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(短編集)
動機
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動機の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全81件 41~60 3/5ページ
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表題作は、短編集『陰の季節』の4作と同じくD県警シリーズの一作。このシリーズは管理/事務部門の警察官を主役としているところが独特である。 警察内部で起きた警察手帳の大量紛失事件。息詰るような警察組織の内で、独力で犯人探しをする事務系警察官の奮闘を描いた表題作は文句なしの傑作だと思う。『陰の季節』も良かったが、表題作『動機』はそれを上回る出来だと思う。『陰の季節』では、出世、保身、策略といったものがあまりにも前面に出ておりやや殺伐とした印象があったが(それはそれで良いのだが)、本作では、そういったものを描きながらも、それだけではない、もう少し人間的な「動機」も描いており、何とも言えない読後感の良さがある。 他の3作もやや女性の描き方が不自然な気もするが、それなりに面白い。 警察官、裁判官、新聞記者といった世間的には高度な職業倫理が要求されていると思われがちな職業人達も、実は世俗的欲望に基づいて行動しているんですよ、という横山作品の原型がつまった良質短編集だと思う。 | ||||
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警察モノはピカイチですね♪ その周辺の人たちの,細かな描写が素敵。 | ||||
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本書は4つの短編からなっています。どの短編もクオリティが高く、それぞれに苦悩する人間(主人公)が描かれています。 それぞれの短編の紹介をします。 動機:30人分の警察手帳が盗まれた。警務課の貝瀬がその原因を突き止めなければならない。刑事課との対立など見所が多い。最後は家族がキーポイントとなるのか。 逆転の夏:元服役囚で、現在葬儀会社に勤める山本が主人公。ある日、カサイという人からある人を殺したいという内容の電話があった。それから事が進むのである。私がいちばん好きな作品である。 ネタ元:地方紙の女性記者の水島真知子が主人公の話。女性記者の苦悩がでている。 密室の人:判事である安斎利正が主人公の話。ある日、公判中に居眠りをしてしまい、寝ぼけて愛妻の名前をつぶやいてしまった。安斎は責任を取らされることになる。 | ||||
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テレビドラマが原作をより肉厚にして 良品に仕上げている感が期待できるのは 横山氏の警察シリーズと池波正太郎氏の鬼平犯科帳だと思います。 「動機」「逆転の夏」「ネタ元」はドラマを見て読むといっそう臨場感があります。 ただ「密室の人」は原作の方がドキドキですね。 裁判中に裁判官が居眠りする…設定もそれにまつわる背景も 決して新しい発想ではないにもかかわらず、 スリルと期待を味あわせてくれるから不思議です。 | ||||
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横山秀夫の真骨頂は短編にあると思う。 『半落ち』や『クライマーズ・ハイ』などの長編のほとんどが映画化されており、直木賞候補にもなっているため長編の方が知名度は高い。むろんいずれの長編も傑作ではあると思う。だが横山秀夫の短編作品群の前では色褪せてしまうことは否めない。それほどまでに短編の完成度は高く、読むたびに唸ってしまう。 本書はそんな横山秀夫の短編集の中でも、事実上の出世作となった一冊である。特に表題作は日本推理作家協会賞を受賞している。 警察署内で一括管理されていた警察手帳が何者かによって盗まれた。内部の犯行か、それとも犯人は外部にいるのか? マスコミへの発表前に犯人を見つけ出そうと、一括管理の発案者である貝瀬は東奔西走する。各部署の思惑や人生が交錯する中でようやく一人の人物が浮かび上がるが……。 謎だった動機と、それに思い至った貝瀬が取る行動が本編のクライマックスである。新聞記者だった横山が描く人間模様は、多種多様な舞台を背景にしながらも圧倒的なリアリティを誇り、その底を流れる悲哀と見事な描写テクニックは、和製ハードボイルドここにありと思わずにはいられない。前科者、新聞記者、裁判官をそれぞれ主役に据えた他の三篇もいずれ劣らぬ佳作であり、期待を裏切らない。横山秀夫はすごいと改めて思わせてくれる、入門書としても最適な短編集である。 | ||||
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第53回 日本推理作家協会賞 4つの短編から構成されています。 同著者の『第三の時効』もとても面白かったですが、こちらも負けていません。 どの短編も面白く、テンポが良いのであっという間に読破出来ると思います。 警察小説の中でも最高傑作に入るレベルだと思います。 | ||||
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文庫本サイズ300ページほどの一冊であるが、四つの短編作品が収められている。 物語の主人公は、刑事であったり、新聞記者であったり、裁判官であったり…と横山秀夫らしい。一つ一つの作品は、短いが十分に、横山秀夫の世界観を満喫できる一冊である。 短編作品ということで、気軽に読める。それでいて、中身も濃い。自信を持って、お勧めできる一冊である。 | ||||
