対岸の彼女

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評判

対岸の彼女の評価:

4.24/5点 レビュー 357件。 A ランク

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平均点4.24pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全575件 361〜380 19/29ページ
No.215
(5pt)

いい小説です

奇を衒うようなストーリーでもなく、突拍子もない人物がでるわけでもないのに面白いのは、
読んでて退屈になるような無駄な描写や独白をカットし、具体的な言葉で語らないかわりに、
ハッとなるような風景描写で見事に描かれているからだろう。

主人公が一人称で自分に酔った描き方をされず、三人称視点でどこか突き放しながら描いているから、
「それがどうした」「おまえの個人的な悩みはどうでもいいんだよ」というような感情が湧いてこなかった。
むしろ、よくここまで違うタイプの女性を細かく書き分けているなと、溜息をついてしまうほど、
小説本来の愉しさが込められた作品だと思う。

「育児に悩む女の、うじうじした独白物語か」と思うような場面から始まるが、
読み進めれば、よくある「悩める現代女性のための小説(笑)」ではないことに、すぐ気がつくはずだ。

これは何度か読み直しても愉しめそう。
とても上手い小説です。
対岸の彼女 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女 (文春文庫)より
4167672057
No.214
(5pt)

いい小説です

奇を衒うようなストーリーでもなく、突拍子もない人物がでるわけでもないのに面白いのは、
読んでて退屈になるような無駄な描写や独白をカットし、具体的な言葉で語らないかわりに、
ハッとなるような風景描写で見事に描かれているからだろう。

主人公が一人称で自分に酔った描き方をされず、三人称視点でどこか突き放しながら描いているから、
「それがどうした」「おまえの個人的な悩みはどうでもいいんだよ」というような感情が湧いてこなかった。
むしろ、よくここまで違うタイプの女性を細かく書き分けているなと、溜息をついてしまうほど、
小説本来の愉しさが込められた作品だと思う。

「育児に悩む女の、うじうじした独白物語か」と思うような場面から始まるが、
読み進めれば、よくある「悩める現代女性のための小説(笑)」ではないことに、すぐ気がつくはずだ。

これは何度か読み直しても愉しめそう。
とても上手い小説です。
対岸の彼女 Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女より
4163235108
No.213
(4pt)

「私たちはなんのために年を重ねるんだろう。」

角田さんの御本を読んだのは本作が初めてでした。 全く予備知識なしで読み始めましたが、最後まで惹きつけられました。 劇的な展開があるわけではないだけに、とても不思議にも思いました。

このようなテーマの小説が成立し、愛読されるのは日本だけかもしれませんね。 本音と建前、世間体、疎外感など、人間関係がとても複雑で、微妙なところですぐにそのバランスが崩れてしまう。 私は男性ですが、女性の主人公たちのこころの動きに大いに共感できる部分がありました。 第三者として観れば<なぜそんなことで悩まなければならないのか?>ということになるのかもしれないけれど、本人にとってはとても苦しいものですからね。
対岸の彼女 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女 (文春文庫)より
4167672057
No.212
(4pt)

「私たちはなんのために年を重ねるんだろう。」

角田さんの御本を読んだのは本作が初めてでした。 全く予備知識なしで読み始めましたが、最後まで惹きつけられました。 劇的な展開があるわけではないだけに、とても不思議にも思いました。

このようなテーマの小説が成立し、愛読されるのは日本だけかもしれませんね。 本音と建前、世間体、疎外感など、人間関係がとても複雑で、微妙なところですぐにそのバランスが崩れてしまう。 私は男性ですが、女性の主人公たちのこころの動きに大いに共感できる部分がありました。 第三者として観れば<なぜそんなことで悩まなければならないのか?>ということになるのかもしれないけれど、本人にとってはとても苦しいものですからね。
対岸の彼女 Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女より
4163235108
No.211
(4pt)

なぜ私たちは歳を重ねるのか

しんみりとしたいい小説だと思います。

とりたてて大きな事件が起こるわけもないし、
印象的な台詞が散りばめられているわけではないのに、
結構引き込まれてしまう。1日で読了したほどだ。

現在と過去の2つの時間を交互に描く構成は、もはや
手垢のついた手法ではある。

嫌味がましい姑などは、ありきたりすぎて、入れなくても
よかったと思うが、全体としては、それも許せてしまう
自然さがある。

もっといえば、少女二人が自殺を試みる動機、
小夜子が熱海から突如引き返そうとした引き金、
葵の会社を辞めようと決める心理、葵の会社に戻ろうと
する決意、どれも小説の中で理由づけはされているが、
男の私にはもうひとつピンと来ないのである。

