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告白



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【この小説が収録されている参考書籍】
告白
告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白の評価: 3.62/5点 レビュー 910件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.62pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全562件 381~400 20/29ページ
No.182:
(5pt)

「これが本当の復讐であり、あなたの更生の第一歩だとは思いませんか?」

 本書は、著者・湊かなえ氏のデビュー作にして第29回小説推理新人賞受賞〈第一章 聖職者〉にて第6回本屋大賞(全国の書店員が選出する)受賞など各メディアで大反響を巻き起こし、6月5日に映画化公開(監督:中島哲也、主演:松たか子)された話題小説である。
 市立S中学校、1年B組。三学期の卒業式の日、担任・森口悠子が生徒たちに自分から教師を辞めることを告げるモノローグから始まる展開。そして徐々に生徒たちも認識している“あの事件”の事の顛末を知る事となる…。 学校で起こったひとつの事件について関係者それぞれの立場から語られる形式となっており、まさに題名どおりの“告白”によって綴られている。
・ 1年B組担任・森口悠子からB組生徒へのお別れの挨拶と事件の顛末が淡々と語られる第一章『聖職者』
・ 2年に進級したB組クラス委員・北原美月から元担任・森口悠子に宛てたその後のB組クラスの様子が綴られた第二章『殉教者』 
・ あの日以来不登校児となった息子・直樹との破局までの生活を母親の日記によって綴られる第三章『慈愛者』
・ 施設の中で壁に映る幻覚を見ながら、かつてB組生徒であった下村直樹が同じクラスの渡辺修哉との出会いから今日に至る一連の出来事をフラッシュバック形式で回想する第四章『求道者』
・ 今回の一連の出来事の首謀者であるB組生徒・渡辺修哉が自身のサイトに事件のあらましからその後の彼に降りかかる一連の出来事、そしてこれから起こすある行動について綴られる第五章『信奉者』
・ ある行動が不発に終わった渡辺修哉へ元担任・森口悠子から携帯電話の電話口で救いようのない最後の宣告が行われる第六章『伝道者』
 一連の出来事を通して各登場人物の立場からそれぞれの心情を描いており、物語としては意外な結末に堪能しつつ、読後感としては作中、主人公・森口悠子が身に降りかかった不幸や事の真相を明らかにされても一切の感情を表に出さず、最後の最後まで用意周到に計算し尽くされた彼女の行動に一抹の恐怖を感じさせる余韻の残すラストは印象的だ。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4575236284
No.181:
(5pt)

心の奥をつつく

第1章でしばし止まっていたが、映画公開を機に再読。あれよあれよとグイグイ引き込まれ、なぜいままで読まなかったのかと自らを「馬鹿」扱い。心理としては「こんなヤツこうなりゃいいのに」と思う以上の展開に脱帽。ダメなのでしょうがスッキリ、スカッとします。でも、その気持ち、ダメなんだってば。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4575236284
No.180:
(4pt)

スピーディに読ませる小説

自分がそれほど頻繁にするわけではない読書ですが、話題性につられて手に取ってみた一人です。
そんな自分が第一章から最後まで数時間で読破させてしまう筆者の文章力や物語に引き込ませる力には関心させられてしまいました。
登場する主な人物の冷酷で残虐な思考にリアリティの無さも感じましたが、森口先生の娘を想う気持ち、渡辺や下村の母を想う気持ち。その辺りに生身の人間臭さを感じさせながら読ませるのが要因だと感じました。
救いの無い哀しいだけの作品ですが、登場人物の誰かを想う心情はきっと誰にでも当て嵌まるものだと思いました。彼ら(彼女ら)は少し歪んだ形でしかそれを「想う人」に表現出来なかっただけなのではないでしょうか?
そんな登場人物の心情(とった行動はまた別)に共感を覚えた自分は彼らに少し似た不器用さを持ち合わせた人間だと思いました。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
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No.179:
(5pt)

