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からくりからくさ



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【この小説が収録されている参考書籍】
からくりからくさ
からくりからくさ (新潮文庫)

からくりからくさの評価: 4.03/5点 レビュー 58件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.03pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全58件 21~40 2/3ページ
No.38:
(4pt)

心の奥に静かな潤いを感じることのできる佳品

二十歳過ぎになった蓉子と、亡きおばあさんの家に下宿人として
一緒に同居することになった同年代の女性3人達を描いている。
テーマ・モチーフ・内容・展開と、女性の目線から女性らしい切り口で切々と描写されている本作は、
乾いた心の奥底に静かに潤いを与えてくれるような佳品。
からくりからくさ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:からくりからくさ (新潮文庫)より
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No.37:
(5pt)

大きな影響を受けた一冊

 最初は、女性向けの文章、だと思った。
 そう思いながら最後まで読んでいったら、これはみんなに読んで欲しい、と思った。
 「みんな」は誰を指しているんだろう?
 連綿と続いてきた「みんな」。
 炎を心に持っている「みんな」。
 僕らが受け継いでいく「みんな」。
 梨木香歩の「からくりからくさ」は、四人の女性と一体の人形が、亡くなった祖母の家で暮らし始めたのをきっかけに縁を紡いでいく物語。
 それぞれがまっすぐで、それぞれが闇を抱えていて、ときに交わり、ときに離れ。
 物語は人形にまつわる来歴を中心に展開されていくが、そこに込められているのは人間たちの想い。
 果てることのない、想い。
 読み終わると、世界が少し重みを増したように感じた。
 光も闇も、受け継いで生きていこうと思った。
 
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No.36:
(3pt)

大人になったときにもう一度読み返したいです

 個人的にこの作品は、自分がもっと大人になったときに読み返したい作品です。
 逆に、蓉子たちくらいの年代の方々はとても共感できるのでは、とも思いました。
 ただ、染色や織物、歴史等に興味があって、ある程度の知識がないと読んでいてもクエスチョンマークがとび続けると思います。(イメージは出来るのですが、知識がないといまいちはっきりしないのです)
 私は「りかさん」の続編とは知らず、「りかさん」を読む前に読んだのですがそれでも十分楽しめました。
 「からくりからくさ」を読んでから「りかさん」を読むと、なるほどこうだったのかという、ミステリー小説を読み終わった後のような気持ちになりました。
 ただそんな仕掛けの分、からくりからくさ」を単品だけで読んでいると訳が分からなくなるかも知れません。(りかさんを読むととてもスッキリするのですが、読まないとごちゃごちゃしているように感じると思います) 手仕事に興味のある女性の方は読んでみると楽しめると思います。
 (同時に男性の方や女の子向けではないとも思います…女性の内面が濃く書かれているので。でも、ちょっとしたドロドロが好きならオススメです)
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No.35:
(3pt)

“変容”のとき

「りかさん」の続編とは知らず手に取った。
この人の本は装丁もとてもいい。
染色家の卵、機織(はたおり)を学ぶ二人の学生、東洋の文化を学ぶ外国人。
この4人の女性がともに古い日本家屋に暮らし、四季折々の風物に触れ、
次第に“変容”していく。
そしてその傍らにはいつも、市松人形の「りかさん」がいた。
若い女性たちのちょっとレトロな共同生活、というポップな始まりから
物語は次第に謎めき、日本古来の因習もあいまって中盤は怪談めいてすらくる。
作中に織は経糸・緯糸が幾重に重なり合っても、決して原糸の色を失わない、
とあるように、この物語もあらゆる側面を持ち、複雑に絡み合い
ひとつの紋様を描き出しているかと思えば、それは明快に何々と断定できる
紋様ではない。
したがって、物語がどこに向かって収束するのかは一言では言えないだろう。
ただ、サナギが蝶になり、蛇が脱皮するように、
それぞれが迎えた“変容”のときを静かに見守るだけである。
しかし、原糸と同じように、人物の一人ひとり、エピソードの一つひとつは
やはり生きている。登場人物のキャラクターに限らず、
染色の仕方、機織の歴史、あるいは中東の民族史・・・・・・
どの部分が印象に残るかはその人次第、そんな風にも読めるかもしれない。
私自身は、着物の生地の描写を、映像化したらさぞ美しいだろうと思いながら読んだ。
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No.34:
(4pt)

四人の繋がり

人形や能面、染物などの話がたくさんあり、そういうのが好きなひとにはおすすめです。
四人の個性や考えかた、そして人形のりかさんを中心とした繋がりは面白かったし、心に残る
言葉もたくさんあります。
ただ、紀久や与希子の先祖の話は少し詰め込みすぎな感じがしました。
ややこしい上、いろんな人が出でくるので、途中で分かんなくなりました。
だけど、本当に面白い作品です。一度読んでみるのをおすすめします。
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No.33:
(1pt)

