドルの死者 (Hayakawa pocket mystery books)より
    4150010064
    No.1:
    (2pt)

    珍しい

    ギャングのボスの遺産相続に巻き込まれ、相続人を殺さなければならなくなった男、スティーヴ、弟とともに相続人がいると思われるヨーロッパへ乗り込み、各国を探し回る。この相続人、ナチスの占領時代に地下運動にかかわり、英雄的な活躍をしたことはわかっているのだが、顔や姿はハッキリとわかっていない。すぐに見つかると思っていたもののいつも一歩遅くすでに別の場所へ去った後、しかも、いつの間にか共産国の革命騒ぎにまで巻き込まれていた…。相続人の知り合いや元恋人たちを訪ね、謎の人物の姿が徐々にあきらかになっていくあたりはとてもおもしろい。ただ、クイーンには珍しくハードボイルドタッチ、冒険小説風の作品なのだが、それが成功しているとは思えない。やっぱりクイーンには本格ミステリが似合います。
    二百万ドルの死者 (Hayakawa pocket mystery books)Amazon書評・レビュー:二百万ドルの死者 (Hayakawa pocket mystery books)より
    4150010064



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