今までにない小説

映画の告知で絶対見たいと思って・・・でも何か少し怖い感じの内容だから、初めに小説を先に読んで内容を知って心の準備をしてからと思って読みました。
こんな、色々な人物の視点から書かれている本は珍しくて皆、この時はこんな風に感じていたんだって分かりやすかったです。
それをふまえて、映画を見て小説に忠実に作ってあって、でも少し変えてある部分もあって両方楽しめました。
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No.178:
(5pt)

賛否両論ですが…

・一気に読んでしまう・読後、批評をしたくなるこれはみなさん共通のようですね。この作品は漫画やゲームのような娯楽だと思えば★5じゃないかな〜って感じです。読む人の年齢・環境・読書スキルによって大きく評価が違ってきますが、一気に読ませてしまう面白さがあるのは間違いないですし。そもそもテーマやメッセージ性に重きを置くような作品じゃないですよ、これは。荒唐無稽な発明品、デリケートな病気に対しての認識の甘さ、ご都合主義的な展開等々、そんな細かいことを気にしながら読む作品ではありません。文庫版なら買っても損しないかな、という感じです。
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No.177:
(5pt)

「人のせいにすな!」という強い主張

僕にも娘がいますが、自分の娘が、子供とはいえ成人と変わらない体と知恵をもった人間に、しかもいたずらとか虚栄心とかそんなつまらないものを理由に殺されたら……、考えるのも怖いです。
……の、「考えるのも怖い」ことを深く考えて緻密に陰湿に描いてくれているのがこの本です。普通に考えたらただのネクラ人間の残酷な空想世界なのですが、それだけで終わりません。賛否両論ありますがそれでもこれだけの人を引き付けているのが、その独特な世界と、ある種の爽快感だと思います。
−独特な世界−
作者は(長編小説としては)これがデビュー作のようで、1ページ目からとても新鮮というか、中学校教師が一人で教壇でしゃべっていることをそのまま活字にしたような文章なのですが、感情表現が皆無で、今まで見たことの無い描写方法であり、見たことの無い文体でした。妙な違和感からこの世界に引きずり込まれていきます、そして
「娘は事故ではなく、このクラスの生徒に殺された」という教師の一言から、もう目が離せなく読み進めずにはいられないようになってしまいます。
−ある種の爽快感−
この本の中には現実に起きた事件に関する作者の考えを見ることができます、「酒鬼薔薇」の事件など「わざわざ直筆のあんな署名を公開しなくても『普通の名前に調子に乗った当て字をしています。難しい漢字が書けることを自慢したいのですかねえ』などと鼻で笑ってやればよかったのではないかと思います。」と一刀両断。痛快です。
*そしてきっと作者がこの作品で一番言いたかったことは「なんでも人のせいにするんじゃないよ、親とか学校とか会社とか、誰のせいでもない、自分の責任だよ」ってことでしょうね、とても強く強く感じました。わかってるんですけど言われると辛いですよね、物語の救われなさとかもありますが、読んだ人はみんな胸が痛くてかつモヤモヤするんじゃないでしょうか。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
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No.176:
(4pt)

帯に短し襷に長し

 映画化もされた話題作の文庫化である。
 もともと本作は小説推理新人賞を受賞した短編「聖職者」を第一章に配し、その後の展開を二章以降で書き継いで完成させた長編ということになるらしい。一度完成させた作品をぶち壊しかねない大手術に挑み、とにもかくにも新しい長編作品としてよみがえらせた手腕には恐れ入るほかない。
 しかしそうは言ってもやはり最も緊張感があり完成度が高いのは第一章であろう。これだけで独立して読むことも可能であり、ミステリーとしても充分に楽しむことができる。
 ある中学校の一年生のクラスの終了式。担任の女性教諭のホームルームでのモノローグのみでこの章は構成されている。担任が今年限りで教職を退くという報告に始まり、自分の娘が学校のプールに落ちて事故死したこと、しかしそれは実は事故ではなく、このクラスの生徒によって殺されたのであること、そしてその生徒に対する教師の復讐がすでに完了していることが次第に明らかにされてゆく。
 その後の章も主要登場人物のモノローグという形式で概ね進行してゆくが、物議を醸しているのはやはり生徒に対する教師の復讐という物語の是非であろう。第一章での教師による復讐は結局未遂に終わるが、最終章において主犯格の少年に対して教師は再び容赦ない刑罰を科す。この展開にはかなり無理があると思うし、作品に対する評価が教育問題へと発展するのはいかがなものかとも思うが、短編から長編に増殖したストーリーが当初の主役に回帰する構成は美しいと言えば言える。映画が好評なようだが、ストーリーはほぼそのままに全く別の映像作品に仕上げているので、原作を読んでいても楽しむことができる。
告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)Amazon書評・レビュー:告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)より
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No.175:
(5pt)

