哲学者の密室

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評判

哲学者の密室の評価:

4.32/5点 レビュー 25件。 B ランク

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平均点4.32pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全57件 41〜57 3/3ページ
No.17
(5pt)

間違いなくシリーズ最高傑作。

殺人事件を推理するのに、哲学の一手法である「現象学的還元」を用いる矢吹駆が主人公のシリーズ第四弾、にして最高傑作。

このシリーズは言うまでも無く、「推理小説」であるとともに著者の「思想」を表現する手段でもある。今回扱うのは第二次世界大戦中ナチスと関わりがあったドイツの哲学者ハイデガーの、「死の哲学」である。
これまでの作品では、「推理小説」として楽しめる部分と「思想対決」として楽しめる部分にある程度分かれていた感じで、ストーリーと思想の関連させ方は個々の作品に巧拙の差はあったとしても、基本的には思想の部分はとってつけた感は否めなかったように思う。
だが今作では、先に推理小説のストーリーがあってそれに思想対決の面白さを肉付けしたのではなく、先に「死の哲学」というものがなければ生まれてこないようなストーリーになっていて、第四弾にして初めて、思想とストーリーが有機的に結びついている気がする。

分厚くて読むのに時間がかかるし難解な部分もあるので、どう考えても読みづらい部類に入ってしまうが、ハイデガーの死の哲学はもちろん、ナチスドイツのユダヤ人収容所がどのようなものであったかについても勉強になるので、第三弾まで読んだ方は是非読んでみて欲しいと思う。分厚いからといって敬遠してしまうのは本当にもったいない作品だ。
またこれまでのシリーズを読んでいない方も、一応は独立して読めるようになっているので、今作を単独で読むことから矢吹駆シリーズをスタートさせても良いかもしれない。
哲学者の密室 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室 (創元推理文庫)より
4488415040
No.16
(5pt)

「密室」とは何かに迫る

現在の密室殺人と過去の第二次大戦中にドイツで起きた密室殺人との双方のつながりに迫る大長編傑作。単なる推理にとどまらず、哲学者ハイデガーの思想までも持ち出して、「密室」とは何かを問う。

かなり小難しい会話も飛び出して、混乱することも。ただ、当時のドイツの収容所の実態や理念を描ききり、それを現在に持ち込みながら、一つの本格推理として完成させた作者に拍手を送りたい。

読むのにかなりの時間と労力を費やすが価値はある作品。
哲学者の密室 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室 (創元推理文庫)より
4488415040
No.15
(5pt)

「密室」とは何かに迫る

現在の密室殺人と過去の第二次大戦中にドイツで起きた密室殺人との双方のつながりに迫る大長編傑作。単なる推理にとどまらず、哲学者ハイデガーの思想までも持ち出して、「密室」とは何かを問う。

かなり小難しい会話も飛び出して、混乱することも。ただ、当時のドイツの収容所の実態や理念を描ききり、それを現在に持ち込みながら、一つの本格推理として完成させた作者に拍手を送りたい。

読むのにかなりの時間と労力を費やすが価値はある作品。
哲学者の密室 Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室より
4334922090
No.14
(5pt)

重々しい二つの密室

カケルやナディアたちが存在している「現在」で起きた密室殺人と、30年前、第二次世界大戦中にコフカ収容所で起きた密室殺人。いままでのシリーズ作品同様、事件を解決してゆく推理小説というよりも、それを取り巻く人たちの人生、密室の謎を解いていく際に吐露される、それぞれの生死の捕らえ方、哲学論がこの作品の中心にあるように思います。間に挟まれている30年前の収容所での出来事。戦時中の、しかもユダヤ人虐殺に関する描写であるため、読んでいてツライ部分も多く、一体どこで「現在」の密室につながってくるのかと、その部分を読み始めた頃は斜め読みしていたのですが、次第にその雰囲気に心を捕らえられてしまいました。ユダヤ人虐殺や、収容所で過ごした過去を持つ人たちの苦悩について、読み進めながら私もいろいろ考えさせられました。人の生死に関する哲学的な議論も興味深かった。そして事件の舞台となる30年前のコフカ収容所にせよ、現在のダッソー邸にせよ、そこの寒さや匂いを感じさせて、まるでその場所にいるように感じさせる筆者の描写力に、改めて圧倒されました。
哲学者の密室 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室 (創元推理文庫)より
4488415040
No.13
(3pt)

装飾が派手だけど中身はそれほどでも...

