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告白
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告白の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全562件 501~520 26/29ページ
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こんなに最後まで止まらずに読めてしまえたのは久しぶりです。 小説を読んだことのない中高生に読んでもらいたい。 テレビや携帯もいいけど、活字による自分の脳の想像と映像、その楽しさを知ることのできる一冊でしょう。 | ||||
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確かに読後感はさわやかではないですね。ぼうっとなるような、ぽっかり穴があいてしまったような、何とも言えない居心地の悪さ。けれどもそれこそが、この作品の持ち味なのだと思う。 章ごとに視点人物が変わり、そのたびに感情移入してしまうのですが、それぞれの人間の食い違いがはっきりしていることに後で気づきました。読んでいる時は夢中になっていて分からなかったんだけど。 みんな、自分の物差しで物事を判断してる。まあ当たり前ですが。それがあまりにもあからさまで、興味深かったです。結局みんな、自分本位の解釈をしているだけで、真実はいったいどれなんだろうという感じ。 ラスト一行まで見逃せないストーリーですね。とてもよくできていると思います。閉鎖的な教室という空間の異常性も胸やけがするくらい気持ち悪くて、リアルでした。子どもってすごく残酷なことをしたがるんですよね。(大人だってしますが) いったい何に必然性があったのか、なぜ死ななければならなかったのか、なぜ殺さなければならなかったのか、なぜこうなってしまったのか。ストーリーに一応の決着がついても悶々とした感情が残ってしまいました。 これがデビュー作とは。この作者さんは大注目の作家さんになりそうです。新作も読んでみようと思います。 | ||||
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前編に漂う殺伐とした雰囲気。舞台が中学校というのも拍車をかける。読んだ後の後味の悪さ、陰鬱さがあり、爽快感は無い。 しかしそれがいい。スカッとしたい人には全くおススメしない。ある人は読んだことを後悔するに違いない。登場人物が全員明るさが無く、ダークなのもいい。 ストーリーは、何回ものどんでん返しがあり、その都度今までの語り部が否定される。2回読むとさらに面白い。 | ||||
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後味が悪いというレビューもありますが少年法で裁かれない犯人を母親自らの手で裁こうとするこの「復讐劇」は天晴れとも思えます。 またその反面、少年Bの母親の立場も同感するところがある。 作者は女性ですが、面白いことに物語の中で”母親”はわが子のために殺人者にもなれるし、わが子を殺そうともするし、またわが子を殺人者にさえしてしまう。 誰もが知っている過去の少年犯罪などを散りばめ、また少年たちや少年の母親のありふれた日常の等身大の独白がリアルさを感じさせ、少年犯罪の問題点を浮き彫りにさせている。 一気に読めるのもリアルさと共感があるからだろう。 この物語の中で悪者は誰なのか。少年?少年の母親?復讐をした被害者の母親? | ||||
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読見出しはあまりにも切って貼り付けましたといったような作成した感じの強い文調で大袈裟すぎるきらいもありました。しかし、内容は刻々と変化し、想像もしないような冷酷な展開が生まれていく中で、当事者各人それぞれが自ら事件についてを物語っていくのですが、その文章の表現の仕方がすべて同じような調子なので、おぞましき内容にもかかわらず、客観的に現実とはかけ離れた作り話として映し出す役目をかい、内容のグロテスクさを隠しつつ、物語から伝わってくる最終的なストーリーと核心は理解できるといった、とても良い本だと思いました。ドストエフスキーなどを読むと逆に感情移入しすぎて、読み終わった後、ある種の不快感を感じるのですが、この本ではそういった感覚を抱くことはありませんでした。 表現の仕方ひとつでここまで、実際の内容とは違った空気を読者に与えつつも、物語の面白さ自体を味わわせてくれる作品はあまりないと思います。 | ||||
