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悼む人
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悼む人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全114件 21~40 2/6ページ
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これは良い小説だなぁ。 この本の主題の一つに 「亡き人との距離感」 があると思います。 この難しい主題を胡散臭くなることなく書き上る。 これはなかなか難しいことでしょう。 あなたを愛してくれる強い人はいますか― あなたは愛する人を支える強さを持っていますか― 星五つ。 これは良い本です。 | ||||
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読みながら、同時に親や自分、周囲の人々にも必ず訪れる死について考えさせられる。 静人の行動には共感はできない。自分だったら、死後、詮索されたくないからだ。 リアリティのない部分もあるが、特に気にならず、そこは小説としてとらえることができた。 もちろん、ストーリーには、いくつか不満点もあった。 ただ、ここまで本の世界に引き込み、考えさせられる小説もなかなかないので、★5つにしました。 | ||||
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少し前に、ラジオ深夜便で天童荒太さんが出られているのを偶々拝聴して 興味を持ち、最初に購入した本がこの「悼む人」でした。 # 公式ページで2013年2月11日までストリーミングで視聴可能なようです 僕自身、過去に親しい人を亡くした経験があるせいもあると思いますが 引き込まれるストーリーで合間に読み続けて読了しました。 普段、小説を読む際は付箋や線引きは殆どしないのですが、 この本に関しては線引きや、付箋貼りを結構やりました。 中盤から後半にかけて、巡子と鷹彦の夫婦愛に泣いて、蒔野の事件の際の言葉に涙。 個人的に死別を経験してから無意識な物も含めて寄付や奉仕的なこと何年も続けてきましたが その理由を380ページで静人にはっきり言われたようで、号泣しました…。 人間誰しもそうだと思いますが、親しい人・最愛の人の死を経験すると 「死」という物について少なからず考えると思いますが、 親しい人であるが故に「死」について考えるのは物凄く辛い事でもあり、 僕自身はその問題からどちらかというと逃げていました。 追記(ネタバレかな…?)ですが、欲を言うと、身内の死と恋人の死を静人が経験して 彼がどう変わっていくのかというのは興味があります。 この小説ができるまでに7年かかったとの事なので、それ以上に深い部分にまで潜るのを 期待するのはちょっと酷かもしれませんが… あのシーンでもし亡くなっていたら…どう生きるんだろう?というのは 僕自身が過去から現在まで抱えている問題でもあります。 彼(作者)に答えを期待するのは間違っていますし、家族や恋人等個人的な問題になると 答えは人それぞれ違うと思いますのであの終わり方でよかったのかもしれませんが。。 何故こんな小説が書けるのか、生い立ちも良く知りませんが、 当事者じゃないから、当事者以上に死について深く掘り下げて考えられるのかなと思ったりもしました。 この本に関してネット上にある情報は一通り読ませてもらい この作品で言わんとする事はなんとなく理解できました。 天童荒太さんのファンになりましたので、現在出版されている本や 今後出版する本を購入してまた合間に少しずつ読ませてもらうつもりです。 こういう本(人)との出会いがあるから読書が辞められない…。 | ||||
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毎日人が死んでいき、やがて忘れられる。当たり前だけれどひどく残酷な事実。このことと向き合おうとする人はいないでしょう。確かに、人は簡単に忘れられてはいけないと考えている人もいると思います。しかし、静人のような行動をする人はいません。なぜなら、無駄だからです。全ての人を覚えていることなど不可能だし、人生をかけて行うような価値などないからです。 それでも、この作家は、その事実から目を背けられなかったのだと思います。人が忘れられていくことに心を傷めずにはいられなかったのだと思います。 この作品は、そんな作者の心の叫びを綴った力作です。 | ||||
