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(短編集)
東京物語
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東京物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全86件 61~80 4/5ページ
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人間の成長は心と体が同時に進むものではない。 20代にもなればもう立派な大人化と思いきや、 そうではないことだって多々ある。 自分は何も変わっていないつもりで歳だけを重ねていく。 もちろん精神的な歳は連動しない。 そんなアンバランスさが明日への希望を生み出す。 よぼよぼの爺さんがオープンカーに若い女性を乗せて走り回る。 世間一般の常識に縛られるような人生では刺激が少なすぎる。 本当は気付かないだけ、気付かないようにしているだけなのかもしれないけど。 | ||||
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1980年代、地方から東京に出てきた青年の青春記。 何気ないとてもシンプルな文章だけど、本当に自然で素直で上手い語り手だと思う、このような文章は書けそうでなかなか書けない。 音楽他その時代を表すキーワードがちらほら出てくる。 作者と世代は違うものの、私も当時どういう生活を送っていた思い出し、同じ時主人公はこういう生活を送っていたと考えるとなんだか妙な親近感とノスタルジーを感じる。 | ||||
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名古屋から上京しきた主人公:田村久雄は大学を 中退し,現在小さな会社でコピー ライターとして働いている。親会社から依頼されているコピー作成の締め切りが迫る中, 社内の雑用を押しつけられたり,友人からの電話に邪魔され,思うように仕事がはかどら ない。そんな中,「ジョンレノン殺害」のニュースが舞い込む・・・ 一人の青年の80年代のエピソードを6編の短編でつづった短編集。30代前半の私にとって 「懐かしい」と言うには,多少語弊があるが,『キャンディーズ解散』『巨人江川の初先発』 『ゴーストバスターズ』『バブル』と言った時代背景を上手く取り入れつつ,1つ1つの短編が 上手くまとめられている。そして,全体では青年から大人へとじょじょに変遷していく様子を ある哀しみと共に描いている。久しぶりに読後感がすがすがしい作品であった。 | ||||
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最後の主人公が29歳が後1週間で終わる頃に迎えた、ある一日の話を描いた「バチュラー・パーティー」。これが最高に良かった。 あと数年で自分も同じ境遇を迎える。僕もきっと主人公と同じような、あいまいな感覚でいるんだろうな、と思う。でも、主人公と同じように何か希望を持っていたいと思う。今と同じような感じで。 「ララピポ」「空中ブランコ」「最悪」なんかとは少し色が違うけど、これはこれでいい。 | ||||
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主人公・田村久雄の18歳(1978年)から29歳(1989年)のうちの、ある一日を描いた作品6篇からなる短編集。 その一日とは、予備校に通うため名古屋から上京した日だったり、大学で彼女ができた日だったり、就職したばかりの広告代理店の仕事に忙殺された日だったりする。周りに振り回され、あるいは久雄自身がカラ回り、とにかくフル回転のめまぐるしい一日が切り取られている。そのめまぐるしさやままならなさ、熱っぽさといった若い季節の象徴のようなものが、久雄のおかれた物理的状況に加え、文章そのものから空気のように立ち上ってくる作品だ。 そしてその季節は、最後の一篇「バチェラー・パーティー」中の友人・森下の言葉でもって区切りを迎える。その締めくくり方が鮮やかだ。ほろ苦さと、いくばくかの不安をはらんだ希望を合わせもつ男たちの情景が、いつまでも印象に残る。バチェラー・パーティーが男たちの特権であるのと同様、こんな瞬間は女同士にはあまり訪れない。いくら80年代とは言え、実際には男だってこんなセリフを言う人はいないかもしれないけれど、きっと似たような場面があるんだろうなあとつい憧れてしまう。うらやましくなる。 | ||||
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私はこの時代はまだ幼かったのですが、読んでいていつの時代も青春はあるのだなと思いました。ジョン・レノンの死に始まり、江川がプロ野球界に登場、そして名古屋オリンピック。バブル前に青春を味わった人にはたまらなくおもしろい内容だと思います。 | ||||