しかし、それもなぜか、「あり」だと。いや、それゆえ、
何かリアリティめいたものを読みとってしまうのかもしれない。

この小説は、35歳子持ち主婦小夜子の成長譚としても面白く
読める。
「なぜ私たちは歳を重ねるか」を自問した小夜子のたどり
ついた行く先。

「なぜ私たちは歳を重ねるのか。生活に逃げこんで
ドアを閉めるためじゃない、また出会うためだ。出会う
ことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ」

初めて読む角田光代作品であるが、いっぺんでファンになった。
対岸の彼女 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女 (文春文庫)より
4167672057
No.210
(4pt)

なぜ私たちは歳を重ねるのか

しんみりとしたいい小説だと思います。

とりたてて大きな事件が起こるわけもないし、
印象的な台詞が散りばめられているわけではないのに、
結構引き込まれてしまう。1日で読了したほどだ。

現在と過去の2つの時間を交互に描く構成は、もはや
手垢のついた手法ではある。

嫌味がましい姑などは、ありきたりすぎて、入れなくても
よかったと思うが、全体としては、それも許せてしまう
自然さがある。

もっといえば、少女二人が自殺を試みる動機、
小夜子が熱海から突如引き返そうとした引き金、
葵の会社を辞めようと決める心理、葵の会社に戻ろうと
する決意、どれも小説の中で理由づけはされているが、
男の私にはもうひとつピンと来ないのである。

しかし、それもなぜか、「あり」だと。いや、それゆえ、
何かリアリティめいたものを読みとってしまうのかもしれない。

この小説は、35歳子持ち主婦小夜子の成長譚としても面白く
読める。
「なぜ私たちは歳を重ねるか」を自問した小夜子のたどり
ついた行く先。

「なぜ私たちは歳を重ねるのか。生活に逃げこんで
ドアを閉めるためじゃない、また出会うためだ。出会う
ことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ」

初めて読む角田光代作品であるが、いっぺんでファンになった。
対岸の彼女 Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女より
4163235108
No.209
(4pt)

・・・あなたは、どんな高校生でしたか?

キャリアウーマンの葵と、平凡な主婦、小夜子の話である。

こんなことを書くとなんだか、勝ち組、負け組み・・・のような話なのかと思われるが実は違う。

高校時代をいかに過ごしたかが、この話の大事なキーポイントになっている。
まったく違った性格の二人だが、実は似たような高校時代を送っていた。

途中、小夜子の話から二人の高校生活がリンクする場面があるが、そこは
なんだか、ゾゾゾゾーと背筋が寒くなった。

きっと今もどこかで、
葵と小夜子のような高校生活を送っている子がたくさんいると思う。
実は、私も・・・

対比した二人の生き様が
生き生きと描き出されている作品だと思います。
対岸の彼女 Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女より
4163235108
No.208
(3pt)

既視感と違和感のクロスオーバー

ママ友コミュニティに馴染めず、また夫との関係にも微妙な閉塞感を感じ始めていた専業主婦の小夜子。仕事に自由な時間を注ぎ込む溌剌とした企業家葵に出会い、違う立場ながら良きパートナーとして仕事を始める。しかし、地味でつらい仕事ながら母親業と両立させ活力を得始めた小夜子と葵の友情に亀裂の種を植えたのは、友人であっても環境の違いから共有できなかった価値観。

葵は葵で、いじめから逃げていた高校時代があった。懸命にいじめの対象とならないことだけに心を砕いていた転校先で得た親友は、周囲の視線など意に介さず自由に振る舞うナナコ。彼女と一緒にいれば何でもできそうな気がする、そんな活力を葵に与えたナナコは、共に踏み出した現実逃避の旅が招いた事件を境に姿を消す。相手の本当の姿を理解していたと思っていたのに、姿と共に消えた友情。

過去と現在の二組の友情とその亀裂の物語が、既視感と違和感と共に交錯しながら進んでいく。

読み始めたときは、女性のコミュニティが持つ現実の描写に苦手意識を感じたが、読み進めるうちに物語自身よりも上記の既視感と違和感のクロスオーバーに惹かれ頁をめくるようになった。全体的に暗い物語ながら、幕の閉じ方に救われ感が残るあたりに読み手としても救われる。また、ふとした瞬間に親愛の情がすーっと薄まっていく瞬間、心の距離がさーっと遠のく瞬間の描写が恐ろしい程に心に残る。
対岸の彼女 Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女より
4163235108
No.207
(4pt)

・・・あなたは、どんな高校生でしたか?