「りかさん」の続編にしては期待外れ

面白さは「りかさん」の2割くらいといった感じ。
成長した蓉子も含め、4人の女性たちには個性がなく、与希子と紀久の先祖の関係もややこしすぎ。そこにさらにお嫁に行った幼馴染の登美子ちゃんの家や人形師などがからんでくると、これはもう因縁話みたいでとてもついて行けない。
キリムや染色にまつわる蘊蓄も、興味のない人には退屈なだけで、ほとんど読まずに飛ばした。蘊蓄の部分がなくても話の進行には影響はない。
りかさんが火事で失われてしまったので、このあとまた面白い続編がでることは期待できないのでしょうね。
ラストに近い部分で、火事のショックでマーガレットが産気づき、救急車で病院に運ばれ、病院の待合室で出産の知らせをきいたみんなが喜びあう、というのもお昼のメロドラマみたいである。
「りかさん」の続編にしては期待外れであった。
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No.32:
(4pt)

不思議な世界へ

最近、夢中で読んだ本です。
幼い頃、昔話を聞いたときに感じた物語の世界に入り込んだような気分になります。
もしかしたら自分は知らないだけで、こういうことはあるのかもしれない、と思わせてくれます。自分がいつのまにか、日常を生きることに慣れてしまっていることに気づきます。
私のまわりには人形を愛する人は、少ないですが、こういう人たちもいるのだと眼が開きました。
また、主人公の話し方、考え方、持っている雰囲気が好きです。ゆっくりだけど、自分をしっかり見ていて、芯があると思います。こういうものって、身についている人にはわからないけれど、持っていない人にとってはとても憧れるものなんですよね。
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No.31:
(5pt)

受け継がれるもの

受け継がれるものは、世代を超える。
一見淡々としていて、実は、壮絶な内容が語られる。
この作品の真価は、じっくりと、噛み締める様に読まなければ、とらえにくい。
受け継がれるものは、りかさんと呼ばれる人形を媒介とする。
物語はりかさんの不思議さが、多くの示唆を与えている。
受け継がれるものは、日本的な世界観と伝統のもとにある。
しかし、マーガレットの存在と、その成り行きは、読者に客観性を与える。
外国人の目を通すと、気付かない様な事も浮かび上がる。
そして、壮絶としか言い様の無い最終場面だ。
その結末により、受け継がれる。
何が受け継がれるのかは、読者の解釈による。
透明な文体が美しい。
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No.30:
(4pt)

手仕事と伝統が織り成す話

個性豊かな女性達が一つの家で暮らしている.
彼女たちには,手仕事をするという共通のものがある.
その彼女たちの生活はどこか素朴で,外界と遮断されているよう.
季節の草花を食し,植物で染物をし,機織をして・・・.
うらやましくも思える生活をする.
そんな生活をおくる中で,彼女たちは意外なところで結びついていたことに気づく.
手仕事や伝統が絡み合いながら,ストーリーが進んでいく.
『りかさん』を読んでいると,より楽しめる.
ただ,登場人物が多いので,頭の中が混乱するのが難点.
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No.29:
(3pt)

もう少し深い真理描写がほしかった。

 祖母が残した古い家に4人の女性が共同生活をする。4人は染色や織物にかかわっていて、細々とした日常を紡いでいく。その中心にいるのが不思議な人形「りか」さんと、主人公の蓉子なのだが、物語としては多くのものを詰め込みすぎた感がした。もちろん、作者が「からくりからくさ」という題に込めた織物や染色の素晴らしさ、また登場人物の心理さえも「からくりからくさ」のような微妙なところを掬い上げたかったことはわかる。が、もう少し長い物語にして、丁寧に紡ぎ上げたら良かったと思う。「りか」さんへの思い入れも淡々と書きすぎている気がした。
以外に、ファンタジーホラーにして、一人一人を描写しきったら、また新しい形の物語になったのではないかと思う。
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No.28:
(4pt)

これは良いです

梨木香歩さんの小説を読んだのは四冊目ぐらいではないかと思う。
こんなわずかな作品しか読んでいないのに比べられる物かと思うけれど、その中では一番面白いと感じました。
印象に残ったのは染色や織物、草木の話がたくさん出てくるのだけれど、
その一つ一つの色の鮮やかさ、爽やかさが、文字を通して目に見えるようでした(もちろん想像なのですけども)。
女性達の心の葛藤も上手く描かれていると思いました。
あとは人と人との縁を深く感じました。
けれどもそのせいで、物語全体はとても良いのに登場人物がとても細々としたものになり、ちょっと混乱してしまったのでそこが少し残念でした。
でもとても良かったです。お薦め。
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No.27:
(5pt)

丹念に織られたストーリー

作中にも機織のことがでてきますが、この話は本当に丁寧に織り上げられたという感じがしました。一人一人が深く書き込こまれているわけではないですが、さらりさらりと交差しあう想いや人物模様、文化や民族までが心地よい機を織る音のようにかたりつむがれていく。
それらを包み込むように古い家があって自然が季節がやわらかく取り巻いて過ぎていく。
重く暗い因縁も因習もすっと溶け込まして昇華させてしまう,そのやさしい柔らかさは読んでいて心地良いものでした。
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No.26:
(5pt)

