ミステリの感想 新着順

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最後の魔法の感想

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どういう話になるのかまったくわからないまま読み進めていたのですが、結末は見事でちょっと感動しました。作者の『誰が勇者を殺したか』と同じく、ミステリーではないものの、物語にミステリー的な技法を取り入れることで読者の印象に残る構成になっています。最後まで読んで、ぐっと評価が上がった作品。タイトルにもなっている「最後の魔法」とは何なのか。その問いが最後まで読む力になっている一方で、本書の本当の良さは、作者の作品らしい「人を想う気持ち」の描き方にあると思います。その部分がとても綺麗に描かれていて好みです。一方で、『誰が勇者を殺したか』と近いテーマや構造を感じる作品でもありました。主要人物を勇者から魔法使いへ置き換え、その成長を周囲の視点から描いていく構成には、かなり近い味わいがあります。ただ、本作はファンタジーやライトノベル好きに向けた作品というより、読書が好きな小中学生にも読んでもらいたくなるような、児童文学的な良さがあります。その点で似た構造を持ちながらも、きちんと違う魅力を持った作品でした。努力することの大切さや、日常の尊さも再認識させてくれる、とても良い作品でした。

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魔者の感想

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タイトルそしてプロローグ、読み始めて不穏な雰囲気を感じたが、まったくそういうホラー系では無かった。ファンタジックな雰囲気のミステリー小説のようだが、本質は一種の社会派ミステリーととらえることもできる。現代社会にはびこるいじめ問題。さらには少年犯罪、被害者家族や加害者家族の問題。こうした問題をストーリーの根幹に据え、主人公で週刊誌の記者である今井柊志が、自身の家族に起こった過去の事件を調べなおすことで、物語は進行する。事件の詳細は割愛するが、所詮この主人公及びその姉の不遇は、親の問題なのである。事件の間接的被害者である柊志やその姉、そして被害者の妹、さらには別の加害者の弟、どの親をみても俗物である。俗物である親たちの扱いがいかにもステレオタイプ的で、ありきたり。ここが少々面白くない。なぜ面白くないのかというと、要するにこの物語の魔者は親だったということであり、その親を、いかにも何処にでも居そうなありふれた親として描いてしまったということである。ひねりが無く、せっかく子供たちの内面を丁寧に描いていたのに、勿体ない。そういうことなのである。よって、このあたりの評価となった。

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