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天使
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天使の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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佐藤亜紀の小説をよんでしまったら自ら小説など書こうと志すことは ためらってしまうだろう。 畸形的な想像力という面だけみれば、大江やその他もろもろ個性的な 作家はいるかもしれない。 しかし、文字をおうというただそれだけの快楽に忠実になれ、かつ、 エンターテイメントの極限へ導いてくれるこんな妙ちきりんな作家はまれだ。 「バルタザールの遍歴」でもそうだったが、ライトノベルばりの超能 力てんこもりの意匠も描写の多重性や纏いつくような感覚描写をなすための 方便かと思えるほどだ。 村上某も井坂某も彼女の作品の前では、色褪せてしか見えず、どうでも いい作家にしか思えなくなってしまう。 今時の存命作家の小説の中で、暇つぶし以外の理由で読む価値がもし あるとするなら、山尾悠子と佐藤亜紀のもの位だろう。 芥川賞はさておき、直木賞も本屋大賞もこのライトノベルがすごい!も いったい何をみているのだろうか。類稀なる作家、感嘆。☆×10個。 不遜な言い方をすれば、この作品がメジャーにならないような日本の 小説界など、紙ゴミを消費する読書とともに消滅してしまってもなんら 惜しくないと思う。ホイホイと映像やほかのメディアに変換可能な物語 などに存在価値なんかもうほとんどないのだから。 参考資料としてでもなく、貴重な時間を割いて小説として文字を追う行為 にまだ何かの価値があるとすれば、この作品を読むようなところにしかな いだろう。 | ||||
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同じ著者の「1809」に対し、その舞台である19世紀初頭のウィーンにおいてウストリツキ公爵は20世紀的人物であるという趣旨の評がありました.それに倣ってこじつけると「1809」からおよそ100年経ち、そうした20世紀的人物がうようよしている本作のなかで、主人公ジェルジュの最強の敵メザーリこそがいわゆる21世紀的人物ではないでしょうか?メザーリの気持ち悪さの描写は凄まじく、本作の登場人物たちが備える「感覚」は、彼を描写したいが為に設定されたのではないかと穿ってしまうほどです(公爵なら内面を独白しもするでしょうがメザーリが自身の内面を他人にしゃべるとは考えられませんから).個人的にはフリッツラング監督の映画「M」の殺人犯と少しイメージが重なりますが、メザーリの方がかなり強そうです.21世紀の現在、世間にはメザーリ的人物がうようよしている。。というのは言い過ぎかもしれませんが、一定数が生息しているのは確実と思います。図式的な誤読ついでにいえば、本作でのジェルジュ、ダーフィット、フローラの関係は、「バルタザールの遍歴」におけるメルヒオール、バルタザール、マグダの三角形と相似を成しているように思え、著者のいちファンとしてなんだか嬉しいです. | ||||
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なんて緊張を強いられる小説だろう。 正直なところ、読むのはとてつもなく疲れる。脳の運動神経をフル稼働させることを要求されているようだった。 ジェルジュ・エスケルスは「一世代に精々一人か二人だ」という程、天賦に恵まれた“感覚”と呼ばれる能力を持っている。果たして“感覚”とは何か。それを超能力のように明らかに表現することは佐藤亜紀にとって屈辱でしかないだろう。佐藤亜紀は“感覚”をリズミカルな文体で感覚的に、艶かしい筆致で表現する。読者は努力さえ怠らなければ、ジェルジュや他の人物の“感覚”を共有することができる。感情の飛躍や揺れを小説という形式で、これ程までに映像的・音楽的に現すことに成功した作品があっただろうか。 三島由紀夫は「私には音楽が色に見える」という風な言葉を遺した。 「天使」では、紙というややもすれば乏しいメディアの上に印刷された黒い文字の羅列が最上の音楽や映画になるのだ。愉しみに溢れている。 しかし、気軽に天使を友人・知人に勧められるだろうか。結論否だ。「よくわからなかったから途中で読むのを止めた」と云われたらどれ程悲しいか。 だが、この作品をみんなに教えたい、“感覚”について皆と語り合いたい。けど、否定されたくない。私の独りよがりな我儘とはいえ、なんとも悲しいジレンマを私に感じさせる佐藤亜紀はとても罪深い小説家だ。 | ||||
