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死の泉
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死の泉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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一気読みの面白さ。登場人物の一人が著者、作者自身がその翻訳者という設定で、本筋のあとの「あとがき」までを読み物として、二重のどんでん返しが用意されている。登場人物の人間的掘り下げがやや弱いこともあって、凝った構成とテンポの良さで長大な映画を見ている感じだ。映画好きなら監督とキャスティングを思い浮かべながら読みたいところ。時代考証含め、作家のエネルギーと想像力の凄さを堪能できる一冊。 | ||||
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メンタルが確かな時に読むのが良いかもしれません。 しかし、この様な悲惨な事があって、今があることを大事にしたいです。 | ||||
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中古で色も焼けてましたが 本を読むのにはなんら問題ありませんでした!ありがとうございます! | ||||
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皆川さんの短編小説はいくつか読んだ事がありましたが長編は初めて手に取りました。 深い知識をベースに経験を積んだ小説家だけが書ける複雑なストーリー、幾重にも重なるテーマ、多面的なキャラクターが織りなす深みのある小説でした。一方でエンタテイメント性もしっかりあるので最後まで飽きずに読めます。 「小説」が好きな方にオススメ。 ただ、ミステリー性や謎解きの面白さを追求する物語とは言い難いので、そこだけはご注意あれ。 | ||||
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さっそく届きました。読み応え十分。観に行きたい舞台の原作小説、観劇までに読破したい! | ||||
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読んでる途中は、カストラートと言えば、キングズレー・エイミス「去勢」を思い出したり、敗戦国の国民の心情が根底にあるのではなどと考えながら読んでいたのですが、こんなことだったのかと、思いつつ最後の数行を読んで、登場人物の4人が登場し、しかも2人は、死んでいるはずなのに・・・。あれ~っ???でもって、本文中のあとがきの最後で、これまた物凄いゴシックホラー風の怖い怖い謎。なんだこれはと、考えていたら、眠れなくなりました。でも、分かりません。どうなっているのか、教えてほしいです。 | ||||
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先ずは偉大なる作者皆川博子氏に敬意を表します。長編を舐めるように読みました。内容もさることながら、ひきつけられるのは目にも鮮やかなその表現法です。何度でも読みたくなる作品です。 | ||||
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作中作「ギュンター・フォン・フュルステンベルク著 野上晶訳」としての「死の泉」と言う事? 良くあるのが作者「皆川博子」が作中作を見つけて物語る形だが、これは違っていた。 皆川博子=野上晶? 戦中のミュンヘンのナチ施設「レーベンスボルン(生の泉)」から始まり戦後のミュンヘンで完結する。 戦前のナチに対するドイツ国民の歓迎から戦後の否定の史実が描かれているのが良いね。 岩塩鉱山の地底湖での物語と、ラストのユーデンガッセの場面、野上晶の「あとがきにかえて」は 矛盾が有る。 さて、誰が騙って語っているのか・・・ | ||||
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第二次大戦下のドイツが舞台ですが、基本的に主人公の暮らしは戦争から隔離されておりあくまで時代が「第二次大戦下」というだけで戦争の描写はあまりありません。油断した隙に戦争が終わっていました。「怪しげな研究者との不思議な暮らし」が主な内容です。 結合された双子、カストラート、怪しげな人体実験など興味深い伏線をちらつかせながらも、最終的に私が求めていたものはさらっと流された印象でもどかしく感じ、後半は「ああ、なるほどそういう展開になるのか……」と思いながら読み進めました。 最後のどんでん返しも、「ああ、なるほど」という感じで、アッと驚くという感じではないです。 「不老不死、双頭の去勢歌手、古城に眠る名画、人体実験」というワードに惹かれて読み始めると少し物足りなく感じるかもしれません。 でも私はとても好きです。 | ||||
