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なおひろ さんのレビュー一覧
なおひろさんのページへレビュー数572件
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著者初読み。幕末の二大ヒーロー、土方歳三と坂本龍馬を「相棒」とさせる為に、事件は後付けで考えたんでしょうね。良く出来た設定で、西郷、桂、岩倉等々オールスターが集合し、中々楽しめました。ただ、事件解決の為に出来る事は聞き込みだけなので、中盤まではやや単調だったかも。敵対する二人が、二日間と言う限られた時間の中で徐々に認め合う関係になる、その会話の変化なんかが面白かった。物語の始まりは龍馬暗殺直前の時期、新選組も終焉に向かい出す時期。幕末は切ない。敵も味方も文字通り命を懸けている。なので、ラストは蛇足だよな。
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先日「坊ちゃん」を読んだので、内容忘れないうちに本作を続けて読了。前半は文章といい、登場人物の行動といい、まんま続編を読んでいるかの様に楽しめました。中盤から後半はミステリー色が濃くなりますが、段々つじつま合わせが苦しくなったかな?。しかしながら、本家をかなり気に入った私としては、あの世界にもう一度帰れた気分だけで、かなり満足しました。ただミステリーとしては、ラストはあまり好みじゃ無いねぇ。途中の伏線も、回収仕切ったかどうか微妙だし。いっその事ミステリーにせず、作者には「続坊ちゃん」書いて欲しいなぁ。
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医療系ミステリーの短編集。前半の2篇は事件自体がいまいちで、デフォルメされたキャラクターのドタバタに醒めてしまった。27歳で600床ある病院の副院長?こんな病院無いだろうって。しかし後半の2篇は中々緊迫感があり、引き付けられましたね。全体を通して、事前に思ったより面白かったです。設定がかなり強引なので、今後のシリーズ展開がどうなるのか、続けて読んで見たいですね。ただ、一つ気に入らないのは、主人公の医師が誰でも「お前」呼ばわりする事。患者やその家族に対して言うのは、違和感では無く不快感を感じた。そこは残念。
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著者初読み。残念ながら超辛口になります。ご支持されてる方すみません。作中方言で話されるのですが、全く何を言っているのか分からない。それでまず乗れませんでした。3篇の主人公だけで無く、それに賛同する人、敵対する人誰一人と共感出来ず、何が面白いのか理解できないまま読了。読みかけた本は必ず読み終える、と言う自分のルールの為だけに頑張りましたが、辛い1か月でした。ただ、作者は非常に多彩な作品を書かれている様です。作者に対する私の評価は、他の作品も読んで見てからにしたいと思います。
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著者初読み。第12回日本ホラー小説大賞受賞作。ホラーと言うよりは、異世界迷い込み系のファンタジーでした。シンプルな文章で淡々と物語は進むのですが、途中で大きく事情が変わる出来事があり、急に先が見えなくなってしまう。そしてラストにたどり着いた私達は、切なさに胸を締め付けられる事になるのです。迷い込み系+切ない系ファンタジーでした。主人公があんまり怖がらないから、何か安心感は感じるんですがね。それと、異世界なのに、現世の現金を要求されるシーンがあるのが、妙に印象に残ったな。2編共、しんみりしたけど面白かった。
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著者初読み。第62回日本推理作家協会賞受賞作。読友さんからのおススメで探していたところ発見、即購入、即読了。凄いね、この人。始まりからは全く予想出来ない所へ進む展開ですが、解説にも有った様に、とにかく底意地が悪い。途中はブラックユーモアに溢れているが、ラストは救いの無い残酷さ。最後にひっくり返す為にコツコツエピソードを積み上げる手腕には、技術と情念を感じた。叙述的な記述やどんでん返し等、ミステリーの素養もありますよね。と言う事で、ホラー苦手ミステリー好きの私のベストは「熱帯夜」。薄いけど、濃い本だった。
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著者初読み。第二次大戦において、枢軸国側が勝った世界が舞台。日本とドイツが支配するアメリカで、敗戦国の屈辱に耐えるアメリカ人、虐殺されるユダヤ人、とにかく沢山の人が出て来て、散文的にエピソードが紡がれて行きます。物語を貫いているのは、「易経」によって行動を決定する、と言う価値観と、連合国側が勝った架空の世界を描いた「イナゴ身重く横たわる」と言う小説の存在です。この小説を書いた作者が、「高い城」に住んでいる「男」な訳ですが、ここまで説明を読んで頂いても、何の話だか分からないと思います。つまり、そう言う事。
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エンタメ作品としてとても面白く読めました。少しのユーモアと少しのミステリー、真っ直ぐな主人公と謎の相棒?との友情。周りには理解ある仲間と憎々しい敵。どんどん転がるストーリーに追われるタイムリミットサスペンスです、第一部も二部もね。しかし、このハートウォーミングな世界観が作者の本来の持ち味なんでしょうね、乱歩賞受賞後第一作とはとても思えない(笑)。やはり新人賞は分析、作戦、テクニックを駆使して獲得、受賞すればこっちのものなんですな。「再会」結構好きなんで、両方の路線の作品を作者には期待しています。おススメ。
