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アフリカの蹄
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アフリカの蹄の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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この作者は人の情愛の深さを作品に表現することに長けています。 どの作品からも場所、時代を超えて表されている。見事です。 | ||||
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絶滅したはずの天然痘を使って黒人社会を滅亡させようとする非人間的な白人支配層に立ち向かう若き日本人医師。留学先の南アフリカで直面した驚くべき黒人差別に怒り、貧しき人々を救うため正義の闘いに命をかける。証拠品の国外持ち出しは成功するか!?山本周五郎賞受賞作家が描く傑作長編冒険サスペンス。 | ||||
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空想でも妄想でもなく、現実に南アフリカで起こっていることです。子供たちに是非薦めたい本です。 | ||||
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アフリカを舞台にした白人による支配と差別問題を描いた作品で、 あまりにも差別描写が露骨過ぎる感じがしないでもないが、 おそらく現実でも似たような光景があちらこちらで見られたのだろうことは想像に難くない 黒人絶滅の為に天然痘をばら撒くというだけでもスケールの大きな話だが、 たった400ページでさらに大きなうねりまで書き上げているのは作者の力量の高さといえるだろう また風景描写にこだわる作家だけあって、綺麗な町並みの中で裕福に暮らす白人と スラムのみすぼらしいバラックに追いやられる黒人という描写も上手くなされており、 差別問題の深刻さを感じさせるのに成功させている こういった問題に無縁なだけに、興味深い一冊だった | ||||
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南アフリカ共和国は“アフリカの蹄”と言われている。 この国はアフリカ大陸の一番南に位置し、牡牛の蹄に当たる 所に見えるらしいのです。 帚木蓬生さんの作品“アフリカの蹄”はどうやらこの南アフリカ 連邦をモデルにして書いたものらしいですね。 人種差別という社会問題を真ん中に据えて、天然痘という 伝染病をめぐって、一人の日本人医師が奮闘する様を描いた ものです。 ここには昔から人種差別があり、黒人を人とは見做さず、 人体実験が日常のように行われて、それが故に皮肉にも 心臓移植が世界で最も進んだ国になったそうです。 ここに若い日本人医師が心臓移植を学びにやってきます。 こういう事実に私はなんと世の中は矛盾に満ちているのかと 驚きました。 そして、ここにおける白人と黒人の抗争は凄まじい。 壊滅した筈の“天然痘”が黒人の住む処で発生し、黒人だけが これに罹患して死んで行く。 其処には差別意識というものは無くならないものなのだ という絶望的なまでのどうにもならない心理がある。 一度獲得した常識、世間一般の通念は変えることが 難しい。 この作家は医者であり、流石に描写が細かいですね。 折しも最近、人種差別を訴えたネルソン・マンデラさんの 映画“インビクタス”が上映されました。 監督のクリント・イーストウッドさんは政治的な取り上げ方を しないでスポーツを通してこの時代のこの国の空気を見事に 爽やかに創りました。 ネルソン・マンデラ役のモーガン・フリーマンさんも流石に ベテランで、虐げられたヒトの嫌味など微塵もなく、本物の ネルソンさんはこんなヒトなんだろうか…と興味がわきます。 スポーツ選手役のマット・デイモンさんも世間では余り評価 されていない俳優さんですが、いいんじゃない?と思わせる 空気を出していました。 ただ、監督にはアパルトヘイトという人種差別の問題をもっと 掘り下げてもらいたかったという些か我儘な、感想もあります。 でも、それはこの“アフリカの蹄”という本に書かれています。 そして、こういう政治体制がしかれていた時、世界の国は アパルトヘイトをおこなっていることを理由にこの国と 貿易をしなかったのです。 にも拘らず、日本はこの国と貿易を続けていました。 この国から日本人は名誉白人と言われていました。 恥ずべきことでした。 この小説は勿論フィクションですが、ほとんど、現実はこの 通りでしょう。いやいや、もっとひどいことが行われている かも知れません。 人種問題を考える上でも一読お薦めですね。 | ||||
