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化人幻戯
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【この小説が収録されている参考書籍】
化人幻戯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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1954年(昭和二十九年)11月に『別冊宝石』に掲載後、1955年(昭和三十年)1月号から10月号まで、『宝石』誌に連載された作品。 ぞくぞくするくらい面白かったです。 まず、登場人物たちの関係性、その構図に魅せられました。〈殺人犯〉と〈被害者〉、〈犯人と疑われる者〉、〈事件の傍観者〉、〈探偵〉の役割分担に仕掛けと妙味があり、あっ! と言わされました。 〈殺人犯〉の動機の異様さ。非常に現代的で、インパクトがありましたね。と同時に、〈殺人犯〉の計算された企みの狡猾(こうかつ)さに、ぞくっとしました。 興味深く思ったのは、ヒッチコック監督の映画『裏窓』の名前が出てきたこと。さすが、乱歩翁。昭和三十年一月に日本で初公開されたこの映画を、しっかり観てるんだなあ思って、感心しましたわ。 | ||||
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江戸川乱歩の大人向け推理物の長編と、少年探偵団ものが二篇、その他短編が収録されています。 アダルトでも少年向けでも明智小五郎が登場。少年探偵団での活躍は探偵の領分を超えています。完全にやられ役の二十面相が気の毒です(^_^;)。 | ||||
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これもあまりエログロくない作品集です。なかでも三角館の恐怖は最初読んだときはとても怖かったのですが2度、3度と読むと楽しくじっくり読めるようになりました。 断崖・・・正当防衛という名の下の断崖がらみの殺人です。 三角館の恐怖・・・双子の息子に長く生き残った方に全財産を相続させるというとんでもない親がもたらした悲劇です。 畸形の天女・・・変装趣味のロリコンおやじの不慮の殺人です。 兇器・・・凶器を隠すためのカモフラージュの基礎といった話です。 化人幻戯・・・元公爵の若夫人の罪意識のない戯れです。 月と手袋・・・アリバイ工作で警察に対抗する犯人と心理的に追い込む警部との駆け引きの話です。 | ||||
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ネタバレちょっと入ります。 乱歩といえば短編、と思う人が多いかもしれません。芋虫、D坂、人間椅子と、代表作に短編が多いですから。 では長編のオススメは?と聞かれると断然この化人幻戯を推します。 犯人が恐ろしいのです。ここまで妄執に狂おしい犯人を精緻に描いているので読後の余韻がすごかった。 グロな描写も少なく、読みやすい作品だと思ってます。 | ||||
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戦後に書かれた乱歩の一般向け推理小説。これと「十字路」は確かに、今までの馬鹿げたくらい荒唐無稽な乱歩さんらしさがないスゲーまともな普通の小説。とくに終盤の犯人の告白は現代のサスペンスドラマでもよくありそうなフツーぶり。なんだちゃんとまともな小説書けるんじゃないですか乱歩先生。普段からこれくらいまともな人物描写してれば、乱歩さんも十分「江戸川乱歩賞」狙えますよ(オイ)。 | ||||
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乱歩の昭和30年代に出された長編作品。 通俗ものでも少年向けでもない久しぶりの大人向けの本格路線の長編である。 アリバイトリックや密室トリックは今から読むと手垢が付いた感は否めないが、犯人像は今の方が逆にしっくりくるだろう。 猟奇趣味が殆どないのは、この時期の乱歩は十字路など再度本格推理路線に取り組んでいた時期の作品だからであろう。 乱歩長編としてはマイナーな作品だが、それなりに面白い。 レビューで別の短編集と勘違いして記載しているものが、本作は化人幻戯のみの収録である。 | ||||
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昭和二十九年十一月「別冊宝石」より連載開始とある。乱歩氏によれば、化人幻戲とは、化人 女主人公の妖怪性を表し、幻戲はその犯罪トリックの魔術性を意味したものだと言っている。 没落貴族であるものの、戦後は一転事業展開に成功した大河原義明侯爵には、元大名華族 令嬢の若き妻由美子がいた。その元侯爵家に商売上の出入りをしていた父親の関係から、 秘書役として勤めはじめた庄司武彦という青年。彼は大の探偵小説マニヤで、同好の趣味を 介して大河原元侯爵とは意気投合していた。武彦青年には別に明智小五郎と面識があった。 大河原邸に出入りする人物では、他に姫田吾郎と村越均という少壮青年社員がいた。事件は この五人の関係者間で起こる。犯人自身が双眼鏡で自分の犯行を見ている。同じラジオ放送 を四十五分たってから、別の場所で聞く。二つともまったく不可能なことだ。(文中、明智談) 展開されるトリックは断崖殺人と密室殺人だが、美貌の妻由美子が密かにつけている日記が ある日武彦青年によって詳らかになる。そこには探偵マニヤの武彦や明智を唸らせるような容 疑者の特定がなされていた。しかし上手の手からは水が漏れるの例えで、明智の職業目線は 由美子の日記の背後に見え隠れする不可解な心理的高揚感に二重の仕掛けがあると着目する。 | ||||
