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アラビアの夜の種族
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アラビアの夜の種族の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 21~40 2/3ページ
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最高におもしろいです。 物語のための物語、純粋にわくわくして読みすすめました。 いつまでも物語が終わらないでほしいと思ったのはひさしぶりです。 長さなんて気になりません、ていうか10巻あってもいいくらいです。 古川日出男さんの小説は『gift』みたいなさらっとしたのも大好きなのですが、 こういうパワフルな長編もすごくいいですね。 一見とっつきにくそうかもしれませんが、ぜひ手にとってみてほしいです。 | ||||
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古川日出男は私の好きな作家で、中でもこれは白眉の作品であると思います。 ほかのレビュアーの方は、減点要因として「大仰でこねくりまわしたような修辞」 をあげていますが、これは私にとってこの作品の大きな魅力の一つであり、もし、 この事を理由に本書を手にすることを躊躇される方がいるとしたらすごく残念なこと なので、作品中の独特の修辞には理由があることを、ここで述べさせていただきます。 まず、冒頭に作者が宣言しているとおり、この作品はアラビアに重層的に伝わって きた物語を作者が日本語訳したという体裁をとっています。 したがって、必然的に物語は海外の童話・説話・ファンタジー小説などが日本語訳 されたときの、あの独特の「大仰でこねくりまわしたような修辞」で語られ、特に、 タイトルどおり物語の構造の一部や語り口等はアラビアンナイトを多いに参照しています。 おそらく、海外のその手の物語に触れたことがある方は、作者独特の諧謔にニヤリと笑い、 この不可思議な物語に乗ってやろうと思うことでしょう。 それから、長過ぎるという批判もあるようですが、章立てが適度で読み区切りが つけやすいですし、私はアラビアンナイトのつもりで夜毎気長に楽しく読みました。 | ||||
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とても壮大なファンタジーですが(確かに人によっては疲れるくらい長いかもw)、作者が日本人とはとても思えないような妖しい雰囲気が漂います。本当にこんな一族がいるのかもと思わせるような妙な感覚も覚えました。ちょっとわかりにくいかも知れませんが是非、(1)から(3)まで読破してみてください。ファンタジーの醍醐味もぎゅっと詰まっていますよ。 | ||||
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全部読み返しても、この本のどこまで本当でどこまで嘘なのか境界が定かでない、実に不思議な物語だ。著者のもっともらしい後書を読んでもよくわからない。著者によればこの本はサウジアラビアの本屋で偶然購入した英語版(原題:The Arabian Nightbreeds)を和訳したものということなのだが、確かにそれらしい内容になっている。 本書自体の内容もまた、ナポレオン率いるフランス軍がエジプトに侵攻する直前のカイロを舞台に、「夜の種族」が語る物語を一冊の本に書きとめることが主題となっており、なかなか複雑な構成になっている。 本書のメインストーリーは「夜の種族」が語る物語であるが、実に壮大な内容で、一人目の主人公である醜い王子のアーダムが、策略をめぐらせながら異教徒の国に侵入し、邪神の女神から魔術を授けられ人類最高の魔術師になる第一章、それから1千年後の世界で別の2人の主人公が活躍する第二章、そして主人公3人が激闘を繰り広げて物語が完結する第三章まで、驚くべき物語が展開される。 アラブ世界を舞台としたこの小説には、西洋のファンタジーとはまた趣が異なる、妖しく現実と夢の境界線が曖昧な幻想的な世界が描かれており、内容の面白さもさることながら異文明の香りを堪能することができる傑作だと思う。 | ||||
