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(短編集)

動機



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動機の評価: 4.23/5点 レビュー 94件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.23pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(2pt)

一遍「逆転の夏」に関して

横山作品には、人間の愛、怒り、悲しみ、苦悩、葛藤、慟哭が見事に描かれー、ではなく・・・それの押し売りをかなり感じてしまい(特に半落ちが酷かった。でもだから映画化されるのだろうが、大衆受けするから)内容はもちろん面白いが、自分としては何と言うか、あまり受け付けない作家でもあった。

で、今回この短編集を読んでみたわけだが、二話目には正直没入した。殺人犯として、「もはや社会で明るく前向きに生きることなど不可能」な描写に、犯罪者でなくとも、今の日本で同じような状況に置かれている大勢の人間の姿が重なってしまったのだ。自分の人生には、もう何もない、ただ時が過ぎゆくのみという。実際、ほぼその通りだし、真面目な話ディープインパクトなみの脚力でもなければ、底辺からの逆転などありえないし、逆にそんなやつは実力ではなく運がいいだけだという重い寂寥感が当然の現実として存在している。

しかし、読後、主人公ではなく元妻の態度に、納得の共感を持ってしまい前述の気持ちが雲散霧消してしまった。世間に日々報道されるセクハラ事件、その大部分は男が加害者として報道されるが、一般の感想としては「そんなわけねーだろ」という女の悪を簡単に見逃す社会性に強い憤りは確かにある、が、主人公の行動が殺人に至ってしまっては、もはや自業自得で、夫婦関係の再構築などそりゃないだろうと強く思ってしまった。傷害で留まっていれば、まあ復縁の可能性はゼロにはならんだろうが。被害者遺族の怒りも、その線上で受け続けるのは当たり前のこととなる。

要は、この作品をもって、表からは窺い知れない犯罪加害者と被害者の実体とするのは間違っているわけだ。そこを書くなら加害者の確信の罪と、それ故の内心の開き直り、もしくは事件の忘却、それに対する遺族の絶え間ない憎しみ、諦めを主軸とすべきだろう。主人公山本は、単に自らの軽率さで人生を捨てることになったわけで、横山の他の作品にも言えることだが、主人公の生きざまをいかにも重そうにクレーンで引き上げて読者に見せるという手法が、やっぱり現実の日常で日々を過ごす人間との大きな乖離と、そこを描く能力の欠如を感じるんだよなあ。作者の気持ちのいい「主観」に筆力をもって付き合わされる感覚が、鼻につくわけよ。

もちろん小説なんだからそれでいいんだけど、それならこの世の実体に筆の力で挑んでいるという態度を読者に感じさせるべきではないね。

虚構は、それとして描くべきだ。
動機Amazon書評・レビュー:動機より
416319570X
No.2:
(1pt)

アガサ ごめんなさい

表題の短編は「ABC殺人事件」のエキスをそのまま使っただけのよくある代物です。

設定がそもそも無理筋で、小説とはいえ、いかにも作り物の感拭えず。

初め数ページで所謂ネタばれ。それこそ動機も結末までも即座に分かってしまいます。

一応読了しましたが、10分もしたら頭に何も残ってません。

本編も含めこの作者の作品はお薦めしません。

心と時間がたまらなく寂しくなります。
動機Amazon書評・レビュー:動機より
416319570X
No.1:
(2pt)

KINDLE 版を買われる方に・・。

これは KINDLE 版を買われる方のためのレビューです。

皆さん気をつけて下さい。この KINDLE 価格はあくまでも横山さんの短編「密室の人」一篇に対してのものなのです。

私は横山さんの短編の面白さには何にも文句はつけません。
私が文句をつけたいのは、この KINDLE 向けの短編集を販売する文藝春秋社の販売方法に対してのことです。
文藝春秋社のこの紹介文を読めば誰だって、横山さんの短編集が KINDLE バージョンだったら一冊100円で読めるのじゃないかと判断してしまうのではないでしょうか。
なぜならば文庫本の短編集が 570円であって、この紹介文にははっきりと 470円のオフと書いてあるのです。

何だか書いていて悲しくなってしまいました。天下の文藝春秋社がこんなさもしいやり方を選ぶようになってしまうくらいに出版各社の状況は厳しいということなのでしょうか。
動機Amazon書評・レビュー:動機より
416319570X

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