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探偵小説マニアの25歳の青年庄司武彦は大河原義明元公爵の秘書だ。 大河原は56歳。27歳の美しく淫乱な後妻由美子には子どもはいない。 庄司武彦は由美子の美しさに惹かれていく。 この本は少年向けに『白い羽根の謎』という題名で改作されている。 由美子夫人が待合で情事に耽るが、少年向きでは 冒険好きで好奇心旺盛などとかなりくるしい書き換えになっている。 | ||||
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小学校低学年の頃「白い羽根の謎」と改題された本作を 読んだ際は、愛欲が何たるかさえわからなかったので (そりゃそうですね)、なんだか他の江戸川乱歩の子供 向けの作品と較べるとちょっと毛色の違う小説だなとは 思っていましたが、後に原作を読み返してみて、ようや く少し犯人の動機たるものが理解できるようになりまし た。挙句の果てにラストの場面を読んで 「こんな風に殺されたい。いや、今すぐ殺して!!」 などと思ってしまった私は、愛欲まみれのすっかり 汚れた大人に成り果てているのでありました(笑)。 まあそれはともかく、乱歩は本格物として書いたらしい ですが、ミステリーとして見るとトリックや犯人の意外 性はあまり無く、少し物足りないと思われるかも知れま せん(元々乱歩にそれを期待して読んでる方はあまりい ないと思いますが)。 ただ、犯行の動機、本人以外は完全には理解できない心 の深い闇(異常心理)に焦点をあててる所が好きですね。 いずれにしても、何故か若い頃から 「年上の美しい女性にばかり魅かれてしまう習性」 が身についてしまったのは、間違いなくこの本を幼少時 と思春期、更に大人になってからと、最低3回以上も読 んでしまったせいに決まっているので(決まってるらしい)、 乱歩には感謝・・・・・ もとい箪笥の裏に隠れていないで責任を取ってもらい たいです(笑)。 | ||||
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戦後に書かれた明智ものの長編。 ある種の犯罪心理を描こうと試みた作品。まあ、悪くはないと思う。トリックもふんだんに盛り込まれているし、ミス・ディレクションも成功している。動機という点でも魅力がある。 しかし、こういう犯罪心理は、乱歩が書いても面白くないように思う。人物の厚みがないため、説得力に欠けるというか。 戦後まもなくは、こういう作品でないと売れなかったのだろうか。 | ||||
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戦後に書かれた明智ものの長編。 ある種の犯罪心理を描こうと試みた作品。 まあ、悪くはないと思う。 トリックもふんだんに盛り込まれているし、ミス・ディレクションも成功している。 動機という点でも魅力がある。 しかし、こういう犯罪心理は、乱歩が書いても面白くないように思う。 人物の厚みがないため、説得力に欠けるというか。 戦後まもなくは、こういう作品でないと売れなかったのだろうか。 | ||||
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作者没後の追悼として編集委員に松本清張、三島由紀夫、中川河太郎の三氏を迎えて構成された初期の江戸川乱歩全集の第11巻である。 本書は『断崖』『三角館の恐怖』『畸形の天女』『兇器』『化人幻戯』『月と手袋』『随筆』『同性愛文学史』『私の読書遍歴』『ふるさと発見記』の計10篇から構成されており、昭和25年〜30年にかけての長短篇が収録されている。 探偵趣味のある元公爵・大河原氏とその妻・由美子。彼の傘下の会社で働くエリート社員、姫田と村越は大河原氏との個人的な付き合いがあり、そして、由美子の愛人でもあった。その最中、姫田は「望遠鏡で目撃される中での飛び降り自殺」、村越は「完全な密室でピストル自殺」をする。そして、大河原氏の新人秘書として働く庄司武彦にもその魔の手が伸びる――美女をめぐる怪事件『化人幻戯』 隅田川近辺の川岸に建つ奇妙な洋館を舞台に、二つの蛭峰家の巨万の遺産をめぐって展開される二重殺人事件『三角館の恐怖』 貿易商社々長・宮城圭助が義歯と変装によりもう一人の自分・松永昌吉になりすまし、甘美な二重世界を堪能し、そこで出会った不思議な魅力の少女の虜となっていく――江戸川乱歩、大下宇陀児、角田喜久雄、木々高太郎の四作家が並んだ連作小説『畸形の天女』 断崖で女を殺そうとしている男と犠牲者とのあいだのやりとりを会話体のみで描いた異色作『断崖』 『化人幻戯』は乱歩先生の還暦記念祝賀会の席上、これを機会に若返って小説を書くと宣言した力作である。私もこの全集を読み始めて10年の月日が流れましたが、乱歩独特のおどろおどろしさが感じられました。 余談ですが、映像化作品では『江戸川乱歩シリーズ・明智小五郎』{主演:滝俊介(溝口舜亮)全26話・1970}が乱歩先生の文体と最もあっていると思われるので是非とも一見してほしい。 | ||||
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江戸川乱歩は推理小説作家としての志とは裏腹に 通俗大衆ミステリーのほうに人気作が偏っています その状況をもっとも歯がゆく思っていたのが ほかならぬ乱歩自身で、自分にもがちがちの探偵小説が書けることを 証明するという意気込みで書かれたのが この「化人幻戯」です。 確かにがちがちの探偵小説なのですが 随所に大衆性がでるところが楽しいところ | ||||