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以前「月刊プレイボーイ」誌が、「ミステリー徹夜本を探せ」との何とも魅惑的な特集を組んだ際、北上次郎、大森望、豊崎由美の当代きっての凄腕書評家3人に、爆笑問題の太田光がこぞって最高位に挙げていたのが今作、ずっと気になっていたのだが、ようやくこの度読了した。そして、これは評判通りの途方もなく壮大な作品だった。 謀術、眩惑、魁偉、豪胆、妖艶、爛熟、恐怖、幻想、浪漫、正に血湧き肉踊る疾風怒濤の650ページ。その本、古今東西稀代のまたとない玄妙驚異の内容を備えた、たちまち読み手を虜にする物語と文中形容されるに相応しい1冊。 プロローグで語られるナポレオン東征に対抗する奇妙奇天烈な企みが果たして何なのか、それを知るだけで、読書好きなら興味津々になる事請負なのだ。 古川日出男が仕掛けた現代版千夜一夜物語といった趣。好き嫌いはあると思うが、読み続ける事が辛くなる頃合で小休止し、息をつきつつ、壮大な法螺話に身を任せたい。 ミステリーのカテゴリーに入るかどうかは微妙だが、エキゾチックなムードや冒険小説がお好きな方には是非お薦めしたい。 | ||||
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壮大なファンタジーです。 歴史、ミステリーも絡んでますが、 この二つの要素は中途半端です。 語り口調がユーモラスで、語彙を駆使してます。 表現がいちいち大仰で、雄大です。 古川日出男さんの経歴読んだら、劇の台本書かれて いたということで納得しました。 印象に残ってる言葉が 「その書は惑乱が拾い、錯乱が買い入れ、癲乱 が陳列したのです」 「書物はそれ自身の意思で出会うべき人物の 所へ現れる」 言葉遊び嫌いな人には、しんどいかもしれません。 ファンタジー、童話好きの人にお勧めです。 シニカルな大人の童話です。 | ||||
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壮大なファンタジーです。 歴史、ミステリーも絡んでますが、 この二つの要素は中途半端です。 語り口調がユーモラスで、語彙を駆使してます。 表現がいちいち大仰で、雄大です。 古川日出男さんの経歴読んだら、劇の台本書かれて いたということで納得しました。 印象に残ってる言葉が 「その書は惑乱が拾い、錯乱が買い入れ、癲乱 が陳列したのです」 「書物はそれ自身の意思で出会うべき人物の 所へ現れる」 言葉遊び嫌いな人には、しんどいかもしれません。 ファンタジー、童話好きの人にお勧めです。 シニカルな大人の童話です。 | ||||
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二日で読破した。 とても贅沢な物語だった。 まず独特の当て字が物語にふさわしい雰囲気を生み出す。 欠色と書いてアルビノと読ませたり森羅万象と書いてあらゆるものと読ませたり「くどすぎる」と思う人もいるかもしれませんが、これはこれでいい!と声を大にして主張。 非常に咀嚼し甲斐のある贅美な文体だった。 紙葉から麝香の酩酊が匂い立つような。 あるいは紙葉に薫き染められた極上の麻薬のような。 ぶっちゃけ韻踏みに特化した西尾維新の何十倍もかっこいい文体だと思うんですよこれ、読みながら何度蠱惑するような余韻に陶然としたことか…… 特に海の夢森の夢の描写が素晴らしい。どうしたらこんな表現思いつくの?って感じのめくるめくイメージの奔流に翻弄される快感は読書の醍醐味! すっげー気持ちいい!! ひとたび物語世界に没入すれば長すぎるなんて全然感じませんのでご安心を。 棚ぼた的幸運の持ち主(といっちゃ失礼だが)でちょっとお馬鹿なサフィアーンと背中に烙印をもつ天才魔術師ファラーの主人公二人が好対照。 アーダムとジンニーアの艶笑会話には思わず突っ込みたくなること必至。 縦横無尽どころか時空すら超越し広がり続ける阿房宮の描写に異世界を堪能。 終盤明かされるアイユーブの過去には目頭が熱くなりました……。 読み応えのある作品をお探しの方はぜひ! | ||||
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文庫が出てたのですね。それはお目出度い。 この著者は物語を紡ぐ力があり、ジョン・アーヴィングやガルシア・マルケスの長編を想起させるものがあります。日本人作家は、わりと小さな世界を膨らませたり(宮部みゆき)、独自の世界での展開(村上春樹)で一級のものを出す例が多い気がしますが、これや「ベルカ、吠えないのか?」などのように大きな物語を展開できる方は稀に思います。ジャンルを超えて世界級の書き手でしょう。 | ||||