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読みやすく、面白い。読後感が悪いという感想も散見されるが、個人的にそれはなかった。 要約すると、それぞれが主人公とも言うべき登場人物たちの誰もが、自分の近くにいる他者に対して過剰に軽蔑したり嫌悪したり執着したりした挙げ句、嘘と誤解も手伝って何だか大変なことになっちゃいました、という話。章ごとに替わる話し手には、章が先へ進めば進むほどハイグレードな変態が立ち現れるという驚きの展開。リアリティを削ってでも読ませるスピード感を重視した作品、といったところか。 最初に殺された少女を除けば、主要キャラのほとんどが精神的にどこか歪んだ馬鹿ばかりであり、それぞれが「自分は正しい」との思い込みに従ってお互いにお互いの馬鹿さ加減を陰で罵りあい、突っ込みあう。キャラの馬鹿っ振りにイライラした読者に代わって、文章の中で他の誰かがキッチリ突っ込みを入れてくれるという点で爽快感があり、読みやすさと面白さに貢献している。 深く考えずに一気に読み終えて「あー面白かった」と本を閉じる。そういう楽しみ方が出来る本。 | ||||
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’07年、短編「聖職者」で「第29回小説推理新人賞」を受賞し、その作品を第一章として連作化した本書は、湊かなえのデビュー作ながら、堂々’08年、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第1位、「このミステリーがすごい!」国内編第4位に輝いた。また4月に発表される’09年の「本屋大賞」にもノミネートされている。 第一章から第六章までモノローグ形式で“級友”“犯人”“犯人の家族”などからそれぞれ語らせ、連鎖的にあらたな悲劇を引き起こし、次第にじわりじわりと波紋が広がり、真相が浮き彫りになってゆく形をとっている。ミステリーとしては、第一章で、幼い我が子を校内で亡くした女性中学校教師が、終業式のホームルームで、実はそれは事故ではなく殺人であり、犯人である少年たちを指し示し、復讐を企てたところからはじまり、第六章でふたたびその教師の語りから驚愕のラストシーンが待ち受けており、途中の章の伏線も効いていて完成度は高い。 一方で、実際の事件や人物を仮名で取り上げながら、昨今話題の社会性の高い少年犯罪と犯罪被害者の問題を多視点でとらえている点、そしてそれぞれの章で独白する者たちの常識からはずれた「ゆがみ」「いびつ」の点では「現代の抱える病巣」を鋭く突いているように思われる。 本書は、エンターテインメントの衣をかぶった衝撃・戦慄の社会派ホラー・サスペンスではないだろうか。 | ||||
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本でも映画でもたまに「後味が悪い作品」に出会います。しっかり引き込まれたからこそ感じるあの嫌な感じはある意味でその作品が優れている証拠だと思います。この「告白」全編に流れる人間の暗い情念に大概の人はやられてしまうのではないでしょうか。さらに、大人よりも汚れていないはず(実際は全くそんなことはない)の未成熟の人間たちが見せる大人顔負けの狂気にもこうした学校ものの怖さがあると思います。 | ||||
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一気に読み終えました。全体的に、読みやすくわかりやすく丁寧に縫い合わされたパッチワークのように、女性らしい作品に感じます。出来るだけ分析しすぎず、むしろ感覚的に読み進めて行くほうが楽しめるように思います。 三章で、僕自身も驚いた反応でしたが、なぜか思わず吹き出してしまう場面もあり、たぶん どうにも語り手が、あまりにも滑稽に思えたためだと解釈しています。 人それぞれ感想は違うでしょうが。 欲を言えば、冷酷な仕打ちで復讐相手達をジワジワ締め上げて行きながらも、同時に愛する我が子を失った、大きな喪失感や悲しみをもっと深く女性教師に表現させてほしかった・・というのが、個人的な感想です。 次回作も読んでみます。 | ||||
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人間のドロドロと最悪な読後感を期待して読んだのですが、とにかくリアリティに欠けるので、そこが満たされる事はありませんでした。 話の筋、最後のオチに関しては山田悠介のそれと大差無いように感じます。文学作品でなく、ミステリーとしてなら最高傑作だと思います。 独特で引き込ませるような文章は非常に良かったです。オチにも痺れました。 エンタメと割り切って、深い部分まで読み込む作品ではないと思います。 | ||||
