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からくりからくさ
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からくりからくさの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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個人的にこの作品は、自分がもっと大人になったときに読み返したい作品です。 逆に、蓉子たちくらいの年代の方々はとても共感できるのでは、とも思いました。 ただ、染色や織物、歴史等に興味があって、ある程度の知識がないと読んでいてもクエスチョンマークがとび続けると思います。(イメージは出来るのですが、知識がないといまいちはっきりしないのです) 私は「りかさん」の続編とは知らず、「りかさん」を読む前に読んだのですがそれでも十分楽しめました。 「からくりからくさ」を読んでから「りかさん」を読むと、なるほどこうだったのかという、ミステリー小説を読み終わった後のような気持ちになりました。 ただそんな仕掛けの分、からくりからくさ」を単品だけで読んでいると訳が分からなくなるかも知れません。(りかさんを読むととてもスッキリするのですが、読まないとごちゃごちゃしているように感じると思います) 手仕事に興味のある女性の方は読んでみると楽しめると思います。 (同時に男性の方や女の子向けではないとも思います…女性の内面が濃く書かれているので。でも、ちょっとしたドロドロが好きならオススメです) | ||||
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「りかさん」の続編とは知らず手に取った。 この人の本は装丁もとてもいい。 染色家の卵、機織(はたおり)を学ぶ二人の学生、東洋の文化を学ぶ外国人。 この4人の女性がともに古い日本家屋に暮らし、四季折々の風物に触れ、 次第に“変容”していく。 そしてその傍らにはいつも、市松人形の「りかさん」がいた。 若い女性たちのちょっとレトロな共同生活、というポップな始まりから 物語は次第に謎めき、日本古来の因習もあいまって中盤は怪談めいてすらくる。 作中に織は経糸・緯糸が幾重に重なり合っても、決して原糸の色を失わない、 とあるように、この物語もあらゆる側面を持ち、複雑に絡み合い ひとつの紋様を描き出しているかと思えば、それは明快に何々と断定できる 紋様ではない。 したがって、物語がどこに向かって収束するのかは一言では言えないだろう。 ただ、サナギが蝶になり、蛇が脱皮するように、 それぞれが迎えた“変容”のときを静かに見守るだけである。 しかし、原糸と同じように、人物の一人ひとり、エピソードの一つひとつは やはり生きている。登場人物のキャラクターに限らず、 染色の仕方、機織の歴史、あるいは中東の民族史・・・・・・ どの部分が印象に残るかはその人次第、そんな風にも読めるかもしれない。 私自身は、着物の生地の描写を、映像化したらさぞ美しいだろうと思いながら読んだ。 | ||||
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祖母が残した古い家に4人の女性が共同生活をする。4人は染色や織物にかかわっていて、細々とした日常を紡いでいく。その中心にいるのが不思議な人形「りか」さんと、主人公の蓉子なのだが、物語としては多くのものを詰め込みすぎた感がした。もちろん、作者が「からくりからくさ」という題に込めた織物や染色の素晴らしさ、また登場人物の心理さえも「からくりからくさ」のような微妙なところを掬い上げたかったことはわかる。が、もう少し長い物語にして、丁寧に紡ぎ上げたら良かったと思う。「りか」さんへの思い入れも淡々と書きすぎている気がした。 以外に、ファンタジーホラーにして、一人一人を描写しきったら、また新しい形の物語になったのではないかと思う。 | ||||
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文章はきちんと書けている。特に織物とか染物作業の描写は僕にとって新鮮だった。 しかし、後半に入って事の真相(?)が見えるところではいささか構想に寄りかかり気味で、恣意的で、作者の手垢が見えたりした。好みにもよるのだろうけど、過去の因縁めいたものや人形の縁や登場人物の名前なんかで話を収束させるのじゃなく、もっと即物的なところで解決してほしかった。ファンタジーの要素は必要ないだろう。 個々の人物が共同生活をしながら自分の情熱を注げるものに打ち込み、事件なり試練なりがあって、自分の生き方や人生観を見つめていく、という話ではなぜいけないのか。というより、この小説は間違いなくそういう一面を持っているのに、余計な要素が全体を締まりなくさせている。前述のように手作業の描写は素晴らしく、また生活の描き方も悪くない。それだけでうまく仕上げれば半分くらいの長さの退屈でない作品になりえたはずだ。 つまるところ、作者が自分のアイディアにしがみつき、盛り込みすぎた作品だと思う。 | ||||
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