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Tetchy さんのレビュー一覧
Tetchyさんのページへレビュー数119件
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今回、本作品を読んでカー作品の賛否の分かれ目という物を発見した。
カーの作品はまず、字が多い。つまり登場人物間の問答場面が長いのだ。ここで読者は苦痛を強いられる。従って場面転換も少なく、余り躍動感はない。 私にとって全ての作品がそうなのだが、では何処で賛否が分かれるかというと、やはり最後の真相、ここでどれだけ驚かされるか、カタルシスが得られるかに他ならない。果たして本作はどうだったのか? それは上の☆の評価の通りである。 |
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結局の所、ハードボイルドについて云えば、そのストーリーもしくはプロットの妙もさる事ながら、その纏う雰囲気、文体にのれるかのれないかによる所が大きい。
心情の判らないサム・スペード物に比べれば今回のコンチネンタル・オプ物は主人公の内面に当たる所があり、今までのハメット作品の中ではのれた部類に入るのだが、正直云ってやはり物足りない。 コンチネンタル探偵社がオプを中心にチームワークで事件に当たるのは(私の中で)今までになくフレッシュな感覚があるのだが、その分登場人物が多過ぎて訳判んなくなってしまった。う~ん。 |
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この評価は単に面白くなかったという訳ではない。あくまで自分の好みと合わなかったまでの事である。
というのも余りにも本格的過ぎて、出てくる名詞が十分理解できなかったことが大きい。また物語の焦点となる写楽への言及がなかなか始まらなかったこともやきもきさせられた。 ともあれ、写楽を通じて江戸風俗を蘇らせる事も作者の意図する所であるだろうし、作者の趣味をそこここに万遍無く導入させたかったのであろう。しかし、この作品をああいった形で結ぶのは素晴らしい。 |
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またもややってしまった…。この睡魔をどうにかしてくれ!
前半は特に眠気もなく、快調だったのだが、後半の4日間はもうほとんど脳が寝ていた。従って物語が流れるままを追う、何ともつまらない読書になってしまった。 さて本書はハメットには珍しくフーダニットをメインとした謎解きのミステリであり、探偵もニックのノラの明るい夫婦が務める軽妙な仕上りになっている。所謂ハメットらしさが一番希薄なのだが、あのハメットがこんなのも書いていたのを知るには絶好の一作ではなかろうか。 |
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これはもはやミステリではない。
ヴァイン名義の『アスタの日記』、『長い夜の果てに』と同様、物語は主人公の回想という形で語られるが、前2作において物語の牽引力となる謎については最も希薄、いや寧ろ全く無いと云ってもよいだろう。 作中幾度となく引合いに出されるように、これはレンデル流『千夜一夜物語』なのだ。シュローヴ館という建物に魅了された女の破滅への道のりと、その娘の、母という繭からの脱皮と自我の覚醒とを書いた。 今回のラストは実にレンデルらしくなくて清々しい。ショーンよ、御前は真底、男だったゾ。 |
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最盛期を迎える前の作品ということもあってか、結末の真相がインパクトに欠ける。意外と云えば意外だが衝撃は皆無に等しい。
ストーリーが流れるままに過ぎて行き、各々の人物像の性格が掴みにくく、透明度が高過ぎて浸透してこなかった。 アーチャーは若く、ラストシーンで警察署長と殴り合いを演じるほどの青さも見せるが、マーロウの影を引き摺っている感は多々生じた。 若さゆえのニヒリズムがアーチャーをアーチャー未満にしている。 今度は睡魔に邪魔されないよう、臨みたいものだ。 |
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求めていたのが違った。泡坂には、こんな浅薄な恋愛物語を描いて欲しくなかった。
一筋縄ではいかない恋もある。外国や都会を舞台にそんな物語を示したかったのだろう。しかしその一点に拘泥するあまり、物語を構成する人物たちに血が通っていない。 プロットはあるがストーリーがない、そんな感じだ。 ただ唯一、最後の一編「裸の真波」は「ゆきなだれ」や「蔭桔梗」に通ずる味があり、静かな春の温かみを感じさせる余韻を残してくれた。 |
