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虚貌
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虚貌の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全78件 41~60 3/4ページ
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お手本のようなミステリを、久しぶりに手に取ったような、そんな気がする。一見、ありそうな怨恨と筋書きに、岐阜弁と山峡の風景と、広い空。人間の愚かしさとトリック。小気味いい物語が、読みたい。ちょっと都会を舞台にしたハードボイルドものに疲れた、という人にお薦めします。こんなにまでして生きなければ・・・と思うと、自分なんて幸せなものですぞ。 | ||||
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お手本のようなミステリを、久しぶりに手に取ったような、 そんな気がする。 一見、ありそうな怨恨と筋書きに、 岐阜弁と山峡の風景と、広い空。人間の愚かしさとトリック。 小気味いい物語が、読みたい。 ちょっと都会を舞台にしたハードボイルドものに疲れた、という人にお薦めします。 こんなにまでして生きなければ・・・と思うと、 自分なんて幸せなものですぞ。 | ||||
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20年前に起こった一家惨殺事件。 その主犯にされた男が出所してから始まった当時の容疑者たちへの復讐。 次々に殺害されていく実行者たち。 そこに絡んでくるのは、当時捜査を担当した不治の病におかされた刑事、顔に痣がある相棒 おちぶれたアイドルである刑事の娘。 刑事の娘の恋人は、一家惨殺事件の犯人の1人である。 殺戮とさまざまな人間模様が交差して物語が進んでいく。 一家惨殺事件の犯人間の争い、もしくは家族により復讐など捜査が進むなか 顔にとらわれた人々の心の動き、そして錯覚などを駆使して殺人計画は進んでいく。 テーマも面白いし、テンポもいい、人物描写も悪くはないのだが 何か物足りなさと深みを感じない。 物語と関係ない蛇足的なエピソードも多いこともある 又犯人探しの醍醐味があまりない事もある。(途中で犯人はわかる) トリックが現実離れしているのかもしれない。 もうすこしひねりがあったらすごく面白い作品になっていただろう、一寸残念。 | ||||
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評価の高い本ですが、私にはどうも腑に落ちない。 ストーリー構成や人物描写などは良く、一気に読ませるのですが、 やはりあのトリックが、現実的で無いところにあると思います。 顔だけならともかく、体格や声までも実際に存在する別人になるというのは、 いくらなんでも無理でしょう。 物語の一番の核をなす重要な箇所なので、そう感じたらどうも醒めて しまいました。 | ||||
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エンターテイメント小説は一度読めばもう終わりというものが多いが、 これを読み終えた後に思わず「犯人に告ぐ」も読み返してしまった。 面白さの種類としては同様で、比べると多少荒削りな感じはするが、 それでも読み出したら止まらない完成度の高さは保障したいと思う。 核になるトリックについては賛否両論があるようだが、 確かに「そんなのあり?」な感じは否めないものの、 ミステリーと思わずに読んでいたのでオチどうこうは抜きにして とにかく存分に楽しませてもらったので満足。 自分の犯した罪は、必ず自分に返ってくる。 支柱となっているのはただそれだけの本当に簡単なことなのに、 それをここまでスケールの大きな作品に仕上げて読ませる、作者の筆力は圧巻。 盛り上がれば盛り上がるほど、一体どうやって着地させるのか?その方法に注目が集まるのだが、 伏線の張り方も「犯人〜」と同様に非常に上手いので、ラストも違和感なく受け入れられた。 上巻を読み終えたら間違いなく続けて下巻も読みたくなるので、 必ず2冊同時に購入することをお勧めしたい。 | ||||
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ミステリーファンに物議を醸し、認められないという意見もあるようです。 確かに殺人事件が題材になって中心人物が警察官という設定からトリックを楽し もうと考えるのであれば、読む本を間違えたといえましょう。少なくとも私は楽 しめました。不自然さにそれほど違和感もありませんでした。小説の部分でどこ にリアリティを求めるかによるのでしょう。私が求めるリアリティは解説で福井 晴敏氏が書いているように、人物が描きこまれているかどうかが判断基準となり ます。 現実にありえないことが書かれていても小説である以上十分アリだと思います。 本作品に本格ミステリーの厳密に適応したいのであれば読むことはお奨めしません。 しかし、ありえない事象の中での人間ドラマを楽しみたいと思うのならば大変優 れた作品と考えられます。なぜ彼はあの時このような行動をとったのか?が読者 にとってこの作品の謎となり議論を深めるツボなのだと思います。 | ||||
