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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
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【この小説が収録されている参考書籍】
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全146件 101~120 6/8ページ
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なんだか不思議な本でした。 でも、読んで損はないです。 | ||||
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私の柔らかくて弱い部分を突っついてくる一作。 子供の、どうしようもない、無力。 目に見える現実は学校の教室くらい狭くて、手の届く範囲はせいぜい自分の机の周りくらい。 一度目の前から消えてしまったものは、もう一度戻る保証はなく、全てが終わってから探しにいくことしかできない。 子供は弱い。 「弱い」ということは、突き詰めると、こういうことなのだ。 | ||||
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タイトルに惹かれて買いました。今まで読んだことのある小説家の人たちとは違う言葉を使うなぁと思いときめきました。 さらさらとしていてわざとらしい飾りけのない文章で読みやすかったです。今私は高校生だけど彼女たちの不安定な気持ちがわかります。 でもやっぱり彼女たちと同じ中学生の時に読みたかったと思いました。悲しい物語なのに読み終わった後、不思議とさわやかでした。 最後の「砂糖でできた弾丸では子供は世界と戦えない」という言葉に胸を撃たれました。 | ||||
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読み終わったあと、どうにもならない悲しみと胸の痛みが襲ってくる。と同時に暖かさもある。この感情は読んだ人にしかわからないと思う。終始暗くて不気味な雰囲気の中で、私は息をするのも忘れて、息を殺して、主人公と藻屑の砂糖菓子の弾丸の行方を見ていた。本当に痛々しく、そして美しい作品だと思う。 | ||||
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昔を思い出した。クラスの中の人間関係だとか嫌な大人とか我を忘れて怒り狂う同級生の顔とか…大人になった今、小中学生なんて遊んでばっかでいいなとか思ってたけど、これを読んでいろいろ思い出した。砂糖菓子の弾丸でけっこう必死で友達も自分も戦ってたかも…って。ニートだとか虐待だとか日頃テレビで聞き流してしまうニュースの背景が見える。 | ||||
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この作品を読んで、ライトノベルも食わず嫌いしちゃいかんと思いました。 ただやっぱりラノベのコーナーにはいかないだろうな。あのマンガみたいのがどうにも。。 角川さん、ありがとう!! 装丁もキレイだし手元に置いておきたくなるよ!! もろい砂糖菓子も確かに甘くておいしくってキレイだけど、 生きていくというのはもっと生臭いことなのだな、と 中学生くらいで読んだらもっと楽しめてたと思います。 | ||||
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桜庭一樹の方向性を変えた強烈な作品。 いよいよ角川版に登場! すごいです。 富士見版からの再販に、なにをいまさら感があり 賛否両論のようですが。 富士見のピンと外れのイラストとか 大人が買うのは恥ずかしいジャケットとか 考えれば、今回の角川版はありだと思います。 「このライトノベルがすごい」で二位になった名作、買いです。 | ||||
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登場人物の名前が余りにもラノベチックで読む気が削がれるとか,全体を通して雑な印象が拭えないとか文句をつけようと思えばいくらでもつけることは出来るだろう.しかしながら,この物語が表現しているものにとってみればそんなものは瑣末な問題に過ぎない. 結局,藻屑の撃っていた砂糖菓子の弾丸は余りにも弱く,哀しく,痛々しい.おそらく本人もそれは自覚していて,それでも続けるしかなくて・・・ 序盤で示されたカタストロフに向かって進んでいく物語であり,中盤で示されるクイズ及び解答が全体を非常に上手く表現しているが,それすらも作中で語られる「評論家みたいなこと言うな」という言葉の前には余りにも滑稽だ. | ||||
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「ファミリー・ポートレート」から読み始めた後追い読者ですが、この作者はつくづく「旨いなあ」と思わせる作品を書いてきますね。今一番、そして今後もますます注目され続ける作家ではないでしょうか。 桜庭の書く作品に出てくる主人公はほとんど女性のようですが、とても個性的な人物で、彼女はその際立った個性を書き分けるのがすこぶる旨い。本書のように中篇で登場人物もそれほど多くはない場合でも、個性は際立っていますね。なぎさ・友彦兄妹もそうですが、より個性的なネーミングで出てくる藻屑と花名島のキャラクター作りはずば抜けています。 皮肉っぽい書き振りも冴えてます。「田舎に作ったほうがいいと都会の人が考えるもの」なんてフレーズは都会出身の作家からは、思っていても出てきませんもんね。 桜庭は本書のようなおどろおどろしい内容のミステリー・タッチの小説が多いですが、書いてるときはどんな風なんでしょう。般若のごとき形相なんでしょうか。サイン会のときの打ち解けた雰囲気からは想像だにできませんが・・・・・。 とにかくこれからも面白い作品を期待する次第です。 | ||||
