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チーム・バチスタの栄光
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【この小説が収録されている参考書籍】
チーム・バチスタの栄光の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全229件 221~229 12/12ページ
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作者は人間が好きなんだろうな・・と思う。 現役の医師だそうですが、こういう人がいるということは、私達の希望です。(たぶん本当はそういうお医者さんはたくさんいるのでしょうね。お医者の皆さん、もっといろんなことを世の中に発信してほしいですよ・・。) キャラクター設定も、情景描写(そう多くないけど無駄なく上手い)も良くできていて、それぞれに愛情が感じられるので、たぶん読んでいる人は「院長室の窓から見下ろした景色」とか「田口先生の診察室とサイホン式のコーヒーメーカー」とか「天才外科医がメスを見つめる目」とか「変人役人?白鳥氏が食堂のうどんメニューを選ぶ様子」を自然に想像できると思う。 だから、おもしろい。 ミステリーな要素は、犯人探しよりむしろ、人間はみんなミステリーを抱えている・・というところにある感じですが、私はそれもミステリーの重要な要素だと思います。すごく凝った種明かしというのではないですが、ちゃちなところはまったくありません。(バックグラウンドがしっかりしているからだとは思いますが、このあたりは新人とは思えないクールさ。) 最近の話題作ということだと、東野圭吾の「容疑者Xの献身」より、私はこちらの方が良かったです。 (私は東野圭吾も好きです、ちゃんと読破してます!湯川さんも好きです・・ですけど。) | ||||
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見事、そして鮮やか。日々自身の仕事の出来を反芻し、検証し続けなければならない職業に就いているものなら、誰もが投じられた謎への扉に手を掛ける行為に頷くだろう。 ネタバレにならないように感想を述べるのがとても難しいのだが、どうしても伝えたい。登場人物の『証言』に同調し、引き寄せられるものが多くいるはずだ、と。結果を知っているものだけが、神を演ずる瞬間に身体を痺れさせる局面が、あるはずだ、と。著者はそれこそ何百回も、『その瞬間』に身を置いてきたに違いない。そして、もしも...と展開させていったのがこのスリリングな物語だ。ああ、厚手の布の上からもたもたと引っかくような言い方しかできないが、これはこれから読む人に愉しんでもらうための最低限の礼儀だ。さすがに上手い。面白い。覗きたがりの悪趣味と呼ばれても構わない。主人公の視線は読者、そして観客の、畏れながらも好奇心に満ちたサイトにぴたりと重なる。術中死の描写の件などは凄まじい内容なのに、さらりとした爽やかさを含んだ場面の運び方は素晴らしい。 星一点を減じたのは、導入部のもたつき感と、キャラを『いじりすぎ』た読後感が残ったため。このキャラで続編を、と望む感想もあったが、私は読みたくない。この物語だからこそ生きたキャラだと思う。 | ||||
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「チーム・バチスタ」。語感だけ捉えるとなんとも派手でにぎやかな印象を持つが、本書を読んで「へえ」と納得した。成功率100%だった或る手術が、立て続けに3度術死という最悪の結果を招く。そこには医療ミスを凌駕するある秘密が隠されているのではないか・・・。大学病院の院長は院内のアウトロー的存在の主人公に極秘内部調査を託す。次回の手術までに真相を明らかにし、再発を食い止めることができるのか。「手術」という覆いを取ってしまうと、密室、完全犯罪、しかも衆人環視という図式が浮かび上がる。シリアスな雰囲気に完全に場違いな男が捜査に加わると、意外な事実がいろいろ浮上してくるのだ。「いったい何が起こっているのだ?」とそわそわしながら一気読み。 | ||||
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大学病院内の個性的な面々の中で、不本意ながらも真実を突き止めようとする出世欲のまったくない田口と、役人ではあるが変人という表現がぴったりな白鳥の二人の掛け合いや心理戦が、読んでいてとても楽く、手術室の場面でも緊迫感・臨場感全てにおいて一気に読んでしまいたくなる感じ!分かってほしいです。 最後までハラハラ、読み終わって納得の一冊です。お勧めです。 | ||||