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著者初読み。2017年最初に読んだのは、何とも言えない不思議な作品でした。まず前提として、私はプロレス、総合格闘技、両方のファンであります。なので、本作はもんの凄く面白かったです。連作短編集ですが、特に動機の面がマニア受けする感じじゃ無いですかね。本格ミステリーとしては、トリックが弱いかな。また、警察や刑事の描き方がいい加減過ぎませんか?こんなに適当では無いと思いますけどね。まあ幅広くは勧めませんが、往年のプロレスファンなら絶対読むべき!全体を覆う物悲しくて、胡散臭い雰囲気。コレがプロレスの空気だよなぁ。
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著者初読み。第131回直木賞、第17回山本周五郎賞受賞作。明治から昭和初期に至る、一人のマタギの人生を描いた作品。序盤は東北弁に馴染めず、また好きでは無い性愛描写に馴染めず、じりじりとしか読めなかった。しかし中盤からは主人公の人生の決断や、人々との出会いと別れに心を揺さぶられ、一気に物語に取り込まれてしまいました。冬山での狩猟の厳しさは描かれますが、あくまでも狩る者と狩られるものには一線が引かれた感があります。それだけに最終章は凄まじく、最後まで続く緊張感は素晴らしかった。重厚長大、読むなら冬、つまり今!
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今回のテーマは親子、格差社会、被害者家族等々。なので、社会派推理の側面は強いです。ただ、最近の加賀シリーズは人情物でもありますし、コツコツ捜査を進める警察物でもあります。犯人は誰なのか?、被害者はそこで何をしていたのか?等々、伏線が回収され謎が徐々に解けていくのは、推理物として楽しい。しかし、その裏にある人間ドラマは重く、深く、哀しい。なぜもっと良く話し合えなかったのか?、この物語で亡くなった人達に残された家族は、ずっと考えてしまうでしょう。そして、それはたぶん加賀恭一郎にとっても言える事なんでしょうね。
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笑い、サスペンス、家族の情等々の色々な要素を、軽ーく混ぜ合わせたエンタメ作品。グロいのとか、後味の悪い(イヤミス)が嫌いなので、面白く読めて満足。「白夜行」、「秘密」、「容疑者X」等、私の好きな東野作品の傑作群とは全然テイストが違いますが、上等の暇つぶし作品(勿論褒めてます)でした。内容は軽かったけど、きっと作者が一番言いたいのは、スキー(スキー場)愛何だろうね。くれぐれも、求める物を間違えてガッカリしないように、大らかな気持ちで楽しんで下さい。職人芸ですよ、おススメします。
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凄く面白かった。と言うか、とにかく好きな感じの作品でした。荒唐無稽な話なので、細かい整合性とか精密なロジックとか求めてはいけません。勢いやスピード感、登場人物のキャラ、そして何より暖かい読後感を求めて読んで欲しい。「愛だな、愛」ってセリフが出てきます、まあそんな事が言える世界観です。残念ながら登録数少ないよねぇ、短時間で読めると思いますし、是非みなさんおススメします。
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最近葉村晶シリーズの文庫化が進んでますので、とりあえず最初から読んでみました。小林警部補の話と両方が入っていますが、結構読み口が違いますね。しかし、いずれも最後は意外な結末と言うか、皮肉な終わり方になっています。作者の作品は1作しか読んで無いので良く分かりませんが、作風なのかな?本作は可もなく不可もなく、と言う感じでしたので、もう少し追いかけて見たいと思います。いつもの通り、先にもうシリーズ全部買っちゃったし。
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著者初読み。第60回江戸川乱歩賞受賞作。かなり面白かったです。主人公が全盲の老人な訳ですが、その為か偏狭な性格で感情移入が難しい。その上腎移植、障碍者介護、密入国と重いテーマを複数ぶち込んでいますので、そこを捉えると苦しい読み心地に感じます。ただ、目が見えないが為の不安、恐怖が良く書けており、誰が信用できるのか?全てが混迷する状況にぐいぐい引き込まれた。最後は丁寧に伏線回収を説明され、納得の読後感。注文を付ければ、老人の描き方(特に言葉遣い)に少し違和感を覚えた所かな。とは言え良作でした、おススメします。
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「歴史エンターテイメント」と言うジャンルでしょうか、全然ミステリーでは有りません。面白い発想の作品では有りますが、今作でデビュー出来たのは、出版社や編集者のセンスも評価すべきかも知れませんね。もちろん、この奇想と読み易い文章は作者の才能と努力に寄るものでしょうから、是非ストレートなミステリー作品も読んで見たいと思います。ホントは歴史あんまり得意じゃ無くて、読了にめっちゃ時間掛かってしまいましたので。
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