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佐藤亜紀は、真に貴族的な作家だ。 知識や理解の追いつかない読者などは、平然と置き去りにして走り去っていく。 しかし、かと言って高踏的な訳ではなく、通俗的なまでに(おそらく計算づくで) 読者の心を掴んで離さない(ところもある)。 スタイリッシュで躍動的かつ退廃的な登場人物に、スリリングな戦闘シーン。 細心の注意をもって短く刈り込まれた描写が生み出すリアリティと臨場感は、 異常なストーリーを違和感なく読者に受け容れさせる。 また、この小説の主眼たる超能力者の感覚に対する独自の表現は、説明が省略されすぎていて、 すぐには理解できない、けれど分かりたくなる、努力して少し分かる気になると、それが快感に転ずる。 でも、やはりちょっと待って欲しい。 高級レストランから出てきて、皆が皆、口々に美味しいと言い立てても、その味が 本当に分かっている人は、実は少ない。多くの人は、その格式に目眩まされて、 分かりませんとは恥ずかしくて言えないだけなのだ(かくいう私も...)。 ここで簡単なテストをしよう。 貴方は、「躱す」を辞書なしで読めますか。「頽れる」は読めなくても仕方がない。 また、「サラエボ事件」と聞いて、何のことか説明できますか。 もし、このテストに合格できないのであれば、悪いことは言わない。 貴方には、「天使」は早すぎる。 佐藤亜紀初めての人には、「バルタザールの遍歴」と「1809」を薦めたい。 「天使」は、その後でも遅くはないだろう。 | ||||
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今まで小説を読んできて面白い小説はたくさんありましたが、 ずっと心に残るもの、となるとそんなに多くはありません。 この作品はずっと心に残ると思います。 確かに難しいです。 第一次大戦前後のヨーロッパ史の知識は必要だし 登場人物の立場や人間関係の説明は殆ど無し。 しかし、それでも読まずにはいられない魅力が溢れています。 とにかく個性的な登場人物達。 そして美しい「感覚」の描写。能力者同士の戦い。主人公の力。 説明が無いのは、それだけ緻密に物語が創られているから出来る事だと思います。 あと、今まで超能力というのは「五感+α」だと思ってましたが、 生まれながらにそんな能力を持っていればその能力の方がメインになるのは当然だな と感じさせられました。 最高の超能力もの。映画化されたらいいなと思うけど、無理でしょうね。 『雲雀』と2つで1つなのでこちらも必読。 | ||||
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知識の足りない分を補いながらでも理解したい、この先どうなるのか知りたい、読みたいと思って進んでいたら、気がついたら朝でした。 読めない漢字がたくさん出てきました。何て読むのか分かりたい、筆者が何を描こうとしているのか理解したいと思いました。 読み終わった今は、時々取り出してDVDでお気に入りチャプターを繰り返し見直すように読み返しています。どこを取り出しても、私にはとても鮮やかです。 中学生の時にコバルト文庫のSFなんか読みましたが、超能力者が出てくるティーン向け娯楽テーマを最上級に高級にしたら、すごい作品になっちゃった、というのが私の読後感想です。読書家を自認する、10代20代ににぜひ読んで頂きたいです。面白くてやめられませんし、青春成長物語としていろいろなところで男女とも共感して読めると思います。 女子心が求める素敵な主人公描写、いいです♪とても上質でロマンティックな漫画に出てきそうな登場人物達。でもそんなすごい漫画は多分絵では描けない。それを小説にしたような感じです。しかし決して安くて簡単ではありません。重くて最高級です。電子辞書、要ります。漢検2級じゃまだ足りないかも。でも読んじゃう。 | ||||
