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樅ノ木は残った
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【この小説が収録されている参考書籍】
樅ノ木は残ったの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全83件 41~60 3/5ページ
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世に名高い「伊達騒動・寛文事件」を題材に、「伽羅先代萩」の敵役、 仁木弾正のモデルとなった【原田甲斐宗輔】の生き方を描いた作品です。 久しぶりに熱中して読み進めました。山本周五郎氏の代表作のひとつにして、 戦後の歴史文学の金字塔です。 無論、これは小説なので或いは史実とは違うのかもしれません。 「お家騒動」から主家を護るため、主人公・原田甲斐は事変の解決へのシナリオを 冷静に長い時間を掛け熟成させるように作り上げてゆきます。もはや時代は「泰平」、 かつての兵馬弓箭の戦国の世ではありません。やがて甲斐はある結論に達し、 当初の目的を成就します。ここまで来て「樅の木は残った」のタイトルがはじめて 腑に落ちました。 本作は英雄譚ではなく立身出世物語でもありません。テーマとしては重く、 経験を重ねた処世の厳しさや、毀誉褒貶の外に立ち本懐を遂げる事の難かしさや 人心の移ろいやすさ・・・・といった内容です。 「諦観」・・・・それは決してひとりよがりではなく、毅然たる勇気のもとに 全てを引き受けた人物だけに許される境地。読み応えが有りました。 時代を超えてこの作品が読み継がれる理由もここにあるのでしょう。 再読、再々読とその都度、新たな発見がありそうです。 | ||||
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あまりにも愚直で哀しい。 しかし、男としてこんな日本人はもういないのだろうか。 深く感銘をうけ、涙が止まらなかった。 | ||||
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あまりにも愚直で哀しい。 しかし、男としてこんな日本人はもういないのだろうか。 深く感銘をうけ、涙が止まらなかった。 | ||||
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原田甲斐の自問自答は重くて深い。 「人は『つかのまの』そして頼みがたいよろこびの代りに、絶えまのない努力や、苦しみや悲しみを背負い、それらに耐えながら、やがて、すべてが『空しい』ということに気づくのだ。」 伊達騒動をめぐるうわさや憶測、その罠を軸に、柿崎道場、甲斐と宇乃との会話、妻律とのやり取りなどを織り交ぜ、物語はゆるやかに展開していく。 | ||||
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原田甲斐の自問自答は重くて深い。 「人は『つかのまの』そして頼みがたいよろこびの代りに、絶えまのない努力や、苦しみや悲しみを背負い、それらに耐えながら、やがて、すべてが『空しい』ということに気づくのだ。」 伊達騒動をめぐるうわさや憶測、その罠を軸に、柿崎道場、甲斐と宇乃との会話、妻律とのやり取りなどを織り交ぜ、物語はゆるやかに展開していく。 | ||||
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新八がおみやに言う、「侍というものは、自分や自分の家族よりも、仕える主君や藩のほうが大事なんだ。・・・けれども、おれたちにはあんな生きかたはできない。あの人たちからみれば、おれやおまえは堕落した賤しい人間だろう。おれたちからみれば、あの人たちはどこかで間違っている、この世にありもしないもののために、自分や家族をいさんで不幸にしている、というように思える。」 甲斐が舎人に言う、「――意地や面目を立てとおすことはいさましい、人の眼にも壮烈にみえるだろう、しかし、侍の本分というものは堪忍や辛抱の中にある、生きられる限り生きて御奉公することだ、これは侍に限らない、およそ人間の生きかたとはそういうものだ、いつの世でも、しんじつ国家を支え護立てているのは、こういう堪忍や辛抱、――人の眼につかず名もあらわれないところに働いている力なのだ」 下巻について、あらすじを書くのは野暮であろう。 | ||||