普段本を読まない人でも読みやすい

かなり読みやすかったです。衝撃の第一章で、すぐに物語にのめり込むことができました。物語が一貫してモノローグ形式なのが良かったと思います。批判的な評価もかなり多いようですが、私は素直におもしろかったです。これだけ展開が気になる小説は久しぶりです。最近小説を読んでいて途中で読むのをやめてしまうことも多々あるんですが、この作品に関しては読みはじめて気づいたら物語が終わってた感じです。じっくり熟読すれば矛盾や無理矢理感はたくさん出てくるかもしれませんが、一つのサスペンスとして楽な気持ちで読むと、そんなこと気にならないと思います。私は作品の構成、展開、非常に人間味のある登場人物の描き方など、とても素晴らしいと思います。
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No.174:
(4pt)

馬鹿ばっかりの物語

話題になっているので思わず読んでしまいました。
一言で言えば面白かったです。小学生みたいな感想ですねw
この物語はまず第一章で担任から「事件」の概要が語られます。ここは淡々としていて解説のようであるにも関わらず、スピーディでぐいぐいと引き込まれてしまい非常に上手いやり方だと思いました。物語に引き込まれてからは登場人物各個人の視点に移行していきます。
そしてここからがこの本のミソなんですが、とりあえず僕は「うーん、イライラするなぁ」と思いました(笑)もちろん冒頭では分からなかった真実も明らかになっていくのですが、そこにそれぞれの心理描写が入り込むわけです。ここで出てくる人たちは皆どこか欠けている(欠けまくっている)のでイライラするのかもしれません。
そして最後少年Aと担任の話。この二人はそれまでで本心が分からない二人だけにわくわくして読み進めました。そして二人ともぶっ飛んでましたw
読み終わったあとの気持ちとしては「馬鹿ばっかだな」(少年Aより引用)というのが素直な感想ですw
この本は一見重そうな雰囲気を醸し出していますが実は喜劇であり、心に響くというよりは暇つぶしのエンターテイメントなのだと思いました。軽く読めるので迷っている人はとりあえず読んでみてはいかがでしょうか?
どうでもいいですが個人的に美月ちゃんに一番イライラしました(笑)
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No.173:
(5pt)

すごく面白かった

物語の構成もすばらしく、読み始めてすぐに引き込まれていきました。
一気に読めてすごく面白かったです。
本を読んだ後、映画も気になって観に行ってしまいました。
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No.172:
(5pt)

告白は告白。事実じゃないよ。

大好きな作品です。登場人物ひとりひとりを愛おしく感じました。みんな必死で生きている。
ただ、告白は告白であって事実ではないと私は思っている。だから最後の彼女の告白もどこまでが本当だかはわからない。
わからなくてもいいと思う。そういいたかった気持ちを聞けたことで私は満足だから。告白ってしているうちに自己陶酔
とかするでしょ。気持ちも状況によってころころ変わるしね。だからそれぞれの告白を文字通り受け取っちゃいけないと
私は思っている。
読んで気分が悪くなる人がいるようだけれど、私はちょっと違った。すごく哀しいけど、救いはあった。希望も見えたよ。
復讐って自分でしちゃうと自分がいつまでも解放されないんだよね。それも承知の上なのかもしれないね、森口さんは。
それはそれで彼女の生き方だから尊重したいと思うけど、ずっといつまでもしんどいだろうな。
とにかく面白い作品でした。読んで不愉快になる人は、なぜそうなるのか考えてみると、自分の考えや生き方が見えてくる
かもしれません。合わせ鏡のようにね。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
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No.171:
(4pt)

