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エンブリオ



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エンブリオの評価: 3.75/5点 レビュー 36件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.75pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全36件 21~36 2/2ページ
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No.16:
(5pt)

一気に最後まで読み進みました

帚木氏の作品を読むのはこれがはじめてでしたが、サスペンスとしてのテンポが良く、魅力的な登場人物が多い作品だなと思いました。出産した経験があるからか、冷静にとても興味深く読ませていただきました。
エンブリオの成長や利用方法がすごく具体的に詳細に描かれているので、妊娠する前に読んでいたらお腹の中のことをイメージできすぎて怖くなったかも。でも生殖医療の最前線をみていくうちにすごくドキドキさせられ、単純に先が知りたくて一気に読み進んでしまいました。岸川は倫理的にもすごいことをしているのでしょうけれどあまり嫌悪感は抱きませんでした。これはあくまでも小説だから・・・と自分に言い聞かせて読んでいたのかもしれませんが。
昔は信じられない、と考えていたことが次々と現実になってきたことを考えると、男性の妊娠というのも今後あるのかもしれませんね。しかし人工妊娠中絶がそんなに多いとは驚きです。この本からたくさんの知識もいただきました。
闇の部分もありますが、実際にサンビーチ病院のような環境と設備とスタッフが揃った病院があるなら行ってみたいものです。
そして多くの不妊で悩む夫婦が救われる世の中になればよいなと思いました。
サンビーチ病院の周辺の景色や料理、学会で訪れたモナコの情景描写は素敵でした。カジノの場面や岸川の学会での発表は胸がすくような思いで読み進みました。お土産まで詳細に描写されていて(これが作品で重要な役割を持っているというのもあるかと思いますが)、加代じゃないけどなんだかモナコに興味を持ってしまいました。
エンブリオ (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:エンブリオ (上) (集英社文庫)より
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No.15:
(4pt)

狂気の天才医師

世の中には生まれる子供と同じ数、そしてそれ以上の胎児が闇に葬られる。
その胎児を使い、難病を治し、美容クリームを作る。
又、死人の卵巣からエンブリオを作り出し体外受精を行い、不妊治療を行ったり、男性の出産を実現させようとする。
命の誕生という最も崇高な行為を自ら操ろうとする主人公岸川はまさに不遜で悪魔のような人間である。
しかしそういった闇の部分に大いに魅せられる。
倫理や宗教観など命に関わる問題には多くのタブーがある。そんなタブーをもろともせず、研究を推し進め、そのためには手段を選ばない主人公をどう見るか、それによってこの作品の評価も変わってくるだろう。
エンブリオ (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:エンブリオ (上) (集英社文庫)より
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No.14:
(5pt)

著者が見事に脱皮した記念すべき作品

 少し前から、何の陰謀かは知らないが、とても地味な「閉鎖病棟」が本屋で称賛されている。これは喜ぶべきことなのだが、そこから入った方、なるべく書かれた順に二、三冊読んで、そして「エンブリオ」を読むといい。それまで著者が描いてきた「正義の味方のお医者さん」の話から、何作かの試行錯誤を経て、ようやく「悪いお医者さん」をかっこよく描けた、記念すべき作品だからだ。ただ、この「悪いお医者さん」系、私は続くことを期待していたのだが、やっぱりご本人が「いいお医者さん」だからなのか、あまり医学の話を書かなくなってしまったのが、ちょっと残念。
追記:「インターセックス」という続編が出ました。著者らしい完結編。 
エンブリオAmazon書評・レビュー:エンブリオより
4087753131
No.13:
(3pt)

真なる狂人

複雑な思いになりました。「再生医療」はまさに現代の医学界での最先端医療であり、「胎児」からの恩恵もかなりあるでしょう。そして、不妊に悩む人々には「福音」となりうるのかもしれませんが、使用されるだけのために、いわば、人間の欠陥部を補う「部品」として誕生させられる命とはあってもよいのでしょうか。もちろんこれは小説です。だけどある話だろうなぁと思いました。実際行われていてもおかしくはないでしょうし。が、何度かダイレクトに不快に思ったシーンがありました。が、この主人公みたいに医学の発展であれば、(本人の信じるところのの医学とは、ですが)なんでもあり、という一切の迷いのなさが、読み手を釘付けにして離さないような作品です。この著者の作品はほとんど読んでいますが、「無脳症児を扱った作品以上の嫌悪感と高揚感を感じました。
エンブリオ (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:エンブリオ (上) (集英社文庫)より
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No.12:
(4pt)

神の手に許されるコトって。

「神の手」が成し得る最新技術を駆使した不妊治療。
敬意を払われ慕われる存在である医師。
しかし一方で、
表面的な人間関係しか築けない冷酷残忍な影がちらちらと垣間見える。
ヒトが施す医療はどこまでが許されるのか。
延命治療だって神への冒とくであるといえるかもしれないじゃないか。
何がタブーで何が犯罪になるのか。
ヒトが命を操作していいのか?!
スリルがあり、予想外の展開があり、純粋に面白く読める一冊。
そして医療の線引きのムツカシサを感じた一冊。
エンブリオAmazon書評・レビュー:エンブリオより
4087753131
No.11:
(4pt)