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氏の作品の最大の特質は、元地方紙の事件記者という経験を生かし、警察を中心とした 刑事司法やその周辺で生きる人々や組織の暗部、暗闘、苦悩を活写する、というところにある。 そこは非常に良く描かれている一方、トリックというかミステリーの核の部分は一寸弱いかなあという感じもするが、短編ネタを強引に引き伸ばしたような「半落ち」よりは、全体として 出来が良く、お薦めできる。 | ||||
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イメージの問題だが、男くさく、タバコくさい。しかし、酒臭くはない。何となくハードボイルドなイメージかな。 ストーリーとしては、「動機」の気の利いた展開は面白い。また「逆転の夏」は、ハラハラさせられて、小説な感じがする。いずれも取り上げられるのは身近な話題ではないことから、「ああこんな世界もあるんだな」と感心する。 | ||||
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以前から横山秀夫作品がテレビドラマ化されていたことは知っていたし、「影の季節」というどことなく殺伐とした印象を与えるタイトルも頭の片隅に残っていた。「著書『影の季節』と『動機』あわせて100万部突破した!」という黒帯の白抜きされた言葉に思わず手が伸びた。どちらの作品からもとても斬新な感覚を与えられ、目から鱗が落ちるような思いであった。犯人逮捕に全力投入する刑事部門の活躍ではなく、警務課、監察課そして秘書課といった「別角度」から、警察機構の内部(正確には「管理部門」で働く人間の内面)に潜む赤裸々なドラマを、あたかもそこに勤務している人間であるかのようなタッチで描かれた短編小説に惹き込まれた。特に印象深かった作品は、『動機』所収の「動機」と「逆転の夏」の二作品である。どちらの作品も、「家族」というかけがえのない財産を守るという使命に邁進する男(ここでは父親)の姿が活写されている。テーマや切り口の斬新さもさることながら、横山作品に自然に惹き込まれてゆくのは、やはり「自分が現場にいる人間」であるかのような、その人間の感情や意志を生々しく綴る「文体」にもあるような気もするのである。こうして、作品に登場する人物と読者が見事にコラボレーションする、つまり、読者はそこにいる登場人物と一体化してしまうわけだ。先行きが読めないという緊張感はそれによって更に助長される。『動機』では、警察官にとどまらず、殺人を犯した前科物、事件記者そして裁判長という登場人物にまで拡張され、新たな作風をいかんなく醸し出している。ドラマ化された作品を少しは見ているはずであるが、やはり原作そのものを読まないと臨場感を理解できない。テレビ放送の鑑賞という行為はたぶんに受動的であるのに対し、読書は能動的である(少なくとも「そうあろうとする」)からである。本書をはじめ、多くの作品が読者の目に触れることを願いたい。 | ||||
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本書には4編の短編が収録されています。短編集のタイトルとなっている『動機』は 以前の短編集『陰の季節』と同様、警察警務部(管理部門)の視点で警察組織を描いています。 各方面で絶賛された作品です。短編にしては登場人物が多く、各人丁寧に書かれて いるのですが私としては人物描写が中途半端に感じました。短編であれば思い切って 主人公に描写を絞り込んだ方が良いように思いました。短編がうまいという事で 当時は短編の依頼が多かったからでしょうか、『動機』からは作者の長編への 意欲が感じられます。 後半の『ネタ元』、『密室の人』は作者の短編のよさが存分に出ていると思います。 刑事事件をキーワードとして一方は社会部(事件)記者、もう一方は裁判官に スポットを当てています。ともに一般人にとっては、ニュースを通してしか知るこ とのない彼らが、苦悩しながら懸命に人として働き、愛し、苦しんでいる姿が フィクションを通して伝わってきました。 | ||||
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表題作の「動機」を読み終えたとき、思わずうーんと唸ってしまいました。 短編集を読みながら、この話の残りのページ数はどれくらいだろうとつい何度も数えてしまうのが私のいつもの癖なのですが、 謎が謎を呼ぶばかりで一向に結末が見えてこない複雑怪奇な展開に「おいおい、もう残り何ページもないのにどうやって解決するんだよぉ?」なんていう妙なドキドキ感に包まれていると、 最後の最後にこれでもかという怒涛の大どんでん返しで見事に落着。 ラストの僅か数ページで大逆転のエンディングに持ち込むその豪快さ(強引さと呼ぶ人も中にはいそうですが・・・)は、 ついぞお目にかかったことがないものでかなりのインパクトでした。 「逆転の夏」「ネタ元」はイマイチでしたが、最終話の「密室の人」は意表を突く結末で ふたたびどぎもをぬかれちゃいました。これからしばらくは横山ワールドにどっぷりはまってしまいそうな予感です。 | ||||