綺麗事無し

WEBサイトの立ち読みのページを見て即購入しました。
基本立ち読みページのような感覚で話が進んでいくので、
そこで気になった方であれば、楽しめるかと思います。
第1章のつかみは抜群で、普段小説を全く読まない私ですが、
先が気になり一気に読み終えました。各章ごとに主だった
登場人物の視点でストーリーが描かれており、始めは落胆した
のですが、すぐに気にならなくなりました。
とある人物の視点から見ると、ある人物は醜く、歪んだ性格に
見えるが、実際の当人視点から見るとマトモに感じてしまうような話の
持っていき方。しかし「やはり人は皆心を持っている人間美しい」
というような臭いテーマでもありません。
最後は上記した、マトモに感じてしまうような私の甘ったるい感性を
全て壊してくれるような気持ちの良い、子を殺された親としての当然で最高の
復讐が見物だと思います。恐らく私が各章で抱いた感情は、全て著者の狙い通り
で、この狙いにハマった人は皆楽しめるのではないかと思います。
告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)Amazon書評・レビュー:告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)より
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No.170:
(5pt)

告白

すごく面白くて、一気に読みました。モノローグ形式の文章は、クセになります。野次馬精神で。
読み終わって、「裁くこと」と「教えること」について考えさせられました。
人間がある人間のすべてを理解することは絶対にできない。本当の「告白」は神のみぞ知る。だからこそ、人が人を裁くことは、本当は、できない。
しかし、人は聖人ではない。裁くことができないとなると、自分の手が汚れること覚悟で復讐に向かう。そうやって立ち向かうことはすごく原始的な怒りや憎しみの、ある意味正統的な解消法だと思うけど、この復讐は連鎖する。そうすると、この小説のように、とことん救いがない方へ向かっていく。
だから、人間は裁きを法制度として取り入れた。人は人を裁けないけど、法という奇妙な装置で裁くことはやっぱり必要だと私は思った。
そして、「教えること」。学校ってすごく特殊な場で教師と生徒ってよくよく考えると奇妙な関係。でも、そういう場を作って奇妙な関係を作り出さないと、教育は成り立たない。なぜなら、人が人に意図的に教えることは、本当は、できない。人が人から教わることはできたとしても。
「裁き」も「教え」も人が人にできることを越えているのかもしれない。世の中は奇妙で不自然なことで、保たれていることが多い。でも、それは人間の知恵が生み出したベターな方法だと思った。
告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)Amazon書評・レビュー:告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)より
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No.169:
(5pt)

悪意の塊が集まったような話

正直言って、こんなに圧倒された小説は初めてです!私の場合、大学の課題をすることも忘れ、没頭し2日で読みました!ここまで人の心の汚い部分を「率直に」書ける湊さんが凄いです。愛する人を奪われた悲しみって測り知れないものだって思うと同時に、自分が今どれだけ幸せな環境にいるか、いい人に巡り逢えているかを逆に感謝する気持ちが起きました!この小説の登場人物は主人公以外、どこかフラストレーションを吐き出す場所を間違えているような感覚に襲われます。そして悲しみから憎しみという負のスパイラルってこんなに人を駄目にするんだなって思いました。現代社会を生きる人、全員に読んでほしいです!「面白い」をはるかに越えています。
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No.168:
(4pt)

読後感が…。

映画の宣伝を見て気になり、思わず読んでみました。本を読むのは遅いほうなのですが、すらすらすらすらページが進み、あっという間に読み切ってしまいました。感想を一言で言うなら「後味がめちゃ悪い」ですが、「読んでる途中ですらゾッとしてるのに、なぜか次を読んでしまう」強烈な印象を受けました。(今私は高校なのですが)少し前に患っていた中二病の頃の心情を思い出して、心苦しくなりました。犯人Bの母がうちの母とすごく被ります。しかも犯人Bと私の思考パターンが似ている気がします(後半はさすがに理解しかねますが…)なんというか、登場人物がリアルだなと思いました。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
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No.167:
(5pt)