キャリアウーマンの葵と、平凡な主婦、小夜子の話である。

こんなことを書くとなんだか、勝ち組、負け組み・・・のような話なのかと思われるが実は違う。

高校時代をいかに過ごしたかが、この話の大事なキーポイントになっている。
まったく違った性格の二人だが、実は似たような高校時代を送っていた。

途中、小夜子の話から二人の高校生活がリンクする場面があるが、そこは
なんだか、ゾゾゾゾーと背筋が寒くなった。

きっと今もどこかで、
葵と小夜子のような高校生活を送っている子がたくさんいると思う。
実は、私も・・・

対比した二人の生き様が
生き生きと描き出されている作品だと思います。
対岸の彼女 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女 (文春文庫)より
4167672057
No.206
(3pt)

既視感と違和感のクロスオーバー

ママ友コミュニティに馴染めず、また夫との関係にも微妙な閉塞感を感じ始めていた専業主婦の小夜子。仕事に自由な時間を注ぎ込む溌剌とした企業家葵に出会い、違う立場ながら良きパートナーとして仕事を始める。しかし、地味でつらい仕事ながら母親業と両立させ活力を得始めた小夜子と葵の友情に亀裂の種を植えたのは、友人であっても環境の違いから共有できなかった価値観。

葵は葵で、いじめから逃げていた高校時代があった。懸命にいじめの対象とならないことだけに心を砕いていた転校先で得た親友は、周囲の視線など意に介さず自由に振る舞うナナコ。彼女と一緒にいれば何でもできそうな気がする、そんな活力を葵に与えたナナコは、共に踏み出した現実逃避の旅が招いた事件を境に姿を消す。相手の本当の姿を理解していたと思っていたのに、姿と共に消えた友情。

過去と現在の二組の友情とその亀裂の物語が、既視感と違和感と共に交錯しながら進んでいく。

読み始めたときは、女性のコミュニティが持つ現実の描写に苦手意識を感じたが、読み進めるうちに物語自身よりも上記の既視感と違和感のクロスオーバーに惹かれ頁をめくるようになった。全体的に暗い物語ながら、幕の閉じ方に救われ感が残るあたりに読み手としても救われる。また、ふとした瞬間に親愛の情がすーっと薄まっていく瞬間、心の距離がさーっと遠のく瞬間の描写が恐ろしい程に心に残る。
対岸の彼女 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女 (文春文庫)より
4167672057
No.205
(5pt)

対岸にある道標。

第132回直木賞受賞作。
八日目の蝉以来、ちょっと角田光代にハマって今作を読んでみた。
タイトルの対岸の彼女って何だろうと思ったが、読んですぐに分かった。
私にとってもこの主人公は、まるで対岸にいるようだったからだ。
主人公は学生時代の葵とナナコ、現在の葵と小夜子。という二部構成。
行ったり来たりするこの現在⇔過去という手法が、彼女は得意なのか。

学生時代の葵と現在の小夜子の性格描写が驚くほどよく似ている。
こちらが同一人物なんじゃないかと思えるほど、しかし現在の葵は
学生時代にいたナナコ、そのもののように振舞っているように思える。
なりたくてなれなかった存在。どう憧れても近づけなかったその性格。
一緒にいるうちについ、似てきてしまったという経験ってないだろうか。
夫婦なんかでもそうだ。
相手を好きになればなるほど、行動や仕草を真似てしまうものである。
自分にないものを持っている存在、足りないものを魅せてくれる存在、
これはたとえ葵であろうとなかろうと、誰もが経験する存在感だと思う。
小夜子が見ている現在の葵は、葵や読者からすればナナコそのものだ。