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久しぶりに本らしい本を読みました。 これを手にした理由は、タイトルがインパクト強かったというのと、装丁がかっこよかったというのと、著者名に聞き覚えがあったから、という理由です。 最後の約1ページに来て、号泣しました。 担任の言う“安心”とは、まさにこのことではないか、と。 藻屑が暴力を受けたり、花名島に殴られたり、殴ったり、うさぎが惨殺されたりと、はらはらする場面は多くありました。 いつ、次の残虐が襲いかかるのか。 藻屑の“安心”は何処に。 しかしとうとうそれを得られないまま、藻屑は―――。 生き残りゲームで生き残ったなぎさは高校への進学を決意。 貴族だった兄は本物の実弾を打つ日々。 普通の家庭なんてどこにもないけれど、それでも他人を不安にさせない普通の家庭を得たなぎさ達が、私を泣かせました。 そして泣きながら、思いました。 何故か溢れ出る涙。 言葉になるよりも先に、身体が反応する現象。 「なにこれ言葉にならない」と思いながらも、涙は止まらず、やがて気づいたのです。 「ああこれが“安心”だ」と…… 魂で泣いた本でした。 容赦なく心をかき乱し、時におもしろおかしく描かれた描写は、上手い具合に私を引っ張ってくれました。 | ||||
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私は今回初めてこの本を手にとったのですが、いやはや、内容が深くて吃驚です。冒頭に事件の結末が来ていて、本を逆から読む私にとってとても興味深い書き出しでした。最近のよく報道される様な事件に絡んでおり、色々と考えさせられる本でした。なので星は5つです。 | ||||
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古くからのファンにしてみれば、今更なぜまた文庫で出すのか意味がわからない部分もあるような気がしますが、いわゆるラノベに手を出しにくいし、単行本を買うのはちょっと…という場合、『直木賞作家の過去の作品かー』というスタンスで読むにはちょうどよさげな気がします。 改めて読んでみると、最近読んだ『ファミリーポートレイト』や、その他の作品の原点的な香りが、とても漂います。 そして、「…好きだなぁー」としみじみ思い返す感じでした。 | ||||
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再度文庫版が出ます。 角川書店 (ISBN:978-4-04-428104-5) 発売予定日 2009年2月25日 予定価格 500円(税込) 待ちきれない場合は仕方ないですけれども、待つのもありだと思います。 | ||||
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書き出しからすでに暗示されている悲劇は、読んでいる側の気持ちを暗くすると共に、この作品が単なる明るい青春物語ではないことを物語る。 こういう話が好きな人ってどんな人に多いのかな〜と考えていると、PCゲームのシナリオなんかで泣けるとか言っていた友人が好きそうな話だなと思った。 たぶん、今までにここまで卑近な高校生らしさを持った主人公が、理不尽な自分たちの立場を知る作品は少なかったと思う。どこかで高尚な文芸らしさを追い求めて、「こんな高校生いないよ」って思われる主人公像が自分の中で当たり前のように感じていたのかもしれない。 もとがライトノベルらしい、ポップだけれどもそのおかげで砕けていて分かりやすいキャラクターたちが、似つかわしくない文芸的なテーマに翻弄されるのだけれども、その様子がやっぱりPCのシナリオ的だな〜と。 | ||||
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と題されていますが、推理性はほとんどありません。 早く大人になることを望む少女と、自分を人魚だと言い張る二人の少女が出会い、儚く揺れ動く。 ー全ては生きるために、生き残っていくためにー。 甘ったるく、腹の足しにならない砂糖菓子の弾丸と、現実を生き抜くための実弾。 大人になるまでに誰もがこの二種類の弾を自身に込め、必死にぽこぽこと撃っていた。 自分は登場人物の思いに多く共感でき、昨今ではもはや珍しくもなくなってしまったニュースに、ふと耳を傾け、もう一度思いを馳せる良い機会になりました。 本作は200P程で、十代半ばの方でも読み易いすっきりとした文なので、興味のある方は一度手に取って見て下さい。 余談として杉基イクラさんの描く漫画版(上・下)も、原作の補完としてお薦めです。 | ||||
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それぞれの家庭の事情でひたすら自立を願うリアリストの少女と、全く逆に現実を直視できずに妄想の世界に身をおく少女。 リアリストの少女が欲する、生きるための手段である実弾。 現実から逃れるために見る数々の妄想を、役に立たぬ砂糖菓子の弾丸。 自分を人魚だと言い張るなど、なんとも乙女チックな表現で書かれているこの物語の内容はとても残酷だ。 まだ、働いて自立することも出来ず、大人の庇護がなければ生きられない年齢の少女達。 でも彼女達は庇護され、安心して過ごせる環境にはいない。 一人は一刻も早い自立をせまられる家庭事情にあり、また一人は庇護されるべき家庭から一刻も早く逃れなければならない家庭に身を置く。 だから、彼女たちは架空の弾丸を撃ち合い、現実と戦う。 あと少し大人であれば自力で生きることが出来たであろうに、その手前の少女であるがゆえに残酷な結末になってしまう。 これは本当に沢山の人に読んでもらいたい物語だ。 甘いタイトルと表現でコーティングされてはいるけど、内容は悲しい現実問題。 読後感は決して良くはない。 でも、普段なんとなく聞くニュースの事件の数々が、改めて問うべき問題として考えさせられる。 | ||||
