■スポンサードリンク
闇の楽園
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
闇の楽園の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
得体の知れない洗脳団体との対決に、はらはら、ドキドキ、大変面白かった。 ミステリーの分野かな? とも思われますが、エンターテイメント小説としては一級品です。 展開が早く、登場人物の描写が克明で、ページを繰る手が止まらなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
全体的に焦点がぼやけていて、 構成もイマイチでした。 前半にページ数を割いている割りに、 後半はあっさりとしすぎていました。 前半をバッサリとカットして、 中盤から後半にかけて力を入れてもらいたかったです。 主人公(らしき人)も全く魅力がなく、 前半は誰が主人公なのかすらわからないくらいです。 個人的な評価としては、 星3つといったところです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上下二段に構成された本書は、長編ではあるけれどもリズムがよく、また迫力もあるので読み進めて行くことに苦労はしなかった。長編にありがちな、くどいストーリー展開や、登場人物のくどい言い回しや回り道が無く、扱っているテーマのわりにすっきりとした後読感でした。性的な表現や暴力的な表現がが登場する場面が幾度となくありますが、その表現も濃厚には描かれず、あくまで表層をすくったような表現でまとめていることも、その原因の一つかもしれません。性や暴力といった現代小説にありがちなテーマもこれほどの表現の仕方であれば、人間の根本的な性質を描いた文学作品として問題はないのかなとも思います。 また、戸梶氏は心理学方面のご出身であるらしく、その片鱗が随所でうかがえました。いわゆる専門用語が目に付きましたが、深い意味はわからずとも理解できるような表現であったので、心理学方面への造詣が深くなくても難なく読める程度であったと思います。 登場人物のそれぞれの描写が少なく、前半にリズムに任せて複数の人物が矢継ぎ早に登場してくるため、読者としては「主人公は誰なんだ?」と言いたくなりましたが、それも新しい小説のスタイルとして成立するのかもしれません。 私個人としては、欲を言えばもう少し心理的な描写や、一人の人物に中心的な描き方をしてほしかった。しかし、全体的な印象としては好印象でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この人、売れているようですね。ただ、個人的にこの人の書くものは、品がなくて嫌いです。 「自分さえよければいい」という風潮が若者に蔓延し、電車の中でメークをしたり電話でしゃべったり、という情景が日常化していますが、まさにこの人は「面白ければすべてよし」という感じなのでしょうか? たしかにプロットなどはよくできています。さまざまな人間模様が最後に交錯する一瞬の火花は見事です。しかし、この人の「物語」に触れて、私の中に残るのは不快感だけです。 「パルプフィクション」的なものを求める向きにはオススメですが、くれぐれもご注意を。読後感はジャイアントスイングで投げられっぱなし、って感じですから。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
型にはまらない表現力とスピード感、個性あふれる登場人物達。初めから終わりまで、まったく飽きることなく読めました。後半部はちょっと展開が早すぎて残念なところもありますが、それも内容が面白いがゆえの事で、「もっと読みたい」という欲求がそう思わせるのだと思います。文学としてどうか? 文章力はどうか? なんていうのはほんとに愚問だと思わせる一冊です。いやー、面白かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
くだらん会社を飛び出した青柳敏郎は、ダメ人生から脱却したくて、ふと手にした公募ガイドで見つけた「町おこしアイデア募集」に応募する。何の名所も取り柄もない田舎町・坂巻町町長の藤咲が、町民の悲願・町おこしを一般公募から選ぶことにしたのだ。一方、怪しい自己啓発団体「真道学院」も教祖生誕の地である坂巻町を、あるプロジェクトのターゲットとしていて…。 絡み合っていく人物配置が巧み、スピード展開と濃いキャラクターで魅せるストーリーである。小ずるい悪党を描かせると天下一品の著者であるが、愛すべき善良なオヤジを描かせてもイケている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
戸梶圭太のデビュー作の本書ですが、とにかく最初から最後まで戸梶ワールド満載の目が離せない迫力とスピード感がありました。毎日契約の取れない罪悪感から営業の仕事を辞めた青柳は、偶然手にした雑誌の中の町おこしアイディア募集を見て、お化け屋敷のテーマパークを突如思いつき、その日のうちに辞めた会社の契約書の裏に原案を書き、応募すると採用されることに。一方その町おこしをする長野県の坂巻町ではテーマパークの反対運動が起きており、反対運動を起こしている反対派は謎のカルト集団でもあったが、カルト集団は教祖の実家だった坂巻町に道場の建設を目論んでいた。それぞれの思惑が複雑に絡む中、投票日当日となるがカルト集団による不正操作、そのカルト教団に対して一歩もひかない町長!ら!賛成派、そして投票後に不正操作が発覚し、役場では大混乱が起きた……。 カルトによる洗脳と暴力、そして殺人。方や坂巻町に住む人々の思惑と、それぞれの闘いがテンポ良く描かれ、読んでいても次の展開が気になる内容でもありました。そして飽きさせない場面も随所に盛り込まれており、実に存在感のある作品に仕上がっており、パワーある作品で、お勧めです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『弥勒』『屍鬼』と「村」の盛衰を題材にした力作が続いたその翌年、この『闇の楽園』はその二作に負けるとも劣らぬ、村の強烈な祝祭の一部始終を描いて、あくまで活き活きと魅力的な作品なのであった。 新人が新潮ミステリー倶楽部賞に応募して見事これを射止めたという作品だけに、荒削りで破天荒で定石を無視したところが、ぼくには負の力ではなく逆に吸引力と映ってならなかった。既存の作家に既に備わってあるものを書く、しっかりした若い力などはぼくはむしろ求めてはいない。過去の蓄積と呼ばれるものを壊し、かつ力強く読者を魅了する作品をこそ、ぼくはやはり求めていたのだなあ、とこの本を読んでつくづくしみじみ感じたくらいだ。 小じんまりとまとまって見た目の良い物語以上に、こうした作品がかもし出す人間味に溢れたパワーというのは、冒険小説というジャンルにしてみればそれなりの財産である。選者たちが嘆くようにミステリー色は非常に薄いんだけど、謎なんぞいらんとばかりに長野県の、とある鄙びの町を襲うこの人間たちの欲望の渦は、実に多くのものを破壊し去ってみせた。 多くの奇怪な人間を登場させ、多くの人間たちを屈折させては、村起こしとしてのダーク・ランド建設とカルト教団の聖地建設とが闇の中で激突してゆく。日常のなかに埋もれがちな小市民たちがいつの間にか巨大な闘いの中に巻き込まれてゆく。中島らも『ガダラの豚』で感じられたような闇の世界から来たる強烈な暴力と、これに闘いを挑む怒れる小市民たちの死に物狂いな闘いとがたまらなく勇ましく、最後まで厭きさせない。 多くのキャラクターがバイオレンスの狂瀾の向こうに置き去りにされてゆく中で、たくましく哄笑する者が新しい暴力の天地を求め、逆に夢を求める純な若き魂がいる。まさに多くの生きざまや価値感が共存する「村」の姿がここに溢れかえっている。 ラスト・シーンは、大林宜彦に撮らせたいくらいに印象的であった。感動的というのではなくって、不思議と魅力的で、やはりバイタリティ至上主義とでも言うような生命感の横溢したものを感じさせてくれた。 多くの屍や生命がまったく整理されていないながら、こうでなくては新人作者としてのデビューなんかできないぞ、とでも言うように読者側の難関を見事にクリアしているように見える。まさに快挙と言えるほどの、これは面白力作なのである。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!