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無理
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無理の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全55件 21~40 2/3ページ
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読むのがしんどかったです。脳みそが疲れます。 登場人物の印象は底辺から社会的地位が高い人まで、 全員ろくでもない人々ばかり。 しかし、それぞれが何を考えて生きているかがポイント。 そこがうまく描写されていました。 学もなく犯罪に走るインチキ訪問販売の男たち。 彼らが何に価値を見出して生きているか描かれていますが、 読者からみると、有難くないものばかりに価値を見出しています。 金を持っている方が偉い、みんなにいい顔ができる。 車と家がステータスなど、まことに単純な物欲のみを追い求めます。 そのために他者を詐欺の犠牲にします。 しかし、組織の中で競争し、認められること、 偉くなることだけに存在意義を見出し、自分を肯定します。 そうした人々のメンタリティーがよく描かれていました。それは本物です。 読んでいてこいら全員早く氏ね!と思うのですが、 彼らも彼らなりの喜怒哀楽をもって生きているのです。 悪い点は女子高生は拉致したオタクの精神異常者の描写です。 犯行の原因として、オタクは現実と仮想の区別がつかなくなるためとしていますが、 現実と妄想が区別できなくなるという意味が分かりません。 それはマスコミが伝えるステレオタイプからの引用と理解できますが、 それをあたかも世間の総意、正しい常識であるかのようにかいつまんで キャラクターを作るのは不誠実だと思いました。 ようするに著者が馬鹿にしているということでしょうが。 (まあネガティブな部分を描くので、他の全ての人間も馬鹿しているでしょうが。) 全体を通して、個人の欲望が破壊しか導きださないこと、何も生まないこと。 文化が無いことみな退屈し住民がまちを出て行く。 そのため、都会の文化を求めるが、それが入ると地域の文化を破壊すること。 舞台は都会でもなく、超田舎でもなく、中途半端な都会になりつつある田舎です。 そこで生きるジレンマが描かれています。 本書は読者が本能的に嫌がる作品です。 ここまで文章を書くのも途中で投げたくなりましたが、 田舎の現実が描かれている丁寧な資料として、それを活かしたエンターテイメントとしてみることができます。 | ||||
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作者の意図することも良くわかります。凄く面白くて早くに読み終えました。 | ||||
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作者の得意とする「ジェットコースターストーリー」が、ある県の鄙びた町である「ゆめの」で展開される。皆、ここに住んでいるが、接点のない5人の男女が主役だ。県の福祉課に勤める公務員友則。彼は、自分の仕事上付き合わざるを得ない、「弱い人々」の傍若無人ぶりにもう辟易している。生活保護を得る資格がないのに搾取しているなまけ者たち。だがある日彼は町で出会った女の浮気現場を見てしまい、仕事をさぼって女におぼれていく。暴走族上がりの加藤はまだ23歳、詐欺まがいの押し売り商法を行う会社に勤め、「真面目に」働き周りに認めて貰うことに生きがいを見出し始めている。しかし、会社の先輩がひょんなことから社長を殺してしまい、その事件に巻き込まれていく。妙子はスーパーの保安員、万引きを取り締まる仕事をしているが、一方新興宗教にものめり込んでいる。自分の年老いた母を引き取るが、魔がさして万引きをしてしまう。山本順一は親の地盤を引き継いだ市議。アル中で浪費癖のある妻を持つが自分もちゃっかりと秘書と浮気している。彼と癒着する土建業者が付きまとう人権運動家の主婦を誘拐し、成り行きで彼女を殺してしまい、自分も逃げられない窮地に陥る。そして最後は女子高生の史恵、ただひたすらこの退屈な町を出て東京の大学に行くことを望む彼女はある日、サイコパスの精神異常者に誘拐、監禁されてしまう。それぞれが偶然も重なり、だんだん堕ちていくという作者のお得意とするストーリーは最後までページをめくる手を緩めさせない。そして彼ら5人が一挙に接点を持つのが多重衝突事故。それぞれの載った車が雪で凍結した交差点でぶつかる。作品の題名である「無理」とは何を意味するのか。彼らがいくらもがいても幸福に届くことは、もう「無理」という意味なのか。早い展開の作品で悲壮感はないが、ふとそう思ってしまう切なさも感じる作品だ。 | ||||
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帯の紹介どおり、「夢も希望も無い」けど、とりつかれたように止まらない。。 奥田さんに翻弄されている。。。 | ||||
