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エンブリオ
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エンブリオの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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図書館で借りて読んだインターセックスをアマゾンで買ってまた読み返した❗つながりがとても面白かった❗女医の過去が衝撃的でその生きざまに感動した❗ | ||||
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この中に書かれていることは、今、現実に行われているのではないだろうか? | ||||
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この作品は生命倫理をテーマにした文学作品である。この本を読むきっかけとなったのは、私が元々、生命倫理に関心があったからということのほかに、「男性の妊娠」の実現可能性に関しても興味があったからである。 岸川の倫理に反する医療行為は、不倫や浮気を経験した歌手がそのことをテーマに作詞や作曲した歌と同じような側面があると思う。不倫や浮気は、一夫多妻・一妻多夫制の社会を除けば、概して倫理に反した行いである。不倫相手の家庭を壊したり、他人の幸せを奪ったりする可能性もある。日本では、不倫された者は民法のもとに訴訟したり、慰謝料を請求したりすることもできる。しかし、浮気や不倫をする人は確かに存在し、その人たちは自分の犯してしまった罪や、現実を受け入れられないこともあるし、そのようなことから悲嘆に暮れることもあるだろう。また、そのような倫理に反する行いを経験していなくとも、不倫や浮気をテーマにした歌を好む者もいるかもしれない。そのような人たちの拠り所となったり、支えになったり、充足感を与えたりすることが不倫・浮気経験者の作る歌にはできるのである。 倫理に反した岸川の医療行為にもまた、これと同じ側面があり、もちろん小規模の不幸や犠牲よりも、後に実現され得る多数の幸福を念頭に置いて行われている。岸川の「男性の妊娠実験」は、ホームレスの男性の腹部に腫瘍があると偽って入院させ、その男性の腹腔内に人口子宮を入れて人為的に妊娠させた上で、出産可能な状態まで胎児が成長した段階で、肥大した腫瘍の摘出手術と偽って男性の腹腔内から胎児を取り出すという、明らかに倫理に反した実験である。被験者となった男性が危険な状態になったり、最悪の場合、死亡したりする可能性もあるし、ましてや、男性の幸福を奪う可能性も十分に考えられたであろう。しかし、仮にこの実験が成功したとして、そののちのことを考えてみよう。近年では、セクシャル・マイノリティへの理解も進み、世界で性転換手術なども数多く施されている。生物学的には男性であるセクシャル・マイノリティの人たちの中には、妊娠して子供を出産したいという願望を持っている人がいることは想像に難くない。また、妻が病気を患うなど、何らかの理由で妊娠・出産ができず、夫である自分が妻の代わりを務めたいと思う男性もいるかもしれない。このような人たちにとって拠り所となるのは、「男性の妊娠実験」への挑戦と成功である。岸川の場合は、日本で公にこのような実験をすることができなかったから、法の盲点をついてこのような倫理に反する実験をせざるを得なかったのである。 もちろん、私は倫理に反する行い全てを否定したい立場ではあるが、時効の制度があるように、当該人物が同じような過ちを繰り返さなければ、概ね、許すための努力をしようとするし、倫理に反する行いだったとしても、のちに多数の幸福をもたらすような行いであったとしたならば、皮肉だとは思うが、その行いも許そうと努めはする。もちろん、多数の幸福に至るまでの小規模の不幸や犠牲のことは決して忘れてはいけないことに変わりはない。 また、作中では、岸川の患者に対する人柄の良さも過不足なく表現されている一方で、岸川の周りの情景や人物が淡々と描写されており、まるで、岸川の隠れた冷酷さまでをも、周りの情景や人物が表現しているような、はたまた、実際には露見していないのに、その冷酷さが周りの物体や人間に滲み出ているような、そのような印象を受けた。おそらく、これは岸川の裏の顔を引き立てるための手法なのだろう。また、変化の段階にある慣用句「足をすくう」を、「足元をすくう」として作中で使用し、この慣用句の変化がいかに日本社会に浸透しているかを、加えて、作者がこのような言語の変化にも柔軟に対応していることに対して良い印象を与えられた。 総合的な評価として、この作品は、日本人として生命倫理について考える良い機会を読者に与え、なおかつ、文学的にも作者の工夫を凝らした文章表現や、現代日本語の変化に対する作者の寛容さも見受けられる作品であった。 | ||||
