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(短編集)
黒いカクテル
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黒いカクテルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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1984年から94年にかけて発表された短編ばかり集めた”The Panic Hand”、日本では「パニックの手」と「黒いカクテル」の2冊に分けて刊行されました。こちらはその片方です。 キャロルはずっと長編を読んできました。どの物語も、最初の方は軽快でユーモラス、そして独特のリズミカルな文章(浅羽莢子さんの名翻訳のおかげ)、登場人物たちのいかにもアメリカンな行動と生活を楽しんでいたら、じわじわと事態が転回してすべてが変容、不気味で苦い結末というものが多いです。短編も基本的にこの構成は変わりないのですが、短いだけに最初の明るい部分がどうしても少なくなり、いきなりきつい終わりがやってくるので正直後味のよくないものが多かったです。 現在、キャロルを再読してみて「こんな苦い作風だったけ?」と感じたのですが、最初に読み始めた頃はまだ若かったからか、この苦さを感じ取れなかったのかもしれません。 キャロルの小説にはよく神が登場するので、キリスト教的な感性をかなり強く持った人だと思いますが、”神がいるとしたらどうしてこのようなことをするのか?神とは本当はどういうものなのか?”というテーマがよく現れます。また、人生の不条理や、理不尽でも自分ではどうしょうもないこと、年を取ることの悲しさなど、人生や運命に諦観したような作品がこんなに多いとは改めて驚きです。 タイトル作の「黒いカクテル」はその最たるもので、”神はひとつの魂から人間を5人作った、だから人間は完全ではなくいつも不幸だったり不満をためて生きている”というお話。ネタばれするのであまり書けませんが・・この作品も後味は決してよくないです。 「卒業生」これもキャロル作品にはよくあるテーマですが、幼少時、または学校の時のしんどさと残酷さ。いじめだったりまわりに適応できなかったり、キリキリとするような子供の時のつらさが描かれ、自分も同じような思いをしていた人は思い出して苦しくなりそうです。 個人的に思ったことですが、もしかしたらキャロルも子供の時はおとなしくて、いじめられっ子でつらい思いで育ったのかも、と。アメフトのエースとチアリーダーの女の子がアメリカ人にとっては理想のカップルと言いますが、体育会系の力強いタイプが好まれるアメリカ、脳みそまで筋肉でできるんじゃないかというような男の子がかっこよくて、インドア趣味でちょっと風変わりだったり青白い学者肌だったり、繊細なタイプはいわゆる”オタク”、geek, nerd, deweeb, dorkなどと呼ばれて、イケてない、情けない弱虫とみなされてもてません。キャロルはどう考えてもこちらのタイプだったような気がします。 実は半分くらいの作品は意味がよくわかりませんでした。短編だとその作家の本質がより凝縮されると思うのですが、人生を過敏に生きているような人たちばかりが登場するので鋭すぎるというか・・。キャロルはショートショート的な短編よりも、じっくりとお話に入っていける長編の方が好きだと思いました。 | ||||
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特異な作風と桜庭一樹が帯を書いているのでやたら目立つジョナサン・キャロルの短編集です。この作家は長編は退屈であまり読み進められないのですが、短編ならなんとか。たまにどきっとするようなフレーズがあったりしますし海外作家にしては読みやすいのですが、いかんせん散漫で意味不明。その謎めいた文章も洗練されていたら個性なのですが、今のところただ下手なだけに見えるのがちょっと。 | ||||
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特異な作風と桜庭一樹が帯を書いているのでやたら目立つジョナサン・キャロルの短編集です。この作家は長編は退屈であまり読み進められないのですが、短編ならなんとか。たまにどきっとするようなフレーズがあったりしますし海外作家にしては読みやすいのですが、いかんせん散漫で意味不明。その謎めいた文章も洗練されていたら個性なのですが、今のところただ下手なだけに見えるのがちょっと。 | ||||
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