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正直なところ、読み終えるのに骨の折れる作品であったし、「悼む人」の行動は常識的には理解しがたいものであり、この作品を通して著者が訴えたいこともわかりにくかった。こういう作品は読んだ者がそれぞれに何かを感じ取れればいいのであって、評価が分かれるのも致し方ない。 静人が各地を渡り歩いて死者を悼むとき、その人が誰を愛し、誰に愛され、どんなことで人に感謝されていたかを尋ねるのだが、端的に言ってこの三点を浮かび上がらせることによって、人生の意味を問いただすのが著者のねらいだろうかと、私には感じられた。 娯楽的に読む小説としては薦められないが、たまにはこういう作品を読んで、じっくりと生や死について思索してみるのもいいのではないか。 | ||||
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連載小説だからなのか,登場人物の言動の変化や説明の中に天童の思考の変化を感じる. 例えば「悼む人」の概念が,週刊誌記者蒔野や夫殺しの倖世,彼女に憑りついた夫朔也の問いを通して何度も説明される. 最初は,悼む人静人の気持ちは安定しており,行動全ての意味にも納得できる. けれどもテロによる大量死など死にはいろいろな状況があることや,殺人者の死についてなど これまた親切に文中の質問者役が問いかけるので だんだん説明が苦しくなり,静人に自分の中にも矛盾を抱えながら悼み続けていると言わせてしまう. さらに静人は倖世と関係を持ったら,悼むことを中断してしまう. HPを使って死にゆく母親の事を知らせようとした布石は軽く流され, これも連載中に最後まで会わないというアイデアにかわったのかな,と思わせるが 静人に悼んでもらったような記述は今際の際だったのか死後だったのかはっきりしない. 見ず知らずの人に悼まれることに対する違和感を感じたり どんな人でも等しく死者は悼まれる存在であるという考え方が受け入れられないと 読んだ後でもやもやが残る. | ||||
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人間誰しも平等に経験するもの、それが死だ。その普遍的な現実を小説を通して、読者に考えさせようとする傑作だと思う。 物語の序盤、なぜゆえに主人公・静人がこんな旅を続けているのかという点、なかなか理解できない。しかし、ページが進むごとに、いつのまにか、その行動を後押ししている自分がいた。修行僧でも聖者でもなく、主人公・静人は単に「病気のようなもの」と言い、人の死を悼む旅を続ける。この本人も説明がつかない行動こそが、かえって読者に深い考察を与えることとなっているのではないか。それに主人公はもともと、ずっと普通の生活をしてきた人間であるだけに、読者は主人公と同じ目線で、深く深く考えさせられる。 彼を取材しようとするジャーナリスト、彼の家族、ひょんなことから彼と一緒に旅をすることになる女性といった、周りの登場人物たちも、それぞれが当初は不可解な気持ちを抱きながら、やがて物語の終盤で、ひとつの思いに収斂されていく。そして、その中に、読者も巻き込まれていくのである。 どんな人の、どんな死であろうとも、死は平等。これは裏を返せば、どんな人の生も平等だ、ということに結びつく。この当たり前でありながら、なかなか真正面からとらえられることがない、その道理を堂々と表現するに足りる状況設定をした著者には、さすがと、脱帽させられる。 読後は、日々の事件報道に接しながら、ついつい考えてしまっている。単に死亡した人に対してだけではなく、犯罪に巻き込まれた人、犯罪を惹き起した人、そんなすべての人に対して、思いをいたすのだ。この人は「誰に愛されていたのか」「誰を愛していたのか」と。そして最後には、必ずそれが自分自身に返ってくる。結果、自分自身の日頃の無関心を深く反省させられるのである。 この大作、きっと著者自身も、苦悩に苦悩を重ねつつ、文章を書き続けたのではなかろうか。そして、現代の日本社会および日本人に語りかけているのだ。エゴにまみれて生きるのではなく、一度、他人の死や生をすべて肯定してみたらどうか、と。 東日本大震災という大きな悲劇を経験した我が国において、この小説は、長く読み継がれるべき作品だと思う。 | ||||