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「閉鎖病棟」になんとも、せつなく心を動かされ 帚木 蓬生氏の著作を手に取りましたが、 まったく違う世界でした。 日本における「中絶」の現実などに関して 問題提起であるとは思えるのですが 岸川先生がどうにも恐ろしくて 最後の最後に大きなしっぺ返しがあるのかなと 思って頁を繰りましたが、結局は、、、。 救われようのない、人間の業というか罪というか 怖いお話でした。 エッチなシーンがちょっと多すぎるかなと思いましたが。 | ||||
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最先端を行く医療技術を駆使した病院とその院長、そして彼を取り巻くスタッフと恋人たち。 話の展開もさることながら、主人公と関わっていく女性たちの運命の展開も非常に面白い。 医学用語がたくさん出て来るにも関わらず、文系の私でさえそれほど難しくもない。 強いて言うならば、主人公の周りの人が何人も死亡していくのに、警察の対応の甘さが非現実的である。 また、ストーリーとは別に、著者の白人優越主義が浮き彫りになっているのには閉口である。 日本ではこの程度では問題視されないかもしれないが、欧州だったらたちまち非難されるに違いないだろう。 星マークは四つ星となっているが、実際の所、3.5と評価したい。 | ||||
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娘も読んでました。 この作者から、いつも医療の恐ろしさを学んでいます。 | ||||
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娘も後から読んでました。 続きのインターセックスも読んでほしいです。 | ||||
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「エンブリオ」とは、受精後、8週までの赤ん坊のこと。 それ以降は胎児と呼ぶらしい。 男性の妊娠、人工子宮、臓器培養、胎児からの臓器移植などについて、 書かれている。 著者が医者ということと、よく書かれているからだと思うが、 本当の話と錯覚してしまう程、入り込める。 子供の臓器提供は難しいため、 胎児からの臓器移植は大変ありがたいところだが、 問題視される一面があるのも事実だ。 日本の場合、生まれてこなければ、人と見なされていない。 が、外国の場合は異なり、殺人罪になってしまうため、 外国人が胎児の臓器を移植しようと、来日する話も書かれている。 生まれる前であれば、不妊治療に活かせる、という考えで書いており、 問題を提起している、とも取れる。 男性の妊娠は、妻の妊娠が不可能な場合のため、と書かれているが、 まず検証するため、ここではホームレスへ黙って行っており、 本人へ知らせずに行っている。 不妊治療に匹敵するほど、堕胎の多さについても指摘している。 堕胎を救うための、せめてもの方法、という訳だ。 拒絶反応が少ない、という理由で、移植のために赤ん坊を作り、 臓器を移植しているが、以下のように触れている。 倫理に外れる行為だと非難されるかもしれないが、 そもそも医療とは、人の死、病を回避する術であり、 初めは非難された。 が、年月が経つにつれ、慣習化されてきた。 同様に、いつかは慣習になってしまうだろう。 | ||||
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男性の妊娠や胎児を犠牲にしての移植治療など、倫理的に難しい問題を抱える 手術を気兼ねなく行う医者の物語で、問題提議として一定の面白みがある モナコの描写やルーレットでの裁判の話など、帚木氏らしい情緒に溢れた流れも、 ファンとしては十分満足できる内容になっている ただ終盤の展開がどうにも唐突で、手術の是非よりも、岸川の人間としての資質の問題に 比重が傾いてしまったままぶつ切りエンドになってしまっている点がいまいち 岸川の女性に対する興味がさっぱり分からないというのもどうなのだろうか 面白い作品ではあるがどこかの部分でスッキリとしないやや不満の残る一冊だった | ||||
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いい作品です、夢中で一気に読み終えました。 医療関係の専門用語出てくるけど解らなくても大丈夫。 | ||||