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わたしは1978年生まれなので、この物語で描かれている時代はまだ幼い頃の為記憶にほとんどないのですが、こうゆう時代だったんだぁと 、知らない時代なのにも関わらずなぜか懐かしいような感覚になりました。 特別大きな事件も起きない平凡な話なんですが、主人公がどこにでもいるような青年に描かれている為か、物語に引き込まれました。 この時代を知らない私のような年代の方も、不思議と青春時代がこの頃だったかのような感覚に陥ると思います。 | ||||
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70年代、そして80年代。その時代時代の主な出来事を背景に 描かれたこの作品は、同時代同世代だった私の心を懐かしさで いっぱいにする。親から離れたい、大学生活を楽しみたい、一人前に 仕事をしたい。どれをとっても私が考えていたことと同じだ。喜びも あったが、時には挫折もあった。いろいろなことを経験し乗り越えて、 今の自分がある。できれば今現在の久雄に会ってみたいと思った。 どんな人生を送っているのだろうか? | ||||
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本書は、田村久雄という主人公の東京上京から30歳手前までの青年時代の生き様を6篇収めてある。時代が1970年後半から1980年代なので、若干わからないところもある。<6篇の話の概略>・あの日、聴いた歌ー大学を中退して、小さな広告代理店に入社して、雑用に追われて忙しく働く。新入社員って、奴隷みたいなものですよね。何らかの雑用をしなければならないからね。・春本番ー名古屋から予備校に通うために東京に上京してからの話。東京という街に戸惑う。私が大学卒業してから就職のために東京に来たときは、なんて広い街だなと思いました。・レモンー大学の演劇部での話。女友達との接し方(特に酒乱の女)にもう少し気を配るべきだろう。仲間ととわいわいがやがやできるのがうらやましいなあと思いました・名古屋オリンピックー仕事にも慣れてきて、他人に厳しいせいか、部下のできの悪さにいらだつ毎日である。私もできないやつを見るといらだってしまうんだよね。しかし、部下を使って仕事をしていかないと、自分は上の仕事にステップアップしていかないんだよ。また、部下の指導は時間がかかるから、何ができていて何ができていないのかをきちんとヒアリングする必要はある。まあ、何でもかんでも仕事を抱え込むのが一番よくないのかもしれない。・彼女のハイヒールーいやいやながらお見合いをさせられた久雄と洋子の1日デートの話。気が強い洋子に翻弄されつつ、次第にお互いを認め合う。・バチェラーパーティーーフリーランスで働いていながら、郷田というクライアントに翻弄される。パーティー会場で、ベルリンの壁の崩壊を見たとき、「もう青春が終わって、人生が始まる」というところが、30代への移行を表しているのかなと思いました。また、30代への旅立ちという意味もあるんでしょう。私も来年で30になりますが、私自身はまだ青春は終わっていないと思っています。だんだんふけていっているんだなとは思います。6篇の話のなかでは、私は名古屋オリンピックが一番好きでした。自分が上達してきたら、新入社員の出来なささを見てついいらだってしまいます。自分にも出来なかったころもあったんだと思って、新入社員にも接しないといけないんですね。また、初心忘れるべからずといって、若いころの気持ちを忘れたらいけない。 | ||||
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久雄が上京してからの11年を6編で描いている。初めての一人暮らし、大学での恋、仕事で多忙な日、天狗になった日・・・。その中で久雄がいろんな人達と出会い、経験し、成長していきます。とても共感できるし、しみじみさせていただきました。印象的なところ・・・久雄の母が息子を送り出すところ。言葉にはしないけど温かくてとてもジーンとさせられました。あと、もうみていない夢だったはずなのに踏ん切りがつかず苦悩する友の姿でした。悔いが残らないものはないんじゃないかなぁって思った。。。 | ||||
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主人公が名古屋出身ということもあり、名古屋弁での親とのやり取りも面白いが、主人公の久雄が出会う様々な人達の中にまさに青春そのものを感じる。先輩から子供のような扱いを受けてしまう久雄。あこがれの女子先輩に振り回せれる久雄。仕事の取引先の「大人」から叱られ諭される久雄。バブル期に金の力で人が代わってしまう社長とその悲哀を見る久雄・・・そのすべてを「青春」という言葉では片付けられまい。何者かになりたくて、30近くなっても「将来何になりたいか」を考えている若者たち。あきらめられない若者たち。踏ん切りのつかない若者たち。時代が変わっても変わらない世代というのはあるものだと大いに共鳴した。 | ||||