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この作家は、読み始めるまでに大変勇気がいります。多分巷に溢れる娯楽作品とは一線を画しているからでしょう。読む毎に作家の創造力(想像力?)の凄さに打ちのめされます。それが快感と感じる人にはお勧めです。 | ||||
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第二次大戦下のドイツのナチの施設「レーベンスボルン=生命の泉」で私生児を産んだマルガレーテをヒロインとした物語。前半はマルガレーテ自身の回想譚と言っても良い戦争終結までの記録風の記述、後半はその15年後の後日談という体裁になっている。ナチによる人種改良実験、それに献身するマッド・サイエンティスト的人物が登場する辺りは、後の「薔薇密室」(濃密な迷宮の物語)を思わせるが、それに比して本作のミステリー風味は非常に薄い(<ミステリワールド>中の一巻として発表されているのが不可解)。むしろ、男声ソプラノに象徴される歪んだ美・黒魔術的創造物の追求、戦争・人種改良実験に翻弄されるマルガレーテを取り巻く"家族"の問題を扱った一般小説の様に映った。本作を、本作中のある登場人物が執筆した本の翻訳という体裁で読者に提示している点が唯一の工夫と言えるが、ミステリー的アイデアという程のものではない(この体裁なら何とでも書ける)。 そして、広い意味での家族の問題を除くと、本作で扱っているテーマは澁澤龍彦氏の一連の「博物誌」エッセイを想起させ、新規性を著しく欠いている様に感じられた。第二次大戦下のナチを題材としている割には物語としての起伏にも乏しく、この点でも物足りなさを覚えた。特に、(前半で描かれる)マルガレーテは悲劇のヒロインと言うよりは、自己保身欲の強い驕慢な女性に映り、この点も全体の物語の求心性(特に愛に関わる部分)を殺いでいる1つの要因になっていると思う。帯には「構想10年」とあるが、それにしては寂しい内容。本作執筆時の取材が「薔薇密室」に活かされている気がするが、本作自身は期待を下回る出来で残念に思った。 | ||||
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作中作を使った構成のミステリーを読んだ経験があるが、ラストのおちといい、ひねりといいすばらしいと思う。 第二次大戦中のナチスドイツの将校とその家族、取り巻く人々が主な登場人物だが、芸術至上主義、不老不死を意図した人体実験、敗色が濃厚になるにつけ精神的なバランスを崩していくナチス幹部が繰り広げる狂乱など、皆川ワールドがいかんなく発揮された傑作である。ミステリーとして、ラストのひねりも十分にきいているが、それより容赦なく読者を取り込んでいく、この物語力とその余韻にゆっくりとひたりながら読むのがふさわしいと感じた。 | ||||
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前半は本当にクラウスの強靭ぶりや施設の環境 設定に ものすごく不気味さを感じました。 ですが…真ん中で止まってしまいました。 人称がかわり 文章体も変わり… イマイチ設定が把握できなくて 最期まで読むのが辛くなってしまった。 アイディアとしてはいい感じなんですけどね〜 | ||||
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ナチスドイツの時代とその戦後を舞台にしたもので、日本人は全然出てこない小説。北欧神話とかアーサー王伝説とか、人体実験とか散りばめてゴシック小説風ミステリーにしている。しかしナチスとかドイツ好きでない私には、入り込めなかった。確かによく調べていて、米国のナチスに対する姿勢など、歴史の裏側を書いたようなところだけが面白く、登場人物の誰が誰であるかというようなことは、この小説の核心なのだが、それがだんだん、どうでも良くなってくる。推理小説で、あんまり登場人物が多すぎると興醒めしてしまうのに似ていて、どうせ誰かと誰かが入れ替わっていたりするんだろう、と途中で思ってしまうから、だんだんつまらなくなって、最後の「どんでん返し」とやらも、別に面白くはない。まあ中学生くらいなら、これでも十分面白いか。 | ||||
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ギュンター・フォン・フュルステンベルグのDer Spiralig Burgruineを 野上晶が訳したという構成のナチスドイツもの。 耽美と聞いていたが、美少年同士の801はない。 タニス・リーにも栗本薫にも江森備にも劣る。 悪役がナチの科学者だが、 人体実験もおとなしい。 ヒロインが途中で発狂して、 物語の途中にヒロインが見ている狂気の世界が、 唐突に挿入されるのもうっとおしい。 リフレインの手法も手抜きに感じる。 メタフィクションとして大ドンデン返しもあるが、 ミステリとしては伏線の張り方がヘタで、 ああ、そうだったんですか。 という感じでサプライズはない。 ドイツファン以外にはお勧め出来ない。 わざと翻訳調の硬い文章で書いたのだろうが、 文章も巧いとは思えない。 耽美小説として萌える要素は少ない。 ドイツの文化の教養小説として、 ドイツ人になりきって書こうとしたが、 面白い小説としては失敗作だよな。 日本人がドイツ人になって小説書くというアイデアはいいが、 アイデア倒れでしたな。 | ||||
