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プラスティック
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プラスティックの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全40件 21~40 2/2ページ
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最近、岡島二人の短編集が発売されました。久しぶりに彼らの作品を読みました。中には未読の短編もありました。 それは、ある意味平凡なミステリーではあるのですが、非常に現実感があって著者の次の作品も読みたくなります。当時、非常に好きな著者でした。もちろん全て読みました。 おかしな二人、によると文章は全て井上夢人氏が書いていたそうなので、岡島二人は解散してもその作品は続くことを期待していました。 しかし、この作品は謎が謎を呼ぶようなスリリングなものではありますが、岡島作品とはかなり作風が違っています。岡島ファンとしては残念です。私としては、もっと平凡で現実感のあるミステリーが読みたいと思っています。 残念ながら、岡島二人はもういないのですね。 | ||||
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おもしろくて最後まで一気に読んだ。前半から中盤にかけて発生した謎が後半から徐々に明らかになっていき、最後に帰結する手法が見事だった。最初は誰が、いつ、何をしたのかよく分からず著者の思い通り混乱させられてしまったのだが、途中からある重要な事実が明らかになる。言い方が難しいのだが、まさか全員が…とは思わなかったので、驚きだった。重要な事実が明らかになったあとでも、どんな経緯があったのか十分読み応えがあったと思う。 | ||||
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かなり序盤で展開が読めてしまいます。大昔に読んだこのジャンルの某超有名ノンフィクションとかぶってる部分が多々ありますし、オリジナリティは感じられませんでした。中盤の終わりで「実はこうでした」と読者に明かされますが、そこからラストに向けての補完があるのはこの手の話には珍しいかな、と思います。ただ全く意表をつく展開も無く、坦々と…。結局これは何にジャンル分けされる作品なのか?読み終えてもよく分かりませんが…作者さんが何を伝えたくて書かれたのか。けれど、この方の書かれる作品のテーマはとても面白いので、他の作品も読んでみようかと思います。 | ||||
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実母や義父からの虐待で歪みきった初美は、その現実からエスケープするために複数の「人格」を生み出してゆく。ある者は合理的に、ある者は狼狽しながらも、互いに補完しあいながら共存する「彼ら」だったが、一組の夫婦の出現によって最悪の形で歪みのトリガーが引かれてしまう…。 断っておくが、これは単なるありふれた多重人格ミステリではない。観察者たる人格・「高幡」が他の「人格達」に、各々の動きを54のファイルを収めた一枚のフロッピーに書き込ませるという前代未聞の構成が、この作品をサイコサスペンスの域を超えたものにしているからだ。後半で「高幡」によって真相がひもとかれ始めるシーンは、読んでいる自分までがあたかも初美の「人格」の一部であるかのような錯覚すら覚えかねないほどの慄然たるものである。 「人格達」の共存の限界を感じ、過去のトラウマから眠ったままの初美を覚醒させようとする「高幡」。それに対する初美の反応を、井上夢人はあえて空白にして、読者の想像に委ねている。この実験的な物語は、畢竟、最後まで最大の謎を露にすることはないまま幕を下ろすのだ。ソロになってからSF色が強くなった井上の作品の中でもとりわけ異色の一作。当作が読者に投げ掛ける後味の悪さは出色であり、評価に値するものだろう。が、彼の余りにもラディカル過ぎる試みは、私にとっては、圧倒されはしても、喜べるものではなかった。岡嶋時代を通しての売りだったリーダブルで品性のある文体が大きく変質しているのに、何よりもぎこちなさを覚える。加えて、鋭二の弟が「恭輔」とたまたま出くわすなど、余りにも偶然に頼り過ぎた全体の運びには、首を傾げずにはいられない。 冒険は大いに結構だ。井上の果敢な船出にはエールを贈りたい。だが、蛮勇が過ぎると遭難のリスクも高まる。くれぐれも無鉄砲な航行をせぬよう留意して欲しいと強く願う。 | ||||
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日本ミステリーの傑作中の傑作。ミステリーという枠を外し、現代小説としても最高峰なんじゃないでしょうか?トリック自体はどんな人でも半分以上過ぎたら分かってしまいますが、だからつまらないわけではなく、後半からが面白くなってきます。作者の井上夢人氏がトリックで「アッ」と驚かせようと意図しているとは思えず、54のファイルや複数主人公による進行もストーリー上の必然で、圧倒的な文章力も有ってか、主人公の不幸な過去や哀しみが上手に表現され、一言の台詞すら無い本当の主人公が浮き彫りになってくる構成は圧巻というしかありません。ラストの1ページは賛否両論が色々と有るだろうけれど、私はクールなラストに大感動しました。映像化は不可能に近く(よほど上手くやらないと、視聴に耐えられない代物になってしまう筈)、読み進めていくうちに小説ではないと表現出来ないと理解出来るでしょう。ストーリーは似ていないけれど、何処となく我孫子武丸の『殺戮にいたる病』を彷彿とさせます。解説も秀逸。 | ||||