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色々な視点からストーリーが展開されていくのだが、しっかりと話がつながるため文章も分かりやすかった。途中から犯人とトリックの見当がついていたが、犯人と思われる男は最後まで罪を認めなかったのはなぜなのだろう。別に犯人がいたとは思えないが、その理由が知りたかった。また事件の話だけでなく「顔」をテーマに自分へのコンプレックスの様子が描かれていて、それが事件とも大きく関係していたので読み応えがあった。 | ||||
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「犯人に告ぐ」が今一だった為、この作者の作品はもう十分と思い暫く遠ざかっていたのだが、「火の粉」を読み、その余りにもの面白さにいてもたってもいられず、「虚貌」ついに読みました。残念ながら失敗です。一体作者は何を書きたかったのだろうか?理不尽すぎる犯行とトリッキーな復讐劇。死期間近の老刑事の捜査魂と犯人との心の交流(タイヤキのお礼かな---は最高)。それだけで十分満足出来る内容だと思う。朱音と湯本の話がうっとうし過ぎる(無駄でせっかくの作品がぼやけてしまう)と思うのは私だけだろうか?又最後朱音が心中しようとした心の変化が突通すぎてどうしても付いて行けない。相変わらず読ませるは十分あるので徹夜本だったが、苦痛本でした。 | ||||
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上巻を読んで凄く期待してました。 でも話が進んでいくうちに、あれ?死んでる?え?まさかそんなもの? っていう感じで結局自分が期待していた方向とは違く終わってしまいました。 確かにおもしろいですし、予想を裏切るって所ではすごいような気もしますが、 やはりこの本は荒の物語にして欲しかったってのが本音です。 いやこれはこれでおもしろいんですけどね。 | ||||
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人物描写こそ雫井氏の本領ではないだろうか。 各登場人物の内面・背景を丹念に書き込むことでストーリーの厚みが増し、 読み手をグイグイ引き込んで行ってくれる。 そのことによって、対照的に唯一顔の見えない犯人像が一層際立ち、早く真実を知りたい 読者のページを繰る手を急かすのではなかろうか。 確かにトリック自体は突拍子もないというか、少々無理な感じはする。 でもそんなことは全く気にならなかった。 それはひとえに、前述のように登場人物たちに血が通っているからだろう。 雫井氏はまだ40歳代前半とのこと。 これからまだまだ氏の作品が読めるのが嬉しい。 | ||||
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どうあがいても、転げ落ちていく人生に逆らえないひとりの男がいて、自分の意思ではなく犯罪に手を染めてしまう。本来の彼の性格なら、刑期を終えて罪を償い、ひっそりと余生を送るはずだが…。運命はそれすらも許してくれない。 いろいろな人間が皮肉にもかかわっていて、二十年前の事件がよみがえる。 この上巻だけでも次々と起きる新展開に、読むのをやめられません。岐阜や名古屋の知っている地名がたくさん登場するので、私にとって親近感がある小説でした。 | ||||
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これまで読んできた小説は、1,000冊以上。だから、よっぽど面白くないと内容を覚えていない。この作品もそう。何となく面白かったような気はする。でも、何か決定的なものが足りない。ミステリーにしては、内容が薄すぎる。ヒューマン小説としては詰めが甘い。どっちつかずの小説。もし、退屈で仕方なかったら、試しに読んでみていいかも。でも、多分、数日後には、内容を忘れていると思いますが。 | ||||
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雫井氏の書き出しはいつも凄い。ぐんぐん引き込まれてしまう。しかし結末はいつも「あれっ?」、「何でこうなるの?」と、とても惜しいと思う。柔道選手のドーピングも、この美濃加茂の放火事件も、元裁判官と隣人の事件も、万年筆と学校の先生の日記の話も、どれも非常に惜しいと思う。雫井氏の作品よりも、実際の事件簿、新潮45編集部編の新潮文庫の4冊の方がずっと怖いし、まともである。 | ||||
