■スポンサードリンク
(短編集)
傍聞き
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
傍聞きの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全52件 21~40 2/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリ要素が強い短編4つが集録されている。 個別に☆を付けてみた。 迷走☆3、傍聞き☆5、899☆3、迷い箱☆3。 この中でも傍聞きはかなり良かった。 相手に何か伝えたい時、直接話すより誰かに話しているところを聞かせた方が、より想いが伝わるのだとか。それを傍聞きというのだそうだ。 その傍聞きをキーワードに物語が見事に展開していく。読んでいて気持ちが良かった。おぉ〜と感嘆の声を上げることしばしば。短編であるにもかかわらずである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリーというとドロドロとした殺人事件の犯人探しが中心だが この本の話は そういう内容ではなく それぞれの話で微妙な心理描写で考えさせられる。 更生保護施設所長 消防隊員 刑事 救急隊員 その仕事もわかりやすく読みやすかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とても良い本でした。ミステリーとか警察小説とか書かれていて、難しいイメージを持ちつつ読み始めましたが、全くそのような感じでは無く、かえって身近な話として読めました。主人公が加害者や直接の被害者では無く、その家族や取り巻く関係者の話。更生施設の施設長、消防署ポンプ隊の隊員、救急隊員、警察署強行犯係の刑事、それぞれの人が被害者家族であり、そのなかに母子家庭の問題や幼児虐待、病院のたらいまわし、逆恨みでの犯行、自転車事故などなど、最近問題視されている事が、自然にお話の中に盛り込まれています。(でも風俗的なHな物は無かった様な…)そしてちゃんとお話もハッピーエンド?とは言えないかもしれませんが、決着を付けています。学校の図書館にあって良い本と言った感じでした。ただあまりにも前評判が良かったと言うか熱かった感じだったので肩すかしを食らった感じもあり、☆をひとつ減らさせてもらいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ここ最近、ミステリ小説を原作にしたドラマが飽和状態をとうに超えた印象があります。 たいていは変人の主人公たちのテンションで維持している感じですが、 そういうキャラ立ちミステリや本格ミステリに食傷気味な方に合った小説だと思います。 人が死なない、探偵も出てこない、そういう点に刺激不足からつまらなさを感じる方もいるかもしれませんが、 あまり大々的なトリックに期待せずに、むしろ人の気持ちを追った人情小説として読むと、 最後のオチに対しても驚きが増し、しみじみと物語に浸れるのではないかと思います。 作者の真摯な姿勢が、にじみ出た良作です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なかなかやさしいミステリー小説です。 4つの短編がそれぞれ人間味があり、味わいがあります。 秋の夜長におすすめの一冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
通勤中の車内で、外食での順番待ちの間、就寝前のちょっと読書、、、。そんな時に読みたい推理小説です。著者があるインタビューで語ったそうですが、「なるほど」が詰まっています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
登場人物がたくさん出てくるような本が苦手な私にとって、とても読みやすい作品だったと思います。「次はどうなるんだろう、次は?」と夜も眠れなくなるような作品ではありませんが、「傍聞き」は「そうくるのか」という、最後で面白かったと思います。 ただ、次回作が出るまで待ち遠しいというような期待は持ちませんでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
突飛なストーリー設定ではないが、ストーリーが起伏に富んでいて先が読めない、またこうなるかな?と思ってもひねりがきいて予想通りには進まない。そして短編にもかかわらず、話がきれいに収束し、読後感も悪くない。 久しぶりに上質の短編ミステリーを味わうことができた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これまで読んだミステリーを振り返ると、憎しみ、復讐、殺人といった物騒な言葉を頭に思い浮かべるが、この短編ミステリー集はそれら言葉とは対極にあるような内容。 各作品とも人情や優しさ、思いやりに溢れ、これまで経験のないような「心地良いミステリー」に仕上がっている。 各作品に共通しているのは主人公が、人を助けるような公的色彩の強い職業(警察、消防、更生施設)に就いている点。 人の優しさや思いやりがこんなにも詰まっている短編ミステリー集は他にないはず。 強くお薦めしたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