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ある意味井上夢人という作家の特質が如実に出ている作品。 それは、読者にとても「優しい」ということだ。 文章は平明で読みやすく、メインとなるトリックも最後まで引っ張ることのできた読者は驚きを十分に堪能できるであろうし、早い段階で気付いた読者に対しても、自分の考えを確認あるいは敷衍しやすいよう解りやすく伏線を張り巡らせラストまで澱みなく導いてくれる。 この作家は作品のトリックや構成のもたらす効果・驚きを無意味に隠そうとしない。 不要な目くらましやペダントリックな言い回しで読者を幻惑しようともしない。 逆にいえばそれは ぶれのない自信の表れでもあるし、確固たる実力の証ともいえる。 この作品のラストも、トリックの向こう側にあるものを感じて下さい、という作者のメッセージがいやみなく私たちの胸にひびく仕上がりになっている。 | ||||
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出張中の夫の帰りをひとり待ちつつ、ワープロの練習を兼ねて日記をつけている主婦・向井洵子。彼女の周辺で奇妙な出来事が起こり始める。誰かが彼女を狙っている?それともおかしいのは洵子のほう?次々にあらわれる矛盾。混乱。殺されたのは誰?一体なにが起こっているの!? 最高におもしろいです。読み出したら途中やめるなんで絶対にできない。就寝前の読書用には決してしてはいけません。 この手の話は結構多いし、中盤から結末の予想はなんとなくつくけど、高幡英世まで・・・だったとは思わなかった! そしてファイル54のページ、すごく効いてて深い余韻へとつながっている。ここを埋めるべきなのは、読んでいるあなたかもしれない・・・。いいね!うまいね!作者の手腕に感動してにんまりしてしまう。 文章のテンポがよく、読んでいて気持ちがいいので、結末を知っていても何度も読み返してしまう本です。 | ||||
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序盤から、読めば読むほど混乱してくる厭らしい展開で、何が真実なのか、誰が何をしているのか、自分が馬鹿になってしまったような錯覚に陥ってしまいます。中盤過ぎに明らかになるひとつの事実によって、謎が氷解していきますが、最後までテンションは下がることなく続きます。お約束といえばお約束のメイントリックですが、最初から最後まで良く考えられた作品です。 | ||||
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1枚のフロッピイディスクの中に様々な人間のファイルが収められていて、読者がそれを読んでいくという形で物語が進行していく。はたしてだれがどんな目的で事件を起こしたのか?しだいに真実が明らかになるとき、意外な展開に読者はきっと、あっというに違いない。結末は・・・どうか自分の目で確かめてください。 | ||||
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井上夢人は「メデュサ鏡をごらん」につづいての二冊目であるが、「メデュサ...」とはまったくタッチがことなる。この人は多才な人で1、2冊で固定的な印象をもてる作家ではないようだ。普通のマンションに住む平凡な主婦が不可解なできことに巻き込まれる。本格ミステリーのタッチを十分に味わえる緻密な展開に、フロッピーに残されたファイルを一つ一つ開けていくという心地よい閉塞感が手伝ってどんどんひきこまれます。そして最後は完全に説明がつく内容で終わるのだが、余韻が残り、「プラスティック」という意味を理解させられる。考えてみればわれわれもプラスティックなんだよな。星4つは、ちょっと僕には地味すぎたから。でも内容そのものは十分星5つです!もういちど最初から読み返したくなる作品。 | ||||
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ある殺人事件の顛末が交互に人称を変えながら進んで行きます。結末はほとんど予想通りだったので個人的な衝撃度は低いです。これは読者のミステリ経験に大きく依存するタイプのトリックで、○原○や、○○○○彦のミステリを何作か読んだことがある人なら、まず(しかもかなり早い段階で)真相を看破できると思います。ただ、先に書いたこの構成を取った必然性まで含めて綺麗にまとめたことや、リーダビリティに関してはさすがです。トリックだけ見れば失敗なのかもしれませんが、テーマを主張するために作られて仕掛けとしては充分活きており、小説として読中、読後感は悪くありません。 | ||||
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54のファイルが語る物語。同じ人物が間隔を空けて語る。時系列も分からない。54のファイルを自分で構築し、物語を形成する。オチは気にしなくていい。すぐにわかるから。それより、1つの小説をパズルのように組み立てることを楽しもう。ただ読むのではなく、同じ人物が前に何を語っていたかを思い出しながら読んでみよう。ちょっと変わった物語。 | ||||