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悼む人の心情を理解するのが非常に難しい。 彼の母でさえ上手く説明出来ないし、彼自身も自分自身色々な事が 分からないまま旅を進めている。 この本を読みながら「作者でさえ悼む人が何故このような旅を続ける のか、分かっていないんじゃないだろうか」と思った。 だが、そこが逆に非常に良いと思う。 悼む人の旅に結論などなくて良かった。 悼む人は終わりなく旅をし、そして私達の心にずっと、そっと寄り添う。 この本を読んで良かったと心から思った。 | ||||
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永遠の仔 が私が今まで読んだ本の中で一番引き込まれた本だったのが 10年たち内容を忘れた頃 この本に書店で出会い また引き込まれた。涙が出る場面がいっぱいある。そこそこ傷付いた人たちに読んでもらいたい。作者に恋しました。読み終わって数日たちますが 悼む人?天童荒太が私から抜けません。 | ||||
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この長い物語を読んだ後、何が自分に残っただろうか? 静人への煮えきらぬ思いもある。 巡子や蒔野への切ない思いもある。 倖世と朔也との物語も強烈だった。 だが、一番私が感動したのは、鷹彦が静人に掛た一言「お前の人生しんどいなぁ」と言う言葉です。 沢山出てきた登場人物の中で鷹彦の言葉や存在が私の中に残っている。 もっともっと、何か残った。 なんだろう? 嫁に娘に家族に友達に仕事仲間に身近な人に薦めたい本であり、 身近な人を身近に感じる当たり前の日常にやはり「何か」を残してくれた作品でした。 とにかく読んだ後、何かがそれぞれの人に残る作品だと思います。 少し「しんどい」かもしれないけどやっぱり読んでよかった! | ||||
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感動や感銘を受けるわけではなく、しかし読後、放心するような不思議な感覚になりました。 改めて自分を見つめなおしたくなるような、そんな話でした。 どなたかのレビューで子や家族に勧めたいと書いてありましたが なるほど、子供がいずれ大きくなった時読んでみて欲しいと確かに思います。 親の期待するような感想を抱かなくても、きっと何かを得られるはずだと思える本です。 | ||||
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いまさら直木賞でもないんじゃないのというのもありますが、この作家がこの本で賞をとってくれて本当に良かったと思った本です。選考委員さんありがとう。 最初からノックアウトされっぱなしでした。確かに後半は若干失速しますが、それでもオススメ。 多くの人に読んで欲しい。 ☆5は文句なし。 | ||||
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「愛した人、愛された人、感謝してくれた人は誰ですか?」 物語の主人公である「悼む人」は様々な偏見や批判を浴びながら、そして自らも自己満足と知りながら、そして深い傷を負いながら「お遍路的」な旅を続けます。全編に行き渡る「死」とその死に対する周りの捕え方、そして「悼む人」の一貫した姿勢(しかしその一貫性も、彼が紆余曲折を経て到達した境地ですが、、)は、重厚で深く、考えさせられます。圧倒的な筆致により、しかも七年も掛けて書きあげた筆者の渾身の思いが作品から伝わってきます。 私は結構速読してしまう性質ですが、それでも三日間掛ってしまいました。それ程、楽に読み進められる物語では無かったです。しかし、ラストに掛けての物語は心を揺さ振り、本を読んで久しぶりに泣きそうになりました。 読み進める上で、「悼む人」への反感は読者の心の内に生じるでしょう。しかしそれは物語の登場人物が解決して行ってくれます。ゆえに、読了後は嫌悪感や不快感は殆どなく、じーんと深い何かが胸に去来しました。 | ||||
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天童氏の小説は、胸の奥に重たい気持ちを残させる。 「重たい」と言っても煩わしい鉄の塊の類ではなく、ただ動かすことの出来ない、むしろ暖かく柔らかなものを。 実はこの本、文庫化を待ってたのだが、先日衝動的に買ってしまった。キッカケはいわずもがな3.11の地震である。 関西に住みのうのうと変化のないまま暮らしている一方、テレビ画面やネットの上では悲しい現実が流れていた。そんな時に、急に読みたくなったのだ。 数字で表され名前が記号化する、そんな報道の向こう側にはたくさんの「愛された人生」があったはず。その人の死について想いをめぐらし「記憶する」のが残された者に出来ることだと思った。 感情を移入しなくてもいい。ただただ覚えておけばいい。死者に対しては無力であることを感じながら。そして、そうすることしか出来ない無力さこそが不自由な生に対する免罪符であると信じるしかない。 無力感を感じていたぼくを、そんな風に包んでくれた作品だった。 あえて星四つにした。「こんな時に」エンターテイメントとして小説を読んでしまったぼくを恥じて。 | ||||