もう、こういう帯は(いや、本の雑誌増刊 おすすめ文庫王国ダントツの第1位 というんですけど)だまされるのを覚悟なので、 信じて買うっていうことはないんですけど、 これはいいですね! 全4編の短編集で約200ページだから あっとゆーまです。 そして、それぞれ救急救命士を筆頭に 人のために命と心を削る人たちの行動が 書かれてるんだけど、それを巡るとっさの判断 的なところから話がすこし入り組んで、 「あれ?あれ?どうしてそんなことするの…」 みたいな流れを経て、すとーんと収束するので いずれも気持ちいいです。 他のも読みたくなりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
非常によく出来ているんだけど、この分野は横山秀夫の分野だからなぁ。 どうしても比較してしまう。 別にこの本が悪いわけではないが、横山秀夫のもののほうがやっぱり上を行ってしまう。 傍聞きって、実はインターネットでの情報の広まり方に似ていると思うのは、私だけかなぁ。 情報の取捨選択は出来ているつもりだけど、いろんな掲示板での書き込みで、 この傍聞き効果って出ているような気がするが・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どの作品も読みやすく読後感が爽やかで気持ちよかった。 それぞれに『傍聞き』の効果があってスッキリする。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日常生活にある様々な人間心理の綾に起因すると思しき現象を巧みに活用して紡ぎ出された4作の佳編。が、やはり表題作は一頭地を抜いた感がある。(表題作における、いわば「傍聞き」の三重奏(啓子の菜月への、横崎の斉藤への、そして菜月のフサノへの)は見事の一言。) 傍聞き: 「それが漏れ聞き効果なの。どうしても信じさせたい情報は、別の人に喋って、それを聞かせるのがコツ」(68〜9頁)。 迷い箱: 「迷い箱の中身は、一日一回でいいから、目に触れるようにする。そうして数日も経てば、捨てる決心がつくんだ」(177頁)。 「四編に共通するのは、自分を犠牲にしても他人を助ける職業の現場を舞台にして、ある登場人物がとった不可解な行動がミステリの核となること」(213〜4頁、大森望氏の解説より)であるが、別の共通点として、4作がいずれもheart-warmingな結末で終わっている点も挙げられよう。お薦めの一書です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
短編部門の日本推理作家協会賞を受賞した表題作ほか、四編の短編集である。 なるほど、と読んでみて納得。これは才能ある作家だろう。 何が起こっているのか、これからどうなるのか、というサスペンスの濃さは半端ではない。 表題作は、「かたえぎき」と読むらしいが、そのまま読める読者は多くあるまい。 こうして題にこだわる作家は、空回りもないわけではないとはいえ、えてして創作への意識が高いのではないか。 しかし異色である。しいて言えば横山秀夫あたりが近いだろうか。 表題作には警察も犯罪も出てくるが、犯罪が焦点ではない。 ほかの三作には警察も探偵も登場せず、二作には犯罪すらない。 しかしミステリーには違いない。だがそこで追求される謎は、ある行動が何を意味するかということだ。 いわば犯罪という以前の、日常に潜む謎をミステリーとして描き出して見せるところが、この作家のユニークな手腕だろう。 結局、それは人間の心の謎を解き明かそうとするものだいえるかもしれない。 そしてありきたりの犯罪ではないことが、先を読めなくしていて、それがまた面白い。 その先には、人の世の苦しみ、生きる辛さに対する温かい視線がある。 物語とのからみで描かれるのは、交通事故による子供の死、幼児虐待、老人の一人暮らし、不正捜査といった暗い現実である。 それらの問題が解決をみるというわけでもないし、 より深刻な小説の素材ともなりえるそうした要素をミステリーの形で処理してしまうことに、 ある種の微妙な違和感もないではない。 しかし作者の謎解きは、そのまま人間の希望につながっているようでもあり、 それが一つの救いとも感じられよう。 作家としてまだ小粒な感じはあるが、こうしたところにはまってファンになる読者も少なくはないのではないかという気がする。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