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佐藤亜紀の小説を読むのは初めてだ。難解という評を読んで、ある程度は覚悟していたが、非常に面白かった。 何と言っても、「感覚」の描写は素晴らしい。他人の頭の中を読み取り、支配し、殺しさえできる、この常人にはない能力を「見る」「触る」「突く」「撫でる」等、アクションを意味する動詞を駆使して表現する。SFは随分読み散らしてきたが、超能力に関してこんなに独創的で見事な表現を読んだのは初めてだ。 感傷のない、ドライな文体は、初めとっつきにくく感じられたが、慣れればすらすらと流れるように読める。伏線は縦横に張り巡らされ、キャラクターは魅力的だ。面白い。 ただ、これだけ面白い小説なのに、一方で物語がよくわからないのだ。世界史の授業を受けてから何年もたっている。正直言って、この時代の、この地域についてはほとんど何も知らない。ジェルジュがウイーンからベオグラードへ向かった、と言われても頭に浮かぶイメージは何もない。ベオグラードがどこにあるのか知らないからだ。「汽車でどこかへ行ったんだな」でしかない。それがわかる人向けにしか書いてないと言われればそれまでだが。 隣の部屋から聞こえてくるテレビの、音声だけ聞いてるような感じだった。面白い話なのはわかるが、映像がないのでちゃんと理解はできない、といったような・・。 この忙しい時代、読書を中断して背景知識を検索する読者が何人いるだろう。 せめて、第一次大戦当時の、この地域の地図が一枚ついていれば、と思った。 | ||||
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第一次世界大戦期のヨーロッパで「感覚」を持つ青年ジェルジュの戦いを描いた小説。 ひどく難解でした。ジェルジュの持つ超能力を「感覚」として理解するのが大変。しかも作者の性質で、時代背景を一切説明しないので世界史の知識が必須。佐藤亜紀の小説を読んでいると高校で世界史をとっておくべきだったと後悔する。第一次世界大戦前後の世界史を読む前に勉強しておくといいかもしれない。 難しい背景を理解しきれなくともこの小説は面白い。主人公のジェルジュが才能を開花させていく過程は読んでいて面白いし、ジェルジュを育てる顧問官のかっこよさも読んでいて楽しい。佐藤亜紀作品は美男美女ぞろいなので豪華な小説を読んでいる気分になる。顧問官に命令されそれに従うジェルジュの構図はすごくつぼにはまるので呼んでいて本当に楽しいのだ。 ジェルジュが行うのは諜報活動なのでスパイ小説さながらのスリルも味わうことができる。感覚を使ってピンチを切り抜けるジェルジュは本当にかっこいい。感覚を持つ敵と対峙したときの描写は非常に難解だが、雰囲気だけでも楽しめないことは無い。ちゃんと理解できて読むことができるのなら、最高に面白いところだと思う。 読むのが大変な小説ですが、読んだあとの達成感ときたらない。再読を重ねてちゃんと理解したい小説でした。 | ||||
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一読して、ひれ伏した。こういう書き方もあるんだと素直に感心した。 本書は、第一次大戦を挟んだ混迷に満ちたヨーロッパを舞台にしている。そこで暗躍する異能者たちの攻防が硬質な文体で描かれるのだが、ぼくはこの作品ほど読者に媚びない本を読んだことはない。佐藤亜紀は、読者を顧みない。世界を構築しそこで物語を動かすのだが、彼女はいっさいの説明的記述をすっ飛ばしてフルアクセルで加速していくのである。歴史的背景、登場人物たちの思惑、そして彼らの具え持つ『能力』について普通ならなんらかの配慮がされるところを彼女は一切関知せず、どんどん話をすすめてしまう。そのスタンスは一貫していて、まったく揺らぐ事がない。ここで、ぼくはシビれてしまった。ストリート・キッズのようなボロ屑同然のジェルジュが顧問官にひろわれて、生まれもった能力を統御する術を叩き込まれ、腕利きの諜報員として成長し、混迷に満ちた世界に翻弄される。本書のストーリーを要約すれば、たったこれだけで済んでしまう。だが、その簡単な骨組みに肉付けされたこの豊かな世界の情報量はどうだ。それは驚くべき手腕であり、稀に見る才能だと言わざるを得ない。ぼくが感嘆したのは、その『能力』の描写である。かつてこれほどサイキックを感覚的に描いた本があっただろうか。これはまったく未知の体験だった。彼女のあやつる言葉の奔流は、未知なる感覚をそこにあるが如くにページに縫い付けていく。読者はそれに翻弄され、天地を逆さまにするような酩酊感に巻き込まれ、絡めとられる。これは読んでみなくてはわからないのだが、読書をしていてこういう体験をしたのは初めてだった。言葉を連ね、こういう芸当ができるということに正直驚いた。まったく素晴らしい。この作者はまったくもって化物である。すごい作家がいたものだ。 | ||||
