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粘膜兄弟
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粘膜兄弟の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 21~22 2/2ページ
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「粘膜」シリーズ第三弾。時代は相変わらず太平洋戦争時で、ナムール国も出て来る。主人公を務めるのは、「蜥蜴」の雪麻呂を思わせる破天荒なキャラクターを持つ麿太吉・矢太吉の双子の兄弟。ただし、雪麻呂が富豪のお坊ちゃんだったのに対し、二人は人里離れた場所で二匹の"フグリ豚"と言う黄色い特殊な豚を飼う22才の養豚業者。"ヘモやん"と言うメス豚しか愛せない奇怪な老飼育係も居る。万能薬"フグリ汁"の発明者でもある。 第一章は、兄弟の紹介がてら、二人が共に惚れた女給"ゆず子"の争奪戦を中心に、ヤクザも絡んだスラップスティック・コメディが展開される。「蜥蜴」の最終章の前半を想起させるが、ギャグがやや上滑りしている感がある。むしろ、矢太吉を時折襲うという異界の魔物「黒助」の役割が気になる。第二章は、お約束のナムール国での戦闘模様。兄弟が輸送船でナムールに運ばれるシーンで始まるが、船上で出会う聡明な少年正夫の造形が光る。また、続編を強調する意か、兄弟の隣町に雪麻呂の家がある事が示唆される。軍隊組織の狂気・不条理は前作より色濃く描かれ、反戦小説を読んでいるかの様。写実的描写力も健在で、抗日ゲリラとの戦闘シーンは緊迫感に溢れている。そして、思わぬタイミングで登場する「黒助」。何の啓示か ? 作者の一つの持ち味である"気色悪い"描写も巧みな構成で盛り込まれる。その巧みな状況設定によって更に新たな状況が...。 ゆず子やヘルビノの子供の扱いと言い、吉太郎神の霊験と言い、愛と信頼の物語との意図も感じられる。「蜥蜴」程の全体構成の妙は無いものの、「黒助」の趣向も面白く、straight forwordな痛快劇として楽しめる作品。 | ||||
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ホラーとミステリが融合した粘膜シリーズ第3弾。伊坂幸太郎をして天才と言わしめた飴村ワールド全開です。 主人公は須川磨太郎と矢太吉という兄弟の設定なんですが、間違いなくヘモやんというじじいに決定でしょう。 ヘモやんは兄弟が飼って生計を建ててるフグリ豚という希少価値のある豚の飼育係ですが、キャラが最高。とてもここに書けないような鬼畜の所 行をしているじじいですがまさにフグリ豚に関しては天才。兄弟さえも、ヘモやんは帝大の教授になれると絶賛します。 筋書きも結末も強引な所はありますが、この作品に詳細なプロットが必要な訳でもなく全くマイナスにはなりません。 とにかくヘモやんのキャラを追っかけるだけでも価値がある作品です。 | ||||
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