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ミステリーとして以上に人間の心の弱い部分をストレートに描いた作品であったと思います。 顔に大やけどの痕があるために看護師になれなかった少年、顔の痣をカバーマークで隠している刑事の心や アイドルとして自分の顔に失望してしまった女性。 顔って何?作品は一貫してその提起を僕に突きつけてきました。 そして作品の中には多くの言葉に溢れていた。老刑事が、姉さんの話で 「個人の戦争はこうやって終わっていくんだろうな」とつぶやいたシーンが、 僕の中で最も印象に残ています。 | ||||
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遅ればせながら雫井脩介デビューを「虚貌」で果たしました。 冒頭、石の森章太郎氏のエッセイの一文が胸に染み渡ります。 もしかしたら「彼」は姉を最初の事件で両親とともに失っていたのなら 復讐などという執念を持たなかったのではないだろうか。 ふとそんな気がしたりもしました。 ひとつの事件は波紋のように大きな広がりを見せていきます。 滝中親子も、もしかしたらその波紋に影響を受けた犠牲者とも思えます。 終盤、読者を惑わすような仕掛けも「彼」のその行為を柔らかく 包むオブラートのような役割があるのでしょうか。 2006年、特殊な能力を持つ38歳になる「彼」がどのように生きているのか 非常に興味を持つ読者は私だけではないはずです。 | ||||
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(上)冒頭の衝撃的なシーンが、プロットの妙を示唆しており、登場人物達の描き方がなかなかリアルで、ぐんぐんと読む者の心を捉えていく。このようなことは殺伐とした現代に起こりうる可能性を内蔵している。この巻では、似顔絵が一つの伏線として用いられている。 (下)上巻の惨劇の真相が少しずつ見えてくる。癌に侵された老刑事のキャラクターが実にいい。読み進むうちに「えー、こんなことあり」と思ったりするが、ストーリー展開が面白く、一気に読み終えました。「火の粉」に次ぐ著者の傑作。 | ||||
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最初の事件の描写がとてもリアルで、怖かったです。その後、畳みかけるように続々と新しい登場人物が。”こんなに出てきて、話がひろがりすぎないのかな”と心配になったのですが、これがみな結局はつながっていて、ビックリするような関連が発覚するのです。でもちょっとやり過ぎの感は否めませんでした。ラストは死人が多すぎてげんなりしました。事件が解決してすっきりしたかもしれませんが、希望がなさすぎてつらい終わりです。あと一つ疑問だったのが、一番最後の場面。新たな登場人物について詳しく描かれていたのですが、はっきり言って蛇足です。かえって余韻が残らなかったように思います。 | ||||
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読み終えたあとため息とともに出た感想です。上下、2巻に渡る長編ですが一気に読めます。気がついたらラスト・・・と言うくらい読者を引き込むスピード感に加え人物の心理描写の見事さには脱帽です。従来のいわゆる推理小説の定義をくつがえすような作品だと思います。奇をてらったかのようにとられがちなトリックをよくぞここまで深みのあるものに・・・と心から思いました。 | ||||
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読書仲間のタカオカさんのおすすめで借りて読みました。一気に読める作品で、週末に上下巻読破しましたが、上巻の途中でほぼ正確に犯人とオチが解ってしまいました。それでも、自分の推理が当たりがどうか確かめようと最後まで読ませるというところがこの作品の魅力なのでしょうか?冒頭のお風呂の中で少年が歌っている「チャッチャラッチャ~」の意味が読後に解り、筆者の遊び心も見えます。登場人物の係わりがちょっと強引かな~?運命的でもあるけど、そこまで世間は狭くないでしょ。これだけの特殊メイク技術があれば、日本映画もオスカー獲れます。なんぼなんでも、実生活の中ではバレるでしょ。雫井さんの他の作品も読んでみよう。 | ||||
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上下巻あるけど面白いから飽きずに読めます。ただ、最初にある、小説の発端となった事件の話は、かなりグロテスクというか気持ち悪くなってしまいました。凶悪事件って架空の小説で読んでもやっぱり正直キツイ( >Д<;)かも。でもそれ以外はかなり読み応えはあります。小説とはいえ人間を殺人の鬼にするのってやっぱり憎しみというか、限界を超えた悲しみとか心の傷なのかもしれないなって思いました。辛い過去を乗り越えて人の心の痛みを和らげていても、どんなに時間が経っても、家族を奪われてしまった憎悪というものは消えないものなのかもしれないと読みながら思いました。 | ||||
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