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伊達騒動での逆臣が実は主家存続を図った功臣だった?!著者山本周五郎の鮮やかな筆捌きは、極悪人の烙印を押された原田甲斐の深謀遠慮、臥薪嘗胆、孤立無援、艱難辛苦を壮大に描き切る。アウトドア志向の野性味溢れる型破りな武士としてこの人物を捉える点も異色で面白い。 周りの無理解、悪評に耐え忍ぶ姿が誰かに似ていると思ったら、元赤穂藩国家老大石内蔵助の名前が脳裡に浮かんだ。だが、御家断絶後の復讐劇(「忠臣蔵」)の主人公は、見事亡君の仇討ちという本懐を遂げたことで、後世に武士の鑑との名を残し得た。親族へのお咎めも後に許される。 一方の原田甲斐はどうか。獅子身中の虫たる藩主一族の奸計に抵抗しつつ幕閣権力者に挑んだ結果、謀殺の事実を秘して乱心者の汚名を一身に引き受け倒れた。前門の虎、後門の狼からの攻撃に身をかわしながら、内憂外患の伊達藩六十二万石を護り抜き恥辱の死を迎える。累は親族に及び、原田家は断絶した。 いつの世も時の最高権力者と戦うことの無謀さは想像に余りある。敵は守りの弱点を突いてくる。敵の懐に飛び込みその奸智の上をゆく妙手を繰り出す困難さは、幾度も本書の主人公に無力感と焦燥感を強いたことだろう。対等に闘った筈の森の大鹿くびじろは唐突に猟師の鉄砲で撃たれる。これは何かの暗示なのか。 数少ない味方は病死し、もう一人は敵の策略に堪忍袋の緒を切らせた。堅忍不抜の主人公の仲間は消えた。そして、彼自身も…。北国の風雪に耐えた樅ノ木は黙して語らず、ただ原田甲斐その人を偲ぶ娘たちが確かに居たことを、手向け代わりに著者は書き記すだけだ。 | ||||
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伊達騒動での逆臣が実は主家存続を図った功臣だった?!著者山本周五郎の鮮やかな筆捌きは、極悪人の烙印を押された原田甲斐の深謀遠慮、臥薪嘗胆、孤立無援、艱難辛苦を壮大に描き切る。アウトドア志向の野性味溢れる型破りな武士としてこの人物を捉える点も異色で面白い。 周りの無理解、悪評に耐え忍ぶ姿が誰かに似ていると思ったら、元赤穂藩国家老大石内蔵助の名前が脳裡に浮かんだ。だが、御家断絶後の復讐劇(「忠臣蔵」)の主人公は、見事亡君の仇討ちという本懐を遂げたことで、後世に武士の鑑との名を残し得た。親族へのお咎めも後に許される。 一方の原田甲斐はどうか。獅子身中の虫たる藩主一族の奸計に抵抗しつつ幕閣権力者に挑んだ結果、謀殺の事実を秘して乱心者の汚名を一身に引き受け倒れた。前門の虎、後門の狼からの攻撃に身をかわしながら、内憂外患の伊達藩六十二万石を護り抜き恥辱の死を迎える。累は親族に及び、原田家は断絶した。 いつの世も時の最高権力者と戦うことの無謀さは想像に余りある。敵は守りの弱点を突いてくる。敵の懐に飛び込みその奸智の上をゆく妙手を繰り出す困難さは、幾度も本書の主人公に無力感と焦燥感を強いたことだろう。対等に闘った筈の森の大鹿くびじろは唐突に猟師の鉄砲で撃たれる。これは何かの暗示なのか。 数少ない味方は病死し、もう一人は敵の策略に堪忍袋の緒を切らせた。堅忍不抜の主人公の仲間は消えた。そして、彼自身も…。北国の風雪に耐えた樅ノ木は黙して語らず、ただ原田甲斐その人を偲ぶ娘たちが確かに居たことを、手向け代わりに著者は書き記すだけだ。 | ||||
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「人が虎を殺そうとする場合には,人はそれをスポーツだといい,虎が人を殺そうとする場合には,人はそれを獰猛だという.罪悪と正義の区別も,まあそんなものだよ」 これは劇作家ジョージ・バーナード・ショーの言葉だ. 個人的に原田甲斐が善人であったとか,悪人であったとかそういった歴史的評価には余り興味はない.そもそも視点を変えてしまえばどうとでもなるような議論に,どれほどの意味があるのか分からない. 唯一つ言える事は,山本周五郎の描き出した原田甲斐という人物,そして彼を中心に紡ぎ出された物語は十分に感動に値するものであり,彼の生き様は落涙に値する.伊達家を守る.この誓いを守るためだけに,誰にも理解されずに孤独に戦い続ける彼の生き様をぜひ多くの人に読んでもらいたい. | ||||
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「人が虎を殺そうとする場合には,人はそれをスポーツだといい,虎が人を殺そうとする場合には,人はそれを獰猛だという.罪悪と正義の区別も,まあそんなものだよ」 これは劇作家ジョージ・バーナード・ショーの言葉だ. 個人的に原田甲斐が善人であったとか,悪人であったとかそういった歴史的評価には余り興味はない.そもそも視点を変えてしまえばどうとでもなるような議論に,どれほどの意味があるのか分からない. 唯一つ言える事は,山本周五郎の描き出した原田甲斐という人物,そして彼を中心に紡ぎ出された物語は十分に感動に値するものであり,彼の生き様は落涙に値する.伊達家を守る.この誓いを守るためだけに,誰にも理解されずに孤独に戦い続ける彼の生き様をぜひ多くの人に読んでもらいたい. | ||||
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上巻は物語の背景、登場人物の性格、ものの考え方がだんだん解かってきます。何事かを成さんと、捨てて捨てて一心になるかのような原田甲斐が印象的です。作中「断章」が入れられサスペンス物のように想像が掻き立てられます。男女の機微も物語りに膨らみをもたせ、どんどん引き込まれます。どっぷりと物語に浸り、中巻にすすめます。「木はものを云うさ、・・・」風雪に耐え生き続ける「樅の木」が誰も知りえない人の心のうちを語るようです。 | ||||
