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悼む人



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【この小説が収録されている参考書籍】
悼む人

悼む人の評価: 4.03/5点 レビュー 147件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.03pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全18件 1~18 1/1ページ
No.18:
(1pt)

悼むという、押し売り行為。

わざわざ、他人様の死を悼み、行脚する主人公。
既に、死んでしまった人間を悼む、と言うのは、生きている人間でしか出来ないこと。
残念ながら、死んでしまった者は、悼んでもらおうと、もらうまいと、その心が動くことはもうない。
悼むことにより、救われるは、死者の魂ではなく、あくまでも生きている人間である。
家族が家族を看取ると言うことが難しく、また、自然死でも放置、あるいは、殺人と言う行為で、家族と言う核を内側から崩壊させる事件が多い今日、「悼む」と言うことはなんなのか、時代にそくしたテーマであろうが、中身は、かなり薄っぺらく、他人の死を悼んで回るという行為が、悼みという行為の押し売りに思えてならない。悼むという、死者との対話ともとれる行為だが、死者は、喜びもしないが、責めても来ない。ましてや、主人公と死んだ者は、生きている時分に深い関わりがあるわけではなく、生前、生きた人間どうし、生身と生身でぶつかるような、精神的深部のやりとりも、煩わしさもないのだから、考えようによっては、その死を冷静に悼めるかもしれませんな。近親者から、思い出話を聞いて(しかも概ね、好評価な)亡くなった人の死をまるで数をこなすが如く、悼んで回るというのは、本作の結果はどうあれ、いささか後ろ向きな生きざま。全国行脚して回って、行動的にしているように見えても、消極的と言えよう。死者では、何も、起こりようがないのであるから。生きた者どうしは実にいろいろなことが起こるし、互いの評価も流動し、関係も変化していくものだ。死んだ者を悼むこと、忍ぶことも大事であるが、生きている人間と、人間との、対話や、時にはいさかいといったような苦い経験、それを糧として、人間は生きていかなければならないだろうと思う。
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.17:
(1pt)

私は嫌いです

「私は嫌いです」
その一言に尽きる。

きちんと書かれた作品だとは思う。
でも、一人ひとりのキャラクターが、どうも心に入ってこない。
端的に言えばうすっぺらい、というか。

点としては丁寧に作られていると思うのだが、線、面としてみるとなんだか薄っぺらい。

あくまでも個人的な感想にすぎませんが。
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.16:
(1pt)

結論が???

なんだか消化不良です。
ストーリーの最後には何かの解を期待していたのですが、何もなく、同じようなトーンで話がすすみ、最後もそのまま。
面白くなかったです。
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.15:
(1pt)

偽善的なストーリーに白ける

こんな人がいたら面白いな、すごいなと思う人がリアリティをまとって小説のなかに描かれる時、時間を忘れてページをめくる。

私は主人公の「悼む人」が、いろいろな理由で亡くなった人を悼む旅をする姿にリアリティを感じられないどころか偽善を感じた。愛とか感謝とかが軽く扱われていて、読んでいてイライラした。

でも、どこかで面白くなるかと思ってページをめくるうちエピローグになっていた。

読み返すことはない。
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.14:
(1pt)

どうしてこれがあの年の直木賞だったのか?

ひねくれているのかもしれませんが、ベストセラーとか大きな賞を取った作品は、時をおいてから読むことにしています。この作品もそうでした。著者の作品は以前に「家族狩り」・「永遠の仔」を読み、なるほどそれなりに読む者を引っ張っていくとは思いました。しかし、その後のテレビ等での著者の発言を聞くにつけ、この人は妙に人道主義、ある意味で宗教がかった考えに取りつかれていらっしゃるのかと、驚くと同時に思い込みから来ていると察せられる「甘さ」を感じたのです。
 そしてこの直木賞作品です。あの思い込みと「甘さ」は克服されたのかと、遅ればせながら、ある意味で期待して読み始めましたが、残念ながら一層ひどくなっているとしか自分には思えません。作品の展開と設定、人物造作に相当な無理を感じますし、乱暴です。テーマもなんとでもとらえられる。どうしてこれがあの年の直木三十五賞に? 心清き行者(?)と現実生活の汚れに溢れた社会との対比だけで、文学が生まれるとは自分にはどうにも思えぬのです。
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No.13:
(2pt)

くどい・・・(それと、テーマが生すぎるからかな)

ストーリーが長い割に、起伏がない。
一気読みできる作品ではない。

途中、何度か斜め読みで飛ばした。
前半は、悼む若い男にスポットがあたり、どんな風に進むのか、クライマックスはあるのかと、心躍らせて読むが、単調な話が続く。一方、後半は死に向かう母親が軸になっていく。その部分があまりにリアルすぎて、いわゆる「生の題材」でむしろ読み手はひいてしまうのではないか。