しかし女友達とは(男友達もそうだと思うが)長く続くも続かないも様々。
その人生の途中でパタリと逢わなくなり音信不通が続いて、それから
何十年という日々を経て、突然復活!そこからまた大の仲良しvなんて
パターンもあれば、この葵とナナコのように、あれだけ一緒にいたのに、
あんな事件まで起こしたのに、プツリと逢えなくなることだってあるのだ。
時の命運というか、それぞれの縁かもしれない。でも、おそらく一時でも
心が通い合った友人というのは、自分とウマが合うはずなのだ。だから
出逢えば(気恥ずかしくても)それなりにまた付き合える可能性は高い。
だけど私達大人は、その出逢いを待ってばかりもいられないものだから
(心のどこかで何かを求めつつ)また前へ歩み出そうとする。
小夜子というこの女性を、初め私は胃がムカつくほど好きになれなかった。
どうしてかというと(爆)
いま職場にいる、とある同僚にソックリなのだ。
常に周囲を警戒し、慎重で用意周到、出しゃばりもせず控えめでもなく、
正しいことはハッキリ言わせてもらいますタイプで、クソがつくほど真面目。
陰では容赦なく他人を罵倒するが、表では一切それを出さない。
常に大勢に傾き敵を作らぬよう努める姿勢が却って敵を作っている現実。
なんかもうシミュレーションドラマみたいで、苦笑い必至で読み続けた。

葵がナナコに惹かれた理由と、今の葵に小夜子が惹かれる理由が合致する。
だけど蓋を開ければ、何処にも何の悩みもない人生なんてないってことだ。
現実を見ること。
逃避すればするほど夢は羽ばたくものだが、客観性は失われる。
個性的なナナコがとても素敵に見えるのは、すでに立場を放棄しているからだ。
お嬢さまの葵には理解できない「事情」を見続けてきた結果がナナコを作った。
だとすれば本来救わなければいけなかったのは、ナナコの心だったのである。

過去の葵がそうであったように、今の小夜子が葵の救世主になろうとしている。
小夜子自身は気付いてないだろうが(彼女は彼女で仕事に救われたと思ってる)
彼女のクソがつく(ゴメンね)生真面目さが、葵の現実逃避を正す道標なのだ。
無神経がつくほど大雑把、中途半端な仕事ぶり、自分の姿勢を見直す切欠を
与えてくれたのが、過去の自分にソックリな、クソがつくほど真面目な主婦で、
どんなに酷い結果を見せ、屈辱を与えても、また自分の元へ戻ってきてくれた。
これが信頼以外のナニモノだろうかとさえ思える。

対岸にいる彼女こそ、大切にしなければいけないのだろうか。
先の話に戻ると、私はその同僚が大嫌いなのだった。
ところが気付けば早10年以上、もうそんな付き合いになる。自分に苦笑いした。
対岸の彼女 Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女より
4163235108
No.204
(5pt)

対岸にある道標。

第132回直木賞受賞作。
八日目の蝉以来、ちょっと角田光代にハマって今作を読んでみた。
タイトルの対岸の彼女って何だろうと思ったが、読んですぐに分かった。
私にとってもこの主人公は、まるで対岸にいるようだったからだ。
主人公は学生時代の葵とナナコ、現在の葵と小夜子。という二部構成。
行ったり来たりするこの現在⇔過去という手法が、彼女は得意なのか。

学生時代の葵と現在の小夜子の性格描写が驚くほどよく似ている。
こちらが同一人物なんじゃないかと思えるほど、しかし現在の葵は
学生時代にいたナナコ、そのもののように振舞っているように思える。
なりたくてなれなかった存在。どう憧れても近づけなかったその性格。
一緒にいるうちについ、似てきてしまったという経験ってないだろうか。
夫婦なんかでもそうだ。
相手を好きになればなるほど、行動や仕草を真似てしまうものである。
自分にないものを持っている存在、足りないものを魅せてくれる存在、
これはたとえ葵であろうとなかろうと、誰もが経験する存在感だと思う。
小夜子が見ている現在の葵は、葵や読者からすればナナコそのものだ。

