■スポンサードリンク
(短編集)
私が語りはじめた彼は
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
私が語りはじめた彼はの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全35件 1~20 1/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この最後まで宙ぶらりんな、分からなさ。登場人物それぞれの動機も、その動機(というものがあったとして)に対してとる行動も、意味がくみ取れない。人間は結局分かり合えない、というテーマなのでしょうか? 分からないなら、いちいち翻弄されるなよ、と言いたくなります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルの通り、「彼」を取り巻く人々(=私)が彼について話すのです。様々な方向から。 短編集に見せかけて、実は繋がっていました!さすが!しをんさん!スキ! 読めば読むほど、凄まじいヤツだな、、敵のニオイ、、、と。 彼の人生において何に価値を見出して、何を得ることができたのか、 気になるところではあるけれど人それぞれ価値観も違うと思うので追及するのはやめておきます。 (それでよかったんだな?!と少し言いたい気持ちを抑えて、、、) 愛してほしいとは言わないが、理解してくれ。 これはイコールにはならないのでしょうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
男女間のトラブルが主題で、全体的に暗くて理不尽で目を背けたくなる内容だが、 なぜかぐいぐい引き寄せられた。三浦先生の才能に改めて感服した。 「冷血」という章の主人公・市川律が個人的にお気に入りだ。 最初は全く好感が持てなかったのだが、じわじわくるものがあって…。 彼、なかなかおもしろいおにいちゃんなのだ。 化学教師の彼はとっても冷静沈着で、会話のキャッチボールもひくほど冷めているくせに 女に異常にのめりこんだり、 第三者の見ている前で女を抱けるという常人離れした図太さもある。 そして生徒から告白されるくらいだから、たぶんハンサムなのだろう。 だんだんこのおにいちゃんにはまっていって「ここを出て一緒に暮らそう」という台詞に、 不覚にもときめくという事態に。 三浦先生、おもしろいキャラをどうもありがとう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作品により雰囲気がまるで変わるのが著者のスゴいところ。 彼女は貴賤なく、"本"が本当に好きなんだなと感じるのです。 他にも有名な代表作があるなか少し珍しいかもしれませんが私は彼女の作品でこの 私が語りはじめた彼は がいっとう好き。 静けさのなかで淡々と、しかし、胸にぐっと来るものがあります。 他のレビューでもある通り、物語の中心となる村川という教授の魅力は語られませんし、多分、いやどう考えても、"良い男"じゃあない。 けれど作中の人々はみな、彼に執着し翻弄されている。その気味の悪さは確かにあるかもしれません。何故?と。 しかし、他人には理解出来なくて当然なのかもしれない、とも思います。他人ですから。 だから、出来うる限りもっと話して、聞いて、解り合いたいと思ったり、或いはそれを踏まえてもう解り合えないと思ったり。 三浦しをんは、そういうことを私達読者としたくてこの作品を書いたんじゃないかと思うんです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ライトなエンターテイメント小説ばかりが私の得意分野ではないのだよ、諸君!」と、しをんが言ってるよう感じる作品です。 ひとりの人物をいくつもの視点で紡ぎだし、立体的に表現している。多くの語り手が登場する連作短編集が好きな方にお薦め。テーマは重厚で、ライトな作品を所望される方は回避すべきでしょう。 ではでは、楽しい時間をお過ごしくださいませませ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まるで漫画を読んでいるみたいに楽しく読ませていただきました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
筆者の作品に初めて触れ、本書が20代の頃の作品と知り驚きです。物語の構成、 登場人物たちの動き、魅力あふれる文体、完成されたものです。 複数の女性と関係をもってきた大学教授村川をめぐる教え子、妻、再婚相手、娘、 息子、恋愛関係、家族関係の危うさを見事に表現しており一気に読める作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
