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あふれた愛
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あふれた愛の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 1~20 1/2ページ
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彼の本は出版された頃ある程度読んでいるのですが、当時は結構面白いなと思っていましたが、今読むと違和感、拒否感が先立って痛いなぁ。不器用とかこころが傷ついたなどの形容詞に妙に引き込まれ、あるある感がかなりあったような記憶があるんですが、今回は登場人物の言動がバカバカしく思え、いやな印象の方が強かった。 | ||||
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「永遠の仔」で作者を知り、他の作品も読みたくなり購入しました。今まで何回と飽きずに読み返していますが、中でも「やすらぎの香り」という話は何回読んでも泣いてしまう。 | ||||
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大人の恋愛でありながら、やはり恋愛とはひどく子供じみた側面もあり、 さらに精神を病んでいる部分があるとなればその偏愛は虚しく痛い それでも根底には限りない温かみがある 永遠の仔だとか、長編は常に素晴らしいのが明白な著者であるが この短編集は短い物語でもしっかりと人間を描き掘り下げていると感心させられる いつでも読み返したくなる傑作に溢れている | ||||
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ラストに収められる「喪われゆく君に」。「あなたはあの時、何を思いましたか」これは、間違いなく「悼む人」の原型になった小説だ。控えめな幸乃は、天童荒太のアイコンである石田ゆり子であり、中谷美紀なのだ。主人公の彼の心が浄化されてゆくプロセスと彼自身の成長と愛の再生の物語。締めくくりにふさわしい明日への勇気を与えてくれる。単行本の帯には浅田次郎先生の推薦コメントがあった。90年代の浅田次郎先生の短編と通じる人の交わりの暖かさがここにある。彼は、この小説を原点に敢えて遠回りをしながら直木賞への外堀を埋めていく。登場人物に魂を吹き込む作業を重ねて09年「悼む人」で直木賞をとる。10年にわたる彼の長い戦いの始まり、原点がこの1冊なのである。人は平凡な人生と簡単にいうが、平凡な人生を送るということがいかに難しいか、、、ということを、この本は教えてくれる。 | ||||
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夫婦やカップルをメインにした恋愛劇なのだが、どうにもどちらか、あるいは両方に 問題がある男女ばかりで、読んでいていらつかされる部分も多い 設定的には面白そうな作品もあるのだがどうにも盛り上がりに欠け、 突然人が怒ったり泣いたりするのでやや面食らうシーンも多い この作者の作品であることを考えるとやや平凡なできかもしれない | ||||
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四作品からなります。 それぞれ内容は異なります。 「とりあえず、愛」 育児ノイローゼの話。作者はわかって書いているんでしょうけど、旦那の方が気配りが無さ過ぎ。世の旦那さん達は、奥さんの事これほど大事にしてないんだろうか?最近は夫婦で育児、と言うのが当たり前のような気がするのですが、そうじゃないんでしょうか。僕としてはかなり違和感がありました。 「うつろな恋人」 最近は心を病んでいる人に対する理解も増えているでしょうし、こんな馬鹿なことをする男がいるとは思えませんが、まぁこう言う馬鹿はいるんでしょうなぁ。この小説の中の医療スタッフの行動が疑問と言うか、適当すぎ。実際にこう言うシチュエーションでこうなることは無いでしょう。医者がもっときつく止めます。そこに違和感。 「やすらぎの香り」 心を病んだ二人がともに立ち上がっていく話。 これは良い話でした。 「喪われゆく君に」 主人公が幼すぎますが、登場人物の行動それぞれに違和感はなく、最後に主人公も成長します。これも良い話です。 「とりあえず、愛」「うつろな恋人」の違和感はちょっと良くないなぁ。不自然すぎる。 面白いんだけど、これだけの主題を持ってくるんであれば、もっと上手に書ける気がします(と言うか書ける人がいると容易に想像できます)。 と言うことで星三つ。 天童荒太は「永遠の仔」がドラマ化されて騒がれすぎていたので、ちょっと敬遠していましたが、直木賞を取ったので短めのを読んでみました。 敬遠する作家では無い気がしますが、積極的に大長編を読みたくなるほどの魅力は感じませんでした。 「悼む人」はそのうちアマゾンで安くなったら読んでみようかと思います。 | ||||
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■とりあえず、愛 読んでいると、登場人物に突っ込みたくなることがしばしば。 「ちょっと、言い過ぎなんじゃないか…?」「もう少し優しい言葉をかけた方が…」とか。 案の定というか、それにしても突然余りにも厳しい状況になり、最後に僅かに分かり合えるような。。 自分が物語の主人公だったと仮定して同じ状況下に置かれ 読中に思ったような行動が果たして取れるのかと思うと厳しいかもしれません。 (冷静に物事が考えられるような状況下だったなら可能だとは思います) だからこそ反面教師として捉えるよりは、その後の行動のとり方を重視するべきなのかもしれません。 一度、落ちてそこから如何に生きるか。 絶望を絶望として諦めるのではなく、正しく絶望する事により、 僅かに光が差し込むようなそんな印象を受けました。 この辺りは作者が他に書かれている本も含めて一貫しているテーマなのかもしれません。 | ||||