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飽きることなく最後までよめました ワクワク楽しい内容ではありません | ||||
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てっきり『インターセックス』の後の話だと思って読んでいたのですが、前の話だったのですね。『インターセックス』に少ししか登場しないのになぜか存在感を放っている人物が生き生き描かれています。 もしかして、こちらも推理小説仕立てなのでしょうか?だとすると『インターセックス』でちょっとなぞのままだったところのパズルのピースが嵌るのかも。と言うわけで、下巻に乞うご期待。 | ||||
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なるほど。こちらを先に読んでいれば、『インターセックス』で一部なぞとなっている部分は、なぞでも何でも無かったのですね。 知らずに逆の順序で読んだことで、実は『インターセックス』をちょっと多めに楽しむ事が出来たのかもしれませんし、こちらで岸川の性格、やり方が分かっていたら違った視点から読めたのかもと。。。 しかし、驚いたのは、年間に生まれる子供と堕胎される子供の数が同じくらいであること。もしかして少子化の原因には堕胎のリスクが昔よりも少なくなり、一昔前なら生まれたかもしれない命が、避妊意外にもこういった方法で盛んにBirth Controlが行えてしまっていることも含まれるのではと邪推せずには入られません。 本書は、不妊治療、生まれ来る命と既存の命、現代の神の領域に近くなりつつある医療のあり方色々考えさせられることが満載ですが、ストーリーとしても楽しめるので、お得な感じです。 | ||||
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前の臓器農場は、「無脳児」として生まれた胎児?を殺さず培養して育て、その内臓を移植する…的な話であったが、これは中絶した胎児から内臓を取り出し、独自の方法で育てて別の患者の移植に使う…という恐ろしい話。もちろんフィクションなのだが、この人の筆力で現実と夢との境があいまいで、ついつい本当に起こっているのかも?とか考えながら読んでいくので、とても臨場感がある。 なおかつ大変扱いにくいテーマなのだが、医者としての実際に関わっている現場の話をうまく絡めてあるため、説得力もあり、これだけで十分小説になっているのだが、それに推理小説的な要素まで加わってきて、一気に読まされる。 推理小説的な部分はまだ詰めが甘く、突っ込んだら色々と矛盾点があるのだが、それはそれ以外の面白さで補って余りある。 しかし実際にこれに近い事が行われているとなると、医者というのは自分を神だと勘違いするような人も中には出てくるのではないか? また会社として医療の最先端技術手にいれ、業界を制覇するために、スパイしようと色々な策略のやりとりも面白い。これも多分現実に近い形のやり取りなのだろう。金と女と名誉…。 しかしこの帚木さんは、この本のような少しグロ系より、風花病棟のような傾向が好きだ。 それにしても、この前読んだ「三たびの海峡」は全く違うタイプの本で、このような色々なものが書けるというのも才能なのだろうなぁ。 | ||||
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生殖医学の暗部を描いた問題作。主人公は人工妊娠中絶でおろされた胎児用いて、パーキンソン病、臓器移植のためのパーツを作り出す。胎児はヒトとして見なされない。廃棄されるものを使ってどこが悪いという考え方は病気腎の移植を行っていた医師を彷彿とさせる。それにとどまらず、患者に無断で人体実験を行ったり、邪魔者は次々殺したりと、人も実験動物もかわらない扱いだ。だが、ヒト以外ならよく、ヒトはだめというのはあくまで社会倫理上の問題だ。科学はどこまでゆるされるのか?難しい問題である。 | ||||
