ミステリの感想 新着順

新着レビューを50件づつ、3ヵ月前まで表示

全170件 51〜100 2/4ページ
9pt
7pt
6pt
4pt
7pt
8pt
9pt
6pt
5pt
6pt
7pt
7pt
7pt
8pt
8pt
3pt
7pt
2pt
7pt

華やかなスタート、しょぼいクライマックス

  ()

2023年のネロ・ウルフ賞最終候補になった作品。南アジア系女性作家・カーンのブレイク作で、「イスラム教徒の女性刑事・イナヤ」シリーズの第1作である。コロラド州の田舎町で、シリアからの移民イスラム教徒の少女が磔にされて殺されているのが発見された。担当するデンヴァー警察地域対応班の女性刑事・イナヤが捜査を進めると、さらに二人のソマリア移民の少女が行方不明になり、家出として処理されているのが分かった。二つの事件は繋がっていると確信したイナヤは地元イスラム移民のコミュニティを頼りに捜査を進めるのだが、白人至上主義者である地元保安官は非協力的で、さらに街を支配する白人至上主義者たちや福音教会からも妨害される…。イスラムの少女がモスクの扉に磔にされるという派手なオープニング、捜査の出だしからイスラム女性刑事が白人至上主義者の地元保安官と対立し、さらに福音派教会やその配下のバイカー集団も加わり、先の読めない警察ミステリーへの期待が高まる。がしかし、話に恋愛要素が入り始めた途中からは、どうにも締りがない展開でがっかり。白人が支配する街にどんどん流入する移民、難民の苦悩と闘いという重要なテーマがぼやけてしまったのが残念。そんな中で、弱い立場の人たちのために奮闘する3人の女性、刑事イナヤ、メキシコ系の同僚刑事でプロファイラーのキャット、黒人弁護士のアリーシャは強く印象に残った。アメリカで絶賛されたとのも納得できる。人種、民族、宗教間対立という日本人には馴染みが薄い背景に戸惑うが、現代社会が抱える難問に正面から挑んだ意欲作であり、一読をオススメする。

6pt
5pt
7pt
2pt
5pt
8pt
4pt
8pt
1pt
3pt
5pt
2pt
2pt
1pt
2pt
3pt
4pt
1pt
2pt
5pt
7pt
6pt
8pt
6pt
7pt
3pt
8pt
10pt
8pt

差別と暴力が支配する街で戦う二人の女性警官のバディもの

  ()

叔父も兄も警察官という血筋に導かれて警官になった、貧乏白人街育ちのマギー。裕福な地区育ちながらベトナムで新婚の夫を亡くし、自立するために警官になったケイト。対照的な二人が反発し合いながらも力を合わせて連続警官殺人の正体を暴く、警察ミステリーである。1974年のアトランタ、3ヶ月間に4人の警官が殺され、犯人は警察内部では「アトランタ・シューター」と呼ばれていたのだが、5人目の被害者となったのはマギーの兄・ジミーの相棒だった。事件現場にいたジミーも疑われる状況になり、マギーは兄の無実を証明しようと躍起になる。そんな最中に配属された新人警官ケイトは外見も態度もおよそ警官らしくなく「羊」とあだ名を付けられ、周囲からは「1週間持たないだろう」と言われた。だが、マギーと組まされたケイトは意外な対応力を発揮し、女性差別や人種差別が大手を振ってまかり通る警察内部では公然と「女は警官になるな」と言われていたのだが、マギーとケイトが独自の視点から捜査を進め、犯人を追い詰めて行く。警官のバディ物語はいくらでもあるが、70年代のアトランタという保守的な街での女性バディものというのが目を引く。さらに犯人探しの謎解きも破綻がない。後年のスローターに特徴的な被害の残酷さが強調されていないのも良い。シリーズ外の単発作品なので、スローターの世界の入り口に最適とオススメする。

7pt
5pt