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短篇集だと思って、甘く見ておりましたが、さすがは天童荒太さん、私の心臓をがっちりと鷲掴みして上下左右にはげしく揺すってくれました。この人に手抜きの著作というものはないんですね。骨までしみてきました。 収録四篇の内、心に傷を負ったカップルが自立に向かっていく「やすらぎの香り」とコンビニでたまたま突然死に遭遇して、その後未亡人との不思議なつながりを紡いでいく店員が主人公の「喪われゆく君に」という後半2つがなかでもとくに良かったです。 ありがとうございました。 | ||||
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天童荒太はとても繊細な作家だ。 心の機微を的確に描写し、人間を見る目がとても優しい。 この4作の短編集は精神を病んだ人を書いているが、誰もが心に抱えている危うさ、精神のバランスの不安定さを表現しているように思えた。 とりあえず愛 熟年離婚の一番の原因は夫の気づきの遅れだと思う。離婚届を突きつけられて茫然自失する鈍感な夫、妻の気持ちに頓着しない独りよがりの夫は世の中にごまんといる。離婚するだけではなく、その後のケアがあるこの短編。作者の目は温かい。 うつろな恋人 これも超鈍感な男の物語。性的不能だった塩瀬が智子の架空の恋人の創作するベルレーヌの超みだらな詩に性欲を回復していく過程は笑いを誘う。 しかし、考えてみると、私たちも自分で勝手に思い込んだ幻想の中で精神のバランスを保っていると考えることもできる。何事もなく平穏に過ごしている幻想の中に予期せぬ真実が露呈してきたら・・・・平和な家庭は修羅場に変わり、脆弱な幸せは一瞬のうちに悪夢に変わる。昔見た「幸福」と言う映画を思い出した。「幸福」は女性監督ヴァルダの代表作で、女性監督作品の原点といわれている。 愛し合っている若い夫婦がいる。可愛い二人の子どももいる。日曜日毎に公園にピクニックに出かけ午後のひとときを楽しむ。ある日、夫は愛人がいることを妻に告げる。妻はだまってほほ笑んでいるだけだった。次の日曜日、いつものように公園の木陰で情熱的な時間を過ごした後、昼寝からさめた夫は妻の姿がみえないのに気づく。人が集まっている方へ行ってみると、池に落ちて妻が死んでいた。事故だったのか、自殺したのか? それから数ヶ月がたち、公園でピクニックを楽しむ幸福な一家があった。違っているのは死んだ妻に代って、愛人が子どもたちの母親になっていることだけだった。 若いときこの映画を見て相当な衝撃を受けた。そう、幸せなんて脆弱なものなのです。若いときは夫に怒りを感じたが、今は一見無責任な夫の態度も受容できる。そう、悩み苦しむより再度の幸せを享受する方が弱き人間にはふさわしい・・・・・ やすらぎの香り この作品が一番いい。二人の感情の起伏も手に取るようにわかる。いい子で育った子、我慢して育った子。楽に生きられるようになるにはいくつものハードルを越えなければならない。自立の道は遠く長い。少々の後戻りに落ち込まないで一日一日を生きていけば、きっと自立のときはやってくる。親になる前に読んでおきたい本だ。母子手帳をもらうだけでは親になれない。 喪われゆく君に 身近な人の突然の死は人を茫然自失させる。自分たちの生きてきた証を再確認することで人は死を受け入れ、再出発することができるのかもしれない。 読むとつらくなる作品が多いが、素通りできない作者である。彼が生まれる前に自殺した叔父。その叔父や死んでいった親友に今なお話しかけると言う。世界で起こっていること。日本で起きている悲しい事件。その根っこが同じであると言う認識。そして原因だけでなく、和解と再生もどこかで繋がっていると信じている作者。しばらく付き合ってみたい作者だ。 | ||||
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いいんです。 寂しくて、あたたかくて、希望に満ちたかと思うとその余韻に負けそうになる。 そしてまたそれぞれの物語を振り返ってしまう。 支え合い、崩れ、寄り添う愛にはいろいろなドラマがあふれてくる。 大切に、とっておきたい4編が「無理しなくっていいんだよ」と語りかけてくるようです。 | ||||
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さらっと読めてしまえば楽なんでしょうが、それを許さないようなオーラというか情念が作品にこもっている気がします。 なぜこの作者はここまで人間のつらい部分に目をそらすことなく向き合えるのか・・・その才能だけで脱帽です。 作家というものは長編か短編のどちらかの才能しかないと誰かが言っていましたが、これは各作品とも短編として完成度が高く、主に長編作家である天童荒太の可能性を感じさせてくれます。 | ||||
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目に見える表面的なものよりも大事なものがあるのではないかと気付かせてくれる作品。 弱さも強さも一長一短で相手の想いを素直に受け止める気持ちの余裕が必要だという事を学びました。 | ||||
