■スポンサードリンク
密室の鍵貸します
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
密室の鍵貸しますの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
題名はコメディ映画の名作「アパートの鍵貸します」のもじり。作中にも映画の話題が散りばめられる。主人公の流平は烏賊川市(=いかがわし)立大の映画科の3年生。来春の卒業を控え、恋人の由紀にフラれてヤケ気味。前半の入りは烏賊川市の名前の由来を初め、ユーモア満載で楽しめる。 その由紀の殺人事件と、流平の先輩の部屋で起きた密室事件がほぼ同時刻に発生する。チェーンロックが掛かった密室には先輩の死体と失神した流平が居るだけ、と言うのがミステリ的趣向。2重の容疑者となった流平は、元義兄の探偵鵜飼と共に事件を探るが...。流平と鵜飼、そして奇矯な担当刑事がトボケタ言動を繰り広げるので、無条件に笑えるし、この脱線振りが読者への煙幕になっている。 2つの事件を同時に解決する手段は一つしかないので、ミステリ的興趣が薄くなる所を、真相をカバーする練達した語り口で巧みに物語を紡いでいる。冒頭からきちんと伏線も張ってあり、見かけに比して、本格ミステリに掛ける本気度はかなり高いと思えた。動機も疎かにしない(?)丹念さ。それを包むユーモア感覚も秀逸で、楽しみな作家が増えたと言う実感を覚えさせる快作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
舞台は 烏賊川市(いかがわし)。 そのネーミングからこの作者のセンスが分かります。 ところどころに 笑えるところを用意しつつ、 しっかりミステリーとして 読ませようとしている。 恋人に振られた青年が。 その恋人が殺される。 が、その時彼は先輩の家でビデオ鑑賞。 が、その先輩が密室状態で殺される。 恋人殺しの疑いをかけられていることを知った青年は アリバイを証明してくれる先輩をも殺され、 元義兄の探偵に助けを求める・・・。 若干、事件の結末が え〜、それあり?という感じだったのが残念です。 犯人の動機の面にしても なんか弱いなぁ〜ってな気もしましたが、 それを忘れさせるほどの 面白さがあったので良しとします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
かつてイカの水揚げに湧きそれを運んだ川のある町. だから街の名前は烏賊川町.それが市なって烏賊川市(いかがわしい). こんなダジャレをマジメに語るプロローグで物語はスタート. 登場するのは地味目の大学生と,彼を助ける頼りない探偵. なんとも魅力に欠けると思いきや,そこは『ユーモア本格ミステリ』と銘打たれた作品. 語り部がじゃまにならない程度に軽妙なジョークや突っ込みで彼らをフォローします. トリックや犯人などはそれほど難しくないですし分厚さも手ごろ. とはいうものの,ユーモアだけでなくミステリもしっかりあります. 気張らずお手軽に読める,そんな1冊だと思います. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書は光文社カッパ・ノベルスの新人発掘プロジェクト<KAPPA—ONE>レーベルの第一弾として’02年4月に同時刊行された4作品の内のひとつである。 とある関東の地方都市・烏賊川市(いかがわし)の貧乏大学生戸村流平は、カノジョ紺野由紀から、彼の就職内定先に不満を持たれ、手ひどくフラれてしまう。酔っ払って荒れる流平。 そんなある夜、由紀が背中を刺された上、アパートの4階から突き落とされて殺害される。その時彼は目と鼻の先の先輩のところで先輩と一緒にビデオを観ていた。ところが本来アリバイを証明してくれるはずのその先輩は、ふたりきりの完全な密室状態の中、浴室で刺殺されてしまう。ふたつの殺人の重要な容疑者となった流平は、姉の元夫、私立探偵の鵜飼杜夫に助けを求める。 かくして、警察の追及から逃がれながら、流平・杜夫の真相究明が始まる。 全編にわたって、飄々としたユーモアをベースにしながらも、コアの部分である不可能犯罪の解明は決しておふざけではなく、正統的な「本格ミステリー」として、真面目で論理的なものになっている。伏線も上手くきちんとちりばめられているあたりも実にフェアーである。 読者はユーモア小説を笑いながら楽しんで読んでいるうちに、「本格ミステリー」の謎解きに、知らぬ間にたどり着いているという趣向である。 私も久しぶりにキレのいい「本格パズラー」を堪能した。しかもユーモアという味付けと共に。本書は「ユーモア」と「本格パズラー」が見事に融合した、2重にオイシイ小説である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白いです。 じわりじわりとした可笑しみではなく、 明らかに作者が狙った面白さがあります。 特筆したいのは東野圭吾「超殺人事件」や、最近のミステリーにある 本格推理のパロディ的なユーモアではないことです。 落語のような言葉使いに、映画のコメディのようなシーン。 それでいながらきちんと本格もののミステリーになっています。 映画館で映画がはじまるまでに読むには丁度いい作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
身も蓋もなく、類似作品で紹介してしまうのが本作の場合、非常に分かりやすいでしょう。石崎幸二や『フォックスの死劇』に代表される霞流一のバカミス、氷川透のロジックとメタ嗜好などをミックスしたような感じのミステリです。中でもミステリに自覚的な登場人物の発言や、たまたまかもしれませんが、映画関係の蘊蓄が少々入っているので、霞流一との距離が非常に近くなっています。下手をすると霞流一の作品と言われても分からないのではないでしょうか。デビュー作だけあって文章はあまり巧くないかもしれませんが、特に読んでいる途中に気になるほどではありません。タイトルを見てもセンスが伺えますが、ミステリマニア向けの趣向や、バカ具合が巧い具合にカモフラージュ(カバー)になっているのでしょう。肝腎のトリックは、私はある程度の方向性は合っていたものの、それを上回る複雑かつロジカルかつ、少しバカな真相で、読んだ時間の元をしっかりとれる内容でした。次作も期待できそうです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
殺人の嫌疑をかけられた主人公はなんとも情けない人物であった。自分で自分の首をしめるような行動ばかりなのだが、「バカな主人公ほどかわいい」と感じさせる。無駄な描写だと思っていたものが布石となっており、あとで「ああ、あれはこういう事だったのか」と納得してしまう所がいくつもあり、楽しめた。名探偵!は出てこないけれど、味のある登場人物が束になって事件を解決してくれる。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!