きれいな話

はじめは読んでいて良くわからなかった。いろんな人間の関係を、なんども読み返した今でも理解しきれていないと思う。でも、人の中にはたくさん過去から持ってきたものがあって、意図せずにそれを伝えていこうとする。苦しみも喜びもすべて大きな流れのなかでひとつになっていくんだと、それがたくさんの糸が絡まった織物のように美しいと言いたいのかな、とは思った。わくわくするような話ではないけど、自分が生きていることが、生きていくことが美しいことだと思える話だと思う。
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No.25:
(1pt)

冗長。

手仕事とか伝統工芸に興味があるなら、面白いのかもしれない。
が、興味がない自分には共感できるポイントがなく、作品にのめりこめなかった。
キャラクターが多く、誰にも感情移入出来ずに淡々と読んでいると、結局誰がどういった人間なのか、ちっとも頭に入ってこなかった。読ませる力がない。
酷評だが、梨木香歩の作品にはもっと良質なものも多い。数ある本の中で選ぶなら、この本は薦めない。
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No.24:
(2pt)

後味悪いラストシーン

なんとも、後味悪い、衝撃ラストシーン。 羊たちの沈黙を思い出し、さらにブルー。 意外性を求める人には良いのか。。。? 私には刺激が強すぎた。 立ち直るのに結構時間がかかった。
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No.23:
(5pt)

不思議な味わい

染色と織物の知識がふんだんに盛り込まれています。そのため、物語に不思議と奥行きが生まれ、読み応えがありました。ぜひ、美術大学の染色や織物を専攻されている方に薦めたいです。
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No.22:
(5pt)

心に残るお話でした

一気に読みきってしまうような面白さではなく、しずかに心に響いてくるような本でした。この本に登場する女性はみな手仕事が好きで楽しんでいる。私の今までの生活には無いものがたくさん織り込まれていて、それだけでも刺激されました。
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No.21:
(3pt)

なんかもったいない

 文章はきちんと書けている。特に織物とか染物作業の描写は僕にとって新鮮だった。 しかし、後半に入って事の真相(?)が見えるところではいささか構想に寄りかかり気味で、恣意的で、作者の手垢が見えたりした。好みにもよるのだろうけど、過去の因縁めいたものや人形の縁や登場人物の名前なんかで話を収束させるのじゃなく、もっと即物的なところで解決してほしかった。ファンタジーの要素は必要ないだろう。 個々の人物が共同生活をしながら自分の情熱を注げるものに打ち込み、事件なり試練なりがあって、自分の生き方や人生観を見つめていく、という話ではなぜいけないのか。というより、この小説は間違いなくそういう一面を持っているのに、余計な要素が全体を締まりなくさせている。前述のように手作業の描写は素晴らしく、また生活の描き方も悪くない。それだけでうまく仕上げれば半分くらいの長さの退屈でない作品になりえたはずだ。 つまるところ、作者が自分のアイディアにしがみつき、盛り込みすぎた作品だと思う。
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No.20:
(5pt)

「和」の心を改めて

「和」といっても平和の和ではなく、日本古来の伝統の「和」です。学生年代の4人の女の子達が古民家で同居をはじめますが、それぞれの専門分野が染色だったり織物だったりするためもあり、「和」の心、手仕事へ対する愛情がたっぷり感じられます。どの人種であっても人の住まうところ必ず歴史があって、伝統文化があるもの。それらを彼女達が教えてくれます。そして歴史の中で隠そうとする事柄があっても、代々怨念という形で引き継がれていく・・・最近流行の小説のように大きな事件がどんと起こるわけではないけれど、とても静かな穏やかな時間の流れる家でゆったりとした生活は憧れるものもあります。忘れてはいけないのが主人公蓉子の大事な人形「りかさん」。(これは同作者で『りかさん』という作品も出ています)脈々と流れる血というもの、伝統や文化、このあわただしい流れの時代だからこそ大切にしたいと思うのです。
からくりからくさ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:からくりからくさ (新潮文庫)より
4101253331
No.19:
(5pt)

慈愛に溢れる美しき小説

とても美しい小説。ラストでは悲しみや感動とは違う、今まで味わったことのないような素敵な涙がこぼれました。いい出会いをしたような気がします。日本的な古い家で若い女性たちが共同生活をします。染色の修行をする蓉子、鍼灸の勉強中の外国人・マーガレット、美大生で織物の研究をしている紀久と与希子。そして、その家のもう一人の家族が古い人形のりかさん・・・。この4人と1人が織り成す物語は感銘を受けることばかりでした。野に咲く植物に自然に目を向けられる心の余裕と優しさ、自分のアイデンティティーを受け入れ、先祖を重んじる心、古くから伝わる手仕事の伝統を敬う心、忘れたくない素敵な心に溢れている作品。彼女達の生活スタイルは私の理想とする形にも近いことから、より親近感を覚えたというのもあると思います。この本を素敵だと思える気持ち、大切にしたいです。
からくりからくさ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:からくりからくさ (新潮文庫)より
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