4篇収録されている短編集です。第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞していますが、別に推理小説という枠組みに入れなくても、一般小説として充分優れたできばえです。 迷走 救急隊員の物語ですが、救う側、救われる側の双方に複雑な背景が被さっています。搬送先の病院が、急患を受け付けるとと言っているのに、何故か病院の周囲を走り続ける救急車、最後に総ての疑問が氷解します。 傍聞き 女刑事、羽角啓子と娘の菜月の親子の物語(続編あり)。近所で起こった窃盗事件と通り魔事件、意味不明の容疑者から羽角への面会依頼、最後に総ての疑問が一点に収束します。そして、傍聞きの意味も! 899 消防士が火災現場に残された赤子を捜索しますが、中々見つけ出すことが出来ません。結局救助されるんですが、功績のあつた隊員は何故か退職願を提出します・・・ 迷い箱 更生保護施設を営む中年女性 結子が主人公、泥酔状態で自転車で女生徒を殺した事で、自殺願望に陥った碓井、その彼を暫し自殺を思いとどまらせた物は、何だったのか?迷い箱とは? 何れの短編も幾つもの伏線が、絡み合っていますが、最後に1本に収束し、鮮やかな幕切れとなります。又、表題も大きな意味を持っています。推理小説に拘らず、もっと大きな分野での活躍を期待します。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まず、細かな設定を説明しないスタート。読んでる方は、主人公の職業だけでなく、今どこにいるのか、どんな状況かもよくわからないから、おのずとシチュエーションの把握に努めようとする。読者を一気に引き込むテクニックはお見事。 そしてあからさまに敷いてある伏線。「最後のオチに使うよ」と言ってるかのようなのに、なかなかオチを読み切れない。短編ミステリーのお手本のようでもあり、テクニックの水準は極めて高い。 しかしながら、少し強引さもある。特に消防士。まず、落ち着いて考えれば、一人病院に送り込んでから次の救助にあたってもいいだろうし、幼児のことを思ってそんなに危ない橋をわたる(しかも幼児にも危ない橋をわたる)消防士いるのかしらん?テクニックが高水準なだけに、オチにももう一段の完璧さを求めたくなるのは高すぎる要求だろうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まだまだ腕のある作家さんはこの世に数多存在するのだな、と思わされます。 著者の長岡弘樹さんについてもこの本の表紙を眺めてもピンときませんでした。 行間の(判っているものとして書いていますからね)を知らずに読み進めると「あれ、何だこれ」と 前の段落を読み直さないといけなかったりといった流し読みを許さない文章も気に入りました。 表題作なのに巻頭に置かれていない『傍聞き』。 これは構成の妙なのでしょうか。 表紙の「かたえぎき」って読むんだ、へぇ。から始まり、作中主人公による傍聞きの講釈を聞かされ ラストで「ああ、こうなるのかっ」と唸らされる緻密な作品。 続編的な短編も発表されているらしいので今後も楽しみ。 誰も死なない、傷つかない。だけれども物語の最初に与えられた、ある種「え?」な表題がラストでは 「そういう事だったのか」と深く納得させられる、これって矢張りミステリっていうのでしょうね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリなんですね。 たしかに読んでいくと、ああそういうことかと。 好きな長編のものを読んでいて、本の巻末に近づくと寂しい思いをしたりしますが、 すばらしい短編はそんな郷愁みたいなセツナサを感じさせる間もなくはっと気づくと終わってますね。 余分な遠回りや、無粋な説明などなくこれだけグッとこさせるこの短編たちを読むと長編好きな私も、これがあるべき姿かなと思ってしまいます。 読んで損はないと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
4本の短編を収録 の表題作は08年日本推理作家協会賞短編部門受賞 救急隊員、刑事、消防士、、更生保護施設の職員達が主人公 シビアな局面に日々接する職業の人ばかりで、緊張感の張り詰めた作品でした そういった雰囲気の中でうまれる不可解な謎 そして、謎が解ける時胸に響く感動がうまれます 比較的短い作品ばかりですが、濃密な作品ばかりでした 表題作もそうですが、タイトルがそのまま謎に対する大きな手がかりにもなっている作品があります それでも、先の展開が読めませんでした 著者の手腕に脱帽です 文庫版の解説は大森望氏です | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
刑事や消防士などを主人公とした短編集。 硬質で緊迫感のある文章とストーリー。そしてその緊迫感がふっと融けるオチ。全四編、すべて独立した作品ですが、そうした基本的なつくりは共通してます。 はじめて読んだ著者ですが、横山秀夫さんに似ているなあと思いました。横山氏に特徴的な「組織の濃密感」はありませんが、同じような職人芸の匂いがします。 本にうるさい人でも安心して読める一冊だと思います。逆にあまり本を読み慣れてない人には、説明の省かれた速い展開がとっつきにくいかも。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!