箱根駅伝を題材にした「風が強く吹いている」の爽やかさが嘘のような、全く違う作風。同一作家の作品とは信じがたい。「彼」を取り巻く人々の心をえぐり、読者の心をえぐる。 「彼」は、中国の歴史を研究する学者であり、見た目は今一の超モテ男。 「彼」を取り巻く人々が「私」として登場し、時空を超えた物語が展開する。 大学の研究室の後輩(教え子) 愛人の夫 息子 再婚相手の娘の隣人 娘の婚約者 再び、大学の研究室の後輩(教え子) 難を言えば、各章ごとの「私」が「彼」を中心に見た場合にどのような関係なのか理解するまでに時間が掛かること。スゴイ作家だと思うが、若さ故の荒さも見える。たくさんの謎を残すミステリアスな面も多々ある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作家は基本的にさわやかな青春ものを書かせたらすごいと思っているが、これは男と女のドロドロした関係が軸になっている。「彼」を取り巻く色々な人間模様が、章ごとにそれぞれの視点で独立した物語として書かれている。読み終えたあと、「結局愛ってなんだろう」という疑問が延々と頭の中を駆け巡っている。こういうのもたまにはありだね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作家は基本的にさわやかな青春ものを書かせたらすごいと思っているが、これは男と女のドロドロした関係が軸になっている。「彼」を取り巻く色々な人間模様が、章ごとにそれぞれの視点で独立した物語として書かれている。読み終えたあと、「結局愛ってなんだろう」という疑問が延々と頭の中を駆け巡っている。こういうのもたまにはありだね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初はなんだかよくわからなかったのですが 徐々に世界に引き込まれていきます。 登場人物は 謎でありながら なんだか「濃い」。 そんな世界がここにあります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
正しくは、所収されている短編の「予言」が☆5つ。総合で☆4つです。 主人公の長男が主役なのですが、 ……本当は思い切り泣きたいんだろうな。 ……周りの人間だけでなく、自分自身にも苛立ちを感じているのだろう。 思春期のひりひりするような切なさが、痛いほど胸に迫ります。 また、長男の友達もいい味出しています。おずおずと示す優しさに救われました。 三浦しをんさんの作品の中で「予言」が一番好き。何度も何度も読み返しています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ほぼ日刊イトイ新聞の中で名作【かもめ食堂】の監督荻上直子さんが奨めて居たので 興味を持ち手に取った一冊。心底驚いた!!。こんな小説の書き方もあるんだなぁ、と。 古代中国史の研究者村川教授=【彼】。欲望の赴くままに生きた【彼】の事が 6つの短編(ミステリあり、心理小説あり)の中で語られて行く。 過去から現在に至るまで【彼】と関わりのあった登場人物の間の愛憎が複雑に絡みあう。 が、結局の所。最後まで【彼】の輪郭はハッキリと語られ尽くす事はないまま。 読んでいて口に広がるのも苦味だったり、切なさを含んだ酸味だったりで、 決して口当たりが優しい訳ではない。にも関わらず実に病み付きになる文章だ。 読了直後感じたのは。敢えて読者が各自【彼】をイメージしやすいような ヒントや隙を残したまま書き終えているのではないか、という事。 だとすれば、恐るべし三浦しをん!!。そう感じる程に一つ、一つの話が 素晴らしい完成度を持っている。 個人的には突然父親を喪失し混乱していた息子が、【彼】の新しい家庭を訪問した後、 父親と訣別し、再生していく様子が描かれている【予言】が強く印象に残った。 人が愛について思う時の気持ちの奥底を見詰め、的確な文章で書き記す事の出来る 三浦さんの眼力。実に凄まじい小説です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ほぼ日刊イトイ新聞の中で名作【かもめ食堂】の監督荻上直子さんが奨めて居たので 興味を持ち手に取った一冊。心底驚いた!!。こんな小説の書き方もあるんだなぁ、と。 古代中国史の研究者村川教授=【彼】。欲望の赴くままに生きた【彼】の事が 6つの短編(ミステリあり、心理小説あり)の中で語られて行く。 過去から現在に至るまで【彼】と関わりのあった登場人物の間の愛憎が複雑に絡みあう。 が、結局の所。最後まで【彼】の輪郭はハッキリと語られ尽くす事はないまま。 読んでいて口に広がるのも苦味だったり、切なさを含んだ酸味だったりで、 決して口当たりが優しい訳ではない。にも関わらず実に病み付きになる文章だ。 読了直後感じたのは。敢えて読者が各自【彼】をイメージしやすいような ヒントや隙を残したまま書き終えているのではないか、という事。 だとすれば、恐るべし三浦しをん!!。そう感じる程に一つ、一つの話が 素晴らしい完成度を持っている。 個人的には突然父親を喪失し混乱していた息子が、【彼】の新しい家庭を訪問した後、 父親と訣別し、再生していく様子が描かれている【予言】が強く印象に残った。 人が愛について思う時の気持ちの奥底を見詰め、的確な文章で書き記す事の出来る 三浦さんの眼力。実に凄まじい小説です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なぜかもてる、大学教授の村川融←ぶさいくな中年(笑 彼をとりまく、妻・略奪女・子供・教え子・教え子の彼氏・・・ そんな人たちが、村川について語ります。 