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帚木氏の作品を読むのはこれがはじめてでしたが、サスペンスとしてのテンポが良く、魅力的な登場人物が多い作品だなと思いました。出産した経験があるからか、冷静にとても興味深く読ませていただきました。 エンブリオの成長や利用方法がすごく具体的に詳細に描かれているので、妊娠する前に読んでいたらお腹の中のことをイメージできすぎて怖くなったかも。でも生殖医療の最前線をみていくうちにすごくドキドキさせられ、単純に先が知りたくて一気に読み進んでしまいました。岸川は倫理的にもすごいことをしているのでしょうけれどあまり嫌悪感は抱きませんでした。これはあくまでも小説だから・・・と自分に言い聞かせて読んでいたのかもしれませんが。 昔は信じられない、と考えていたことが次々と現実になってきたことを考えると、男性の妊娠というのも今後あるのかもしれませんね。しかし人工妊娠中絶がそんなに多いとは驚きです。この本からたくさんの知識もいただきました。 闇の部分もありますが、実際にサンビーチ病院のような環境と設備とスタッフが揃った病院があるなら行ってみたいものです。 そして多くの不妊で悩む夫婦が救われる世の中になればよいなと思いました。 サンビーチ病院の周辺の景色や料理、学会で訪れたモナコの情景描写は素敵でした。カジノの場面や岸川の学会での発表は胸がすくような思いで読み進みました。お土産まで詳細に描写されていて(これが作品で重要な役割を持っているというのもあるかと思いますが)、加代じゃないけどなんだかモナコに興味を持ってしまいました。 | ||||
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世の中には生まれる子供と同じ数、そしてそれ以上の胎児が闇に葬られる。 その胎児を使い、難病を治し、美容クリームを作る。 又、死人の卵巣からエンブリオを作り出し体外受精を行い、不妊治療を行ったり、男性の出産を実現させようとする。 命の誕生という最も崇高な行為を自ら操ろうとする主人公岸川はまさに不遜で悪魔のような人間である。 しかしそういった闇の部分に大いに魅せられる。 倫理や宗教観など命に関わる問題には多くのタブーがある。そんなタブーをもろともせず、研究を推し進め、そのためには手段を選ばない主人公をどう見るか、それによってこの作品の評価も変わってくるだろう。 | ||||
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少し前から、何の陰謀かは知らないが、とても地味な「閉鎖病棟」が本屋で称賛されている。これは喜ぶべきことなのだが、そこから入った方、なるべく書かれた順に二、三冊読んで、そして「エンブリオ」を読むといい。それまで著者が描いてきた「正義の味方のお医者さん」の話から、何作かの試行錯誤を経て、ようやく「悪いお医者さん」をかっこよく描けた、記念すべき作品だからだ。ただ、この「悪いお医者さん」系、私は続くことを期待していたのだが、やっぱりご本人が「いいお医者さん」だからなのか、あまり医学の話を書かなくなってしまったのが、ちょっと残念。 追記:「インターセックス」という続編が出ました。著者らしい完結編。 | ||||
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「神の手」が成し得る最新技術を駆使した不妊治療。 敬意を払われ慕われる存在である医師。 しかし一方で、 表面的な人間関係しか築けない冷酷残忍な影がちらちらと垣間見える。 ヒトが施す医療はどこまでが許されるのか。 延命治療だって神への冒とくであるといえるかもしれないじゃないか。 何がタブーで何が犯罪になるのか。 ヒトが命を操作していいのか?! スリルがあり、予想外の展開があり、純粋に面白く読める一冊。 そして医療の線引きのムツカシサを感じた一冊。 | ||||
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まだ、上巻しか読んでないですが書きます。 この本はフィクションですが、今の日本でも十分起こりうる事実です。 ついこの前まで、日本では着床前診断(PGD)という体外受精させた受精卵をチェックする技術は、日本産科婦人科学会(JSOG)によって大きく制限されていました。 しかし、それに反対した諏訪マタニティクリニックの根津医師は学会を除名されながらも、習慣性流産を繰り返す患者たちにこの診断を続けました。学会を抜ければ、誰にも咎められずにこのような研究・治療は出来るわけです。 学会の処分は、除名だけ。受精卵がヒトと法律で規定されない限り、このような技術は違法ではないのです。(ヒトラーの優生学に反発した生命の選別を禁止する法律があった気がしますが、重い遺伝病の子どもを中絶させている現状では、形骸化しているといわざるを得ません。) 日本では(これは世界でもかもしれませんが…)卵はどこからヒトになるかの明確な基準もなく、また宗教的倫理観も無いため、生殖技術に関しては踏み込んでいける可能性を大いに秘めているのです。 予備知識があったせいかすごく読みやすかったです。後半もすぐに読んでいきたいです。 | ||||
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