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文庫で3分冊、1000ページ超と聞くとビビルかもしれないけど心配無用、一気に読めます。(私はビビッて先ずは一冊だけ買ったが、直ぐ二冊目三冊目を買いに走るハメに) ただし必ず夜読むこと。 浮世の悩みとかはいったん忘れて、ブランデー片手に読めばあ〜ら不思議、幻想的な語彙の渦に巻き込まれて、貴方はいつの間にかアラビアの夜。 あと、寝不足に注意。 ナポレオン侵攻時代の話の方が尻切れの感あり、その分★ひとつ減。 | ||||
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迫りくるナポレオンの侵攻、それに対する読むものを破滅へと導くと言われる「災いの書」。そして夜毎語られるあまりにも壮大な「物語」。著者古川日出男の力量を見せ付ける長編傑作だ。夜の種族によって語られる「物語」が本作品の大半を占め、その間になすすべもなくナポレオンの侵攻をゆるすエジプトの姿が描かれる。したがってこれをミステリーとするか、歴史SFものとするかは、人によってそれぞれだと思うが、とりあえずそんなことは考えず、この語り部の「物語」を堪能してほしい。登場する3人の個性的なキャラクターとその数奇な運命とストーリーにぐいぐい引き込まれ、すらすら読めてしまう。そしてどんでん返しが待つラストシーン。これがあったから日本推理作家協会賞だと頷ける。 | ||||
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本書は、日本推理作家協会賞&日本SF大賞受賞作を受賞した評価の高い本です。 推理小説・ファンタジー小説の苦手な私は積読状態でしたが、昨年度のベスト推理1に選ばれるや、やっぱり読まねばと重い腰(手?)をあげました。 あー、やはり苦手でした。翻訳文調の私からすれば悪文になかなか読み進めなかったのです。(この感覚は村上春樹さんを読み始めたころにも味わったことがあります)・・・が、 それも束の間! 摩訶不思議なアラビアの世界、夜の種族が暗躍する世界へとひきずりこまれたのでした。 聖遷暦1213年のカイロに迫り来るのは最新鋭の武器、近代的戦法のナポレオン艦隊。対するのは未だに馬にまたがり十字軍を打ち破った過去の栄光を信じて疑わない12人のベイ(カイロ知事)の軍でした。 勝敗は言わずと知れていますが、そこで暗躍し勝利に導こうとしたのが、一人のベイの腹心アイユーブです。 その秘策とは『災厄の書』をもってナポレオンを破滅に追い込むという奇想天外な作戦です。 妖術師やら蛇やら魔族やら森の種族やら、それはそれは魔性転生のおどろおどろしい世界がひろがります。 言ってみれば、この物語りは日本神話と里見八犬伝と天草四郎をてんこもりにした講談といってよいと思います。 文章のちょっと雑なところや会話のはっつぁん・くまさん的なところも講談だと思えば納得します。 作者の古川さんを検索して調べたところ、彼の原点の一人が村上春樹さんだとわかりました。 読みはじめに村上さんを感じたのもあながちはずれてはいませんでした! ああ、面白かった! | ||||
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この本を私は一週間とかかわずに読み終わりました。長いといわれている物語ですが、たしかに背景としての描写などには必ずしも必要ではないような部分もありました。しかし、それでも、物語としてのテンポ(展開)はそれとは裏腹に飽きが来るものではない。それこそ、物語の登場人物としての、いわば物語の中の物語の聴き手である書家や奴隷のように、私はこの本に耽溺することになりました。ファンタジーを読んだことのない人は、読み始めはなにやら疑心を憶えるだろう。しかし、これをファンタジーそれ自体として認識してよんだなら、すぐに魅了されるでしょう。困難な描写を上手く創造をしながら読むのはなかなか大変だが、全ての流れを掴むことの面白さ、何がどう繋がるのか、さながら歴史としてのミステリーとファンタジーの絡み合いは絶妙です。 さらにいえば、世界史に対してのいくらかの知識があればなお面白く読めるであろう。 | ||||