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主婦・向井洵子の綴った不可思議な出来事の日記から始まるフロッピーディスク。そこから始まる事件の数々。内容説明が難しい作品なのだが、正直に言うと、途中から結末が読めてしまった。堂々と伏線が張り巡らされているし、ちょっとこの手の作品を読みなれている人ならば気づくんじゃないかと言う風に思う。じゃあ、つまらないのか、と言えばそういうことはなく、序盤の不可思議な出来事から、加速度的にストーリーが進行していくテンポの良さは秀逸。 | ||||
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話は、向井洵子がワープロで打った日記から始まる。日記の中で、彼女の身辺に起きた不可解な出来事が綴られている。誰かが自分の名前を使って図書館の貸出登録を行ない、三冊の本を借りていったこと。夫の会社に電話したら、訳の分からない応答をされたこと。そして事件が起こり、事態はますます混迷の度を深めていく。 一枚のフロッピイディスク・ファイルに収められた文書を読んでいく前半から、スリリングな話の展開に目が離せなくなる。複数の記録を提示していく形で話は進むのだが、そこにどのような繋がりがあるのか、どんな意味が隠されているのか、分かりそうで分からないもどかしさ。そこに、実に巧妙な仕掛けが働いていたことを知る話の終盤、妙ちきりんな状況の真相が見えた時、げげっ!とのけ反ってしまった。 告白すればこの作品、かなり前になるが一度読んでいる。非常に面白く読んだ記憶が残っていたので、文庫化されたのを機に再読したのだけれど、やはり面白かった。初めて読んだ時は、やられた!と思った。今回は、前半のつかみから、パズルのピースがするすると寄り集まり、加速していく話の終盤に、作者の騙りのテクニックの巧さに舌を巻いた。 初出が十年前の作品ということもあり、ワープロのフロッピイディスクをめぐる謎というところにやや古さを感じたが、それでも十二分の読みごたえを堪能させてくれた。読み始めた一瀉千里の本書を、ミステリーファン、SFファンの双方にお薦めしたい。 | ||||
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面白かったですね。井上 夢人さんのはテンポも構成も好きなので、楽しく読むことができました。 けど…ラストが色々な意味で衝撃的。 私はそうは終わってほしくなかったのですが…。 ある意味ほかの作品とは違ったものになったのかも。最後の見開き1ページがね。前半は星5つ。後半は星3つってところですかね。 | ||||
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ページをめくるたびに、「次はどうなるんだろう」とドキドキしながら読めました。ただ中盤からオチが分かってきてしまって、読み終わると「やっぱりな~」という感が否めませんでした。ただ、ストーリーが54個のファイルで進行するという手法は斬新で、楽しめたと思います。 | ||||
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[私]の周りで起こる不可解な出来事。そして[私]は殺された。しかし[私]は生きている。読み始めたら止まらない小説です。最初は混乱しますが、次第にストーリーが繋がっていきます。同じようなネタのものは、数多くありますが、良く出来た小説だと思います。破滅への結末へと向かうのか、それとも再生への結末へと向かうのか・・・ | ||||
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単行本も初版を読み、更にノベルスも読みました。オチを知っていてもなお、買いなおして読んだミステリはこれが初めて。終盤で声を上げて驚愕したミステリもこれが初めて。バラバラだったピースが最後に全て繋がる快感を是非。なぜ映画化不可能なのかは、読了後に分かるはずです。(厳密に言うと、ある方法では可能なのでしょうが、ひどくつまらない映像作品になると思われます) | ||||
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安易な○○モノかと思いきや……。語り方の角度により、物語をこれほどまでねじまげることができるのかと、素直に感動。 | ||||
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最初は何がなんだかわけがわかりませんでした。矛盾することが多すぎるし、どうなるんだろうというより筆者はこんなことに説明がつけられるのかというような心配をしてしまいました。が、それは徒労に終わりました。さすがは、井上夢人!しっかりと説明がつけられていて、なおかつ意外性もあり最高です。話自体は少しこんがらがっていて、「そんなのだめ」という人もいるかもしれませんが、安心してください。とても読みやすいです。これが気に入った人は、同著者の「4人のクリスマス」をおすすめします。これも似たような感じの本で、最後の方まで読んでいかないと何がなんだかわかりません。が、やはりしっかりと説明がつけられているので驚嘆することまちがいなし。他にも、有名な「オルファクトグラム」などとても面白い作品があるので、読み終わったあと、あなたは井上夢人のとりこになるでしょう。 | ||||
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