ハイデガー批判というお題目だけが先行してて、しかも分厚い本ということで評価されてるみたいだけど、はっきりいってそこまでの価値があるのか疑問。ハイデガー理解としては浅いのではないか。本当のハイデガーの危なさって、こんなもんじゃないと思うんだけど…。推理小説という観点からどうかというと、テンションの高さで読ませる部分は確かにあります。あと、「現象学的還元」という言葉をかっこよく使ってるところが<エンターテイメント的>にGoodでした。トータルで星三つ。
哲学者の密室 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室 (創元推理文庫)より
4488415040
No.12
(5pt)

かっこいいけど読むのはきついよ

基本的に死ぬのは恐ろしいことだと思います。だから人は物語を作るんだよね。人生って名前のさあ。でも、死は物語すら虚しくしてしまう。一方、こういう事を夢想した人もいるよ。死と生は背中合わせ。死の可能性を直視すれば生きる意味も見えてくるんじゃないかってね。イラクで死んだ例の人も、そう考えたのかもね。僕はただ状況に流されてるだけだから、何を信じていいのかわからない。むしろ、それが正しいことなのかもしれないとも思う。けど、敢えて答えを断定する生き方はかっこいいね。矢吹駆みたいなさあ。
哲学者の密室 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室 (創元推理文庫)より
4488415040
No.11
(5pt)

圧巻

20世紀の最高傑作のうたい文句はだてではない。2つの密室事件をモチーフにハイデッガー哲学に対して批判的な思索を登場人物達が繰り広げていく様は圧巻。ただ事件は徹底して哲学論争のための下地に使われるため、事件の展開や謎解きは強引でご都合主義に見える。ヒロインであるナディアの哲学的思索が凡人というか市井に生きる人間の成長をよく表していて、好感が持てる。こうした深遠な哲学への素朴な意見表明を描くことができるのはエンターテイメントを通して哲学を語ることの大きな意義であると思う。
哲学者の密室 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室 (創元推理文庫)より
4488415040
No.10
(5pt)

読み返します

とにかく分厚い!測ってみたら約4.5cm。矢吹駆三部作を受け、沈黙を破った第4作。傑作『サマー・アポカリプス』の後、普通の推理物の面が強くホッとできる『薔薇の女』ときて、思想対決が前面に出ています。舞台を三十年前のドイツとからめて、最後まで先が読めない物語。ただし、確かに、カケルの推理というか推測を100%支持できるかというとそうでもない向きもあると思います。思想の面でもトリックの上でも。ただ、久々の登場のあと、解説にもあるように、そろそろナディア・モガールの方では自分のカケルに対する気持ちの分析に答えは出たようで(あいかわらずの推理合戦でのバカっぷりには今度こそ怒りすら感じますが)、ラストシーンの美しさ、これは最高です。このラストシーンゆえに、(借りて読んだ後)購入を決意しました。何の事は無い、僕はカケルファン。この『哲学者~』では「死」についての議論。そして次作『オイディプス症候群』では意外なあるモチーフのもとに「愛」についての議論。果たして思想の問題はどこまで進みどこまで広がるのでしょうか。(愛だけに、舞台はギリシャに行っちゃったので、本当にどこまで行くのかわからなくなりました。)ただ、愛、という面では、どんな議論がでてこようが、ナディアには苦難の道のりでありますな。
哲学者の密室 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室 (創元推理文庫)より
4488415040
No.9
(5pt)

タイトルに惹かれて読んでみて下さい

パリで起きた密室殺人と第二次世界大戦のさなかのユダヤ人収容所で起きた殺人とが密接に関連していく。これだけでも面白いのだが、現象学を用いて縦横無尽に考察していく様はマジックを見せられているような不可思議なおもしろさ。ユダヤ人収容所の描写は特に引き込まれる。かなり長い小説だが、次のページを繰るのももどかしくさせる内容は圧巻。この小説でフッサールやハイデッガーを読んでみたくなるのは、果たして私一人だけではないだろう。
哲学者の密室 Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室より
4334922090
No.8
(4pt)

男向けかな?