しかし女友達とは(男友達もそうだと思うが)長く続くも続かないも様々。
その人生の途中でパタリと逢わなくなり音信不通が続いて、それから
何十年という日々を経て、突然復活!そこからまた大の仲良しvなんて
パターンもあれば、この葵とナナコのように、あれだけ一緒にいたのに、
あんな事件まで起こしたのに、プツリと逢えなくなることだってあるのだ。
時の命運というか、それぞれの縁かもしれない。でも、おそらく一時でも
心が通い合った友人というのは、自分とウマが合うはずなのだ。だから
出逢えば(気恥ずかしくても)それなりにまた付き合える可能性は高い。
だけど私達大人は、その出逢いを待ってばかりもいられないものだから
(心のどこかで何かを求めつつ)また前へ歩み出そうとする。
小夜子というこの女性を、初め私は胃がムカつくほど好きになれなかった。
どうしてかというと(爆)
いま職場にいる、とある同僚にソックリなのだ。
常に周囲を警戒し、慎重で用意周到、出しゃばりもせず控えめでもなく、
正しいことはハッキリ言わせてもらいますタイプで、クソがつくほど真面目。
陰では容赦なく他人を罵倒するが、表では一切それを出さない。
常に大勢に傾き敵を作らぬよう努める姿勢が却って敵を作っている現実。
なんかもうシミュレーションドラマみたいで、苦笑い必至で読み続けた。

葵がナナコに惹かれた理由と、今の葵に小夜子が惹かれる理由が合致する。
だけど蓋を開ければ、何処にも何の悩みもない人生なんてないってことだ。
現実を見ること。
逃避すればするほど夢は羽ばたくものだが、客観性は失われる。
個性的なナナコがとても素敵に見えるのは、すでに立場を放棄しているからだ。
お嬢さまの葵には理解できない「事情」を見続けてきた結果がナナコを作った。
だとすれば本来救わなければいけなかったのは、ナナコの心だったのである。

過去の葵がそうであったように、今の小夜子が葵の救世主になろうとしている。
小夜子自身は気付いてないだろうが(彼女は彼女で仕事に救われたと思ってる)
彼女のクソがつく(ゴメンね)生真面目さが、葵の現実逃避を正す道標なのだ。
無神経がつくほど大雑把、中途半端な仕事ぶり、自分の姿勢を見直す切欠を
与えてくれたのが、過去の自分にソックリな、クソがつくほど真面目な主婦で、
どんなに酷い結果を見せ、屈辱を与えても、また自分の元へ戻ってきてくれた。
これが信頼以外のナニモノだろうかとさえ思える。

対岸にいる彼女こそ、大切にしなければいけないのだろうか。
先の話に戻ると、私はその同僚が大嫌いなのだった。
ところが気付けば早10年以上、もうそんな付き合いになる。自分に苦笑いした。
対岸の彼女 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女 (文春文庫)より
4167672057
No.203
(5pt)

なんのために私たちは歳を重ねるのだろう

以前から読みたかった作品のひとつ。期待が大きかっただけに、正直、ラストに近づくまでこんなもんかなと思いながら読んでいた。しかし、やはりなかなかの傑作だった。

小夜子と葵。働きに出ようと意を決して応募した子持ちの主婦と、面接する独身女社長。同じ大学の同級生だったという接点が、違う人生を歩んできた2人の女性の唯一の共通項。過去の葵とナナコ。現在の小夜子の家庭。時間を隔てた2つの軸が平行して物語は展開する。

正直、ちょっと重い話だ。すごいどんでん返しが仕掛けてあるわけでもない。にもかかわらず、終盤に入ってこの小説は少し意外な表情を見せるようになる。物語の中でたくさん傷ついてしまった小さな光が、最後に2人の女性の間で、また輝き始める。

これは単なる友情の話ではないのではないだろうか。人が生きる上で他人を必要とする意味、その価値や本然はどこにあるのかを、読者に問いかけているように思えた。

第132回直木賞受賞作。それだけのことはある
対岸の彼女 Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女より
4163235108
No.202
(5pt)

なんのために私たちは歳を重ねるのだろう

以前から読みたかった作品のひとつ。期待が大きかっただけに、正直、ラストに近づくまでこんなもんかなと思いながら読んでいた。しかし、やはりなかなかの傑作だった。

小夜子と葵。働きに出ようと意を決して応募した子持ちの主婦と、面接する独身女社長。同じ大学の同級生だったという接点が、違う人生を歩んできた2人の女性の唯一の共通項。過去の葵とナナコ。現在の小夜子の家庭。時間を隔てた2つの軸が平行して物語は展開する。

