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アフリカの蹄



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【この小説が収録されている参考書籍】
アフリカの蹄
アフリカの蹄 (講談社文庫)

アフリカの蹄の評価: 3.86/5点 レビュー 14件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.86pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(4pt)

古本愛好者

この作者は人の情愛の深さを作品に表現することに長けています。 どの作品からも場所、時代を超えて表されている。見事です。
アフリカの蹄Amazon書評・レビュー:アフリカの蹄より
4062057468
No.9:
(5pt)

この本に書かれていることは

空想でも妄想でもなく、現実に南アフリカで起こっていることです。子供たちに是非薦めたい本です。
アフリカの蹄Amazon書評・レビュー:アフリカの蹄より
4062057468
No.8:
(4pt)

終わらぬ差別問題

アフリカを舞台にした白人による支配と差別問題を描いた作品で、
あまりにも差別描写が露骨過ぎる感じがしないでもないが、
おそらく現実でも似たような光景があちらこちらで見られたのだろうことは想像に難くない
黒人絶滅の為に天然痘をばら撒くというだけでもスケールの大きな話だが、
たった400ページでさらに大きなうねりまで書き上げているのは作者の力量の高さといえるだろう
また風景描写にこだわる作家だけあって、綺麗な町並みの中で裕福に暮らす白人と
スラムのみすぼらしいバラックに追いやられる黒人という描写も上手くなされており、
差別問題の深刻さを感じさせるのに成功させている
こういった問題に無縁なだけに、興味深い一冊だった
アフリカの蹄Amazon書評・レビュー:アフリカの蹄より
4062057468
No.7:
(4pt)

虐げられた人々への想いを強く感じました。

南アフリカ共和国は“アフリカの蹄”と言われている。
この国はアフリカ大陸の一番南に位置し、牡牛の蹄に当たる
所に見えるらしいのです。

帚木蓬生さんの作品“アフリカの蹄”はどうやらこの南アフリカ
連邦をモデルにして書いたものらしいですね。
人種差別という社会問題を真ん中に据えて、天然痘という
伝染病をめぐって、一人の日本人医師が奮闘する様を描いた
ものです。
ここには昔から人種差別があり、黒人を人とは見做さず、
人体実験が日常のように行われて、それが故に皮肉にも
心臓移植が世界で最も進んだ国になったそうです。
ここに若い日本人医師が心臓移植を学びにやってきます。
こういう事実に私はなんと世の中は矛盾に満ちているのかと
驚きました。
そして、ここにおける白人と黒人の抗争は凄まじい。
壊滅した筈の“天然痘”が黒人の住む処で発生し、黒人だけが
これに罹患して死んで行く。

其処には差別意識というものは無くならないものなのだ
という絶望的なまでのどうにもならない心理がある。
一度獲得した常識、世間一般の通念は変えることが
難しい。
この作家は医者であり、流石に描写が細かいですね。

折しも最近、人種差別を訴えたネルソン・マンデラさんの
映画“インビクタス”が上映されました。
監督のクリント・イーストウッドさんは政治的な取り上げ方を
しないでスポーツを通してこの時代のこの国の空気を見事に
爽やかに創りました。
ネルソン・マンデラ役のモーガン・フリーマンさんも流石に
ベテランで、虐げられたヒトの嫌味など微塵もなく、本物の
ネルソンさんはこんなヒトなんだろうか…と興味がわきます。
スポーツ選手役のマット・デイモンさんも世間では余り評価
されていない俳優さんですが、いいんじゃない?と思わせる
空気を出していました。
ただ、監督にはアパルトヘイトという人種差別の問題をもっと
掘り下げてもらいたかったという些か我儘な、感想もあります。
でも、それはこの“アフリカの蹄”という本に書かれています。

そして、こういう政治体制がしかれていた時、世界の国は
アパルトヘイトをおこなっていることを理由にこの国と
貿易をしなかったのです。
にも拘らず、日本はこの国と貿易を続けていました。
この国から日本人は名誉白人と言われていました。
恥ずべきことでした。

この小説は勿論フィクションですが、ほとんど、現実はこの
通りでしょう。いやいや、もっとひどいことが行われている
かも知れません。
人種問題を考える上でも一読お薦めですね。

アフリカの蹄Amazon書評・レビュー:アフリカの蹄より
4062057468
No.6:
(5pt)

やっぱり読む視点が違ってしまう(泣)

 帚木氏の作品を初期の方から読んできて、当然これに当たったわけだが、うん、舞台がアフリカなのも、日本人の正義の味方のお医者さんのかっこよさも、それは十分、物語を面白く読むための材料にはなっていて楽しく読んだのだけれど、私が一番気になったのは、今、どこかで天然痘がはやったら、世界にはこの程度の力しかないのかということ。それを考えるととても怖かった。これって皆さんには当たり前、常識の範囲の話なのだろうか。
 それでも、そんな恐怖はきれいに忘れ去っていたのに、麻疹やら結核やらが流行り出している。新しい病気も怖いけれど、こういう復活系の病気の話は、やっぱり結構怖い。
アフリカの蹄Amazon書評・レビュー:アフリカの蹄より
4062057468
No.5:
(4pt)