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第二次世界大戦下のナチスドイツ。ナチの施設レーベンスボルンでマルガレーテは不老不死を研究するクラウスと結婚するが・・・。 戦時下のドイツの描写が素晴らしい。物語自体はミステリーというよりも純文学を読んでいる感じだった。だが、この小説のすごさはラスト1行にある。すべての物語が終わったかに思えたその後に、最大のどんでん返しが待っているので、読み忘れのなきよう。普段は「あとがき」は読まないあなた、この「あとがき」は「あとがき」にあって「あとがき」にあらず。もうこれ以上は書けません、先に解説やあとがきを読む人は間違って先にあとがきを読まぬようお願いします。 | ||||
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ナチス、人体実験、カストラート等々、耽美な設定の数々と流麗な文体。前半は素晴らしい。しかし人称が変わる後半では、展開を急ぐためかそれまでの緻密さが感じられず。最後のドンデン返しも蛇足と感じられてしまい…。惜しい。 | ||||
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本書を素直にミステリとして楽しむのは少々難しい。特に最大の仕掛けが村上春樹によって先行されているというのは痛い。しかもひねりに対応する謎が物語内でほとんど設定されておらず、あくまで唐突に驚愕させる類のものであるのは残念だった。それでもP.D.ジェイムズばりの重厚感をもった本作が貴重であることはいうまでもなく、たとえナチと退廃美といったいささか常套なテーマを用いているにしても、ここまで物語を創造できれば了とすべきだろう。それでもあと少しばかりミステリらしくあって欲しかったというのが、正直なところではある。 | ||||
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穏やかな陽光、集うのは金髪碧眼の姉弟と見まがう3人と1人の幼子。 マルガレーテは二十歳、フランツは十歳、エーリヒは七歳になっていただろうか。幼いミヒャエルはまだ何も知らない。ひとときの絵、オーバーザルツベルク。ここは、第二次大戦時のドイツ、私生児を生むため若い妊婦が集まり、見目よい小児を選別しSS将校に提供するナチの施設レーベンスボルン-生命の泉-。すべてはここから始まり、そして還る。前線へ向かうまでのひととき、若い戦士達は女達と遊ぶ。「生めよ増やせよ」とドイツでも奨励されたわけです。彼らの遊びも遊びではなく、国策に沿った行動となるそうな。マルガレーテもそんな中妊娠するが、爆撃により住居と職を失う。行く当てもなく、噂に聞くレーベンスボルンで子供達の世話をしながら子を産み、我が子を飢餓と混乱から遠ざけるため所長と結婚をする。そして外地から寄せ集められた「よきアーリアン」であるフランツと美声を持つエーリヒを引き取り、混沌に向かう外界から切り離された生活に安住していく。何よりも、誰よりもこの子のために....。そして所長である夫クラウスは、狂気を内包した研究者でありカストラートを信奉する。世俗的倫理がなんだ、ナチ政権の行方がなんだ...思い返せば少ない人物による物語。しかし、蜘蛛の糸が幾重にも織り込まれた物語が展開していくのである。 非常に美しく幻想的な小説。静かで少々変化に乏しいかもしれない「1」ではあるけれど、これがなければ15年後はあり得ない。まこと騙し絵のような.....ラスト近くで思わず「騙されたぁ~」と声が出るほど、うまく騙してもらえて嬉しい読書でした。中心となる人々にいろいろ思うことはありますが、何を書いてもネタばれしそうなので割愛。小道具は不気味なものを取りそろえているのですが、最後まで表面上の「美」で覆われて気になりませんでした。というか欲を言えば、もっと地底のおどろおどろしさを出してもらってもよかったかなぁ。第二時大戦をドイツの側から見る不思議さ。日本のいわゆる庶民感覚を全面に努力忍耐を押し出したものを考えると新鮮でした。というか。どうも、今少し後に残るものがなかったち§すね。思い返して絶対的に不足するのは、登場人物の迫力ではないかと。執念、偏執さが足りない。それは、手記でない部分は誰が書いたのか、を考えると「故意に」省いたのかもしれないけれど不満になってしまいます。 | ||||
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