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群像劇ですね。舞台は東北の地方都市12万人が住んでいるゆめの市である。そこにすんでいる5人。自分で何とかしようとしているんだけど、この町にいるがゆえになんともできないというもどかしさがわかる。また、ここで暮らさなければならないんだという気持ちも伝わってくる。 相原友則:市役所の社会福祉事務所のケースワーカー。離婚して一人で暮らす。 久保史恵:県立向田高校の高校生。東京に進学希望。ある日予備校の帰りにさらわれる。 加藤裕也:元暴走族で、漏電遮断機を強引に売りつける営業マン。ある日から息子の翔太と暮らすことになる。 堀部妙子:スーパーの私服保安員として勤める。「沙修会」という新興宗教にはまる。 山本順一:市議会議員2期目の議員。産廃処理施設を建設するのに「ゆめの市民連絡会」という市民グループに翻弄される。 地方都市は、消費者金融とパチンコと郊外型ショッピングモールしかないという感じですね。それでも、観光資源があるか、何らしかのメーカーの工場があるかどうかで地方都市の盛衰が決まってしまう。つまり、どうやって財源を集めるかということですかね。 感想は、なんともしがたい地方都市の現状をあぶりだしているなあという印象ですね。最後は、5人をどこかで遭遇させようとする仕掛けなんだろうけど、唐突感が否めない。とっとと幕引きを図ったかなという感じですね。 | ||||
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一度読み出すと止まらなくなる面白さは看板に偽り無い。 しかしラストのオチはいただけない。 群像劇が最後に交通事故で交錯というのはメキシコ映画の 秀作「アモーレス・ぺロス」そのままのパクリだ。 また2組の殺人犯・ストーカー殺人未遂・少女監禁誘拐犯が 偶然、一つの多重交通事故というのは有り得なさ過ぎて 興ざめだ。せっかく疲弊する地方都市の現状を5組の群像劇 がとてもリアルに描けていたのにラストのラストで 架空世界が丸出しになってしまったのは残念だ。 | ||||
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登場人物5人が織り成す普通どこにでも起こりえる出来事ですが、読み込んでいくにつれ気が重くなり、疲れました。気持ちが憂鬱になり、しんどくなりました。 こんな疲れた作品を読むのは初めてです。 | ||||
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実際に起きているであろうことは、なかなか表舞台には出てこない。 地方社会がかかえている暗い闇に光を当てるということだろうか。 次の展開がどうなるか、気になって一気に読んでしまった。 そこに救いはないのだけれど、逆に、そういう状況に陥ることなく、 なんとか生活できている自分の「当たり前の日常」のありがたさに気づく。 現代の社会は病んでいて、色々なところに矛盾が出てきており、 それをなんとかしなければならないのだが、どうにもならないほど、 厳しい現実ばかりがある。 普段、知ることができない、いかにも「ありそうな出来事」を 興味深く読ませてもらった。とりあげるテーマと、この取り上げ方はすごい。 充分、読む価値のある本だと思う。 | ||||
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本作は奥田英朗氏による群像劇。 地方都市「ゆめの」を舞台とし、現代に生きる5人をそれぞれの視点で描く。 社会的な立場が全く異なる5人の主人公達。 彼らはそれぞれ悩みや問題を抱えており、それぞれトラブルに巻き込まる。 そこに彼らのちょっとした弱さが重なり、事態は悪い方へ悪い方へと発展してゆく(但し、史恵を除く)。 そして迎えるクライマックスで、彼らは意外な形で「交錯」する。 それにしても本作は、読んでいて休み所が無い。 風呂にもトイレにもなかなか行けない。 「この続きは明日読もう」なんてありえない。 それほど読ませる力が強い作品。 とても面白い。 | ||||
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出口の無いこの社会で、彼らに未来はひらけるのか?人口12万人の寂れた地方都市「ゆめの」で鬱屈を抱えながら生きる5人の人間が陥った思いがけない自体を描く群像劇。 話がこれでもか、というくらい膨んでいく。そして、臨界点を越えて破裂する。やはり、タイトルの「無理」の名の通り、バブルが弾けた後は、そのしっぺ返しに見舞われ、問題を解決するのは「無理」。ただ、後味は悪くなく、いい気味だと思えてしまう。昨今の社会問題に対して、根っこから掘り下げて描く知識量と文章力が凄い。 奥田英朗からは、読者を楽しませる気配りとリーダビリティを毎回実感させられる。素晴らしい作家だ。 | ||||
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『最悪』『邪魔』次いで本書という順で読破しました。 『崩壊3部作(勝手にそう呼んでます)』の中では最も楽しめました。 市町村合併により誕生した『ゆめの市』。どこか希望が持てる市名とは裏腹に、現状は異国からの労働者や素人売春、悪徳業者や新興宗教が蔓延る東北地方の寂れた市。 そんな灰色の市に住む人々の転落を、クライマックスに向けて、徐々に加速させるように描かれています。 結構なページ数が有りますが、先が気になり一気に読んでしまいました。 ラストは、画にはなるがやはり放しにしないで、しっかり締めても欲しかった。 『ゆめの市』のこれからが、題名の二文字に集約されているように感じます。 | ||||
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無理、邪魔に続く社会派小説。 地方都市の救いのない現状をここまでリアルに描く筆力に脱帽。 ただ、最後のカタストロフィーは強引すぎる。 | ||||
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オチに賛否両論あるみたいですが、個人的には爆笑しました(笑) 5人がどう交わるのか、もうすぐページも終わるよ?どうまとめんの?!…と思いながら読み進め、「そう来たか!!」と結末を知った時には無理過ぎて「えー」と笑いながら呟いた次第です。 ブラックジョークとしては楽しめるのではないでしょうか。 地方都市がリアルに表現されてます。奥田さん独特の皮肉めいた言い回しが好きです。 強いて言えばもう少し続きが読みたかったけど、永遠にループしそうなのでこのオチでいいのかもしれませんね。 もう無理(笑) | ||||