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以前は、私たちの想像をはるかに超える黒人に対する激しい人種差別が あった。彼らは、全ての権利や人としての尊厳さえも奪われ、家畜や 物以下の扱いを受けた。白人にとっては目障りな存在でしかなかったのだ。 この作品は、そういう時代の物語だ。白人たちは、黒人を排除するために 「天然痘」を流行させる。予防接種を受けていない黒人の子供たちが 次々に命を落としていく描写は読むのがつらかったが、黒人を救おうと する作田たちと排除しようとする者たちとの闘いは、読み応えがあった。 やがて、作田たちの勇気と信念は、社会を大きく動かしていく。苦しんで いる黒人たちに手が差し伸べられた時には、感動を覚えた。たとえ外見が 違っても、人はみな平等に生きる権利がある。この作品を読んで、あらためて そのことを強く感じた。 | ||||
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帚木氏の作品を初期の方から読んできて、当然これに当たったわけだが、うん、舞台がアフリカなのも、日本人の正義の味方のお医者さんのかっこよさも、それは十分、物語を面白く読むための材料にはなっていて楽しく読んだのだけれど、私が一番気になったのは、今、どこかで天然痘がはやったら、世界にはこの程度の力しかないのかということ。それを考えるととても怖かった。これって皆さんには当たり前、常識の範囲の話なのだろうか。 それでも、そんな恐怖はきれいに忘れ去っていたのに、麻疹やら結核やらが流行り出している。新しい病気も怖いけれど、こういう復活系の病気の話は、やっぱり結構怖い。 | ||||
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主人公の罪の意識を解消させるためには小説中でまずたくさんの子供達が死ぬしかなかったのか?主人公が完全にアフリカ人に溶け込んでいけたのは、作品中のアフリカ人たちがまるで日本人のようだから?世の中の人は、差別主義の悪人か正義のために命を投げ出す善人に分けられるの?いろいろ考えさせてくれる小説です。 | ||||
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5年程前、ヨハネスバーグの空港から市内へ向かう道で唖然としたことがあります。先には摩天楼、道ばたにはスラムが続き、夕餉準備をする為の薪をたく煙が立ちあがっていたからです。アパルトヘイトが撤廃されて10年で、まだこうなのか!と思ったのです。この小説の舞台は更にさかのぼること10年(多分)。黒人解放運動の黎明期を舞台に、心臓移植術の研修に来た日本の外科医が、黒人のおかれた立場を見るにつれて同情心を持ち、スラムの診療所で見たものは、死いいたる発疹性疾患。ここから医学ミステリーとも、冒険小説とも言える展開で物語がすすんで行きます。当時の状況を彷彿させる小説で、やや荒唐無稽とも言える話しですが、緊張感を感じさせながらも読者を引きつける筆力はさすが。十分に楽しめる小説としてお勧めします。 | ||||
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厳格な人種差別政策を敷くアフリカの架空の国を舞台にした、すばらしいヒューマン・サスペンス作品である。ただし、どうしても南アフリカ共和国をイメージしてしまうが、あくまでフィクションとして読むべき作品である。この作品の核となる事件は実際に起きていないし、どんな極右勢力と言えどもこれだけのことをやるのはまず不可能だろう。また、白人側に与する黒人をわずかに登場させただけで、黒人側の問題点には切り込んでいない。しかし、思わずノンフィクションと錯覚してしまうほど、プロットや描写力はすばらしい。よって☆は5つ。 | ||||