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愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。 と第1章での「告白」から始まって以降の章はいわゆる心理戦みたいな感じです。 犯人の周囲の人間の心理描写から犯人の心理描写(いずれも告白の形式になっ ている)に移行していくので、犯人の心理が際立ちます。 まあほんとにこんなこともありそうだ、とも思わせるリアリティと、やっぱり 小説にすぎないと思わせるストーリー展開だから先を読みたと思わせるうまさ はあると思います。 ラストは、そんなに意外とも思えません。 子供を殺された母親ならいかにも思いつきそうだと思う復讐劇の結末だと思い ます。 | ||||
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今さっき読み終わりました。 この読んだ後の非常に不愉快な気分の悪さが、読者がきれいごとを抜きに今日の社会問題のそれぞれをもう一度考えるきっかけになるのでは? 加害者の少年達の残虐さやその心理描写、その母親の愛情ゆえの盲目さ、思春期にありがちな責任転換や心の振りの激しさまでなんか生々しかったです。面白いというより、最初から落とされて着陸点を求めて読み下げていったという感じでした。優秀な作品である事は間違いないですが。ただR指定してもいいぐらい道徳的に過激な内容です。 お子さんへの贈り物に最もふさわしくないタイプの本です。 | ||||
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新聞で作者の執筆動機を読んだ。大要は次のとおり。 「最近の無差別大量殺人の犯人はよく次のように言う。 『殺すのは誰でも良かった』と。 評論家は、『反人間性に衝撃的を受ける』と持ち上げる。 だが、実際に殺したのは行きずりの他人ばかり。 結局、犯人は『(自分にとって大事な人でなければ) 誰を殺しても良かった』と言っているだけだ。 衝撃的でも何でもなく、単に、利己的で小児的な 甘ったれ根性に過ぎない。 自分にも隠している()内の甘ったれた精神を暴き出し 犯人に突きつける小説を書きたかった」 興味を引かれて読んでみたら、ラストにこうあった。 「ねえ、○○君。これが本当の復讐であり、あなたの更生の第一歩だとは思いませんか?」 この一文に脱帽。 散見される細かい傷など、掉尾の迫力に吹っ飛ばされる。 | ||||
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ある中学校の終業式での担任女教師からの告白。 「水死体として発見された娘は、事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたのだ」 そして、復讐劇が始まります。 物語は、事件関係者6人の告白(独白)という形で進んで行きます。 発表当時は、第1章の「聖職者」で完結していたようですが、追加された5つの章で、ひとつの事件をそれぞれの視点から描くことにより、作品全体としての幅が広がり、完成度とともに面白さも増していると思います。 ミステリーというよりは、サスペンスという方が良いかもしれません。 ひとつの事件から派生するように起きる事件の連鎖と、人間心理の怖さを描いた作品で、読後感が良いとは言えませんが、一気読み必然の一冊です。 | ||||
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少し前に大統領の暗殺を8人の関係者の視点で捉えた"Vantage Point"という映画があったが、本書でもそのスタイルが踏襲されている。5歳のひとり娘を学校のプールで溺死させられた女教師の復讐劇が、女教師、クラス・メートの女の子、少年Bの母親、少年B、少年A、そして女教師の視点で語られる。 古くは、漱石の『こころ』、谷崎の『痴人の愛』など、延々と続く『独白』のスタイルはあったが、語り口は新鮮。本当の言文一致というのだろうか。夏の夕べに友人同士で『怪談話』をするような感じで物語世界に引き込まれていく。都市伝説というのだろうか?一つの少年犯罪が従来にない語り口、視点で語られるところに魅力があるのだろうか?Vantage Pointを用いることで『臭いものにふた』をされてきた少年犯罪の問題の『闇』の部分があぶりだされてくる。 今の時代、犯罪者には反省の心のひとかけらもないのだろうか?犯罪者の家族も自分たちさえ良ければそれでいいのだろうか?被害者は他者を巻き込み残酷な復讐をすることに一片の迷いもないのだろうか?そして、こういう小説の『闇』を嬉々として覗こうとする自分にも『闇』があるということなのだろうか?陰湿な作品ではあるが、作者には新人以上の力量を感じる。 | ||||