今、生きて本を読んでいる我々に何を訴えたいのだろうか。何も作者は読み手に生きる力を与えていない。自己満足の延長。というのは言いすぎか。

起伏のなさがくどいと感じる要素であり、死に対して、別に今向き合う必要のない人間にとっては何の共感もない。少なくとも、若い世代に「この本読むといいよ」とは勧めたいと思わない。

せっかく、落ち着いた前半の展開が好きだったのに、直木賞じゃなかったら、途中で投げ出していた小説。
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.12:
(1pt)

期待はずれ・・・

人にすすめられて読み始めましたが・・・途中で気分が悪くなり、読めなくなりました。はっきりいって、期待はずれです。ただでさえ現実世界において、毎日のように悲惨な事件・事故が報道される中、あえて物語の中で、ここまでかというくらい死を盛り込む意味がわかりません。不快感しか残りません。もう二度と、読むこともないでしょう。
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4163276408
No.11:
(2pt)

作家の勝手。読者の自由

プレビューでなく、読み終えた読者としての感想を述べるならば、”恣意的な展開”というひと言に尽きる。
まず、静人の悼みへの旅に出るまでの動機が不明瞭だ。ボランティアの小児病院での子供の死だとか、親友の死だとか引き合いに出すが、所詮は他人の死ではないか。また、母親の兄(伯父)の死に対する屈折した心情や、優しかった祖父の突然の死がきっかけとなったともあるが、それでもまだまだ弱いと思う。ましてや自宅周辺の献花を見て、忘れ去られる死者の無常を感じたとは、絶対ありえない。結局、小児病院の看護婦の言ったひと言、「忘れていかないと燃え尽きちゃうよ」というのが結論であり事実なのだ。虚構とはいえ、これは前提として絶対に不自然なのだ。だから静人は”ビルマの竪琴”の水嶋には絶対になり得ないのだ。
加えて朔也の死への動機も納得がいかない。この作家は、家庭という密室の中で繰り広げられる、家族の愛憎を描かせたら際立つものがあるが、この、倖世と朔也の愛憎の顛末は、自分としては、気恥ずかしくなるほど期待はずれも甚だしかった。これも(言ってみれば)あり得ないのだ。いや、小説とは事実より奇抜でなければ成り立たない、と思われている昨今、これら前提を否定しては、小説自体が成り立たないかもしれない。しかしながらこれらに対し、なぜ僕が作家の自恣を感じてしまうのかといえば、何事につけて言い訳が副えられているからだと思う。 静人の悼む理由、倖世の朔也殺害の理由(とその真実としての理由)、それらは当然作品として読まれた場合に、提示される疑問への答えとして、作者が考え尽くし練り上げたものだが、我々読者が深く追求する隙すら与えていない。言ってみれば、回答を読みながら問題を解いているようなもので、そこには疑問に対する好奇心や想像する快感が大きく欠落しているようにも思える。
だから、あり得ない静人や朔也(倖世)よりも、それらを取り巻く人々に僕は大いに感動してしまった。つまり巡子とその家族の愛情溢れる闘病記。また蒔野の、父親の反面教師に対する憎悪。これらはすとんと胸に収まり、おおいに泣かされたものだ
ただ ”ビッグフィッシュ”のようなエンディングはどうかなと思う。この作家には、五感で感じる家族の生き様みたいなものを 書いて欲しいな
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.10:
(1pt)

最後まで、不快感をくつがえせなかった本。

書評など読んで期待して読みはじめたが・・・。どんな人にも、愛されて、愛して、輝くようひと時があったというモチーフを感じさせる内容を期待していたが「大外れ」。それぞれの登場人物が自己顕示しているだけという感じしかなかった。行動を共にする奈義、母親の巡子、雑誌記者の蒔野の人生を語る言葉も、心の動きも、読むものの心に響かず不快な感じだけが積み重なっていく。最後にはいい印象が残るか・・と思いつつ読み終えたが覆ることはなかった。
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.9:
(2pt)

「病気」の一言で片付けるのは如何なものか?