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昨年からマイブームの作家。 短編集。 どの話も、 精神を病んだ人の物語。 しかし作者は、 その病を、 異端扱いしない。 まだまだ社会は、 精神の病に対して、 差別と偏見に満ちている。 そのことが、さらなる悲劇を生み出している。 どの物語も、 作者の優しさに満ちている。 なかなか癖のある物語ですが、 作者のこだわりがつまっています。 | ||||
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全編に病的なものが関係してます。 のっけから主人公のオジサンの病気が私と同じで・・・私は好きになった人にも、他の人にもこんな仕打ちはしませんよ(>_<)これは、個人の性格です。 いい話もあるし、悲しい話もありましたが、私的にはイマイチだったかなぁ。 なんか痛かったです。 | ||||
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収められた四編の物語はどれも他者との交流や理解の難しさを描いている。この作家らしい作品だ。 だれでも自分らしく生きようとしているが、社会の中では他者と関わることは避けられない。他者と自分との関係をうまく構築するには、まず自分をある程度、他者に開放しなくてはならない。お互いが少しずつ開放する事でコミュニケーションは成り立つ。しかしそれがうまくできない人にとっては、一方的な交流は命令や圧力としか感じないだろう。それは遠からずストレスとなって、事態を余計悪化させてしまう。 それは何も作品の登場人物だけではなく、現実の自分たちでも同じなんです。日常的な行き違いを無視したり、他のことに振り替えながら何とかやっているんです。まともに受け止めているあなたの方がむしろ強いのかもしれません・・・作者や登場人物に話しかけたくなる自分に気づく。 彼の作品の人間関係では本当の悪人が出てこず、出来すぎで理想的なのかもしれないとも思う。しかし、いくつもの自分を使い分けて生活している人達も、根元の所では悪人ではないはずだ。少なくともこの作家はそう信じているだろう。 | ||||
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本作に収録された4編は、それぞれ最小限度の登場人物しか登場しない。そして、その最小限度の登場人物が、それぞれすれ違い、傷つく、という様を描き出す。 妻の言った些細な言葉から、娘を虐待しているのではないか? と疑心暗鬼に陥り、すれ違って行く武史。心の病と戦いながら、結婚への準備を進めるも、妊娠という「うれしい」はずの事態で距離を感じてしまう香苗。目の前で死んだ男とその妻の心を考え、それによって恋人とすれ違ってしまう浩之。皆、些細な事件ではある。しかし、些細な事件であるからこそ、すぐそばにこれらのことが感じられるし、また、身近な存在であるからこそ、互いに傷つけ合ってしまう人間の弱さ、愚かさ、不器用さ…なんていうものを感じずにはいられない。 ただ、本作の良さは、それだけで終わらせないところだとも思う。それぞれ人間の弱さなどを感じさせる。しかし、それで終わらず、必ず皆、何らかの形で救いの手が差し伸べられる。そんなところに、「弱いところがあったって良いんだ」というメッセージ、そして、著者の「優しさ」を感じるのは私だけだろうか? | ||||
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人は皆が上手く,賢く生ることができるわけではない.それでもみんな必死に生きている.上手く生きられないことを嘲る権利は誰にも無い.生きていることは,それだけでも美しい.むしろ,上手く生きられない人たちの人生にこそ,一際輝く瞬間が秘められているのかもしれない.天童荒太はそれを書くことの出来る作家だ. | ||||
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器用に生きている人を見るとうらやましくなる。思いつめなくて楽天的で、何をやってもうまくいく、世の中そんな人ばかりではない。この作品集の登場人物たちはそんな不器用で悩みをかかえている人ばかりである。自信をなくした時、間違った時に「何やっているの」と責められたり「頑張って」と余計なプレッシャーをかけられたりすると、途方にくれてしまう。元気なときは、照れ笑いをしたり、余計に傷ついた心を隠すけれど、それが出来なくなったときはどうするだろうか?この本の登場人物達は人より傷つきやすく繊細である。私の周りにもそういう人がいた。そんな心の闇を気付かず、言葉の暴力を振るってしまった私を今反省している。彼らの強く生きていこうとする気持ちを応援したい。そして私ももっと人に優しくなりたい。 | ||||
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人はいろんな悩み、苦しみを抱えて生きている。その心の底に眠るような思いを紐解いてくれる。人を傷つけ、人に傷つけられ、それでも生きていく人間としてのせつなさは、きっと誰もが持っていると思う。そんな辛い思いの中に差し込む光が暖かく、癒される気がした。辛い悩みを抱えている人は、きっと勇気をもらえるのではないかと思った。4つの短編それぞれが、異なるシチュエーションでありながら、人間の弱さにフォーカスしており、きっと自分を重ね合わせてしまうところがあると思います。 | ||||
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心の温まる短編集。「永遠の仔」や「家族狩り」のような「事件」があるわけではない。しかし、作品の根底に流れるメッセージはすべての作品に共通している。おすすめできる作品である。 | ||||
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