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登場人物同士が、入れ替わり立ち替わり自己愛を語りながら、他の登場人物を極めて主観的に評価する。 人間の評価の全てを相対化しようとする姿勢に共感を感じました。 常に自分の考え方・人生観・性格に疑いを持ちながら生きていかなければ、独善的になってしまうという自覚を持たせてくれたことに感謝! | ||||
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この本は評価をするのがとても難しいです。内容は重く最初から最後までひたすら暗いです。もう一度読み直したいとは絶対に思いません。でも、最初から強烈に引き込ませる展開でページをめくる指がなかなか止まりませんでした。1日で読破してしまいました。一つの事件の真相が、関わった人物のそれぞれの告白で明らかになっていきます。それは手紙だったり、日記だったり…。ですから、文章はとても読みやすかったです。こんな形の表現の仕方も新鮮でした。ただ少し強引すぎる展開と、女教師の人物像が薄すぎるのが気になりました。あと、委員長の人物像ももう少しはっきりわかってもよかった気がします。女教師に関してはもしかしたらあえてはっきりさせなかったのかもしれませんが…。その方が色々想像出来て少し怖い感じがしますから。あまり人には勧められない内容ですが、どうして流行ってるのかわからない安っぽい恋愛モノの本を読むよりはずっと面白いかと思います。しっかりまとまっている本だとは思うので。暗い気持ちになる内容でしたが先が気になり夢中になってしまったのも確かですので☆は四つにさせていただきました。 | ||||
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この作品に対しては、賛否両論分かれているが、私はいいと思った。それぞれの立場からの事件の描写、という手法がおもしろく、優れている。2時間余りで一気に読み切った。 自分が教師だからかもしれない。第一章の女教師の発言、考え方に共感する部分が非常に多い。中学校の様子・実態もよくわかっているので、気持ちがわかってしまう。自分が中学生の子の母親でもあるので、中学生の気持ちもわかる、母親の気持ちもわかる。だから、どの章も気持ちを受け止めながら読むことができた。 みんなその人にはその人なりの正当な(?)理由があって行動をしている。こちらの立場から見れば全く理解不能、ということが、あちらの立場から見ると、そういうこともあり得るかもしれない、ということ。一つの事象のとらえ方が、受け止める人間によって全く違う事実になる。世の中のことは、みんなそうだろう。人間は自己を正当化しようとする。だから、事件の解決には裁判が必要なのだ。 読後感が悪い、とレビューに書いた人がいるが、それならば、赤川次郎や小松左京や東野圭吾の作品だって、皆同じである。ミステリーものは「爽やか」であるはずがない。心に病を持っているからこそ犯罪を犯すのだから、この作品がとりたてて嫌悪感を抱くようなものであるとは感じない。 とにかくおもしろい。読み終わってしまったのが残念に感じる作品だった。 | ||||
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すごく売れた本。たしかにすごく面白かったです。ノンストップであっという間に読み終えてしまいました。 これからが楽しみな作家が出てきましたね。 とにかく第一章の冷ややかな恐怖は新人とは思えない でも残念なことに一章の完成度があまりに高いため、その後はインパクトに欠ける・・・。 全体通しても凄いんだけど、一章の凄さは圧倒的でむしろ他の章はなくてもよかったのかも? 被害者と加害者のそれぞれの親子愛が事件の大きな鍵となっています。 誰かが違った愛情表現をしていれば事件はこのような形にはならなかったかもしれない。 一言で愛といってもいろんな形があり、その選択の難しさとゆがみが事件を引き起こしたとも言えます。 少年が犯罪を犯した時、どんな形で裁くべきなのだろう。 被害者であり、犯人を預かっている担任でもある女教師の立場は どんな判断でこの事件と向き合うべきなのかあまりに難しい。 最後にもう一度、読者を恐怖に陥れる残酷なラストが待っています。 これには「後味が悪い」という声も多く聞こえるけれど、私はこの女教師の執念にすがすがしさすら感じました。 | ||||
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あっと言う間に読めます。なんて読みやすい小説でしょう。明るさや感動とは対極にある暗いストーリーですが、淡々とした語り口にいつしか引き込まれ、気がついたら読み終わっています。異なる人物が、事件をそれぞれの立場で語り、短編集でありながら、最後にはすっと一本の筋が通る見事な落ち。ぜひ一読をおすすめします。 | ||||
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