おもしろい

物事を一面から見ない方が良いんじゃないの?という提案が分かり易くて良かった。全員不幸という設定も潔い。どんよりとした読後感を、くどくど分析するよりも、単純におもしろかったとしたい。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4575236284
No.166:
(5pt)

日常に潜む、あるかもしれない恐怖を感じました。

昨日、本を買って、一気に読み切りました。
第一章、森口悠子先生の『告白』、独白は、章の最後、独白が終わるまで、その教室にいて、独白を実際に聴き入っている様な錯覚、臨場感、緊張感を覚えました。
本を構成する六章それぞれに、事件の当事者、関係者の告白が述べられていますが、第三章以外は、独善的で身勝手、そして躊躇のない行動をひたすら肯定しながら語る独白には、思量深さや迷いが微塵もなく、暴走列車の如く、破滅へ一気に進んでいく恐ろしさを覚えました。
そして、物語のエンド、救済はなされず、最悪なシナリオで物語の幕が降りました。
何気ない日常の風景、どこにもいる登場人物・・・、告白がなければ、事件は時間の経過と、新しい事件の発生と共に、いつのまにか闇の彼方に忘れ去られてしまう事を、私たちはこれまの現実社会であった過去の重大事件、猟奇事件で何度も経験しています(忘れ去っています)。
湊かなえさんの本は、この『告白』が初めてでしたが、日常に潜む狂気を題材にして、問題提起され、深遠な議論が沸き上がることを狙っておられるのではないかと感じます。
実際に、中高生のロングホームルームやタウンミーティングで話し合う、良いテーマではないではないかと思います。
昨今は、コミュニケーション至上主義といわれるほど、コミュニケーションの大事さが声だかに叫ばれ、誰もが実践しているものの、実際は、携帯メールがその実態を明らかにしているように、本質は、稚拙で身勝手、一方的な、およそ相互理解を前提とするコミニュケーションからかけ離れたツールに成り果ててしまっていると思います。
その恐ろしさ、それがこの本で描かれている恐ろしさの本質だと感じています。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4575236284
No.165:
(5pt)

面白かった

映画化を機に妹が興味を持ち購入したのを、高校の担任がこの本を好きなのもあり、読ませて貰ったが面白かった。皆が皆、自分勝手で勘違いをしている。ある人は殺された愛娘の為に。ある人は自分を捨てた母を後悔させる為に。またある人は、初恋の人の為に。色々な所で絡み合い、その結果救いようが無い結末になっていく。あの時ああしていれば、キチンと言っていれば、様々な所でこんな事を思わされる。結末は既視感がある気もするが良かった。中高生にも読んでほしい本です。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4575236284
No.164:
(5pt)

ため息の連続

一章読むごとにひたすら心に喪失感と虚無感が残ります。底なしに暗い話で、軽く欝になれます。壊れてゆく登場人物たちの姿にひたすらため息をつきながらも、パンドラの箱を開けたくなるような好奇心をくすぐられ、最後まで読み進めてしまう感じ。ストーリーの人を引き込む力はとにかく凄いです。面白い。救いとか感動とかが一切ないのでスイーツ(笑)みたいな話が好きな人には向かないと思います。私は凄く好き。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4575236284
No.163:
(4pt)

自分は面白かった

先生だって人間。可愛い我が子を殺されて復讐心が芽生えても不思議じゃない。
むしろ簡単に許してしまうほうが変だろう。
教師だから復讐心がないなんて思っちゃいけない。
ましてやこれは小説。ミステリー。現実の話ではない。
小説として、ミステリーとしてはぐいぐい読めた。
これがノンフィクションならそりゃ後味悪い。でもこれはフィクションだから。
最後に皆丸く収まっておしまい、が好きな人は嫌なんだろう。
小説を現実として意識しすぎてしまう人には向かない。
色々突っ込みどころがあるかもしれないが、そのへんは小説と思えば別になんてことはない。
自分はそこまでミステリーにリアリティを求めないから。
個人的には大変面白かった(笑えるという面白さでは勿論ない)。
ただ、読後、これは現実ではないんだから。ミステリーなんだからと言い聞かせて納得してから現実に戻った。
個人的には次回の作品にも期待したい。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4575236284

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