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時代描写やら主人公を取り巻く背景の表現が良い。断片的ではなく、読者をぐいぐいと引き込む流れるような書き口が気に入っている。上京して後楽園の近くでキャンディーズの解散コンサートに出くわすシーンなどは、それが主ではないのだが、BGMのようにストーリー全体を引き立てている。この一冊が気に入り、立て続けに奥田 英朗作品を読んでいるが、伊良部が大活躍する「空中ブランコ」や「イン・ザ・プール」なども毛色が違っておもしろい。「邪魔」も読んだが、上記作品とはまた違うタッチのものになっている。彼はいろいろなポケットを持っているようなので、今後も楽しみだ。 | ||||
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自分は著者より10歳ほど年下で年齢のギャップはあるのですが、「自分にもこんな頃があったよなあ」としみじみ感じました。あの頃に戻りたいとは思いませんが、「若いっていいなあ」と思ってしまいました。 | ||||
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理想とは左斜め下45度のあたりにいるような現実.そして,慌しい東京,そしてバブルの時代.そんな主人公のやたら忙しい充実した1日を切り取ったよう短編が続いていきます.自分も年に4~5回そんな1日があるが,そういう日の自分は何も考えられなくなってしまします.でも,この主人公は現実に葛藤しつつも,今の自分に信念と責任を持ち,未来の自分が見えてる感じで,すごくかっこいいです.とても勉強になりました. | ||||
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80年代に青春を過ごした私にとっては楽しくウキウキと読むことが出来た。少しせつないくらい感情を移入して。ぜひその他のエピソードやその後の主人公を描いて欲しいと思います。★5でもよかったのですが、まだまだいいのがでてくるという期待感をこめてこの評価としました。 | ||||
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主人公の久雄とは、歳は少し違うが出身地が名古屋だけに親近感が沸いてきて興味深く読みました。80年代は私にとっても「独身時代」そして、景気が昇り調子の時代。89年で終わっているところは、その後の久雄の90年代を想像させるのに十分だと思いました。 | ||||
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どこにでもいる、ごく平凡な青年「久雄」の青春が6つの短編で綴られた力作。舞台は激動の80年代、東京。青春というテーマのもとに、誰もが共感しえ、そして共感したくなるなにかを、奥田氏の感性を通して淡々とたどっていく。楽しく、切なく、あまずっぱい1冊。 全編にわたり、1978年‾89年という久雄の11年間が描かれているのだが、本の中では1短編は主人公の各時代を象徴する「ある1日」の出来事のみを扱っており、全6編(都合6日分)を読めば、久雄の成長から当時の時代背景に至るまでを共感しながら知りえる。この構造が非常によく出来ており、読ませる。 | ||||
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80年代の時代を背景に、名古屋から上京した田村久雄の20代を描く連作短編集。他の作品同様「笑い」「しみじみ」「泣かせ」のツボを押さえた作品である。作者自身は岐阜県の出身であるが、その後のコピーライター、雑誌編集者という職歴をみると、半自伝的な部分はあるのかもしれない。作者の作品は、「最悪」「邪魔」の路線と、「マドンナ」「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」に代表される路線に大別されると思うが、本作品集は、後者のカテゴリーに入る。 | ||||
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大都会に自ら飛び込んでいった主人公が、けものみちを行くがごとくの中で、無意識に取捨選択していったときに見えてきたもの。その芯なるものを、露悪的に、スカトロジックやノスタルジックで、照れ隠しのように、蔦で覆うがごとく隠しているようであるが、読む側に、そこはかとなく伝わってきて、実は、とても品位のある本だった。なかなかの骨太小説である。 | ||||
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地方から東京に出たことのある人ならこんな感覚わかるでしょう。読んだとき、そのときの感覚が湧き上がってきて、一人恥ずかしくなって身悶えてしまいました。そうです、なんかわからないけど未熟な自尊心といってしまえばそれまでですが、かっこわるいカッコツケをしてたなー。後半は就職して30を迎えるまでの物語となっています。しかし秀逸なのは前半です。青春物を愛する人は必読です。 | ||||
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