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上巻は物語の背景、登場人物の性格、ものの考え方がだんだん解かってきます。何事かを成さんと、捨てて捨てて一心になるかのような原田甲斐が印象的です。作中「断章」が入れられサスペンス物のように想像が掻き立てられます。男女の機微も物語りに膨らみをもたせ、どんどん引き込まれます。どっぷりと物語に浸り、中巻にすすめます。「木はものを云うさ、・・・」風雪に耐え生き続ける「樅の木」が誰も知りえない人の心のうちを語るようです。 | ||||
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官位、職名、字、苗字、氏名など人の呼名は様々です。 これが時代小説の面白い点で、相手との力関係、感情が細かに織り込まれているようです。 圧巻のフィナーレでした。 何とも形容しがたく、複雑な心境です。 死ぬときがくれば死ぬ、死に方よりもどう生きたか、生き抜いたか今何を考え、何をしているのか。 主人公の周りの女性も魅力的で、この物語にゆたかな膨らみを持たせているように感じます。 人の行ないの一部は目にしますが、その意図、意味を知ることは容易ではありません。 邪推も多く恥ずかしいことです。 語らずとも、蒔かれた土に根を張り風雪に耐え成長する草木の姿に、樅の木の姿に思いを深めました。 | ||||
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前々から山本周五郎の小説を読んでみたかったので、代表作と言われている本作を読んでみた。伊達騒動において従来悪役と見られていた原田甲斐が、山本周五郎の大胆な新解釈によって、伊達家を救ったヒーローとして描かれており、(この新解釈には、異論もあるだろうが・・)しかも非常に魅力的な人物として描かれている。 読み応えのある娯楽大作という感じで、ほかの山本周五郎作品も読んでみたいと思う。 | ||||
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前々から山本周五郎の小説を読んでみたかったので、代表作と言われている本作を読んでみた。伊達騒動において従来悪役と見られていた原田甲斐が、山本周五郎の大胆な新解釈によって、伊達家を救ったヒーローとして描かれており、(この新解釈には、異論もあるだろうが・・)しかも非常に魅力的な人物として描かれている。 読み応えのある娯楽大作という感じで、ほかの山本周五郎作品も読んでみたいと思う。 | ||||
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それだけに尽きます。 私は山本周五郎できちんと読ませてもらったのはこれだけです。 時間さえあれば何度も読み返したい作品です。 | ||||
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それだけに尽きます。 私は山本周五郎できちんと読ませてもらったのはこれだけです。 時間さえあれば何度も読み返したい作品です。 | ||||
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伊達騒動という史実を元に「一人で生きていく」困難さを見事に表現した傑作である。 これでもかこれでもかと出てくる難題に、まさに命がけであたっていくさまは、読者の胸を打たずにおかない。 今の若い人たちが、原田甲斐の死に様(生き方)が理解できるだろうか。 私はこの本をハードボイルドとして読んだが、「ハードボイルド」といってしまうとなんだか「形だけの軽いもの」という印象を受ける方も多いことであろう。 しかし、この本は「真のハードボイルド」である。 隆氏の「死ぬことと見つけたり」同様働き始めた若い世代にぜひとも読んでほしい一冊である。 | ||||
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ずっと読みたいと思っていたのだが、今回文庫の字が大きくなったのを機に 手をつけてみた。登場人物の多さは気になるところではあるが、人物が出てくるたびに書き出しておけば(翻訳ものによくあるように)理解が深まる。 私は稲見一良のように、この小説をハードボイルドとして味わっている。 まだまだ著についたばかりだが、かなり深いものがある。 今後の展開が非常に楽しみである。 | ||||
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ずっと読みたいと思っていたのだが、今回文庫の字が大きくなったのを機に 手をつけてみた。登場人物の多さは気になるところではあるが、人物が出てくるたびに書き出しておけば(翻訳ものによくあるように)理解が深まる。 私は稲見一良のように、この小説をハードボイルドとして味わっている。 まだまだ著についたばかりだが、かなり深いものがある。 今後の展開が非常に楽しみである。 | ||||
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