「死」に関するハイデガー哲学の取りこみと批評、それを推理小説として表現するという野心的な点は、作品性という観点から高く評価されるのでしょうか。色々な読み方ができて単なるミステリーを越えた深さは素晴らしいです。ただ、もう少し俗っぽく読んだ場合、全編に漂うナルシスティックな空気(ハードボイルドとも違う)が男性独特の感性という感じがして、女性には辛口に評されるかもという気もしなくもないですナ。
哲学者の密室 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室 (創元推理文庫)より
4488415040
No.7
(3pt)

ハイデッカー批判

全編矢吹の口を借りてハイデッカー批判を行った書時を隔てた二つの密室が事件の核ですが現代のほうは警察がぼんくらなだけ、過去は独善的な解決を行っているだけです矢吹シリーズを通して読むのならこれも読む必要はあるとは思いますけどね
哲学者の密室 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室 (創元推理文庫)より
4488415040
No.6
(4pt)

力作

著者の矢吹駆シリーズの中では圧倒的に長いが、それだけ内容も極めて濃密。ハイデガーをめぐる哲学論議に丁寧に付き合うも良いし、そこらへんは斜め読みしても、本格探偵小説として楽しめる。
ただ、矢吹駆シリーズは、前作を踏まえた発言などがあるから、初めての人は、「バイバイエンジェル」から読みましょう。
哲学者の密室〈下〉 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室〈下〉 (光文社文庫)より
4334727794
No.5
(4pt)

力作

著者の矢吹駆シリーズの中では圧倒的に長いが、それだけ内容も極めて濃密。ハイデガーをめぐる哲学論議に丁寧に付き合うも良いし、そこらへんは斜め読みしても、本格探偵小説として楽しめる。
ただ、矢吹駆シリーズは、前作を踏まえた発言などがあるから、初めての人は、「バイバイエンジェル」から読みましょう。
哲学者の密室〈下〉 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室〈下〉 (カッパ・ノベルス)より
4334071988
No.4
(4pt)

力作

著者の矢吹駆シリーズの中では圧倒的に長いが、それだけ内容も極めて濃密。ハイデガーをめぐる哲学論議に丁寧に付き合うも良いし、そこらへんは斜め読みしても、本格探偵小説として楽しめる。
ただ、矢吹駆シリーズは、前作を踏まえた発言などがあるから、初めての人は、「バイバイエンジェル」から読みましょう。
哲学者の密室 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室 (創元推理文庫)より
4488415040
No.3
(4pt)

力作

著者の矢吹駆シリーズの中では圧倒的に長いが、それだけ内容も極めて濃密。ハイデガーをめぐる哲学論議に丁寧に付き合うも良いし、そこらへんは斜め読みしても、本格探偵小説として楽しめる。
ただ、矢吹駆シリーズは、前作を踏まえた発言などがあるから、初めての人は、「バイバイエンジェル」から読みましょう。
哲学者の密室 Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室より
4334922090
No.2
(5pt)

現象学的探偵物語

ミステリーと言えば、人が死んで、刑事が捜査につまずいて、主人公が解決するだけと思っていた私は、本書を読んでその深遠さに驚かされました。筒井康隆氏も岩波新書で「哲学とミステリーの至福の出会い」と評されています。
 主人公は現象学的直観をもとに事件を解決していくのですが、目的は事件の解決ではなく、そこに生じた「人間の死」に対する哲学的考察なのです。現代のパリで起きた三重密室内の死と三十年前にユダヤ人収容所で起きた同じく三重密室内の死が対比されながらも奇妙な連関を持ちつつストーリーは進んでいきます。これまでのミステリーが死を出発点とし、死の意味を問うことが皆無であったのに対して、本書では徹底して死の意味に挑んでいます。
 無意味な死を大量に築いてきた20世紀、そして無意味な死からストーリーを展開していくこれまでのミステリーに対する、著者の強い抵抗を感じることが出来ました。
哲学者の密室〈上〉 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室〈上〉 (光文社文庫)より
4334727786
No.1
(5pt)

現象学的探偵物語

ミステリーと言えば、人が死んで、刑事が捜査につまずいて、主人公が解決するだけと思っていた私は、本書を読んでその深遠さに驚かされました。筒井康隆氏も岩波新書で「哲学とミステリーの至福の出会い」と評されています。
 主人公は現象学的直観をもとに事件を解決していくのですが、目的は事件の解決ではなく、そこに生じた「人間の死」に対する哲学的考察なのです。現代のパリで起きた三重密室内の死と三十年前にユダヤ人収容所で起きた同じく三重密室内の死が対比されながらも奇妙な連関を持ちつつストーリーは進んでいきます。これまでのミステリーが死を出発点とし、死の意味を問うことが皆無であったのに対して、本書では徹底して死の意味に挑んでいます。
 無意味な死を大量に築いてきた20世紀、そして無意味な死からストーリーを展開していくこれまでのミステリーに対する、著者の強い抵抗を感じることが出来ました。
哲学者の密室〈上〉 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 哲学者の密室〈上〉 (カッパ・ノベルス)より
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