南アフリカの夜明け前

5年程前、ヨハネスバーグの空港から市内へ向かう道で唖然としたことがあります。先には摩天楼、道ばたにはスラムが続き、夕餉準備をする為の薪をたく煙が立ちあがっていたからです。アパルトヘイトが撤廃されて10年で、まだこうなのか!と思ったのです。この小説の舞台は更にさかのぼること10年(多分)。黒人解放運動の黎明期を舞台に、心臓移植術の研修に来た日本の外科医が、黒人のおかれた立場を見るにつれて同情心を持ち、スラムの診療所で見たものは、死いいたる発疹性疾患。ここから医学ミステリーとも、冒険小説とも言える展開で物語がすすんで行きます。当時の状況を彷彿させる小説で、やや荒唐無稽とも言える話しですが、緊張感を感じさせながらも読者を引きつける筆力はさすが。十分に楽しめる小説としてお勧めします。
アフリカの蹄Amazon書評・レビュー:アフリカの蹄より
4062057468
No.4:
(5pt)

あくまでフィクションとして読むべき

厳格な人種差別政策を敷くアフリカの架空の国を舞台にした、すばらしいヒューマン・サスペンス作品である。ただし、どうしても南アフリカ共和国をイメージしてしまうが、あくまでフィクションとして読むべき作品である。この作品の核となる事件は実際に起きていないし、どんな極右勢力と言えどもこれだけのことをやるのはまず不可能だろう。また、白人側に与する黒人をわずかに登場させただけで、黒人側の問題点には切り込んでいない。しかし、思わずノンフィクションと錯覚してしまうほど、プロットや描写力はすばらしい。よって☆は5つ。
アフリカの蹄Amazon書評・レビュー:アフリカの蹄より
4062057468
No.3:
(5pt)

ヒューマンサスペンスとして読むには、面白いです。

私は、テレビドラマになったので、原作を読んでみようと思い、この本を購入しました。日本人の作家のサスペンスや、推理小説は、面白くない事が多いのであまり期待していなかったのですが、ヒューマンサスペンスとして読むには、最高に面白いです。小説としてのプロットも良く考えて書かれていると思います。 特にボツアナへ行った主人公が、再度、南アフリカへ戻ってくる部分は、ハラハラさせられます。 今の日本人の医者で自分の保身を考えず、本当に「人の役に立ちたい」と思って医療を行っている人は、どのくらいいるのでしょうか?この主人公の「自分を必要としてくれる人がいるから南アフリカに残って医療を続ける」という選択もすごい事だとおもう。 そういう点から考えると特に世界中の!難民、スラムなどに対する医療のあり方、本当の医療支援について考えさせられる部分も多く、是非、医療関係者にも読んでいただきたい本です。 ただ、南アフリカという場所については、あくまでも仮定であり、実名で南アフリカを名指ししている訳ではないので、本当の南アフリカとの相違点など追求せずに読んだほうが良いと思います。 それから、この本の内容ほど差別が明確でなくとも、我々人間は、心のどこかに差別意識を持っているのだという事も改めて教えられた本でした。 テレビドラマの方ももう1度じっくり観てみたいです。
アフリカの蹄Amazon書評・レビュー:アフリカの蹄より
4062057468
No.2:
(4pt)

あわや20世紀の最後のホロスコープ

人間って、どうしてこんなに愚かなんだろう。人種の違い、思想、宗教などの差異でどうしてこんなに憎しみ、殺略し合わなければならないのだろう。舞台はアパルトヘイト以前の南アフリカ。そこへ黒人種を一掃しようと目論む衛生局の白人官吏、これが又三代続いての最右翼。武器は天然痘の細菌だと言うから、恐ろしい。それに立ち向かう主人公、日本人留学生医師。そこで診療している黒人医師らと共に、大変な思いで、これをくい止める。。。又帚木さんのリアリティあるタッチだから,ハラハラしどうしである。実際過去には、ベトナム戦で枯葉病原菌をばら撒くと言うむごい事を遣っていた。
アフリカの蹄Amazon書評・レビュー:アフリカの蹄より
4062057468
No.1:
(5pt)

僻地医療をかんがえる

‾「東京都のきぬ」さんのご意見を拝見して、私見を述べさせていただこうと思いました‾
わたしはこの本に心動かされた側の人間です。
おそらく南アフリカという「国家」について造詣が深い方にとっては誤差が多く、それらに目をつぶることのできない仕上がりなのでしょう。しかし、南アフリカについて書かれている本いった視点から本作品に入っていくのではなく、あくまで南アフリカをモデルとした架空の国を舞台に、厳しい環境の下、所謂外地での僻地医療に従事する医師の物語として読む場合には、「青年海外協力隊」や「国境なき医師団」の活動とはまた違った海外での医療活動について考えることができ、非常に読み応えのある作品だと思います。
著者が得意とする医学サスペンスの中でもとりわけこの作品は、医療援助とは何なのか、必要とする人たちに必要な援助を行うには国として個人として何をすべきか、といった遠大なテーマをわたしたちに投げかけているような気がします。
アフリカの蹄Amazon書評・レビュー:アフリカの蹄より
4062057468

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