正直、ちょっと重い話だ。すごいどんでん返しが仕掛けてあるわけでもない。にもかかわらず、終盤に入ってこの小説は少し意外な表情を見せるようになる。物語の中でたくさん傷ついてしまった小さな光が、最後に2人の女性の間で、また輝き始める。

これは単なる友情の話ではないのではないだろうか。人が生きる上で他人を必要とする意味、その価値や本然はどこにあるのかを、読者に問いかけているように思えた。

第132回直木賞受賞作。それだけのことはある
対岸の彼女 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女 (文春文庫)より
4167672057
No.201
(5pt)

痛々しくも瑞々しい、喪失と再生の物語。

出版社による作品紹介=「30代、既婚、子持ちの「勝ち犬」小夜子と、独身、子なしの「負け犬」葵。性格も生活環境も全く違う二人の女性の友情は成立するのか!?」=から、大衆ウケで軽薄な印象を受けましたが、どうして、重厚な本格的な小説です。

 この作品のテーマは、「負け犬」でも「友情」でもなく、私は「喪失と再生」と受け止めました。

 絶望の中で出会う希望。その希望がグングン増大するも、あっけなく喪失。しかしその後も、生きていかなければならない現実。

 そうした一切が、ヒリヒリと、イタイタしく、しかし瑞々しく描かれています。

 わたしたちは何のために年を重ねるのか?主人公の自問に涙が止まりません。



 傑作。
対岸の彼女 Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女より
4163235108
No.200
(5pt)

痛々しくも瑞々しい、喪失と再生の物語。

出版社による作品紹介=「30代、既婚、子持ちの「勝ち犬」小夜子と、独身、子なしの「負け犬」葵。性格も生活環境も全く違う二人の女性の友情は成立するのか!?」=から、大衆ウケで軽薄な印象を受けましたが、どうして、重厚な本格的な小説です。

 この作品のテーマは、「負け犬」でも「友情」でもなく、私は「喪失と再生」と受け止めました。

 絶望の中で出会う希望。その希望がグングン増大するも、あっけなく喪失。しかしその後も、生きていかなければならない現実。

 そうした一切が、ヒリヒリと、イタイタしく、しかし瑞々しく描かれています。

 わたしたちは何のために年を重ねるのか?主人公の自問に涙が止まりません。



 傑作。
対岸の彼女 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女 (文春文庫)より
4167672057
No.199
(3pt)

何か足りない

きれいにまとまった読みやすい文章だと思います。
登場人物にありがちな違和感が無くてノンフィクションの気配すらする。

でも…正直面白くなかった。

テーマは良いし描き方は下手ではない。
ただ目新しさが無い。

無難な本…そんな印象を受けて心に残る物がなにも無かった。残念。
対岸の彼女 Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女より
4163235108
No.198
(3pt)

何か足りない

きれいにまとまった読みやすい文章だと思います。
登場人物にありがちな違和感が無くてノンフィクションの気配すらする。

でも…正直面白くなかった。

テーマは良いし描き方は下手ではない。
ただ目新しさが無い。

無難な本…そんな印象を受けて心に残る物がなにも無かった。残念。
対岸の彼女 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女 (文春文庫)より
4167672057
No.197
(5pt)

自分の学生時代を思い出す本

主人公とそっくりな同級生がいて、思わず、自分の学生時代をおもいだしました。
誰でも、女子特有の、村八分をされたり、したりの経験があったとおもいますが
今 私は 母になりましたが、それでも 人間関係に悩むことも多く
いろんな感慨をもち 読みました。
美しく生きることのむずかしさを感じました。
対岸の彼女 Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女より
4163235108
No.196
(5pt)

自分の学生時代を思い出す本

主人公とそっくりな同級生がいて、思わず、自分の学生時代をおもいだしました。
誰でも、女子特有の、村八分をされたり、したりの経験があったとおもいますが
今 私は 母になりましたが、それでも 人間関係に悩むことも多く
いろんな感慨をもち 読みました。
美しく生きることのむずかしさを感じました。
対岸の彼女 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 対岸の彼女 (文春文庫)より
4167672057