村川は一回もでてきません。 最後、死にます(笑 なんていうのだろう。。。 けっしてドラマティックではなく、まして純愛でもなく、 それぞれの立場の人間のエゴが、ごっつんごっつんぶつかり合い。 でも、淡々としている。 当たり前のことだけど、人間のすべてが、 自分が主人公なのだなぁと。 好き嫌いが別れる本かも知れないです。 盛り上がりとか、起承転結とか何もないです。 でも、妙に心に残る本でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なぜかもてる、大学教授の村川融←ぶさいくな中年(笑 彼をとりまく、妻・略奪女・子供・教え子・教え子の彼氏・・・ そんな人たちが、村川について語ります。 村川は一回もでてきません。 最後、死にます(笑 なんていうのだろう。。。 けっしてドラマティックではなく、まして純愛でもなく、 それぞれの立場の人間のエゴが、ごっつんごっつんぶつかり合い。 でも、淡々としている。 当たり前のことだけど、人間のすべてが、 自分が主人公なのだなぁと。 好き嫌いが別れる本かも知れないです。 盛り上がりとか、起承転結とか何もないです。 でも、妙に心に残る本でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とある、色情教授をとりまく女と、その女に関わった男の話の短編集。 助手と、教授の妻。 教授の2番目の妻の連れ子、それを見張る男。 娘。息子。。。。 すごく、びっくりするんだけど、これだけ、色情教授をとりまく人が出てくるのに 教授自信の人物像がまったく出てこない。 なんで、この教授がこんなにモテるかが、最大のミステリーな感じ。 この関わったひと達は、少なからず、人生を狂わされている。 いろんな人の視線で、1つのことを語る手法は、わたしの大好きな手法。 この本も良かったです。 一番、不幸な感じがするのは、最初の妻から、教授を奪った2番目の妻。 最初の妻に「次は、あなたが、こういう思いをする番です」の予言通り 一生、夫を信用して暮らすことはなかった。 そんな夫婦と暮らした娘も歪んでしまう。 好みです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文庫待ちしていた作品のひとつ。 いまや安心して文庫になるのを待てる作家さん。解説では作者の巧さに対する評価が高いように見受けたのですが彼女の読書歴を考えればある意味当然というべき作品。同じような読書傾向を持つ人間が必ずしもこのアプローチと質で作品を書けるわけではありませんが。様々な人物から語られる或る大学教授とその家族。ストーリーは彼の部下である三崎で始まり三崎で締めくくられます。いつかこってり分厚い作品を読んでみたい作家さんでもあります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
村川教授なる人物に関わりを持っていた人間についての物語。それぞれが短篇としても独立していると思う。 私は三編目の「予言」からぐっと物語の中に引きずり込まれた。 不倫のスキャンダルで学校を追われ、妻子を置いて出て行った大学教授の村川。村川については多く語られないが、新しい妻と妻の連れ子との新しい家族のなかで淡々と自分を変えずに生きている。村川の内面は分からないが、村川の行動の波紋を受けて、村川の弟子、妻、子供たちは、それぞれの人生に波を受けてもまれていく。その連鎖のような物語の紬方が面白かった。 謎に満ちているってことが、小説を読んで面白い所だと思う。 もちろん、三浦しをんの言葉の世界も堪能できる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「私は、彼の何を知っているというのか?彼は私に何を求めていたのだろう?大学教授・村川融をめぐる、女、男、妻、息子、娘−それぞれに闇をかかえた「私」は、何かを強く求め続けていた。だが、それは愛というようなものだったのか…。」という文庫裏の文章を読んで、川上弘美の『ニシノユキヒコの恋と冒険』をもっとドロドロしたようなものかなと思いながら読んでみたのだけど、ちょっと違った。というのも、この大学教授・村川を語る視点が、彼と直接関わった人の配偶者とか恋人とかいうように、ちょっとひねった設定になっているから。それがおもしろいといえばおもしろいけど、結局この大学教授がどういう人物だったのかと想像しながら読むと欲求不満に終わるだろう。ただ、この教授の行動が周辺の人々に確かに影響を与えたということはよくわかるし、そういう周辺の人々の人生を描いた一編一編はとてもおもしろい。しばし人間の孤独をかみしめつつ、胸を痛めたり、時にゾクっとなりながら、他人の背後には色んな人生が隠れているのだなぁと思わされる。 それにしても、こんな年齢(昭和51年生まれ)で、こんな小説を書けるなんて、すごい作家さんだなぁと素直に脱帽。すごいです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!