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満足するかどうかは、この物語をアラビアンナイトに連なる読み物だと思えるかどうか... 深く考えずに、ただただ、その時々の異国の世界を想像して読んでみると、この虚実入り混じった文章をたっぷりと楽しむことができると思われる。 読了後に現実に戻れば、男は結局は単純な生き物だと実感させられるのは、この作者の作品らしい。 最後になにやら勝つというか操っていたのは女... そんな風に読み終えたのは私だけ?(笑) これまで読んだ同じ作者の作品では、妙な軽さがある現代コトバの一人語りに食傷気味だった。 しかし、歴史モノということもあり、少しそのあたりは抑え気味。 たまに意外なところに出てくるが、適度に緊張感が抜けて良い♪ ちなみに、長さに対してのコメントもあるかと思うが、本家本元のアラビアンナイト(東洋文庫)の、あの冗長さと比べれば、短い短い(笑) 最近の角川文庫のセオリー(?)通りの三分冊だったが、上巻としてはちょうど良い部分で終わった気がする。 分冊を見据えて書いたか??と思うくらい(笑) そして、フレデリック(レイトン)卿が描く清麗な女性たちが表紙となっており、3冊分も楽しめるのは嬉しい♪ | ||||
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しばらく積読状態だったのですが夏にも文庫化されるとのことなので、高い単行本を買った手前、慌てて読みました。 凝った構成と彫琢された文章が紡ぎだす物語は幻惑的で色々な楽しみ方が出来るでしょう。私は語られる物語のストーリーよりも、物語を語るという行為と語られると語られる物語の不滅を巡る物語と思って読みました。 読む人の数だけ楽しみ方があるような、そんな懐の深い物語です。 | ||||
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この本が好きだ。 愉しい。 ただ、それだけだ。 ウィザードリィの世界観と重なり合うところが大きいようで ふつうの読者の存在を拒んでいる。 言葉を尽くして世界を構築していく術、 その高度なる技は、 超一流だと判断できる。 子ども向けのお話ではないが、 流麗華麗なる世界を味わいたい人には オススメだろう。 あくまで、イスラム色ふんだんなファンタジーなので、 西洋的な単純明快な結末を期待するなかれ。 | ||||
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高校生の頃に一度読んだことがあり、また最近読み返してみたのですが、やはりすばらしかったです。挿話と現実が最後につながるところが特に。 ファラー? | ||||
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長い、とにかく長い。読了まで半年かかりました。それは難解な単語の羅列に慣れていないから。でも最後にパズルのピースがかちり、かちりとはまっていくように終息へ向かっていくのは快感。 | ||||
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第55回日本推理作家協会賞受賞作。 僕は古川日出男は好きじゃない。ルビ無しには読むこともできない難解な熟語の多用と、いやにガキ臭い登場人物のセリフ。そのちぐはぐなギャップがどうも肌に合わない。 しかし、この「The Arabian Nightbreeds」という途方もなく壮大な物語を、初めて日本語という形で継いだ仕事には、心の底から敬意を表し、賞賛する気持ちだ。 氏と本書の英語版底本との邂逅は、あとがきを読んでもらうといいだろう。 夜の種族の語り部だけが伝えることを許された、三人の主人公を内包する物語、『災厄<わざわい>の書』。その物語に耽溺した者は呆け、複製した者は姿を消す。呪われた物語は辿られながら。舞台である砂漠に踏み入るは青白い英雄ポナパルト。物語は語られるとともにそこに生誕し、一つの都市は、国は消えていく。 語る者と語られる者。書く者と読む者。夢見る者と夢見られる者。物語は内に、外に、触れ合う指のように、絡まり、繋がってゆく。 夜が朝<あした>に代わり、朝<あした>が夜に代わる。 また、夜は語られる。 | ||||
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刊行してからさほど時間がたっていないのにもかかわらず、この本については、すでにさまざまな風聞があるようだ。 いわく、アラブ的な風俗・ディテールをよく再現している。 いわく、「物語」に翻弄される快感がある。 いわく、ルビを多用した、装飾過剰な文章の面白さ。 いわく、ナポレオンのエジプト遠征などの「史実」と虚構が交差する、という「仕立て」への興味。 いわく、「ファンタジー」としてよくできている。 云々。 その上、いまさらなにをつけくわえる事がありましょうか。 ただただ、そのすべてを首肯するだけでございます。 | ||||
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