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収録されている4篇ともうーんとうなりたくなるほど秀作です。 "動機”はなんとも優しい真実の動機が隠されている。 ”逆転の夏”はハラハラするほどの悲壮感。 ”ネタ元”は少し病的なほどつっぱりすぎの女性記者の心の再生。 "密室”は地裁一判事の妻の衝撃の事実。 表題の”動機”は賞をとっただけありかなりの秀作。 でも個人的には”逆転の夏”の方がミステリー度は濃くて好き。 横山作品は外れが無いので、安心して読める。 | ||||
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4話から成る短編集。 私は、表題作でもある「動機」が一番心に残った。 警察手帳が保管庫から大量に盗まれた。 手帳を、保管庫で一括保管しようと言い出しっぺの男が主人公。 責任を回避するための保身的な感情や、 かつて同じく警察官であり、現在は呆けてしまった自分の父親への気持ちや、 親が子を思う気持ちに似た思いや、 ひとつの事件に絡んだ様様な人間模様が見事なくらいで、 最後はホロっと泣けた。 他の作品は、 「逆転の夏」では、元殺人犯が匿名の依頼者から殺人依頼を 受けて悶々とする様が描かれていたり、 「ネタ元」では、男社会で戦う女性記者の奮闘や葛藤が 描かれていたり、 「密室の人」では、法廷中に居眠りをしてしまった裁判官の お堅いまでの仕事人間ぶりと、その代償が描かれていたり、 盛りだくさんの短編集である。 でも私は、とにかく「動機」が飛びぬけて良いと思った。 | ||||
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短編4作が収録されていますが、4作品ともに「超一級」と言っていいでしょう。 それぞれ、警察官、前科者、新聞記者、裁判官を主人公とした物語になっていますが、短編であるにも関わらず十分に読み応えのある内容に仕上がっています。 なかでも「動機」と「密室の人」が秀逸です。 「動機」は、退官間近の「軍曹」の思い、「密室の人」は、貞淑そのものに見える掛買いのない妻の秘密...。 すっかり横山秀夫ファンになってしまいました。 因みに「動機」と「逆転の夏」はテレビドラマ化されていたんですね。 どんな出来だったのか是非見てみたいです。 | ||||
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著者の作品を私は『クライマーズハイ』や『半落ち』から読み始め、「ハズレのない作家」と思い、本作も読んでみたのだが、前述の長編のような細かな描写や複雑に入り組んだ構成がが食い足りず、また先にTVでドラマ化された作品を見たわけではないのだが、なぜか新鮮味が感じられなかった。 但し、短時間で横山作品をダイジェスト的に楽しみたい読者には、お薦めできる作品ではある。 | ||||
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始めて読んだ横山秀夫さんの作品。 4つの短編のどれをとっても、人と人との絡み合いや人間の心の内が克明に描かれていて、単純にミステリーとは言い切れない。 特に「逆転の夏」の思いもよらない結末に、こんな終わり方もあったのか・・・と唖然とする。 これからも、どんどん読んでいきたい作家になりました。 | ||||
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第53回 日本推理作家協会賞 2001年度版このミス10 2位。 2000年文春ミステリーベスト10 3位 作品のプロット、登場人物の心理描写・造型人物の心理描写ともに卓越した短編集である。作者の作品は全部読んでいるが、短編集の中では(今のところ)この作品がベストだと思う。 特に警察組織という縦社会の中での主人公の葛藤がよく書かれていると思う。 お薦め出来る作品である。 | ||||
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収録作は次の通り。「動機」、「逆転の夏」、「ネタ元」、「密室の人」。 タイトル作は最も従来の横山氏の作風に近い警察署もの。警察手帳の紛失を巡って、警察内部間の対立を描きながらも、人間の心の"揺らぎ"に動機を求める構想が秀抜。「逆転の夏」は元服役囚が見知らぬ男から殺人を頼まれることに端を発する異色劇。加害者・被害者の問題を改めて浮き彫りにする。「ネタ元」は特ダネを狙う女性記者を主人公にして、新聞社間の競争の激しさ、それに巻き込まれる人間模様を描く。作者の経歴を活かしたものであろう。「密室の人」は個人的に一番気に入っている作品。公判中、居眠りをした判事を主人公として、生真面目に生き過ぎて周囲との人間関係がうまく図れない主人公の「密室性」と、茶室に閉じこもり、かつ過去の因縁から夫にも心を開かない妻の「密室性」が交錯して、深い情感を読者に与える。 本作では上記のように1作毎に主人公や設定を変えながら、皆良い出来栄えとなっている。その意味で作者の作風を広げた作品集と言えるだろう。「動機」と「逆転の夏」はTV化されたようだが、残念ながら私は観ていない。どのように映像化されたのだろうか。 | ||||
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表題の「動機」っていうのが、横山作品の中でもかなりのオキニイリです。 主人公がギリギリのところに追い詰められるのは、わかっていても ドキドキしちゃうのが横山先生の作品。 そして、意外なラスト(ただ意外というのではなく、理由がナットクがいくというのがすごい!) 警察小説にハマリ気味なあなたや、最近泣いていないあなたにオススメ♪ | ||||
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