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「インザプール」や「空中ブランコ」には救世主?であるお医者さんが登場しましたが、今回の「無理」には登場しませんでした。著者は弱さを抱えた小市民を描くのが上手いです。もしかしたらちょっとしたことで悩んだり迷ったりしているのは自分だけはないのかも、と思えます。実際に、誰もが悩んだり迷ったりして、それでも生きているのですが、そういう人々をコミカルに描いていて、時にヒドイ人でもあるわけですが自然と読んでいるこちらもあたたかい気持ちになります。分厚い本ですが、名もないけれどこの世に生きる全ての人にドラマがあることを再認識できる、日本の現代をあらわした一冊です。 | ||||
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すべてのエピソードが自分にふりかかってもおかしくない(すでにふりかかっている?)錯覚を起こすくらいリアルな内容でした。 薄暗い内容が多いのにどんどん読み進んでしまう、楽しみにしてしまうのはさすがですね。繰り返しては読みませんが。 | ||||
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テイストは「最悪」と同じ。悪いことに悪いことが重なるパニック小説。 そして舞台は地方都市。この閉鎖された独特の空間での、剥き出しの人間、生の人間を描いた群像劇。 テーマは「束縛」でしょうか。あらゆるものにがんじがらめにされて、どうしようもない。それなのにどんどん状況は悪化する。 描写力はさすが。自らの経験も存分に活かして描かれているのでしょう。 だが、リアリティがありすぎる。全体的にあまりにエゴが剥き出しすぎて、途中で読むのが辛くなった。 ラストの収斂も鮮やかだが、あまりに救いがない。 読後感があんまり良くない作品でした。 でも、これはこういう小説なんだろうな。 | ||||
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作品の内容云々でなく、描写が大事。著者である奥田英朗氏も、インタビュー等でよく仰っていることです。個人的には、この作品に限らず「最悪」も「邪魔」も、結末に無理が有りまくり感が否めません(笑)が、それを上手くカバーしてしまう氏の筆に、やはり毎度舌を巻いてしまいます。…けど、所々で「ララピポと被るな〜」なんて思ったの、わたしだけでしょうか? | ||||
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「邪魔」「最悪」と同じ系列の作品、と思って読み始めたが 読後の印象は違った。 「邪魔」「最悪」は主人公たちが困窮すればするほど笑いを 誘う、という悲喜劇として面白く読んだが、 「無理」は、現代の地方都市の抱える問題をルポルタージュ、 小説仕立てのレポートだった(!?)。 もちろん下請け工場の悲哀もリアルだったが、「無理」のリアルさ はその現実を抱える日本人の割合が多すぎて、笑うに笑えず、 なにやら読んでて段々やりきれなくなってくる程。 氏の「オリンピックの身代金」は昭和30年代の中央と地方の 格差を主人公に怒りを持って告発させたが、「無理」ではそんな 純粋な怒りも持てない。 主人公たちは澱みの中で迷走したあげく、お互いに衝突しても 突破口はない地獄図のようだ。 一見お笑い味をまぶしたこの小説は、自分たちの置かれている 現実を思い起こさせ、超苦い後味となった。 | ||||
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奥田英朗氏お得意の群像小説です。 舞台は夢も希望もない灰色の地方都市。そこで繰り広げられる5人の哀しく滑稽な物語がそれぞれに微妙に絡み合って時間が過ぎていきます。 格差社会の中で弄ばれる彼らの中にふと自分を重ね合わせてしまいます。荒唐無稽とは言えないまでも真っ当ではない彼らの言動がリアルな地方都市の現実の中ではかえってリアリティを感じさせるところが本作の醍醐味でしょうか。喜劇と悲劇とがない交ぜになったリアルが切ない現実を突きつけてきます。 軽いタッチで笑わせながら一気に読ませるので少々分厚いですがすぐに読み切れてしまいます。惜しむらくは、もう少しオチに気が利いていればなというところです。上手に一つに収斂させる点は評価しますが、無理矢理感が強く、疑問も残る終わり方でした。 | ||||
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読むほどに、私が住む地方の情景なのだなぁ・・・・、と感心しきりである。5人の登場人物(主人公?)が負け組ばかりで、彼(女)らの周囲も無知と身勝手な人間ばかり。相手の一言一句・一挙手一投足に幻滅し、自己の優位性を確保するために怒りをばらまく。相変わらず絶妙の言葉回しが、主人公たちと周囲の溝(主人公たちだけが感じている!)を際立たせる部分は、作者の感性あってこそだろう。それが合う人と、合わない人でこの作品の評価は分かれるかも知れない。 この作品には、例によってカタルシスは来ない。あくまでも日本海側?の北国の冬の空のような鉛色のトーンで塗り込められた作品である。こんな作品があってもいいのではないか? | ||||
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