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装飾を削ぎ落とした無愛想な文体こそが、佐藤亜紀の真骨頂だ。文章が凝縮されており、情報量が非常に多い。それでいて、無駄が少ないのである。無駄が少ないから、ストーリーの展開も速い。そのため、漫然と読み流せるような読み物として、この『天使』に向かうと、読みにくいのである。 しかし、一旦その凝縮された文章に頭の波長を合わせると、目に次々と情報が飛び込んできて、目まぐるしく進むストーリーとともに、読者は眩暈の様な興奮を味わう。 それこそまさに、超能力のように。 最初は読みにくいので、とっつき難く感じる読者も多いだろうが、独特の香りに嵌まれれば病み付きになる。日本語の文章としての一つの到達点であろう。設定には、少女マンガ的なモチーフも盛り込まれており、エンターテインメントとして楽しめる。 | ||||
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現実離れした要素を扱っているにも関わらず、この小説には圧倒的なリアリティがある。それを成立させるのは、状況説明など作品世界を外から俯瞰する視点を排除した書き方だ。事物を視覚的に記述する文章を追っていく間に、まるで映画を見ているように、読者の眼前に世界が立ち上がって来る。しかし読者は読みながら頭の中で再現するのだから、自分で映写機の役割も果たさなければならない。それだけ読むのに苦労するが、それに見合う快楽を与えてくれる小説だ。 | ||||
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端正で熱のない文体は、最初に読むのをためらってしまうくらい。 「え?俺読んでもいいの?」と実際に思った。 けれど、この突き放されてる感覚は、物語を読み進めてく内に大きな錯覚であったと気付く。 一つ一つは目を留めて見るほどのものではないんだけれど、 それを丁寧につなぎ合わせていったら、いつの間にか凄く綺麗なオブジェが出来上がってた。 そんな感じがした。 僕は頭も悪く、趣味もヲタク丸出しな文学とは程遠い所にいるダメ人間ですが、 そんな自分でも最後まで読むことが出来ました。 分からない単語や読めない漢字、第1次世界大戦時の欧州の様子など、気になったところは調べてでも読みました。(プロイセンなどという国は聞いたことがなかった 物語が硬派なファンタジーであること、何より著者から語られる登場人物達の描写が とてもとても美しかったことが、最後まで読ませる力を与えてくれたのだと思います。 とてもよい作品だと思います。大好きな小説です。 | ||||
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小説としてしか表現できない形でもって超能力者を描ききった傑作である。ちょっと漫画や映像で表現するのは不可能だろう。作品世界で描かれている超能力である「感覚」の描写は抽象語のオンパレードなため、その点で読者は骨が折れるかもしれない。まあ、それも仕方なし。そういう能力なんだから。 しかし、これもまた芸事として文芸を捉えれば、この作品はまさに至芸である。生半可な「純文学」よりも遥かに文学的である、というよりもこの作品のほうが真っ当な文学である。 ただし、である。読者を選ぶ。ライトノベルしか読まない人間はやめて置いた方がいいだろう、というか古典作品をあらかた読んでから手を出した方がよろしい。 | ||||