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昔の作品ながらも、プロローグに趣向を持たせ、忘れた頃にあっといわせるような手法で持ってくるところは、なかなか。しかもプロローグが実は犯人のアリバイ崩しの重要な手掛かりになるとは、心憎いのだが、原文でないと意味を成さないのはアンフェア。
冒頭の登場人物表に載ってない人物のエピソードが物語の核になる所は、この前に読んだレンデルの『石の微笑』と全く同じなのは、単なる偶然か?しかし、睡魔は読書の天敵だなあ…。 |
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これは島田荘司の『嘘でもいいから~』シリーズのように、モーリス・ルブランの息抜きのために書かれた短編集という印象が濃い。元来、話のスケールを大きくする作家なので短編と云えども過去の因縁を絡ませ、物語に膨らみを持たせようとしているがこれが見事に失敗している。
元々長編向きのアイデアを短編に無理矢理纏めたような、飛躍的な展開が実に白けさせるのだ。昔ながらの超人的思考力探偵というのは今更ながら辟易だ。 |
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「モーリス・ルブランの手による江戸川乱歩風味」といった趣の物語。忌まわしい伝説が伝わる島に監禁された愛息を救うべく、島に渡った母親、悪の首領が支配するその島には壮大な地下迷宮(!?)が存在し、万能の力を持つ「神の石」が眠る…。
ほら、乱歩以外何物でもない! しかも、珍しく主役のルパンは何と、物語の3/4を過ぎた辺りから登場という異例の展開。 なのに安っぽいんだなぁ、これが…。 |
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不覚にも途中で間が空いてしまい、一貫して読むことが出来なかった。また、自分としては生まれて初めて読む時代小説ということで期待はしていたのだが、特にこれといって興趣を惹くような所は無かった。文体が丁寧語で形成された敬体であったためか、泡坂得意の下町人情物、もしくは恋愛ミステリほどには情感は湧き出てこなかった。
まあ、つまりは期待外れという事か。 |
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自分が泡坂作品に求めるものとは少し違い、中途半端な印象だった。
「ダイヤル7」は『花嫁は二度眠る』の改訂版のような結末。 その名のみ知る存在だった「芍薬に孔雀」も肩透かしを食らったような印象。 「飛んでくる声」は犯人の暗号めいた台詞は途中で解ったし、「可愛い動機」は最後の一行に拍手。 「金津の切符」は箱夫の設定は秀逸なのに結末が陳腐。 「広重好み」と「青泉さん」は純文学系ミステリで僕好み。 「書ける作家」なだけにもう少し上を期待したい。 |
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ん~、泡坂妻夫の作品にしては小粒だったなぁ。解決部分を読むと、さりげなく手掛かりが全体的に等分されているのは判ったが、カタルシスが感じられなかった。最大の原因はどの登場人物に焦点を当てたらよいか最後の方まで絞れなかったことだろう。それほど今回は登場人物が類型的過ぎた。
『11枚のとらんぷ』の各々の登場人物の個性、『ゆきなだれ』のような情緒溢れる文体を味わってしまった私には、単なる凡百のミステリにしか感じなかった。 |
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創元推理文庫の表紙から察するにこれ、リュパンシリーズなのでしょうか?出てこないんですが、リュパン。
それにしてもフランスの恋愛はじれったいなぁ。 |
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中身はけっこうおいしかったが最後はつじつま合わせの感が・・・。話の風呂敷もでか過ぎ!
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「麦藁の軸」、「リュパンの指輪」はほんの少し楽しめたが、総体的に見るとやはり出来映えは悪いかな~。
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最初は何度となく途中で投げ出そうとしたことか。しかし、ストーリーの濃さ、結末の意外性は他に見ないものがある。
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ラストは秀逸。プロットは途中で解ったものの良質。ただ、語り口がどうも合わなかった。
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