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そんな結論に達するのは、物事の意味や理由を考えて考えて考え抜いた結果だろうと気づかされた思いだ。 重いテーマについて考えることはかなりの体力のいる事であり、後回しにできてしまう分投げ出してしまう事の方が多い.特にそんなテーマで語り合う人が身近にいないときにはどうしようもなく暇な人間か現実逃避したいだけに感じてしまう。でも、全然そんなことはない。 一見意味なんてなさそうな事こそ、人は実は好きなんだと思う.芸術だって音楽だって実はその作者の緻密な計算と悩み抜いた結果の産物であり、実はみんな無自覚にも理解しているからこそ感覚的に愛し、共感を覚えるんだと思った.そんなこと今まで考えた事もなかったが、この本はそんなことを教えてくれた.ただ死亡記事を見て、その現場で悼むという行為を続けている主人公の静人は悩み迷い苦しみ抜いたあげく、結果昇華するような生き方に到達した。そんな生き方を羨ましいと思う反面、そんな苦行を避けてただ単純に幸せな生活を送りたいと思うのも自分がまだ社会的な人間だということだろうか。もっと年を重ねたときに自分は別の感じ方をするのだろうか。 | ||||
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職業柄、いくつもの死に立ち会う。 長く知っていた人も、短いお付き合いの人も。 ともすれば、忙殺される毎日の中で徐々に記憶が薄れていく。 また、新しい出会いがあるから。 ただ、必死に思い出そうとすることもある。 「悼む」ために。 また次の出会いのために。 自分にとって本作品は大変有意義な作品となった。 天童荒太さんの作品は本作が初めてだったが 大変に感動した。 構想に何年もかけているだけに世界観にも全く隙がない。 静人の行為の意味合いに 自分の価値観を押し付けてあてはめるかどうかは別として 読む価値は十二分にあると思う。 僕は大好きな一冊だ。 | ||||
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悼む人を読んで、いかに自分が死者に囲まれて励まされて生きているか、 しかし、死者を悼むこと少なく自分のエゴの中に生きて来たかが わかる。 1.誰に愛されていたか 2.誰を愛していたか 3.どんなことをして人に愛されたかを、静人は問う。 このストーリーは 静人を巡る人々の人生と交差して、命を取り上げ大作である。 | ||||
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コンセプトはシンプルと思いました。自らの生命性に基づいた著者の、現代社会に対する強いメッセージを感じました。 | ||||
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読み進める中で気がついた。静人が巡った死にまつわる事故・事件は、酷似したケースを過去に一度は報道で目にしているものばかりだ。そして忘れていた。何気ない日常の中で、赤の他人の最期を哀れんだ事は数えきれないほどあるというのに、一瞬の幻影のような痛みで記憶は流れていく。静人の行動に共感するしないではなく、とても単純に生と死への問いかけを与えてくれるのが本書だと思う。丁寧にゆっくりと淡々と問いかけられる。自分なりの答えを考えてみた。私は地面を歩くときも、遠い死者の幻影ではなく足元で生きる小さな命の鼓動に気がつきたい。忘却を受け入れる代わりに、今を生きてる少しでも沢山の命に気がつきたい。いつかまた自分の歩み方を問う日がくるような気がする。その時に再び心して本書を開こうと思う。 | ||||
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いきいきとしたリアリティあるれる人物描写がすごい。 読後は主人公が近くにいる気配を感じるほど。 構想に7年かけたという力作。 | ||||
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