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私は、テレビドラマになったので、原作を読んでみようと思い、この本を購入しました。日本人の作家のサスペンスや、推理小説は、面白くない事が多いのであまり期待していなかったのですが、ヒューマンサスペンスとして読むには、最高に面白いです。小説としてのプロットも良く考えて書かれていると思います。 特にボツアナへ行った主人公が、再度、南アフリカへ戻ってくる部分は、ハラハラさせられます。 今の日本人の医者で自分の保身を考えず、本当に「人の役に立ちたい」と思って医療を行っている人は、どのくらいいるのでしょうか?この主人公の「自分を必要としてくれる人がいるから南アフリカに残って医療を続ける」という選択もすごい事だとおもう。 そういう点から考えると特に世界中の!難民、スラムなどに対する医療のあり方、本当の医療支援について考えさせられる部分も多く、是非、医療関係者にも読んでいただきたい本です。 ただ、南アフリカという場所については、あくまでも仮定であり、実名で南アフリカを名指ししている訳ではないので、本当の南アフリカとの相違点など追求せずに読んだほうが良いと思います。 それから、この本の内容ほど差別が明確でなくとも、我々人間は、心のどこかに差別意識を持っているのだという事も改めて教えられた本でした。 テレビドラマの方ももう1度じっくり観てみたいです。 | ||||
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人間って、どうしてこんなに愚かなんだろう。人種の違い、思想、宗教などの差異でどうしてこんなに憎しみ、殺略し合わなければならないのだろう。舞台はアパルトヘイト以前の南アフリカ。そこへ黒人種を一掃しようと目論む衛生局の白人官吏、これが又三代続いての最右翼。武器は天然痘の細菌だと言うから、恐ろしい。それに立ち向かう主人公、日本人留学生医師。そこで診療している黒人医師らと共に、大変な思いで、これをくい止める。。。又帚木さんのリアリティあるタッチだから,ハラハラしどうしである。実際過去には、ベトナム戦で枯葉病原菌をばら撒くと言うむごい事を遣っていた。 | ||||
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‾「東京都のきぬ」さんのご意見を拝見して、私見を述べさせていただこうと思いました‾ わたしはこの本に心動かされた側の人間です。 おそらく南アフリカという「国家」について造詣が深い方にとっては誤差が多く、それらに目をつぶることのできない仕上がりなのでしょう。しかし、南アフリカについて書かれている本いった視点から本作品に入っていくのではなく、あくまで南アフリカをモデルとした架空の国を舞台に、厳しい環境の下、所謂外地での僻地医療に従事する医師の物語として読む場合には、「青年海外協力隊」や「国境なき医師団」の活動とはまた違った海外での医療活動について考えることができ、非常に読み応えのある作品だと思います。 著者が得意とする医学サスペンスの中でもとりわけこの作品は、医療援助とは何なのか、必要とする人たちに必要な援助を行うには国として個人として何をすべきか、といった遠大なテーマをわたしたちに投げかけているような気がします。 | ||||
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私は多少、南アフリカ共和国の歴史に関心を持つ者なので、日本人の小説家による南アフリカを題材とした小説が出たことに喜びをもってこの本を手にしました。ただ、おそらくあまり大して感動することはないだろうと思いながらでしたが。 私は最初から期待していなかった分だけ裏切られたというような気分にはなりませんでしたが、南アフリカの社会や歴史について知っている人にとっては読むだけ時間の無駄となる本であることは間違いありません。というのも、このお話の中で登場人物が当たり前のように「名誉白人」について話しますが、多くの南アフリカ人だけでなく英語を話す人々のうちのほとんどは"honorary white"という言葉を知りません。あまりにも、知的水準の高すぎる人々が登場しすぎるので、この物語の展開にはついていけなくなります。 ただ、この小説は日本人向けに日本語で書かれているので、あまり細かい批判をすべきでないかもしれません。日本の義務教育の教科書の南アフリカの項目に「名誉白人」なる言葉が出ているので、南アフリカで「名誉白人」という言葉が当たり前のように使われるとの前提に立つのは仕方がないのでしょう。「日本人は名誉白人だった」とされる根拠となるボタ内務相(当時)の国会答弁は「日本人は通商上の関係の重要性から公共施設などの利用についてはヨーロッパ系と同様に扱う」としか言っておらず、「名誉白人」に相当する表現は使われたことがないのですから。 この小説は「日本人による日本人のための名誉白人的(南)アフリカ小説」として学術的に研究する上では参考資料となりますが、一般には偏見を増殖させるだけで百害あって一利なしとしか言いようがありません。 私にとっては上のような意味で、再認識できたので「金返せ」とは言いませんが。 | ||||
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