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新人とは思えない達者な筆致に驚くばかり。一気に読んでしまいました。変人白鳥さんは新たなキャラクターとして八面六臂。又、白鳥さんの説明でしか登場しないどじ部下の「氷姫」あたりは次回作で満を持してでてくるのでは! シリーズ化を期待します。 奥田英朗さんの伊良部一郎シリーズは読んでいて、ふっと筒井さんの俗物図鑑を思いだし、「筒井さんのあの頃の凄さ」の足元にも及ばないなあと、ため息をついたものです。 同じ系譜といえるこの作品、他の作品を思い起こさせる隙をあたえません。 大学病院の知られざる内幕は手際よく整理整頓されていて、とてもわかりやすく、手術場面の緊迫感はよく伝わってきますし、登場人物の造形もそれぞれ個性的です。 ディテールがよく書きこまれているので、面白くて吹き出す場面が多々あるにもかかわらず重厚な作品に仕上がるという名人芸な作品です。 華々しい前宣伝を裏切らない大物新人登場です! | ||||
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本年度「第4回『このミステリーがすごい!』大賞」大賞受賞作。最終選考委員が全員一致で即座に決定したというだけあって、歴代の大賞受賞作の中でも出色の出来の作品である。 東城大学医学部付属病院の臓器統御外科ユニットで、桐生助教授率いる手術チーム、通称“チーム・バチスタ”は難度の高い心臓手術で成功率100%を誇る栄光のチームだった。ところが最近3例続けて術中死が発生。‘俺’こと神経内科・不定愁訴外来の万年講師・田口は危機感を抱いた病院長の特命を受け、畑違いの分野ながら内部調査に乗り出す。しかし田口の目の前でまたしても術中死が起こる。そして厚労省のユニークな調査官・白鳥が加わり、ふたりは隠された“チーム・バチスタ”の裏側に迫る。はたしてこれらの術中死は医療ミスか、殺人か・・・。 ディテールまでしっかりと描かれた手術の場面や、‘俺’が大学病院、ひいては現在の医療現場が抱える問題点を述べる部分などは、さすが現役の勤務医である著者ならでは、と思わせる。 また全編にわたってシリアスでスリリングな展開とユーモア・ギャグとの違和感のない融合、加えて、白鳥調査官に代表される登場人物たちのキャラクター造形の面白さは秀逸。また日記仕様の短い章立てによる構成はテンポよく読み進むことができる。 私の想像だが、このあたりは、著者が呻吟の末に、時間をかけてやっとの思いで産みだしたというより、もって生まれたエンターテインメント作家としてのセンスの成せるところではないかと思う。 本書は私にとって、今まであまり読んだことのない、新鮮なタイプのミステリーだった。 | ||||
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通例、現役の専門家が書くミステリというのは、 その業界ならではの知識や内部事情というものがとかくクローズアップされがちで、 しかもそれがアカデミックな文体であるほど珍重されがちな傾向にあった中、 本書は紛れもなくそうした垣根を取っ払い、まったく医学や大学病院等の知識がなくてもしっかり愉しめるようになっている文体の軽妙さと、 申し分ないキャラクター設定を併せ持つ。 重厚なミステリももちろんいいが、読者を物語に引き込むのに必ずしも 重厚さが最も適している訳ではないということを、本書は語りかけてくれる。 本作は、文句なしの第一級エンタテイメントである。 「このミス」大賞は−やはり、ダテじゃない。 | ||||
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このミステリーがすごい!大賞選考者の選評を読んで以来、 出版される日を楽しみにしていました。 生まれて初めて書いた小説がこれですって? 登場人物の書き分け、ストーリーの構築、いずれも舌を巻きました。 医療の知識の無い私にも詳しすぎず、かつ十分な臨場感を感じさせる 抑制の効いた専門知識の披露。(著者は現役医師とのこと) 読後感もすがすがしく、エンターテインメント性豊かな作品の 発掘という、賞の趣旨にふさわしいと感じました。 本編にも才能豊かな人物が登場しますが、私にはこの著者の才能が うらやましいです。 | ||||
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ついに出ました。毎年楽しみな『このミス』大賞受賞作です。本作は医療界を舞台にしたサスペンスで、作者が現役の医者というだけあって、さすがリアリティがすごい。単なる空想ものに留まらない真実味があり、引き込まれます。 また、出世街道からはみ出した主人公や天才外科医、得体の知れない強烈キャラの厚生労働省の役人といい、登場人物もなんと魅力的なことか。立続けに起きた心臓手術の失敗の謎を探る物語に読む手が止りませんよ。このミス史上の最高傑作との評価もうなずける作品です。 | ||||
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