あなたの家の近くの産婦人科でも…

まだ、上巻しか読んでないですが書きます。
この本はフィクションですが、今の日本でも十分起こりうる事実です。
ついこの前まで、日本では着床前診断(PGD)という体外受精させた受精卵をチェックする技術は、日本産科婦人科学会(JSOG)によって大きく制限されていました。
しかし、それに反対した諏訪マタニティクリニックの根津医師は学会を除名されながらも、習慣性流産を繰り返す患者たちにこの診断を続けました。学会を抜ければ、誰にも咎められずにこのような研究・治療は出来るわけです。
学会の処分は、除名だけ。受精卵がヒトと法律で規定されない限り、このような技術は違法ではないのです。(ヒトラーの優生学に反発した生命の選別を禁止する法律があった気がしますが、重い遺伝病の子どもを中絶させている現状では、形骸化しているといわざるを得ません。)
日本では(これは世界でもかもしれませんが…)卵はどこからヒトになるかの明確な基準もなく、また宗教的倫理観も無いため、生殖技術に関しては踏み込んでいける可能性を大いに秘めているのです。
予備知識があったせいかすごく読みやすかったです。後半もすぐに読んでいきたいです。
エンブリオ (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:エンブリオ (上) (集英社文庫)より
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No.10:
(4pt)

これが本当に実現するとしたら

すごいだろうと思います。
上巻を読んだあたりから、なんとなく一連の登場人物の死についての疑問がわき上がってきて、最後は予想通りになりました。生殖産業や、難解な医療専門用語が出てきたり、主人公の岸川のやらしー部分も描写されていたりして、なんか複雑な作品です。これは一体何に分類されるのだろう??
ちなみに同じような「赤ちゃんモノ」ですが私は「臓器農場」が一番好きでオススメです!
エンブリオ (下) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:エンブリオ (下) (集英社文庫)より
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No.9:
(4pt)

魅力的な悪徳医師の提起する、医療の倫理

主人公の産婦人科医が、相当にむちゃくちゃなことをやっていて怖い。
中絶された胎児を培養して、移植用臓器にする。
ホームレスの男をだまして、勝手に受精卵を着床させ、妊娠させる。
パーキンソン病治療のために、産声をあげるまでに成長した胎児を中絶し、利用する。・・・。
最初は不快でしょうがなかったのが、その、徹底した狂医師ぶりに圧倒され、だんだん痛快になってくるから不思議だ。「魅力的な悪役ヒーロー」と言ってもいいんじゃないかと思う。
それに。彼は、私利私欲のために犯罪まがいのことに手を染めているのではない。
不妊に悩む夫婦のため。
適合する臓器を待つレシピエントのため。・・・。
多くの患者にとって、彼は間違いなく恩人であり、感謝し尽してもし足りない存在だ。
彼は「悪」なのか「ヒーロー」なのか。その矛盾が、医学の倫理観の難しさを内包し、ものすごく考えさせられるテーマとなっている。
答えの出そうもない深遠な問題を、やりたい放題の問題医師を主人公にしたことで、うまくサスペンス仕立ての小気味よい小説に仕上げていると思う。
エンブリオ (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:エンブリオ (上) (集英社文庫)より
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No.8:
(4pt)

先端生殖医療が投げかける問題点

パーキンソン病患者の脳に(中絶した)胎児の脳から抽出したドーパミン分泌細胞を注入すると程度の差はあれ病状が改善するという医学的事実があります。
海外での話ですが、以前このことを知った女性がパーキンソン病を患う自分の父親に、自らの卵子と父の精子を体外受精させて作った胎児を中絶し、その脳のドーパミン細胞を移植しようと考えたことがありました。結局これは父親が断ったために実現されませんでした。
さて、この『エンブリオ』では自分の妻との間にできた胎児の脳を治療に用いたパーキンソン病患者が登場します。これが現実に起きたとして、はたして倫理的に許される行為でしょうか。
医療や生命科学の各分野はどれもそうなのでしょうが、その最先端では我々の「生命」をめぐる常識的理解を遥かに超えた行為が行われている、あるいは可能になりつつあります。生殖医療然り、再生医療然り、ES細胞研究然り。この作品は主に生殖医学を扱ったものなのですが、例えば死亡した男性の冷凍保存精子と中絶退治の卵子を受精させて、出生時この世には実在していない両親をを持った子を作り出すというような実験が行われたりしています。
この他にもさまざまな事例が作中に登場するのですが、いずれも既成の倫理的枠組みでは把握できないものばかりです。現代科学技術によって人類の長い伝統的倫理観念や人間観そのものが劇的な改変をいやおうなしにせまられている。そのことが実感できる小説です。主人公の無分別な実験狂ぶりを見ても、こうした問題は専門家だけではなく市民の一人ひとりが真摯に取り組むべきものなのだと思い知らされます。
社会・倫理的側面のほかに僕が魅力を感じたのはいわゆる「大人の」場面ですね。「医者はこんなときまで医者なんだなあ……」と関心してしまいます。淡々とした描写がむしろエロティックでいいですね……。
エンブリオ (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:エンブリオ (上) (集英社文庫)より
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No.7:
(2pt)

