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龍神の雨
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龍神の雨の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.98pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全77件 21~40 2/4ページ
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龍の咆哮を思わせる雨音をBGMに二つの物語が並行して進む。添木田蓮と楓の兄妹は母親が事故死したあと、残された血の繋がらない、義父睦夫と暮らす。睦夫は部屋に引きこもったままだが、妹の下着に悪戯しているようなおぞましい存在である。 蓮はいつしか殺意を抱いている。また溝田辰也と圭介の兄妹も似た環境である。母親が水死して、そのあと父親は再婚するが、その父親も病死し、残された兄妹は、やはり血の繋がらない義母、里江と暮らす。そして圭介は里江が母親を殺したのではないかと疑っている。 そしてその二つの物語は早々に絡み合い、縺れ、辰也の楓に対する思慕などもあり、そして睦夫が殺される。殺したのは自分だと楓が言う・・・。 ラストの謎解き、犯人が分かって、ありり?こいつ?何だか安っぽくなっちゃったなと思ったが、そのあと更にいくつかの真実が明かされて余韻を残して終章へ。そしてしめやかになった雨音が雨だれに変わり、物語が終わる。うむ。なかなかの余情でした。 | ||||
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道尾さんのファンの方にはたまらない一冊だと思います。 いつも通りの裏切りがあり、急展開の手法を取られています。 以下、ネタバレふくみます・ 龍と辰で、大体のよみはつきますね。 あと、、、最後のハッピーエンドで「人死んでんねんで」といいたくなる私は、青いなと思います。 歴史上・犯罪史上には数名いると思いますが、人が死んでも誰も悲しまず「死んでよかった」というキャラを作るのは不可能に近いのではないかとおもいます。 | ||||
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この作品で道尾さんを知り、すっかり道尾さんのファンになりました。 | ||||
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二組のまったく異なる視点を読者に提示し、それぞれの章が 入れ替わり展開してゆく構造が非凡かと問われれば疑問ながら、 凄みの本質は互いの章を、まるで読者が出来事を傍らで 見届けているような緻密で臨場感のある文体で包み切り、 やがて互いの章を諧調豊かなグラデーションで溶け合わせている ことだと言えます。 精緻に練られた構成の中で、丁寧に各々の心理を掘り下げることで 作品に深い奥行きを与えており、二組の視点が交わりゆく様は、 さながらゆっくりと回転しつつ絡み合う生命のDNA螺旋を想起 させるほど幻想的でさえあります。 心と体のバランスが必ずしも一致しない少年期特有の不安定な 自我の描出が秀逸で、全編を通して降り止まぬ雨を重要な舞台装置と することにより、登場人物の心に巣食う暗黒のイメージとの同調が 極めて効果的に演出され、暗くよどみ、そして怪しくも美しいという パラドクスを帯びた世界観を巧みに醸成しているのです。 心の底が身震いするような“こと”の真相や、漆黒の闇の中で必死に もがきながらも微かな光の射す方へ歩もうとする登場人物の葛藤と成長―。 犯人捜しや動機の解明のみという没個性の上滑りな物語に終わる ことなく、希望と再生という貴いテーマの中で上質なセンテンスの 集合体が、本作を極上のミステリ文学へと昇華させているものと 感じ入ることが出来るのです。 | ||||
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龍とか雨とか重苦しいけど、「向日葵の咲かない夏」ほどでもなく、ほぼ結末は読めるななんて思いながら読んでたのだけど、そんなことない、またやられちゃいました。そう思って読めば、伏線もメタファーもてんこ盛りでした。やっぱりすごいな、道尾さん。血が繋がってなくても家族は家族、救われた気持ちがしました。 コメントする | ||||
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じんわりと染み込む余韻がある感動的な作品でした。 継母だけが残った兄弟と継父だけが残った兄妹。同じような境遇だけど、まったく関わりのない2組。それぞれ兄が理解できなく心配する弟と妹をいたわる兄の視点が、交互に心理描写が繊細に巧みに表現されています。なんとか家族の形を留めようとする継母と素直になれない兄弟。継父が許せない兄妹。大きく膨らんだ疑惑。それが後半の鮮やかなストーリー展開であっと言わせます。ああなんて哀しくそして感動的なんだろう。 ラストシーンは雲間から光差し込む感じで希望が持て良かったです。 | ||||
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龍、龍にまつわる伝説、雨、二組の兄弟(妹) 見事なまでに、絡み合い前半の風景と後半の風景が変わった。 と同時に、それぞれの兄弟(妹)たちの考え方も変化し ラストの描写がある。 とても素敵な小説でした! これまで読んだ道尾秀介の長編の中で一番素晴らしい作品です! おすすめ出来ます!! | ||||
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途中までずっと勘違いしていて中盤になってから、あーそうだったのかーと気づく。 面白くてどんどん読み進めてしまう作品。 | ||||
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意外な犯人に鳥肌が立ちました。 読了後もざわざわとした寒気が襲う、極上のホラー小説です。 | ||||
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お得に買えたので良かった。商品もとても綺麗で驚いた。古本屋でもなかなか買えない値段 | ||||
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継父と暮らす蓮と楓兄妹、継母と暮らす辰也と圭祐兄弟。 蓮の立てた父親殺害計画が発端となり、事件に巻き込まれていく。 事件の真実は?そして、家族の絆とは? 雨が降り続く設定、殺人事件を主軸に置いた内容ということもあって、 終始暗い雰囲気が漂う内容は疲れるが、 最終的に全読者を裏切る真実は、道尾作品らしいミステリー良作。 家族愛の重要さ、自分の罪を認める勇気と色々感じる内容。 巻末の解説も面白いので必読。 | ||||