人の命の尊厳に対して真摯に向かう姿勢において、「悼む人」には頭の下がる思いだ。これを執筆するのに実に七年もの歳月を費やした天童荒太の心意気と直向きさにも、また、深い畏敬を覚える。 自分とは縁故もないアカの他人の為に巡礼をする「悼む人」。こんな人物が実際にいたら、それこそ聖人君子以外の何者でもあるまい。読中、胸に迫るものには、活字で安易に表現できぬ感慨があった。本当に美しい物語だと思う。 「悼む人」こと静人を主人公に、記者の蒔野、静人の母で末期癌患者の巡子、そして、静人に随行する倖世の三者を通して、「悼み」の美学が綴られる。蒔野の父へ対する赦し、巡子の静人へ対する赦し、朔也の倖世へ対する赦し。これは、おしなべて、悼みの物語であり、かつ、赦しの物語だ。 文学的価値を計るにおいて、後者は最高級だと言える。特に、巡子の最後などは、その凡百のイマジネーションを超越した情景を俯瞰し、まさに忘我であった。だが、前者はとなると、評価しかねる。作品の本来の主役である肝腎の「悼む人」が、余りに虚構じみてみえるのだ。 確かに、テーマ自体は深遠なものだ。問題なのはしかし、その表現手段なのである。一方的な主観で他人の死に土足で踏み込み、「愛」だの「感謝」だのと定義する静人の行動心理に共感ができない。彼への遺族の反発や警察の保護といったシーンが度々出てくるが、彼らの対応こそ至極健全なものだろう。静人に自己を病気呼ばわりさせたのも、こうした問題への逃げ道の用意のようで、萎えた。 もし、これが静人が全国の犯罪被害者を慰撫するような話だったなら、文句なしの満点だったと思う。これは、もっと常識的な視野で書けば、最上のヒューマンドラマ足り得た筈だ。何故に著者は、それを、このような浮世離れしたお伽噺にしてしまったのだろう。理解に苦しむ。
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.8:
(1pt)

自分が幼いからか

途中で気分が悪くなり、とばし読みをしました。静人の、新聞の死亡記事を元に、亡くなった人を悼む理由がわかりませんし、静人の残された家族のほうに感情移入できました。また、ルポライターの話はまだしも、だんなを殺した女性と相手のやりとりも理解できませんでした。殺してほしかった理由も重くてなんだかよくわかりませんし、期待していましたが思っていた内容とは違いました。
多数の方が良いと感じる作品が、必ずしも自分にとってそうではないのだと痛感した作品です。
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.7:
(1pt)

違和感あり

天童さんの作品は全て読んでいますが、今回の話は一本筋が通っていない印象を受けます。
そのため、敢えて細かい点を指摘したくなってしまう作品でした。
いろいろありますが、気になるのは下記二点です。
・母親が苦しみながら死につつあるのにそれはほったらかし。
必死に生きている者(しかも母親)のことはどうでもいいのかと思ってしまいます。
ネット上で従兄弟がサイトを立ち上げて「実家に帰るように」と呼びかけているのを
知らされても「お調子者の従兄弟だから」で切り捨てるのはちょっと。
お調子者がわざわざサイトを立ち上げてるんだから電話くらいしたら?と感じました。
・亡くなった人が誰を愛したか、誰に愛されたか、感謝されていたかに焦点を絞って悼む。
負の部分は聞かない。なぜならいちいち全てに感情移入していたら
自分が精神的に疲れるから、って、数をこなすことが重要なんですか。
しかも、実はこの「悼み」自体、自殺の代わりにやってるんです、って
自殺の代わりに悼まれても亡くなった当人も周囲も困ってしまうのでは…。
静人は自分勝手だと思います。
何気に責任取れないのに子供できるかもしれないようなことをやってしまっているし。
上記に挙げたこと自体は一人の人間の生き方として好きにすれば良いと思います。
でも、物語が進むにつれ周囲の人物によって静人の「悼み」が「崇高な行為」
「見習わねばならない行為」のように持ち上げられていくことが耐えられません。
「一人一人の死を心に刻もう」というのは悪い考えではありませんが、
家族を半ば捨てて、とか相手の迷惑顧みず、というのは方法としてどうかと思います。
静人自身の話、母親の話、ルポライターの話、夫を殺した女性の話が
バラバラでうまくつながっていないように感じました。
ストーリがー良ければここまで細かい点は気にならないのですが、
新作を待っていただけに残念です。
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.6:
(1pt)

不遜。傲慢。不愉快な小説。

450ページ近い長編なのに、中身が薄い。登場人物がみな薄っぺらい。人生に起きるさまざまな悲劇や苦しみを羅列して、実際に新聞その他で報道されたのであろうさまざまな死をちりばめて、それらの間を“悼む人”と呼ばれるロボットのような男に渡り歩かせれば、読者が感動すると、作者は思ったのだろうか。作者はこの小説を、やむにやまれぬ魂の叫びに突き動かされて書いたのではないだろう。小手先、あるいは冷静な計算だけで書かれていて、魂が入っていない。だから読んでも当然感動などしないし、人の生と死というもっとも真剣に取り組むべき主題を、このように弄ぶことに怒りを覚える。直木賞も安っぽくなったものだ。
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.5:
(1pt)

つまんねぇ〜

おいおい。つまんねぇ〜内容を下手くそな文書で書いてるな。直木賞も手前みそだな。最後まで読むのが大変だった。金返せ看板香具師。とにかく買うと損する本。全く読む価値無し
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.4:
(1pt)

