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少女地獄
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少女地獄の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全46件 41~46 3/3ページ
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「少女地獄」シリーズに含まれる三作ほか、短編3編を収録しています。いずれも夢野久作独特の世界観や文体は健在ながら、ストーリーは筋を通し、終始一貫した形を取っています。ですから、ドグラマグラであまりの眩暈に襲われ、最後まで読みとおせなかった人でも気軽に夢野ワールドを体験できるのではないでしょうか。 私のお薦めはなんと言っても「少女地獄」中の1作、「何でも無い」。ある開業医の前にあらわれた、天才的看護婦にして美少女・姫草ユリ子。誰もが無垢なる彼女を愛し、信頼する。しかし彼女は・・・というお話。この話のポイントは、虚構の世界を生み出し続ける姫草ユリ子という存在そのものが実は虚構である、という点でしょう。だからこそ彼女の生み出した虚構全ては無限に増殖しながら、姫草ユリ子という虚構を支え続ける、というメビウスの輪のような状態を呈することになります。物語の冒頭、一通の手紙が告げる彼女の結末すらも虚構に彩られており、膨大に構築された虚構の「仕組み」が、私達を翻弄し続けるのです。 | ||||
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「少女地獄」は3編のオムニバスです。『何でもない』は、自らの虚言で命をたつまで追い詰められてしまう女性の話。外的な要因よりよっぽど怖いのは己の心の地獄なのだという、短編ながら久作らしい作品です。都会の怪談めいた『殺人リレー』恋人が殺人鬼だと確信したバスガイドは、事故にみせかけて恋人を殺す。しかし、ここでも恐ろしいのは事件そのものよりその後の彼女の心の動き。『火星の女』は、不器量で大人しい女の子が大人達の偽善を告発するという、やりようによってはさわやかな学園物にもなり得る話。しかしそこは久作。この主人公はいきなり黒焦の死体となって現れる!夢野久作の中では例外的に読みやすい作品ではないかと思います。かなりおすすめです。 | ||||
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とても不思議な話しですが、世界観に引き込まれました。 | ||||
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ドグラマグラのように、目がグルグルと回ってしまうような酩酊感を感じることはなかったが、少女地獄はそれとは別の面白さを持っていると思う。この本に出てくる少女達(少女というより大人であるが)の、まわりの人達を翻弄する姿はどれも美しく、蠱惑的で、時には狂気をあらわすのにもかかわらず、どことなく古風である(これは時代背景も関係あるのでしょうか)。そんな妖しさに、魅せられてしまう。この、少女達の地獄には、燃えさかる劫火、針の山、そんなものは私には見えない。しかし、陽炎がのぼりたつ風景と、首筋から匂い立つ垢の臭いが感じられる。 | ||||
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虚言癖や身体的コンプレックスなどを抱え込んで、自ら自分の人生をどんどん追い詰めて行く少女たちを描いた3短編(表題の『少女地獄』にあたる)が印象的。「少女地獄」というタイトルから、幻想小説のようなものを期待して手に取ったのだけれども、実際は、屈託に満ちた青春を扱う心理小説のようなもので、むしろそっちの方が大きな興味を抱いて読むことが出来ました。どのお話を見ても、死や破綻の匂いが色濃く漂っていて、到底誰もが楽しく読める小説ではないのだけれども、一読後容易に忘れることの出来ない、真に迫った哀感があり、読んだ当時から今に至るも変わらぬ大きな影響を受け続けている作品です。 | ||||
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初めて、夢野久作の小説を読んだのですが、かなり面白い小説でした。不思議な世界です。虚言癖で仕事が素晴らしくできる看護婦とか、容姿は良くないけれど、驚くほどの情熱をかけて、周囲を事件に巻き込む高校生とか。主人公になっているのは、少女よりもう少し大人に近い女の子、女の人です。ちょっと恐ろしいようなお話がいくつか入っていて、美しさとは遠く離れた、しかし乙女な雰囲気がそこはかとなく漂っている感じでした。 | ||||
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