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乱歩作品の中で乱歩独特のねちっこさが少ない薄味の作品を集めた編集になっている。良く言えば「理知的な推理中心の」、悪く言えば「乱歩らしさの少ない」作品群である。 「化人幻戯」・・・乱歩戦後の代表的長編で、確かに「蜘蛛男」等のチャンバラエログロ活劇長編に比べ、プロットもしっかりしており、いかにも「推理」小説であるが、犯人は簡単にわかるし、トリックも「機械的」なものでそれ程の意外性は無い。本作最大の読みどころは主人公が恋に落ちる相手の女性の魅力的な描写であろう。これは名人芸である。 「堀越捜査一課長殿」・・・手紙による告白形式の「推理」小説。トリックは凡庸なものだが、当時の時代背景が少し興味深い。 「防空壕」・・・一種の幻想小説かな。戦争中の空襲の審美的描写が不謹慎さを伴いながらも秀逸。ラストのオチも利いている名品。 「断崖」・・・一組の男女の対話のみからなる実験的な作。思いついたトリックをお手軽に短編に仕立てたって感じだな。でも名作「お勢登場」の続編と捉えれば面白いかも。 「兇器」・・・明智小五郎の探偵教室って感じ。トリックは名探偵コナンでも使えそうな単純なもの。(既に使用されたかも?) 「灰神楽」・・・少年時代に春陽文庫版で読んで再読だったが、個人的には本作品集の中では一番のお気に入りである。倒叙ものだが、乱歩独特の迫真的筆致で犯人の焦燥感が良く描けている。小品ながら名作だと思う。因みに私は「灰神楽」という単語をこの作品で覚えました。 | ||||
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乱歩作品の中で乱歩独特のねちっこさが少ない薄味の作品を集めた編集になっている。良く言えば「理知的な推理中心の」、悪く言えば「乱歩らしさの少ない」作品群である。 「化人幻戯」・・・乱歩戦後の代表的長編で、確かに「蜘蛛男」等のチャンバラエログロ活劇長編に比べ、プロットもしっかりしており、いかにも「推理」小説であるが、犯人は簡単にわかるし、トリックも「機械的」なものでそれ程の意外性は無い。本作最大の読みどころは主人公が恋に落ちる相手の女性の魅力的な描写であろう。これは名人芸である。 「堀越捜査一課長殿」・・・手紙による告白形式の「推理」小説。トリックは凡庸なものだが、当時の時代背景が少し興味深い。 「防空壕」・・・一種の幻想小説かな。戦争中の空襲の審美的描写が不謹慎さを伴いながらも秀逸。ラストのオチも利いている名品。 「断崖」・・・一組の男女の対話のみからなる実験的な作。思いついたトリックをお手軽に短編に仕立てたって感じだな。でも名作「お勢登場」の続編と捉えれば面白いかも。 「兇器」・・・明智小五郎の探偵教室って感じ。トリックは名探偵コナンでも使えそうな単純なもの。(既に使用されたかも?) 「灰神楽」・・・少年時代に春陽文庫版で読んで再読だったが、個人的には本作品集の中では一番のお気に入りである。倒叙ものだが、乱歩独特の迫真的筆致で犯人の焦燥感が良く描けている。小品ながら名作だと思う。因みに私は「灰神楽」という単語をこの作品で覚えました。 | ||||
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乱歩ファンにはやはりそれぞれに愛着のある作品があると思います。本書はその中でも乱歩の長編小説が3編に短編が2編収められています。読み応えのある1冊。個人的には乱歩作品の中でもこのタイトルにもなっている化人幻戯は長編小説としてかなりまともな作品のひとつだと思っています。 | ||||
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乱歩を何作か読んだあとだと後半のほうでうっすら犯人に気づいてしまいますが、それを考慮しても面白い作品だと思います。トリックも良く考えられているのですが、惜しむらくは犯行の動機がイマイチすっきりしません。これは人によって違うんでしょうけど。 | ||||
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乱歩を何作か読んだあとだと後半のほうでうっすら犯人に気づいてしまいますが、それを考慮しても面白い作品だと思います。 トリックも良く考えられているのですが、惜しむらくは犯行の動機がイマイチすっきりしません。 これは人によって違うんでしょうけど。 | ||||
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『化人幻戯』においても、主人公の由美子には、乱歩の描く女性の尽きない魅力があらためて感じられました。由美子は、天衣無縫さと知性を兼ね備えた人物として描かれており、とくに終結部で、乱歩の女性像の洗練ぶりがうかがわれます。 | ||||
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『化人幻戯』においても、主人公の由美子には、乱歩の描く女性の尽きない魅力があらためて感じられました。 由美子は、天衣無縫さと知性を兼ね備えた人物として描かれており、とくに終結部で、乱歩の女性像の洗練ぶりがうかがわれます。 | ||||
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