やめてほしい

作者としては、生とか死とか、愛やら感謝なりについて真剣に考えたつもりなんだろうけど、薄っぺらに感じた。まさに、設定とかストーリーとかが、偽善的。現代の事件とか様々入っていて期待したのに、一つ一つのことをまさに著者が胸に刻んでないから、こんなことになるんじゃないか、命がけで生きてんだよ、こっちは。
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.3:
(1pt)

平等の極まるところは即ち不平等である

 平板な語り調子が延々と続き、正直なところ退屈で退屈で仕方なかった。とにかく著者本人が作中の坂築静人のように、その日その日の新聞記事を基にして、事故や事件で亡くなられた方を悼んできたというのだから、悼んでは移動し、悼んでは移動するための事件や事故の具体的題材だけは事欠かなかったであろうと推測する(TVにもこの作家のノートが出ていたし)。しかしやり過ぎだ。だからつまらない。
 ところで彼は実の母親“巡子”を悼む時も、命の重みの公平さを欠くことがないよう、血の繋がりのない他人に対する時と同じ気持ちで、悼んでさし上げたのであろうか?誰を愛し、誰に愛され、誰に感謝されたのかも当然知っているはずであるから、人間として必ず備わっている感情、つまり自分の胸中に渦巻く愛情とか憎しみや虚しさを実母“巡子”に感じたとしても、感情をコントロールしてひた隠しにし、最も心の底から悼むべき肉親の死に対してさえ特別の思いを寄せず、ただひたすらその他大勢の悼まれるべき方々との平等かつ公平さを損なわないように悼むことしかできなかったはずでしょう? 
 そうでしょう?この作品が矛盾しないためにはそうならないとね。このように平等も行きすぎれば不平等になります。
 彼は、母親がどれほど自分の死期と向き合いながら、彼の帰りを一日千秋の思いで願っていたのかを知らなければならないでしょう。彼はどうしてもこの事実と向き合って、自分の生活を悔い改めなければならないでしょう。もう大人としての一歩を、それこそ地面を踏みしめるように歩み出すべきだと思います。そうしなければ母親が気の毒です。
 著者はこの小説が論理的に反駁されないように七年がかりで、幾つかの揺らぐことのない前提の上に立って書き上げたつもりでしょうが、皮肉にもその前提は上っ面だけの、才能に欠けた者に特有な逃げ道であったと反省した方がいいと思います。
 著者には「新たな悼む人」を執筆していただきたい。
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.2:
(2pt)

物語に入り込めなかった

 命を落とした人々を悼むために全国放浪の旅を続ける坂築静人。ふとしたことから彼と行動を共にすることになった奈義倖世には、夫殺しで服役していた過去がある。さらには静人の行動に興味を持った雑誌記者の薪野抗太郎、そして静人の母で末期がんに冒されている巡子。これは彼らをめぐる物語。
 400頁を超えるこの直木賞受賞作を読み通しても、私には静人の行動に気もちが近づくことがありませんでした。
 彼が見知らぬ人を悼むための手がかりとするのは雑誌や新聞の記事。つまり彼が悼むのは、事件や事故で命を落とした見知らぬ人々ばかりです。だからこそ、病気によって今まさに命がついえる日を迎えようとする実母のように、報道されることのない身近な死から彼は遠いところにいます。
 病気で死ぬ人よりも事件事故で落命する人を選択していくという彼の行動指針をどう解釈すればよいのかが私には分からないのです。
 また静人の随伴者として登場する倖世が夫殺しに至る経緯もさっぱり理解できません。
 殺された夫・朔也の豹変ぶりが現実離れしている上に、倖世に憑依し続けるさまがあまりに人智を超えているとしかいいようがないのです。
 その一方で私の心に残ったのは、闘病する母・巡子の終末期医療の詳細ぶりです。
 50代という若さで死期を迎える巡子の心の内は強く読む者の胸に迫ってくるのです。それは彼女のような平凡な人物こそが、今の私にもっとも近い存在であり、感情移入が容易な対象であるからでしょう。
 ひょっとしたら巡子の、そして彼女の夫・鷹彦と、二人の娘=静人の妹である美汐、この3人の家族の物語だけで、人の心を揺さぶる物語が十分に構築できたのではないでしょうか。
 静人や倖世、そして抗太郎という存在はむしろ物語の夾雑物にすぎなかったのではないか。
 そんな思いが残った読後感でした。
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408
No.1:
(2pt)

母親に共感できず。

主人公の母親坂築巡子の性格が、どうにもこうにも気色悪く感じてしまい、
読んでいてイライラした。
私は文芸評論家じゃないから、本作の文芸的な価値はわからないけど、
至極個人的な感想としては、「ああつまらなかった」である。
悼む人Amazon書評・レビュー:悼む人より
4163276408

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