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とにかく、冒頭からグチャグチャである!! 主人公は13歳の中学2年生山田なぎさ。そして乱入してくる美少女の名は海野藻屑・・・自称人魚!!(笑)何だこれ〜・・・・と思いながらも、藻屑の必死の形相につい引き込まれてしまう・・・・。 余りに荒唐無稽のホラ話を真剣に繰り返す藻屑。そんな藻屑にうんざりしながらも心惹かれるなぎさ。裕福で、幸せなはずの藻屑に感じる孤独の影。生きるための実弾にこだわるなぎさは、藻屑が次々と繰り出す砂糖菓子の弾丸の中に切ない思いを感じとる・・・。反発しながらも、次第に心を通わせるなぎさと藻屑・・・。思春期の少女たちの、嘘とも冗談とも、泣き声とも歓声とも、汗とも涙ともつかない不思議な混乱の中で物語は進む。そして次第に明らかになる悲劇!! 「こんな人生ほんとじゃないんだ。きっと全部誰かの嘘なんだ。だから平気。きっと全部悪い嘘」 辛い現実から逃れるために「だから平気」と言うしかなかった少女。夢見るのは水底の永遠の安息・・・・。煌めく感性、切なく震える少女達の心、止めることの出来ない凶暴な衝動!!底知れぬ心の闇、そして・・・悲しい・・・諦観・・・。 切ない思いを残して逝った少女の悲しみが胸を打ち・・・泣けます・・・。 引きこもり、虐待、いじめ・・・人間関係の現代的なテーマを取り上げた小説であり、一見乱暴な展開に感じられるのですが、良く読むと細部までとても丁寧 に、考え抜かれて書かれています。藻屑の悲しみは閉塞感に苛まれる現代の若者達の声のようにも聞こえてきます・・・。 | ||||
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「少女らしさ」という大人が持ちがちなファンタジーにそぐわぬであろう、衝動と暴力、苦境と慟哭を、あえて桜庭は取り上げる。 ラノベであるが、内容は夢物語ではない。虐待の現実にそぐう内容である。困窮の現実にそぐう内容である。同種の困苦を背負う少女たちは、少年たちも、現実に多い。 成長の物語と言い切るには、本人の手の届かないところでつきつけられる限界が大きすぎる、そういう課題を与えられた子どもたち。 奇麗事に聞こえるかもしれないが、だから、それでも、子どもたちに安心を確保するべく奮闘している大人たちもいる。 そこまで言及することで、桜庭は子どもが主人公たちに投影するであろう、「敵は大人」というファンタジーもやわらげてみせる。 生き延びることができさえすれば。生き抜くことさえできさえすれば。 砂糖菓子の弾丸しか持たない子どもたちが、そんな弾丸でも十分に戦って生き抜くことができる、安心な世界であれば。 砂糖衣に覆われて隠されているものに思いをはせる読書になった。 | ||||
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純粋に話の組み立てや伏線の使い方は巧いし、登場人物は美しく、独特で、でもどこか共感できる部分を持っている。 文句無しの傑作である、のだが私には毒が強すぎたのか、軽くトラウマになりつつある作品でもある。 あの恐怖感に近い読後感はなんともいえない。 この作家はバイオレンスの取り入れ方が本当に巧い。 スカートの中の痣とか、「嘘だから、平気」という言葉の中に伏せられているからこそ、逆に痛々しいほど「暴力」の怖さは引き立っていた。 「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」といいつつ、私の心は蜂の巣状態にされ(笑)、色々なことを考えさせられる作品だった。 | ||||
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鳥取県の田舎町に住む少女ふたりの、1ヶ月間の物語です。 彼女たちは中学2年生。 リアリストのなぎさは、社会と戦うために感情を押し殺し、実弾を求めて生きている。 父親から虐待されている藻屑は、傷つけられながらも愛している父親と、誰も味方がいない自分を守るために、嘘で塗り固めた砂糖菓子の弾丸を撃ち続けている。 そんななぎさと藻屑に芽生えた奇妙な友情と、彼女らを取り巻く大人や家族、同級生たちとの日常が、桜庭さんらしい瑞々しい筆致で展開していきます。 そして、藻屑の死で、物語は幕を閉じます。 (もっとも、藻屑の死そのものは冒頭でネタバレされるのですが) 藻屑が殺される前に、なぎさは藻屑と一緒に逃げ出そうとします。 箱庭のような街から。 ふたりでうまく逃げ出せていたら、結末はどうなっただろう。 きっと、遅かれ早かれ、藻屑はやっぱり藻屑になったのでしょうね。 だって、砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないのですから・・・。 今日も子どもたちは、声なき叫び声を発しながら、砂糖菓子の弾丸を撃っています。 かつては自分も撃っていたはずなのに、大人たちはそれに気がつきません。 とてもとても哀しい現実です。 この作品は、いつの間にか大人になっていた私に、あらためてそれを気付かせてくれました。 救いがあるのは、藻屑の撃った砂糖菓子の弾丸が、なぎさや友彦の心は撃ちぬけたことかな。 惜しむらくは、設定がとても雑なこと。 これは編集者の責任ですね。 それぞれのキャラが魅力的なだけに、そこだけちょっと残念な気がして、★4つ。 | ||||
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