突き放されたような終わり方に不満

医師もである著者が,生殖医療の最前線を追いつづける主人公を通して,世に倫理観を問う問題作。
物語の中盤。国際学会で,天才産婦人科医・岸川は男性の妊娠について発表し,場内を震撼させる。「ガイドラインに抵触するのではないか」と異議を唱える日本人医師に対し,岸川はこれを無視。フツーの物語なら,その後医師会,マスコミ,プロ市民に叩かれそうなものだが,そういうヒステリックな議論が避けられているのは良い。学会後,先端技術に注目した米国の生殖産業が接近。中盤はドライなビジネス小説として楽しめる。
そう思ったものの,下巻の中盤以降がグダグダ。ある章に入った途端に,岸川にかけられた罠の全容が読めてしまうのはいかがなものか。そしてそれに対する岸川の対応も安直過ぎ。「さすがにこのままでは終わらないだろう」と読み進めたが,ついぞページが無くなってしまった。これでは読者に救いが無い。
サスペンスというには,ちょっと終わり方がお粗末に思えるのは気のせいだろうか。
エンブリオ (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:エンブリオ (上) (集英社文庫)より
4087478734
No.6:
(4pt)

目を背けてはならない

生殖医療、移植医療における医療倫理とは何なのか。
この作品の問いかける問題はあまりに重い。
この主人公は、それを「患者のため」と一言で語るだろう。
患者を救うことが医療の第一義であるならば、その目標に誤りはない。そして、それは往々にして正しいことである。ではあるのだが、パーキンソン病治療のために妊娠をさせ、その胎児の脳(の一部)を移植するということが正しいことなのか?
広域やけどの治療にたとえばお尻の皮膚を切ってくることと、脳の治療のために精子を採ってくることの違いは何なのか?全身麻酔の必要な骨髄提供を求めることと、胎児を作るための子宮提供を求めることの違いは何か。そもそも、受精卵はいつから一個生命であるのか。
「胎児」と呼ばれる前の「エンブリオ」というタイトルの重みを読者は正面から受け止めなければならない。
エンブリオ (下) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:エンブリオ (下) (集英社文庫)より
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No.5:
(4pt)

直視することを避けてきた問題

 実際にES細胞の研究などが進み、この本で出てくるパーキンソン病への応用も起こってきた。 胎児治療や、人工子宮、卵子の冷凍などへの期待も大きいことだろう。 本来、ただ廃棄されてしまうだけの中絶胎児を人工子宮により大きくする、あるいは取り出せた臓器を誰かの体の中で生かしていくことは 許されることなのか。。。 この医師が、利益を追求する金の亡者でもなく、研究馬鹿で、患者を診ないようなひどい医者でもなく、名誉心ばかりの大きい人でもないところにこの問題の奥深さがあると思う。 この表紙の手にかわいらしいこと・・・。
エンブリオ (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:エンブリオ (上) (集英社文庫)より
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No.4:
(1pt)

消化不良

 「人気産婦人科医の最先端生殖医学の闇を描き、人間の尊厳を問う長編」とのことで、楽しみに本を開いたが、いささか薄味の病院食のような作品。 最先端生殖医学といっても驚くほどのことは書かれていない。陰謀や、どんでん返しもなし。スリルもなし。 かといって、人間の尊厳を高らかに謳うわけでもなく・・・・ 著者はこの作品で何を書きたかったのか?生殖医療の現状を世間に伝えて、中絶問題や不妊治療に光を当てたかったのか? ミステリーでもなければSF・ファンタジーでもなく、ましてや純文学でもない。 いったいこれって・・・消化不良で終わりました。 
エンブリオAmazon書評・レビュー:エンブリオより
4087753131
No.3:
(4pt)

ちょっとありえないかな・・・。

近い将来ありそうな気がする話ですが、あまりにも非現実的な設定があったりして、“?”と思うところが多いです。近い将来こんなことが起こらないことを私は祈りたいです。命はもっと神秘的なものであってほしいです。
エンブリオAmazon書評・レビュー:エンブリオより
4087753131
No.2:
(5pt)

お見事

近未来サスペンスといったところか。いや現実はすぐそこまで来ているのかもしれない。圧倒的な面白さで読者を惹きつける。後半部分がちょっと安っぽいか。
エンブリオAmazon書評・レビュー:エンブリオより
4087753131
No.1:
(5pt)

怖くてすごい!!!

怖くて途中では止められない、という久し振りの傑作。なによりも怖いのはこの本で起こっていることが近い将来のうちに実現可能になりそうなこと。あぁ怖い。
エンブリオAmazon書評・レビュー:エンブリオより
4087753131

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