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この稀有な作家の存在をつい最近知った。まだ文庫化されている3冊しか読んでいないが、そのどれもが異なる素材と主題を選びながら、全て日本の小説ではちょっとお目にかかれないような完成度を誇っている。凝りに凝ったプロット、魅力的な人物造型、歴史と政治への深い理解。そして何よりも、読むことの快楽を極限まで追求した、無駄の一切ない、それでいて密度の濃い文章。小説の世界にどっぷり浸ることが出来る。この『天使』は、そうした佐藤亜紀の魅力が頂点に達した作品だと私は思う。当然面白い。しかし、その分難解なのである。まだ佐藤氏の小説を読んでいない方は、『バルタザール』『1806』から読み始めることをお勧めする。他のレヴューにあるとおり、この小説は「説明」というものを理解不能になるぎりぎりのところまで削ぎ落としている。だが、氏の小説をある程度読みなれれば、この難解さは容易に快楽へと変わるだろう。というわけで、佐藤亜紀の小説を読んだことがあり、かつ面白いと思った方には、留保無しで胸をはってお勧めできる本である。 | ||||
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ドイツ語圏近代に徹底的にこだわる奇才、佐藤亜紀の、帯に拠れば「サイキック・ウォーズ」である。彼女の語り口は毎度極めてスタイリッシュにして難解、そのため完成度に比し、一般的知名度は高いとは言えないが、世界観の構築という意味では右に出る作家は少ないだろう。本作の特色はSF的世界観や舞台設定の緻密さで語られることが多いが私見では、感覚描写の巧みさにあると考える。安く言えばエスパーの戦いが、幼稚な劇画に陥らないのは肉体に結びついた確かな感覚描写があるからだろう。そういう意味では、舞台設定に反して、極めて女性的な作品である。 | ||||
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傑作。 文芸でも、かっこいい超能力/諜報モノはかけるんだ、という最高の証明。 作者は喜ばんだろうけど、推理作家協会賞とか星雲賞とかSFプロパも 賞をあげなきゃだめだよ。 超能力者同士の戦いの描写は、読んでいて頭が捻れそうになるし、 キャラも魅力的で、これなら大友や萩尾のコミックにも拮抗できる。 もちろん佐藤亜紀作品ですから、小中学生にもわかります。という 親切なエンタメ作ではないので、下記(ご亭主の解説)が参考になるでしょう。 http://home.att.ne.jp/iota/aloysius/someone/shelf/t_angel.html | ||||
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出ました!「天使」文庫版!!待ちかねてました。単行本買いそびれた方、単行本も文庫本も買って普段は文庫本で読む方、文庫本のみ買って愛蔵するぞ、という方。。皆様待ったかいがありましたね。雲雀も早く文庫になって下さい。 | ||||
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ボリス・ヴィアンを思わせる繊細で少女的で潔い文体。まさにデューク・エリントンの音楽を聴いているかのような心地良さです。ただ、定義付けされていない”力”での戦いが些か分かり辛いところもありましたが。親子の掛け合いや兄弟との交流が情に流され過ぎず、しかし確かな繋がりも感じられさすがに上手いなあと思いました。 | ||||
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ぼきぼきと折れるような力強い文体と、ざわざわと首筋に這い寄るような異能の表現がいわく表現しがたい融合を見せている作品。もしあなたが「物語と文体の間に溺れる」という体験をしていみたいのなら、まさにうってつけの一冊。「あらすじ」などをカンテラにせず、この本へと飛び込まれたい。 | ||||
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人の心に触れる事ができ、心の力で戦うことが出きる者達の闘い。表立っては書かれていないが、まさにサイキック・ウォーズ。しかし、「サイキック・フォース」や「幻魔大戦」の様ではなく、サイキック・ウォーズの新しい形を見せてくれます。一歩間違えれば、マンガっぽくなってしまいそうですが…冷静な筆致とムダをそぎ落とした構成がハードボイルドなムード。戦時下のウィーンを中心に繰り広げられるのは駆け引き、謀略、腹の探り合い…といったスリリングな展開。しかし、ラストは無駄を省きすぎたのか、物足りなく感じてしまった。この素っ気無さがハードボイルドなのかもしれませんけどね | ||||
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