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向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)についで読んだ道尾作品2つ目。 向日葵のに比べると、大薮賞ものなだけにミステリ色が濃いです。 継父と暮らす兄妹と継母と暮らす兄弟が、無理なく自然に出会い、絡み合います。 とても、緻密に考えられ、読者を謎の中へ留め置き、徐々にベールを剥がし一気にエンディング。良く出来ています。 。。。ですが、向日葵といいこの作品と良い、未成年への救いが無い話はちょっと読了後すっきりしたい派には不向きでした。 | ||||
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兄妹と兄弟。そのふた組は両親を亡くして義理の親と生活しているという家庭環境・境遇も似ていて不思議な縁で結びつく事になります。 映画「セブン」の如く、物語は全編に雨の気配が漂い、展開も陰鬱。そんな中で懸命に生きようとしてもどうにも上手くいかず忸怩たる思いで己の運命さえも呪っている彼らの心中が痛く、人間が闇に落ちる時ってこんな感じなのだろうかと思わせられました。 ふた組の兄弟の憎悪する相手の意外な姿や、彼らに闇を注ぎ込む意外な者の正体など、サスペンス色も強くて最後まで飽きさせず一気に読まされる良作です。 彼の作品はやはりはずれが少なく、本作もやっぱり★5になっちゃいますね。 | ||||
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複雑な家庭環境を多感な時期に向き合っていく二組の兄弟の苦しみが 始めは重い気持ちで読み始めましたが、だんだんと止まらなくなり 一気に読んで最後にホッとしました。 内容が面白くてもラストが気に入らないとスッキリしないのですが読み手に任せつつ でも、キチンと振りがあるので納得です。個人的に好きなラストでした。 | ||||
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なかなかすごい作品でした。 『月と蟹』を思い出しました。 あれは、少年の友情と、 負の感情を掘り下げた秀作だった。 今回の作品は、 2組の兄弟(兄妹)が織りなす感情の連鎖だが、 必ずしも、“負”の感情だけではない。 友情とはまた違う、 血の絆を思う。 1組の兄妹は、 父を失い、 再婚した母を失った。 残ったのは、暴力的な義父。 1組の兄弟は、 母を失い、 再婚した父を失った。 残ったのは、母を死に追いやった義母。 兄妹・兄弟たちは、 抱えきれない重い荷物を背をわされ、 幼い心が壊れかけていた。 しかし、その心を守るのは、 誰か、どこかにいる大人ではなく、 自分たち自身でしかなかった。 しかし、それは、 あまりにも幼い、 弱き力だった。 途中からのスピード感は気持ち良く、 そして、 がっつり裏切られる。 ずるいなぁ、と思うくらい。 そして、解説を読んでさらに感銘。 なるほど、 この作品に流れているどす黒さを、理解した。 そういう意味でも、 奥行き深い、作品だった。 | ||||
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道尾さんの作品は初めて読みましたが、ちょっとした衝撃を受けました。 こんなミステリーを書く作家がまだまだいたんですね。 2組の血の繋がらない家族に視点を変えながら物語が進んでいきますが、 ありがちな展開だなと思っていたら、終盤にまさかの展開が待っていました。 久しぶりに良いミステリーを手にしました。 過去作も物色したいと思います。 | ||||
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人に想像、感違いが事件を生むという著者得意の構成の小説。その構成は愛読者なら分かっているものの、その仕掛けのうまさに最後まで読み進む形になる。今回は雨(龍)がそのキーワードになるが、全体が湿気に富んだ鬱蒼とした感覚に包まれており、そのじめっとした感覚の犯罪が展開する雰囲気を高めている。 龍が象徴するものは何かいろんな解釈が可能かという感じがする。 | ||||
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登場人物の少なさから、ミステリとしてはわかりやすい部類に入るが、 ミスリードさせる部分の展開はお見事。 また、二組の兄弟が堕ちていく過程やお互いを思う心、 そして不条理に抗おうとする気持ちの書きっぷりが素晴らしすぎて、 どうにも続きが気になり、途中で読みとめられず一気読みでした。 全体として暗いトーンの話でしたし、 読後の爽快感もありませんが本当に面白いです。。 | ||||
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過去のレビューを見ていると、道尾さんの今までの作品と比較して…っていうのが多いですね。 (まぁ、それゆえに低評価になっているケースが多いようですが。) そんな期待とかをまったく持たず、「龍神の雨」なんていうベタな題名なので、通勤電車の中 での時間つぶしになればいいやってくらいの、低いハードル設定で読み始めました。 ここ一年くらい、週一くらいのペースで小説を読んでいるのですが、ストーリーとかは面白く ても、最後の読後感まで良い作品ってなかなか当たらないのですが、この作品は最後まで面白 く読めましたね。 特に、ラス前の攻防はなかなか緊張感のある筆致だったように思われます。 ラストのちょっとハートウオームさ加減も、鼻に付く人もいるんでしょうが、私には心地よ かったですね。 ということで、わたくし的には満点でよろしんじゃないでしょうか。 | ||||
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家族という関係の不安定さをえがいたミステリ。母親が再婚したあとに男を残して死亡。働かずに家にこもっている男に殺意を向ける主人公、偶然を装い男を殺そうとするが思いとどまり、中止しようと帰宅すると妹が男を殺していた.本筋とは別の両親のいない兄弟のストーリが展開する。彼らが遺体を運ぶ主人公たちを目撃したことを軸に二組の物語が交差する。龍神伝説は兄弟の義母に対する疑惑を煽る形で紹介されるがほとんどストーリに絡まず違和感が強い.話の組み立て方として似たケースを並べることで読者を混乱させる手法は意外性という面で成功していると思う。疑心暗鬼、思い込みによる曲解、他人を信じること、家族になることの難しさがうまく描かれている. | ||||
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